【逃げ上手の若君】第五回『決着!犬追物、そして…』――逃げながら戦うその姿は、気品に溢れ【ネタバレ感想】
貞宗に矢を当てられ、怪我をした若君。痛くて怖いと思う一方で、強敵から逃げることに楽しさも覚えていました。
はい。ということで、前回は犬追物という競技で突然弓の名手である小笠原貞宗と勝負をすることになった若君が、ピンチになったところで……けど、その不利な鬼ごっこを楽しむ若君の笑顔で終わっていました。
さすが逃げ上手の若君、ぱない。
とはいえ、技術も体格も大人と子供。体当たりで妨害されては弓を放てませんし、そうなると若君に勝ちはありません。ですが、勝てないと諏訪の領地には徹底的な捜索の手が入り、若君もピンチですし諏訪の人々もひどい目に合うでしょう。
体だけでなく技術も未熟な若君がここから挽回するすべはあるんでしょうか?
なんていうところに注目したいですが、今回のキーワードは狐のお面。なんと新キャラが登場です。ごめん、貞宗。でも君、前回のタイトル名にもなってたからいいでしょ。
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第五回 決着!犬追物、そして…
なんか久しぶりにまともに紹介できた気がする!
いつもまともじゃないって認めた!
前回のあらすじ
尊氏の笑顔。
高氏は後醍醐天皇の諱から字をもらい、尊氏となっていた。そして北条の残党狩りのために小笠原貞宗を信濃守護へと推薦した。
頼重は時行の逃げ上手を伸ばしつつの戦い方を身につける方法に悩んでいたが、貞宗が守護としてやってきたことで彼を利用しようと考えた。
諏訪の犬追物に飛び入り参加した貞宗の挑発を受け、時行と戦わせ、その武芸の腕を身近で見させて時行を成長させようとする頼重。
しかし受けるか受けないかは時行の自由だという頼重に、時行は自らの意思で弓矢を持った。
途中までは頼重の策通りにいっていたが貞宗に弓で撃たれた時行……しかし彼の顔は、楽しそうに笑っていた。
前話より
ピンチの時ほど若君は笑う。
今回のポイント
なんとも若に似合う撃ち方。
- 若は逃げる。逃げながら、戦う
- 盗人と聞いてワクワクしている若君
- 若君はやはり若君(ボンボン)
燃え……いや、萌えどころ。
解説名人と逃げ名人
犬追物の様子を上空から捉えた映像が映り、結構限られた範囲内で行われているのがわかります。
狭いってことは逃げ場が少なくて当てやすそうな気がするが?
ですが馬を反転させたり、という乗馬技術がより問われる気もしますね。
筆者は少しだけ馬に乗ったことがあります(速歩きくらい)が、細かい動きをさせるのは中々な技術がいりそうだと思います。しかも走らせてるわけですからなおさらです。
ここで解説名人、諏訪盛高先生が解説してくれます。点差は若君が1で貞宗が5。逆転するには5点必要です。
という解説の間にも目をキラッキラさせた若君が映り込み……「可愛い」ってなります。
が、そんな若君に体当りしてくる貞宗。正直子どもの体格で振り落とされないだけすごいんじゃなかろうかと思ったりします。亜矢子がめちゃくちゃ怒ってますね。
若君の残りの矢は2本なので首や頭に当てるしかないわけですが……貞宗が冷静に射させてくれるわけもありませんよね。構えたところを狙われます。逆転するのは不可能だと笑う貞宗。体勢を崩す若君。
何も知らない(若君の正体を知らない)観客が「勝負あったな」とため息を付いたところで、観客の一角が不自然に輝きます。後光(ライト)が点灯したのは、当然ながら頼重です。
出た。イケメンモードの後光頼重。……つまり、イケライト頼重?
なんでがっかりしてんだよ!
それとその呼び名はお笑い芸人に居そう!
イケメン頼重も好きなのですが、ギラびやか頼重がなんか癖になるんですよね。
という筆者の好みはさておき、頼重はイケメンモードで若君(偽名:長寿丸)に助言を送ります。――逃げよ、と。
「ただの射撃でかなうはずがない」か。
まぁ、たしかに最初から分かっていたことではあるな。
そう。だから「逃げながらの射撃を編み出すのだ」と。
世界が晴れる
俯いていた若君が、その言葉に反応して顔を上げます。が、郎党たちはそんな指示で大丈夫かと不安そう。
また走り出す若君。嘲笑って追いかける貞宗……ですがここで時がゆっくりと流れ、美しく輝く若君の紫色の瞳には世界が晴れ渡って見えていました。
逃げの若君の真骨頂! 逃げている、と自覚した途端に世界が広く見渡せるようになるのです!
いいねえ、この画面の動かし方。時行の状況がより分かるしな。
どう動くか見当がつかない小さな的を狙おうとすれば、死角から妨害されるこの状況で自分に的に当てる事ができるわけがないと考えた若君ですが、すぐに否定します。この状況でも、狙える的がありました。
弓を構える若君。妨害しようとする貞宗ですが、若君がそんな貞宗へと弓を向けます。押しひねりというそうですが、そんな押しひねりでも狙えない死角を貞宗はしっかりと押さえています。
馬にまたがった状態ではそれ以上体を捻って矢を射ることは出来ない……ならば、その前提。またがった状態が変われば?
若君は「逃げ上手の北条の子」と、自分のことを蔑むのではなく誇るように心のなかで言いながら、またがった姿勢から片足を馬の背に乗せるというなんとも不安定な体勢で弓を構えて撃ちました。
『私は逃げ上手の北条の子だ。
逃げながらなら、なんでもやれる!』
きゃーーーっ、若君ーーー! かっこいいいいい!
ぃよっしゃー!首直撃、2点!
ここ。今までは可愛いとかキレイとかだった若君がガチで格好いいのでぜひに!撃ち方もいい。こんなの現実でできるとは思えませんが、アニメの話だから良い。
白目向いて落馬する貞宗。審判が「おしひねりの首、2点」と宣言し、場が盛り上がります。
三対五になって喜ぶ郎党の横で、納得の声を上げる盛高解説名人。犬を狙えば必ず貞宗は死角から妨害してきます。そして死角というのは限られた範囲であり、襲ってくるタイミングも角度も分かった上に犬より大きい的である貞宗は、今の若君にとっては犬を狙うよりも当てやすい的なわけです。
いやしかし本当に解説がわかりやすいので、うちのところにも解説役として出てきてくれませんかね?
そうだな。お前さんより冷静でわかりやすく解説してくれるかもな。
そうですね……え?
とっさの判断力と体の柔らかさ。やはり逃げの時に若君は力を発揮する、と頼重はしたり顔(に見える)。
弧次郎が「若の得意技はおしひねり」で決まりと言うのですが、ここで未来を見た頼重はもっと少年心をくすぐる名前で呼ばれるようだと、いつもの笑みを浮かべます。
ホッとするこの笑顔。実家に帰ってきた安心感。やはり頼重にはこの胡散臭い笑顔が似合う。
そんでもってまた若君のシーン。ここの背後に流れる和風の音楽もまたいい!
落馬した貞宗。ただただ怯えるのかと思いきや、さすが武芸に秀でた者だけあって冷静です。まだ自分が勝っていて、頭を守れば自分の点数を上回れることはないと頭を守ります。
ひぃって怯えるだけじゃないってのが、さらに良いな!
普通に考えて、踏まれることはないだろうと思っていても、馬が全力で自分に向かってきたらそれだけで怖いですしね。しかも弓構えてますし。
そんな貞宗を飛び越える若君。そこで体を捻って振り返りながら弓を構えた若君。
ここ! ここのクールな若君の表情! 最高か! スクショ撮った! まじで格好いい! 普段の可愛さとのギャップ、プライスレス! 永久保存!
と、ここでまさかの頼重の解説。――盛高解説員じゃなかったのは残念ですが、未来の話なので仕方ないですね。
逃げながらの攻撃の代名詞『パルティアンショット』が炸裂。貞宗の耳付近にあたります。
パルティアンショットに関してアニメではナレーションが詳しく解説してくれてるぜ!
ちなみに説明内で使われている絵画がまた普段と違う雰囲気(なんとなく西洋風な色合い)で描かれていて、それでいて作品全体のイメージを損ねていないのが素敵。
見事に頭にあたった矢。倒れ伏す貞宗に、審判の「おしひねりの頭、三点」の声が響き、会場は大盛りあがり。つまり、わずか一点での逆転。それも勝つことが難しいだろうと言われていた状態から、です。
あえてここで大差がついていないというのもいいですね。大差ついていたらここまでの感動というか、興奮はなかったかもしれません。
たった一点。されど一点。そしてこの一点は……とても大きな一点。
長寿丸の勝ちという勝利宣言。喜ぶ郎党と解説名人(ガッツポーズしてるの地味に可愛い)、少しホッとしたような頼重。
よろよろと起き上がる貞宗。威力を弱めているとは言え、衝撃はあるでしょうからね。
さらにさらにぃっ! 耳元を押さえている貞宗に近づいて、若君は鋭い声で「あなたが射た巫女の耳のお返しだ」と言うんですよ! 格好いい。
それを聞いていた巫女が頬を染めて喜ぶんですが、気持ちはすごく分かる。そんなの言われたら惚れてしまう。
まぁ、耳にあたったのは偶然だそうですが、とっさにそういう言い回しができるのがにくい。
格好いいには変わりないぜ! やるぅ~。
頼重ワールド
そして唐突に流れるぴこぴこ音とドット調のトランジットや背景。まるで某なんちゃらクエストみたいに現れる頼重。今後もこのような形で逃げながらの戦い方を鍛えていくのでしょうね。
賭けのことを貞宗に堂々と言う頼重。後光ライトが点灯してます。
配下に抱えられていた貞宗。負け惜しみを言っています。とはいえ、たしかに貞宗の言う通りで、今の帝にとっては北条に最後まで組みしていた諏訪はなんとかしたい場所の一つでしょうから、所領没収はありえます。
没収の後に残党を探せば良い、と言っている貞宗のすぐ真横に若君がいるわけですがね。
ここ矢印、なんて若君を差して貞宗がそちらを向いたら矢印を隠して、「ぎひ」と笑う頼重……いいですよ。このぎひ笑い。頼重の胡散臭いポイント高めで良い。
胡散臭いポイントってなんだ!?
夕焼けの中、馬で駆ける貞宗。まるで少年漫画のEDみたいな青春っぽい光景ですが、そこに飛び出てくる目玉(きもい)。今回の貞宗の目玉(眼球)ポイント、略してGPはここでしたか。
胡散臭いポイントはUPですかね? いやでもこれだとアップと間違われそう。
いや、そんなのどうでもいい!
という感じの、GP(眼球ポイント)満載の青春アニメっぽい背景のEDっぽいものを見たくなった方は↓コチラ↓からどうぞ!
誰が見たいんだよ、そんなの!
第五回 決着!犬追物、そして…
で、貞宗は考えるわけです。彼は目がよく、観察力に優れています。だから若君の実力を見抜いていたわけで、確実に勝てるという勝算があったとは思えない。それに長寿丸と呼ばれていた若君から漂う気品。気品というのは、そう簡単に身につくものではありません。とくに若君ほどの年齢なら。
というのはさておき。ここで出てくる若君の表情が、これまた良い! 目を伏せているのですが、なんともエr……失礼。上品な色気を感じます。
このイラストそのままのグッズ、というか壁紙欲しい。
あと、北条の子か? と疑う一瞬に背景のマークに注目が集まるというその流れや描写も、アニメならではな感じがしてスタッフのこだわり感じます。
しかし常識的に考えて、そんな重要人物を、北条の残党を探しに来た貞宗の前に真っ先に差し出すか? と貞宗は悩みます。観察力があるがゆえの混乱ですね。
同じく夕刻。鳥居の前で頼重と若君が話しています。貞宗は今頃混乱しているだろうと。
ここで頼重が気になる発言をします。今、北条の残党の噂を全国各地で流しているそうなのですが。
「さるお方と協力?」んー、誰のことだろうな?
わかりません。私も漫画の方は今回はあえてあまり読まずにやっておりますので。
全国どこも怪しいとなると、敵の注意は分散します。ここらへんの考え方は孫子の兵法にも則っているので、頼重はやはりちゃんと兵法学んだんでしょうねぇ。
天下への道はもう始まっている……というところで、ようやくOPが始まります。
武士には卑劣な技は不要なのか
雨の中、一人の男性の声がします。主君のためにと磨いた技が、武士に不要な卑劣な技だと非難されてしまった、と。
ボロ小屋の中で横たわる男性。狐のお面被っていまして、隣りに座っている幼子に話しかけてます。
主君のためにと技を磨けば磨くほど主君からの信頼を失ってしまい、最後は盗みを疑われたと。だからその子供に仮面を渡しながら、何も信じるなと男性は告げます。信じるのは金だけだとね。
玄蕃、と男性に名前を呼ばれたところで、仮面を被った少年が目を開けます。まぁこの少年が、男性の隣りに座っていた子供なのでしょう。
顔が一切見えてないな。描写されない系のキャラか。
そうですね。若干チラ見したことがある漫画の内容で仮面を外すところあったのですが、諸事情によりモザイクが掛かっていた記憶があります。
モザイクっ?
そこまでして顔を隠したいのか?
いや、顔を隠したいと言うか、映してはいけないものを隠すためのモザイクだったんですが……まぁ結局顔隠しになっているのでそういうことなんですかね?
映してはいけないものって何!?
鳥居の上で寝ていた仮面の少年、玄蕃。背景には亜矢子が若君を励ますような声がしています。鍛錬でもしているのでしょうか?
どうやら若君がたくさんの書を運んでいたらしいです。幕府の跡取りがなんでこんな重労働させられているのかと嘆く若君ですが、頼重はしれっとしてます。周囲からの扱いが良すぎると疑われてしまいますからね。仕方ありません。
今の若君は、あくまでも長寿丸なのですから。
筋力がなくて大変そうな若君を笑顔で見守る弧次郎は、武将として育てられているだけあって平然と荷物を抱えています。
一番警戒しないといけない貞宗は昨日、犬追物で大恥かかされたばかりだからそうそう来ないだろう、なんて話していたら「よっ」と可愛らしく(?)手を振りながらやってきて、若君と弧次郎は仲良くズッコケ芸をしています。
いやなんでここ貞宗の頬を染めた上にピンク背景にしているのか。……アニメスタッフに貞宗推しの人がいるのかも?
笑顔の貞宗。手強いですね。
さらなる綸旨
どうやらまた綸旨を持ってきたそうです。解説の盛高氏が教えてくれます。先日のは守護についたことについてでしたが、今回のは……諏訪の一部を没収して小笠原領とする、というものでした。
ここ、地図も表示してくれるのでわかりやすいですよ!
一〇日以内に(諏訪の)郎党たちに退去してもらうように主として告げるように、と頼重に告げる貞宗。さすがの頼重も顔は険しいものとなっています。
貞宗は去る時に若君を一瞬見ますが、鼻で笑うだけで特になにか言うことはなく去っていきました。
夜。
諏訪の者たちが集まって話をしています。自分たちが手をかけてきた土地。それをそうそう渡せるわけもありません。みんな、小笠原と戦うことを念頭に置いてます。
頼重に決断を迫る郎党たちですが、片目? っぽい迫力ある人が妙に印象に残ります。名前が出てこないんですが、また後々でてくるんでしょうか?
青年漫画っぽいタッチで、渋格好いいぜ……。
頼重は静かに告げます。綸旨に逆らって戦を起こすと朝敵になります。そうすると、向こうに良い大義名分を与えてしまうことになってしまいます。小笠原だけでなく、朝廷が敵になってしまうのはかなりのリスクです。
まだ立つべきときではない、と彼らを今日のところは帰させる頼重でしたが、部屋の隅で悩んでいる若君を呼びます。
長寿丸、と呼んでいるのでこの場にいる面々全員、もしくは一部は若君の正体を知らないようです。
知られる危険のこと考えれば、一部の人間にだけ教えてるんだろうな。
机に向かい筆を走らせる頼重と、本当に雑用させられている若君。ここで郎党の名前、逃若党の名前のことが話題に登ります。頼重は褒めてますか、若君は褒められている気がしないと。
それよりこれからどうするのかのほうが若君は気になります。それはそうですよね。お世話になっている諏訪の人たちが北条をかばったせいでひどい目にあっているわけですし。
そんな若君に「あなたは道理をわきまえているが、それだけでは足りない」と頼重は言って向き直ります。
そこで、先程出てきた仮面の少年、玄蕃の正式名称が出てきます。風間玄蕃(かざま・げんば)というそうです。逃若党への加入を勧めたい、と。
玄蕃の師? らしき人物はどこかに仕えていたようですが玄蕃は師の教え通りお金だけを信じているのか、盗人として有名なようです。どこにでも忍び込んでどんなものでも盗み出す……という話を聞いている若君がワクワクしているのは、さす若です。
普通はそれで目を輝かせないだろうしな。
逃げ上手の若君とは相性が良さそうですね。
すぐに我に返ってなぜ盗人を仲間に、と聞きます。普通、主君の郎党(信じられる仲間)に盗人をすすめたりはしないでしょう。
実は頼重には依頼したいことがあったのです。依頼内容は……貞宗の綸旨を盗み出すこと。
そうか!
盗み出してしまえば、綸旨も効力を失う。だってないんだからな。
さりげに京からの情報では綸旨の発行には時間がかかっている、と言ってますね。
で、ここで思い出すのは「さるお方」。貞宗の勝負が終わった後に頼重が若君に話しかける時に会話に出てきた謎の人物のことです。
日本全国に北条の残党情報をばらまく、というのは現代日本ならともかく、人づてに物事を伝えるしかないこの時代では大変なことです。それが可能な人物……あちこちに伝手があり、地方の者たちが従う力(権力や武力、財力など)があり、かつ……京の都の情報を手に入れることができる人物。
もちろん、情報提供者はただたんに京の民である可能性もありますが、諏訪と京都は直線距離でも中々あります。そんな遠い場所に、信頼できる情報網をそう簡単に築けるのか……。それよりは、京に本拠地をおいている有力者の情報網を使って得た情報と考えたほうが現実的かなと。
ふむ。たしかに一理あるな。
原作の漫画はだいぶ進んでいるみたいなので、判明しているかもしれませんが……。
判明する時が楽しみですね!
とにかく、綸旨を紛失させれば次の発行には相当な時間が掛かるでしょう、と。
乱暴なやり方に若君は引いてますが、頼重は「正しいことだけ」ではこの先やっていけないから、邪と呼ばれる者も使いこなしてみてください、と笑顔で言うのでした。
去っていく若君を見送り、心配そうな声を上げる盛高解説名人。子供だけで危険かつ大変な任務につかせるのですから、当然でしょう。頼重はそれに対して落ち着いて返すわけですが……去っていく盛高解説名人の頭に、狐の耳のようなものが……?
偽物じゃねえか!
一応頼重も違和感に気づいたっぽいですが……体格がぜんぜん違う人物になり済ませられるのはすごい技術ですね……耳はともかく。
無欲? な盗人
盗人がいるという里へやってきた逃若党の面々。
おおっ、自然の描写が美しくていいな!
雰囲気があっていいですよね!
私は特に川の水の表現が好きです。キレイ!
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第五回 決着!犬追物、そして…
当然四人は盗人についてよく知らないため、その里の人達(老夫婦)に聞くことにします。雫たんが聞くのですが、可愛いです。話しかけられたおじいさんが「可愛らしいお嬢さん方」と警戒心緩そうなのはよくわかります。
人を探している、というところまでは親切そうだった老夫婦ですが、雫ちゃんが「風間玄蕃」と口にした途端に様子がおかしくなります。
おいっ、突然エコーがかかっ……って、すっっっっっごい勢いで逃げて家に閉じこもったぞ!
しかも老夫婦だけでなく、その名前を聞いた周囲の人達全員が、ですね。すごい反応です。
鶏まで逃げてるじゃねえか。どれだけ嫌われてるんだ。
と、ここで若君の背後から声がします。自分に逆らったら地獄を見るから、誰も俺に逆らわないんだ、という声が。
悲鳴を上げる若君。慌てて駆け寄る亜矢子と弧次郎ですが、玄蕃はすでに木の上に逃げており、もちろん若君も木の上に逃げています。さす若。
とにかく、仮面のあの玄蕃君のようですね。若君が来ることを知っていたため、自分から来てくれたみたいですね。
若君は「長寿丸」と名乗りながら玄蕃君を郎党に入れたいと言いますが、玄蕃君は知っているので「北条のボンボンだろ」と返してきます。
ちなみに玄蕃君の声どこかで聞いたことあるなぁと思って調べたのですが、PSO2のクラリスクレイスの声と知って驚きました。そしてコフィーさんも一緒? え、うそ、と衝撃を受けている筆者です。
北条の子の情報など高く売れますからね。そのことを口にしてきて弧次郎や亜矢子が声を荒げますが、玄蕃は冷静。
まぁ、金以外信用できないという玄蕃からすると、北条の子を売ったとして本当に金くれるのかとか、そこらへんもあるしなぁ。
盗人として有名なら、盗人に払うお金はない、とか言いかねませんよねぇ。
交渉をもちかけてくる玄蕃。その手には雫たち三人の財布が握られています。まったく気づかぬ間に盗まれたそうですね。
そして個性あふれる財布! 大きいことは良いことだ、という文字が目立ってますがリボンの付いたカエルの財布も気になります。たぶん、紺色の普通っぽいのが弧次郎で、他二人が女子と思います。カエルが雫ちゃんかなぁ?
自分の技は安くないから、貞宗に言わない口止め料で100貫文(=500万円というテロップつけてくれてます)。で、仕事一回につき100貫文だと言います。庶民の感覚からしたらとても高いですね。
高いと声を上げるのは亜矢子と弧次郎だけですが、なにげに雫ちゃんも目が文になってます。可愛い。全員いいところのぼっちゃんお嬢ちゃんでしょうに。
若君も「金?」と驚きます。
びた一文負けないぞと言う玄蕃。手の部分はともかく、仮面や首の部分には漫画のような線が描かれて強調されてます。
いいですねぇ。この、漫画とアニメが融合したような描写! 個人的には好物!
自分の技が欲しいなら金のみが自分たちをつなぐ、という玄蕃に若君は衝撃を受けていました。
まぁ、そうだろうな。今の時行にそんな金はないし。
この程度でビビっていては話にならない、と考える玄蕃。これは彼からの面接試験みたいなものですね。
金を払えば良いのかと聞いてくる若君。借金でもして払うつもりかとあざ笑う玄蕃でしたが、若君はこう続けます。
「本当に良いのか? 国じゃなくて?」
目が点になる玄蕃。
若君は「驚いた」と言います。そりゃもしも若君の郎党としてついて天下を取れでもすれば、旗揚げからの功臣なわけで、100貫文……500万円どころの話ではないわけです。
冷静に考えれば、たしかにそうだわ。
であるにも関わらず、いっときの金だけでいいという玄蕃は若君からすると「無欲」になるそうです。
感動して抱きしめられる玄蕃ですが、頭の中は「甲斐(の国)? 武蔵(の国)?」とふにゃへにゃしてました。
これも当然といえば当然なのですけれど、一般人が誰かに協力したら国をもらえる……現代風に言うと知事にしてもらえるとか、会社をもらえるとか、マンション一棟もらえるとか……そんな感じでしょうか?
結果として悩み、困惑する玄蕃。弧次郎もその気持が分かると言いつつも、雫ちゃんと二人左右からささやきます。本当にお金で良いのか。国がもらえるよと。
裏では亜矢子がゆっくり若君を木から下ろしているのも可愛くて好き。というか、逃若党が好き。箱推し。
玄蕃の耳元で囁く天使雫ちゃんがエロ……玄蕃が羨ましい。私が囁かれたい。
隣で肩をくんで玄蕃に囁く狐次郎も中々にくい。悪魔と天使の囁き……いやどっちも天使だ。
誘導させるような二人に怒りの声を出す玄蕃ですが、いろいろと予定が狂ったと悔しがります。彼の予定ではからかって巻き上げるつもりだったわけです。
ともかく、帝の綸旨を盗むのに手を貸してくれるそうで……ただ条件があると。
帝の綸旨、頂戴に参ります
げへへへへと綸旨に頬ずりしている貞宗。今回は諏訪の一部ですがゆくゆくは全部を奪ってやると思っています。
そんな貞宗の屋敷を木の上から見下ろしている玄蕃。無責任な人間ではないことを証明するため、若君にも盗みに参加しろと言いながら。
若君の衣装が盗人バージョンになってます。可愛いな。
可愛い云々はおいておいても、闇に溶け込むには適した格好だな。動きやすそうだし……神職の衣装だと目立ちすぎるからな。
怖気づくかと思っていた、という玄蕃に当然だと頷く若君。そもそも盗みを頼まれたのは自分だ、と。……普通は怖がるし盗みなど嫌がるはずですが、そんなそぶりはありません。さす若。
しくじればああなるぞ、と首を晒されているのを示されます。盗人の罪は今よりも重いですからね。特に地方では京都の法律も関係なかったりもあったとか聞きますしねぇ。
さすがに現物(首)を見れば若干怖がる若君。狐次郎たちは外で待機しているようですが、信用できるのかと半信半疑。なにせ盗人で、後の人々から徹底的に嫌われてますしね。
錠前が3つ。それくらい容易いという玄蕃に感嘆する若君。武士ならそういう技に嫌悪感抱きそうなので、ここらへんは逃げ上手の若君らしいというところでしょうか。
玄蕃が警戒しているのは蔵の前にいる人間二人の方。彼にしてみれば生の人間のほうが強力な錠前。
声や音を立てられて味方を呼ばれては叶わないし、単純に大人と子供では武力にも差があるしなぁ。
力付くでは勝てない、というのは若君だけでなく逃若党全員に言えることでしょうね。
身軽に建物内に侵入して縄を張らせる玄蕃。びびってなきゃ来い、と若君を呼びますが若君はめっちゃわくわくしてて、可愛い。いやもうそれは可愛い。
そして二人が侵入していきながら会話しているんですが、このやりとりもいいですね。今後の二人の関係性が見えてきます。
諏訪のみんなに恩を返したいという若君に、玄蕃はそんな甘いこと言うなと。そんなものは目に見えないからゼロだと。金か恐怖であれば人は従うとね。
ここで玄蕃が何をして里の人々に嫌われたかが判明しますが……まぁ、ひどいです。
こりゃ嫌われるなぁ。
わたくし、こういう下品なお話はちょっと苦手なのではぶきますが……ちらっと見た漫画版だともっとひどかった気もします。
これ以上!?
どんなことしでかしたのか。アニメとの違いを見たくなった方は↓コチラ↓で確認しましょう! ただし、食事中は避けてください。
嫌われていった理由に納得する若君。
人間は見えるものしか信じない。ここを動くな、と言ってからどこかへ言ってしまう玄蕃。敵の真っ只中に放置されて不安そうな若君は可愛い。
しかも貞宗の声がします。ここにいてはまずいと若君が考えるのは当然でしょう。
とはいえどこに逃げれば良いのか分かりませんし、玄蕃は動くなと言いました。と、若君の脳裏によぎるのは玄蕃が裏切ったのではないかという疑念。
こういうところで疑わない系主人公もいるが、時行はもう家臣に裏切られまくっているし、こっちのほうがリアルな気はするな。
ここで下手に信じる、と言ったほうが感情移入しにくかったかもしれませんね。
貞宗? らしき人物が蔵の前の兵士二人に北の塀へ行くように告げてます。そんな貞宗の頭には狐の耳。……それ以外はまさしく貞宗そのもの。
うまく言いくるめて兵士を移動させる貞宗……ではなく、玄蕃。ちなみに兵士の一人が耳について聞くのですが「萌えどころだ!」と全力で叫ぶ貞宗の声優さん……好きです。
そのイケボで「萌えどころ」て。……ん? 私勝手に萌えだと思ってたんですが燃えの方ですかね? 心が燃える的な?
疑問を持つところはそこじゃねぇ!
ひひっと笑って振り返る貞宗に扮した玄蕃。声真似も完璧ですし、そもそも衣装もちゃんと用意していたりするのもすごい。そしてやはり体格どうしてるのか気になる。
3つの鍵を開けて中に潜入した二人。変装は秘伝の粘土を使った仮面で行ってるそうですが……体格と声……。
まぁ、エンタメ作品なのであまり深く考えてはいけないんでしょう。
大抵の人間に化けられると自信アリ気な玄蕃。若君は自分の正体を知っていたのはだからかと察します。
そんな中、若君に背を向けている玄蕃は「お前、俺が寝返ったと思ったろ」とさらっと言って若君を動揺させます。と、玄蕃が綸旨を見つけたようですが、それを若君に渡すことはなく……代わりに自身の顔を若君のものに変えてみせます。
何でも盗めて誰にでも化けられる。そんなやつ(自分)が配下にいたら誰でも疑う、と。若君は自分の顔が目の前にあるのに驚愕します。
「疑わずに、俺を使う自信はあるか?」
声は玄蕃のまま、にやりと不敵に笑う若君の顔をした玄蕃。彼も分かっているのです。自分が疑われる存在である、ということが。
そのうえで、若君を試しているわけですね。多くに裏切られた若君を。
暗闇の中響く音を拾う者
場面は変わり、床に耳を擦り付けている男が一人。蔵の中に子供が二人いることに気づいています。それだけでなく見張りが北の塀にいることにも気づきます。
なるほど! 貞宗が視力ならこいつは聴力か!
床に耳こすりつけている姿は怪しいという外ありませんが、眼球より気持ち悪さはありませんね。安心。
この男が助房(すけふさ)といい、眼球での耳打ちされたり、ことあるごとに貞宗の傍にいたあの耳が大きめの男、になります。
しかし貞宗もそうですが、そんなに視力や聴力が優れていたら、日常的にいろいろと気になりすぎてしんどそうですね……ストレスマッハ。胃薬贈って上げたほうが良いでしょうか?
銀づちが変な心配しているが、助房は起き上がって部屋の外にいる部下にいろいろと指示を飛ばしているな。やべぇぞ!
そして刀を手に取り立ち上がる男。レーダーのような描写がありますが、特にこの闇夜では聴力というのはかなりの強敵。
若君たちは無事に綸旨を盗み出して諏訪へ帰れるのか! 乞うご期待!
まとめ
ということで、犬追物の決着という若君の格好良さが目立つ話と、新たな郎党候補の盗人玄蕃の登場。さらには貞宗だけでない難敵も参戦? という中々に忙しい回でしたね。
強い敵もそうですし、こういった友情も話の盛り上がるポイント! 郎党たちもそれぞれの個性がきらめきそうですし、何よりもまだ幼いので可愛いのも良い! みんな好き。
しっかし玄蕃をどうやって仲間にするんだ? 疑っちまったのは事実だし、そんなことないって否定しても信じてもらえるか。
ここからが若君の腕の見せ所、ということですね!
さて次回。玄蕃くんは一体どうなるのか。乞うご期待!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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