【逃げ上手の若君】第四回『貞宗登場!』――だって、決めたのだ。そして少年は弓矢を放つ【ネタバレ感想】
鎌倉を離れ、しかしいつか取り戻す。高氏を討つ、と決めた時行でしたが、その後順調にとは行きません。
そもそも、命を救ってくれたとはいえ、怪しすぎる神官・頼重に自分を導き、ともに高氏を討てる力となるのかは不明瞭すぎました。
そんなこともあって勉学や武芸に励めずにいた時行に頼重は力を見せて信じさせ、勉学に励むことを時行に誓わせ……たかと思いきや、頼りがいがある姿は一瞬だけですぐに崩れるという詐欺まがいの行為、と頼重はやはりこうでないと、と視聴者を安心させてくれたのが、前回です。
いやっ! 大事なのはそこじゃないだろ!
郎党たちとの微笑ましいやり取りもあり、必見ですね。
前回が気になった方はコチラ>>【逃げ上手の若君】第三回『神の住む森』――新天地で得たのは、郎党という力【ネタバレ感想】も合わせてご覧ください。
で、そんな前回の最後に後ろ姿だけ出ていた男がいました。今回はその男が暴れるお話でございます。
が、一つ注意点として、こちらのお話を見る時にはお食事中は避けた方が良いです。なんでか分かりませんが、「なぜここに力入れた」と疑問に思うシーンをかなりリアルに描写していたからです。
どんなものが来ても私の胃袋は大丈夫! という方はまずは↓アニメ本編↓からどうぞ!
今は食事中じゃない。けど、ちょっと胃袋は心配、という方はまずは今回の記事を読んでから本編見られると良いかもです。
……といっても最初の方に出てくるシーンなので、注意点だけ見て問題ないなと感じられたらぜひぜひ本編を何度もじっくりたっぷり見てください。
アニメ・エンタメ見放題!初月無料!【DMMプレミアム(DMM TV)】前回のあらすじ
そりゃ信じるのは無理だ。
決意とともに鎌倉を去った時行だったが、勉学や鍛錬には身が入らずにいた。頼重の力を信じきれていなかったからだ。
しかし現人神であるという頼重が眼の前で雨を晴らし、その土地の人々から尊敬の念を集めているのを見た時行は、頼重を信じることにした。
郎党たちと改めて言葉を酌み交わした時行は、彼らと狩りをすることになった。
そしてその途中で、巨大な魔に落ちた獣と遭遇。矢も通らない相手だったが、郎党たちと力を合わせて無事に退治した。
そんな中、諏訪に高氏の手が伸びようとしていた。
前話より
絵柄の使い分けが最高すぎる。
今回のポイント
なんでそこに力入れたの?
- 高氏……尊氏の笑顔
- ネヲロォンと逃げ筋
- 英雄の度量
- 流れる血……湧き出る楽しさ
犬は喋る。
足利尊氏の笑顔
ん? タイトル間違ってないか? たしか高氏なんじゃなかったっけか?
いえ、合ってます。というのも、今回は初っ端に改名するからです。
歴史の授業で出てくる「あしかが・たかうじ」ですが、もともとは「高氏」だったところ、後醍醐天皇から字をもらって「尊氏」になります。諱からもらったみたいですね。
名前について調べて面白いなぁと思ったのが、高氏の高の字は、北条高時の高の字からなんだとか。
名前の一部をもらった主を裏切った、ということになるのか。
そして伝わっている歴史では、尊の字をもらった後醍醐天皇をも裏切る(対立)することになるんですよね。
名前の字をもらった相手と対立し、裏切るような形になっているのが、面白いなぁと思いました。
本人が本当に裏切りたいと思ってそうなったのかは分かりませんけれども、特に天皇家から字をもらえるなんてすごいことだと思うんですよね。
それで最終的には裏切る形で対立してしまったため、わりと悪役で描かれやすい人物です。
御簾の向こうで姿が見えない後醍醐天皇が、高氏に声をかけて、高氏は尊氏になりました。
褒美として好きな役職につかせてくれる、というようなことを言われますが尊氏は自分の郎党たちにつかせてほしい、と言います。
郎党たちの顔がこえぇよ。心清くってところが信じられん!
まぁ、松井先生の作品ですからね。みんないい顔してます。
一人イケメンっぽい人もいますが、眉や目つきは険しい感じに描かれてて、若君を応援したい視聴者としては「悪役ー」とわかりやすい感じがしていいですね!
どちらが悪とか正義とか言い切りにくい作品もいいですが、こういうハッキリしているのもまたいい味でてます。
朗らかに笑う尊氏に、朝廷の人々は和みます。
鎌倉幕府は朝廷側の人間からしたら自分たちの頭を押し付けていた憎き相手。それを倒してくれた尊氏はありがたい存在であると同時に、危険な存在でもあります。その刃が自分たちに向かないとも限りませんからね。
しかし皆、その尊氏の朗らかで穏やかに見える笑顔に警戒を緩めているようです。後醍醐天皇が望んでいた帝と公家が天下を治める時代が来た、と喜んでいます。
美しい絵画のようなものが描かれます。分厚い雲を切り裂くように白い鳥が空へ羽ばたき、青い蝶が舞う、虹の差した明るく美しい青空。
このアニメお得意の、アニメ調とは違うタッチの絵柄です。普通にこの一枚絵が好きです。
下手にアニメーションにさせてないのも、個人的には好きなポイント。ただただその絵の美しさを味わえるので。
と、場面が変わります。
お疲れ様でしたと、尊氏に上着をかけるのは師直。足利家執事・高師直(こうの・もろなお)です。
覚えてらっしゃいますでしょうか?この人物、第一回目にも登場しています。
その時には特に名前表記はありませんでした。ここで初めて名前が出てきます。そしてこの人物は、歴史においては割と重要な役割をもっていたり……。
気になった方はぜひとも第1回目を見直してみてください。高氏が出兵の前に若君に挨拶をした時にそばにいますので。
第一回 5月22日
ちなみにそれについて書いているのがこの記事>>【逃げ上手の若君】第一回『5月22日』――少年の中に眠る英雄が目覚めた日【ネタバレ感想】ですので、こちらもよければどうぞ!
でね。このあとがまた怖いんですよ。
背中越しに師直が何か言いたそうであることに気づいた尊氏がたずねると、師直が「あなたの笑顔は益々人間離れしてきた」などと言うのです。
朝廷の人々が素敵だと思った尊氏の笑顔も、幼少期から仕えてきた師直からすると不気味なものらしいです。
振り返った尊氏は笑っていました。目を閉じるようにして……しかし、右目からは不自然な涙が出ています。そしてその目がアップになり、ねちゃりと開かれた右目には、たくさんの眼球があって、それらがぎょろぎょろと不気味に動いています。
うおおおっ気持ち悪い! これか! これのことかぁっ!?
この目が開かれる時のぬぁちぇあって音も、妙にリアルな目玉も気持ち悪いですが……残念ながらここだけではないんですよ、気持ち悪いの。
その目で「帝をお支えするのだ」と言う、尊氏。一体全体、この尊氏は何を思っているのか……まだまだ分かりませんね。
師直も、ですけど、何より尊氏が不気味すぎます。
というところで、OPに入ります。
なんでそこに力を入れた? グロ注意。
一本の矢が、イノシシを仕留めたシーンから。誰かの手が事切れたイノシシを撫でています。
聞こえてくる声は、第三回の最後で出てきた人物の声のようですが、その人物がどうやら信濃の守護になったようです。尊氏に推薦してもらったことを感謝してるみたいですね。
狩りをしていたのは尊氏か……まぁ、時行と違って武芸に秀でてるから狩りもお手の物か。
尊氏はその人物を高く買っているみたいですね。北条を早々に見限り、尊氏の元についたらしいです。
ある意味なグロ注意(大事なことなので二度
ここで尊氏はイノシシの毛についたダニを右手で掴んで毛から取り除くのですが、信濃には諏訪頼重がいます。北条の残党もいる可能性が高く、この人物なら残党たちを見つけ出せるだろう、と手にしたダニを見せるのです。小さい点々のようなダニを。
で、なんでか知らないのですがアニメスタッフ、ダニを頑張って描写してます。リアルに。
うおわぁっ、ぞわぞわするぜ!
いや、マジでリアルなので苦手な方はちょいと気持ち悪くなりそうなので要注意。なんで本当にダニの描写を頑張ったのか。
一応漫画の方でもはっきりとダニ描かれていたりはするみたいですが、色もついたドアップとなると、ね?
とにかく、虫とか苦手な方は本当にご注意を。尊氏が手のひらに乗せたダニを見せるシーンの次にそれが来るので、その間しばらくは目をつむるか飛ばしたほうが良いですね。
膝をついていたその人物の目がギョロリとして(この目も気持ち悪いですが)、そのダニのオスとメスを言い当てます……たぶん? 当たっているんでしょう。気持ち悪いので私は確認できませんが。
指摘を受けて尊氏が手のダニを見ますが、彼にはどれがどれか分からないのでしょう。不思議そうな雰囲気が少しします。
そして立ち上がったその男は、自分の弓と視力を自慢します。そう。すべての描写は彼の目の良さを表すため……ですが、それでもダニをそんなに描写しなくてよかったと思う。
どんな虫も逃さずに射殺す、と宣言した男。
ここで初めて名前が出てきますが、その名は「小笠原貞宗」。そう。今回の「貞宗登場!」というタイトルにある人物です。
ふぅ。ようやく名前が口に出せました。
とりあえず、なんか気持ち悪くて怖いやつが来るってことだな?
そういうことですね。
若君の逃げ筋を鍛えよう!
諏訪大社。相変わらず神秘的な雰囲気のあるその場所で、若君は鍛錬に励んでいました。
ワラに向かって真剣な表情で刀を振り下ろします!
ワラに刀弾かれとる!
へっぴり腰と顔と声がめちゃくちゃ可愛い。
ネヲロォン、という擬音語? 擬態語? が書かれてますが初めての擬態語です。
頬を染め、一仕事終えたような顔をして汗を拭う若君の背後で、唖然とする郎党たち。マジかと。
それについて頼重は冷静に分析します。若君の体は攻撃しているときでも常に逃げる準備をしているため、刀を振り下ろしても腰が引いてしまうようです。
腰が引けているのは自分にも分かっているのでしょう。若君が恥ずかしそうに身を縮めているんですが、それが超絶かわいい。弧次郎くんが腰を引かずに刀を振る練習からだなと言いますが、頼重はそれに反対します。
それでは時行の『逃げ上手』という良さを消してしまう、か。
頼重は【逃げ筋】という表現をしながら若君の肩をモミモミしてます。謎の言葉ながらも、なんとなく伝わってきますね。
そんなことより、私も若君の肩をもみもみしたいです。羨ましい。
おいっ発言には気をつけろよ! 今は色々と厳しい世の中なんだから!
それに対して、若君、弓の腕はまあまあなようで若干自慢げに披露。可愛い。どうやら若君の父が弓競技を見るのが好きであったこともあり、弓の鍛錬は多少行っていたようです。
ここで今は亡き父親、そして武芸指南役の二人との回想シーンが入るのですが……三人がどうなったかを知っている身としては、ちょっと切なくもなります。
ということで、まずは弓の方を伸ばしていくことに決めたようです。
逃げで勝つとは言っても、逃げてばかりの将に人はついてこないしな。
とはいえ、逃げることは武士の恥、という時代。逃げながら戦う術を教えられる人物などいないんですよねぇ。
邪道も邪道だもんなぁ……いたとして、まともな性格してるとは思えん。
考え込む頼重が呼ばれます。なにか問題が起きたようです。
新たな守護、小笠原貞宗とアイ・キッス
西信濃の小笠原貞宗が突然たずねてきた、と。
若君は面識がないのか。誰なのだと頼重に聞いてます。どうやら若君に会えるほどの身分ではなかったみたいですね。これは不幸中の幸い。顔が知られていないというのは。
とはいえ、念の為に小屋に隠れておくようにと頼重は言い、自身は貞宗の元へと向かいました。
そつなく挨拶を交わし合う二人。
そして貞宗は、自身が帝から信濃の守護に任じるという綸旨を授かった、と言うのです。帝の命令書です。誰も逆らえません。
綸旨は蔵人所(くろうどどころ)が天皇の意を受けて発給する命令文書。一言で言えば「逆らっちゃダメ」なやつ……なわけですが。
すごい効力を持っているため、偽物も出回ったりしたみたいですねぇ。
なんと、二条河原にこんな落書きがあったとか。
「此頃都ニハヤル物 夜討 強盗 謀綸旨(にせりんじ)」
これ、本当だったらかなりやばくね?
現代風に言うと公文書の偽造、でしょうか? そこらへん詳しくないので分かりませんが……まぁ、やりたい放題出来ちゃいますね。
どれだけ本当のことかはわかりませんが、政権が交代し、国が乱れていたことがよく分かる落書きですね。
この綸旨があるため、貞宗には頼重たちに命令する権利が出来てしまったわけです。
目玉をギュロリと飛び出させたままイケメン顔の頼重に近づいていく貞宗。これみよがしな声を発して……目玉で頼重の鼻にぬちゅっとキス? してます。
……うわぁ、キモい。
アイ・キッスとでも言うのでしょうか……なんともマニアックです。
アイ・キッスって何!?
気になった方はぜひ本編をご確認ください……まじで、アイでキッスしてますので。
第一回 5月22日
それに対し、諏訪の親族である盛高が説明してくれます。この貞宗、つい先日まで諏訪の下働き程度の身分だったみたいです。北条を裏切ったことで身分が逆転したわけですね。
ちなみに、今後、いろんなことをこの盛高氏が説明してくれるので、盛高先生のことをよく覚えておきましょう!
怒っている盛高をよそに、触れてしまった目を手で押さえる貞宗と鼻を拭く頼重。当人たちにとっても意図せぬ接触だったらしいです。
私が腐女子だったなら、CP妄想でもしていたのでしょうか。だとするとどちらが受けですかね。頼重? 意外と貞宗? どう思いますか、親方?
知らん! オレっちに聞くな!
鎌倉幕府が滅んだ時、逆賊北条と戦ったと言う貞宗。それに対して北条側として戦ったのが諏訪家。結果として北条は負けたため、正直領地を没収されてもおかしくはありません。
勝てば官軍ですし、その勝った方が帝であるというのも強いですね。鎌倉幕府時代でも、天皇家を滅ぼすことはしてません。それだけ天皇家というのが人々にとって大きな存在で、滅ぼすという考えがあまりなかったのが伺えます。
天皇家に弓を引けば、朝敵、なんて言われますしね。
そして貞宗はもう一つの用件を口にします。北条家の血筋のもの、その重臣の生き残りなどを諏訪で匿っているなら身柄を引き渡せ、と。
ピンポイントで時行のことじゃねえか!
若君がいる、とまでは分かってないかもですが……誰かは匿っている可能性があるとは思ってるでしょうね。
弓矢を頼重の首に突きつけながらの言葉。かなり侮辱的ですが、頼重はまったく動じた様子を見せず「匿うなどとんでもない」とあっさり嘘をつきます。普段はギラびやかな笑顔で胡散臭さが300%くらいあるので忘れがちですが、頭の回転が早くて結構策士なんですよ。
見てもいないから渡せない、としれっと言ってのけます。
貞宗が目に意識を集中させて周囲を確認します。その中には小屋の影から貞宗の様子を伺う若君たちもいますが、それだけの視力がありながら、やはり貞宗は若君の顔を知らないのか、気づきません。
当時は写真もありませんからね。直接会ったことがなければ気付けないでしょう。
どれやこれもが怪しく見える、とまた目を充血させる貞宗。
敵としてはとても良いキャラしてるのですが、この目玉ぎょろぎょろが結構気持ち悪いんですよねぇ。
不必要に頼重に顔を近づけて絶対に見つける、という貞宗ですが、すぐに事を起こそうという気はさすがにないようです。帰ろうとしますが、帰る前に手土産をと弓を構えます。
嫌なやつなのですが、この弓の構え方は美しく、覗き見ていた若君もハッとしたように見惚れています。
ムカつくやつだが、ここの、他の音が消える感じの描写はオレっちも好きだな!
諏訪大社では耳の裂けた鹿が捕れると縁起が良いんだとか。で、放たれた貞宗の弓矢は様子をうかがっていた一人の巫女の耳を軽く裂くのでした。
そして耳の裂けた牝鹿一頭、と言いながら去っていく貞宗。
ただの巫女に弓矢を向けるなんて!
幸い、傷はそう深くなく塞がるそうですが。
弓の名手と隠れ鬼
雫が言うには本人は気丈に笑っていたそうですが、痛いし怖かったでしょうねぇ。
亜矢子と雫は顔を落とします。
頼重は言います。小笠原貞宗は天下に聞こえた弓の名手なんだとか。視力と観察眼は凄まじいものがあり、厄介な男が信濃守護になったと。
弧次郎は苛立ってます。ただの巫女になんということしてるんだ、と。
弧次郎はまさしく武士って感じだし、ああいうの嫌いそうだよなぁ。
若君に意見を求めます。若君も当然、武士としてしてはいけない行動で、目玉に性格の悪さが詰まっていると貞宗を称します。ただ、まっすぐに顔を上げた若君の顔にあるのは嫌悪感ではなく
「ただ、弓だけは……本当に美しかった」
淡々とそう告げる若君の顔が月に照らされているのですが、ここがまた良いんですよ。華美に美しさが強調されているわけではなく、ただありのままの様子を写しているかのような……若君の声にも憎しみや怒りはなく、ただ認めているのが分かる声。
小笠原貞宗は北条を裏切った敵です。そして武士として恥ずべき行動をした。しかしそれはそれとして、かの者の優れた点をしっかりと認めて受け入れているのです。
これって、できるようで、中々出来ないことだよなぁ。
郎党の皆もそれを察したのか。言葉を失ったように若君を見ていますし、頼重もなんと素直で寛容なのか、と感心してます。
と、若君も自分の発言に気づいて慌てたように取り繕ってます――だからといって許せないものは許せない、とね。
有名な兵法書、孫子でも言われてますね。
『彼を知りて己を知れば、百戦してあやうからず』
憎い相手、敵だからと侮ったり知ろうともしなければ、勝てるものも勝てません。そのためにはまずは受け入れることが必要です。
この度量は将として皆の前に立つ時にかならず花開く時が来る、と頼重は確信を得て、「ぎひっ」と笑います。
さっきまでのイケメンモードはどこへ消えたのか。ギラついた目で「良き師が見つかった」とほくそ笑むのでした。
ピコーンと電球が光ってます。
なんだろうな。こっちの頼重のほうが落ち着く気がしてきたぜ。
頼重は若君に駆け寄り、次は貞宗との隠れ鬼だ、と言います。
- 北条の残党を捕らえること
- それに応じて諏訪の勢力を弱めること
- 絶対に正体をさとられないこと
- やつ(貞宗)の弓の技術を盗むこと
守護の立場を利用して諏訪に何度も因縁をつけてくるはず、という説明が入るんですがここのデフォルメ貞宗が守護と書かれた紙をこれみよがしに見せながらちょこちょこ指さしているのがなんとも面白い。
ははは、すっげぇわかりやすいけどな。
地理的な関係もこれでざっくりわかりますね。
何度もやってくるということは、何度もその素晴らしい弓を見れるということです。そしてイメージ図で隠れながら貞宗を見ている若君が楽しそうなのが可愛い。
そして久々にあの後光が差します。古めかしさを感じさせるようなタッチでありながらも鮮やかで眩しいあの後光。ただし、なんと! イケメンモードの頼重です。
強調するところを間違っている!
個人的には胡散臭い頼重で見たかった……切なさすら感じる……ハッ、これが、恋?
ちげぇ!
恋じゃなくてたぶ、変の方だ。
そんでもって、ここでそんな隠れ鬼、心躍るだろう? と聞かれた若君は自分の体を抱きしめるわけですがそれは恐怖心と言うより、興奮を抑えているかのようです。
目をキラキラと輝かせ、頬を染め、汗まで浮いていて、口は微かに開けられその形はまるで口づけをしているかのようで、さらに吐息……エッッッロ。
一方、貞宗に一つの報告をする男がいました。彼の名は市河助房(いちかわ・すけふさ)。やや耳が大きく描かれた男。彼は信濃守護の補佐役です。
ちなみにさきほど貞宗が挨拶に来たときも傍にいましたね。気になる方は確認してみてください。
助房は諏訪大社で数日後に犬追物が開催される、という話をします。そのことでどうやら貞宗には作戦があるようで助房は貞宗に顔を寄せます。そして貞宗は眼球で耳打ちします。
……?
眼球で耳打ちします。
……眼球で……みみ、うち?
実は近うよれ、的な合図を貞宗がした時に助房ちょっと嫌がる感じしていたのですが、眼球での耳打ち気持ち悪いって言っているので、これを嫌がってたんでしょうね。
そして私自身、眼球での耳打ち、を何度文字で打ってもわけがわからないので、ぜひともアニメ本編で確認してほしいです。眼球で耳打ちしてるので。
眼球で耳打ちって何? と疑問に思った方は↓こちら↓で確認!
第一回 5月22日
逃げて、逃げて、逃げて……逃げない
犬追物。走る犬を馬上から蟇目の矢(ひきめのや)で射て射技の優劣を競うもののことです。
鏃ではなく、威力を落とした矢を使った、みたいですね。
現代なら動物虐待とか言われそうだが、実践的ではあるよなぁ。
動く的に当てる。それも馬に乗ったまま、というのは武士の時代においてはかなり実践的に思えますね。
盛り上がっている中、弧次郎が「当たらない」と苛立ってました。刀の腕はあるみたいですが、弓はまだまだみたいですね。上達しないと、と言ってて向上心もありそう。
そんな彼の横を何者かが通り過ぎていきました。
そして若君も参加のために準備しており、雫が手伝ってましたが……今後は公の場では偽名を使うため呼び名を変えるようにと頼重から言われて「兄様」と呼ぶことにしたようです。恥ずかしそうな雫ちゃんが可愛い。
なんとも言えない空気になったところで駆け込んでくるのが弧次郎。大変だ、と騒いでいるのも当然。なんと、貞宗が犬追物に飛び入り参加したようです。
信濃の守護として諏訪大社の名物の犬追物を盛り上げないといけないと思った、などとしれっと言う貞宗の背後に舞う花。
なんとも可愛らしい効果背景! 似合わねぇ!
なんで貞宗の背景にそれを選んだのっ? とスタッフに問いかけたくなりますね。
頼重は勿論参加しても大丈夫と言います。そう言うしかないでしょうが。
そして犬追物というのはただ当てればいいというわけではなく、姿勢だったり当てた場所なども得点にかかってくるみたいですね。
貞宗は、敵ながらあっぱれという具合に高得点を連発していきます。盛り上がる観客。
この体勢や得点方法については若君がアニメ付きでわかりやすく説明してくれますのでご安心ください。
と、若君が振り返ると頼重が天幕の隅で震えていました。貞宗の矢に恐れをなしたのか……ということはなく、必死に未来の視聴者に向けて言い訳してました。動物虐待とかではなく、とね。
未来が見える弊害!
個人の部で1位となった貞宗は、飛び入り参加の役人が1位をとってしまうなど、諏訪大社も大した事ないと挑発します。そして賭けをふっかけてきます。
諏訪の強者と勝負をして勝ったならば北条の残党の捜索を好きにさせてもらう、と。
でも、貞宗は帝が任じたんだろ? 好きに捜索できるんじゃねえの?
任じられたとは言え、そこで戦になったならば自分たちで対処しないといけません……戦となれば多かれ少なかれ痛手を負いますからね。
痛手を負ったからと言って、その補填を朝廷はしてくれないでしょうしね。だって命じて戦ったわけでもありませんし。で、痛手を負って諏訪を滅ぼしたとして、じゃあ諏訪の領地全部が貞宗の好きにできるかと言うと……そうでもないでしょう。
つまり、駆け引きはもう始まっているのです。
頼重は賭けに乗り、諏訪が勝てば守護の地位を振りかざして好き勝手しない、それでいいなと。
頼重の言葉は貞宗からすると待ち望んでいたものです。ここで挑発すれば大衆の前ですから、頼重は退くことが出来ないと分かっていたわけです。
そしてその相手として頼重が引っ張り出したのが、我らが若君です!
長寿丸、として紹介されますが若君は「え?え?」ときょときょとしてます。諏訪一のヘタレだからあなたとちょうどいい、という頼重にピキっとする貞宗。
で、ただの犬追物ではつまらないからと、互いの体に当てても得点にしよう、と。
すごくぎらびやかな笑顔で後光を点灯させながら「怖いですか?」などと貞宗に迫る頼重。怪我を負わされた巫女のことも絡めながら、挑発していきます。
が、亜矢子や弧次郎に詰め寄られる頼重。若君の弱さを舐めるな、とヒドイ言われようです。
しっかし随分と大胆なことするな。追われている存在を、追っ手の前に差し出すなんて。
だからこそ疑われにくいのもありますし、何よりも近くで貞宗の弓を見れるチャンスでもありますね。
頼重も危険は分かっていましたが、その危険を犯す価値があると判断したのです。
強大な敵を倒すためには成長しなければなりません。成長できなければ仇を討つどころか、すぐに捕まって殺されてしまうでしょう。若君の存在がバレれば、それだけで諏訪も命運が閉ざされたも同じですしね、現状では。
さらに言うと頼重は多少未来が見えるので、貞宗との戦いで何か習得する……はずだと言います。
頼重は言います。今日は何をしようかと。北条の大将として危険を避けるか成長するか。どちらを選ぶのも自由だ、と。
ズルい言い方だと若君は言います。そうやって自分をいつも思う通りにする、と。
若君の脳裏に、尊氏の姿が思い浮かびます。尊氏を討つと、若君は決めているのです。
そしてうつむき、顔が見えなかったところから顔を上げて雫に矢を持ってくるようにと言う若君。その目は、その声は。いつもの逃げ腰の若君からは想像できないほどに凛々しいものでした。
将来、絶対にタラシしになる!
そして馬にまたがり、犬追物へと向かう若君を郎党たちは見送り、若君を「不思議な存在だ」と言います。
普段は本当に逃げ腰だからな。なのに、本当に危険な時には逃げないんだ! そこがしびれるぜ!
雫も笑顔で亜矢子に同意します。未来が見えると。
「あの人はこの先もずっと――。
心に決めた大事なことからは、決して逃げない」
千里眼鬼VS生存本能の◯◯
挑発されまくった貞宗は若君に舐めた代償を払わせる、と言いますが挑発したのは頼重です。請求は頼重に、と返す若君。返し方が格好いい。
ひょおっ! 馬の動きと言い、音といい、盛り上がってきたなぁ!
ここで頼重から託された策通りに若君は貞宗に矢を放ちます。当たらなくても、売られた喧嘩を買うのが武士だから。
で、ここです! ここの貞宗の第一矢を若君は避けるんですが、ここの描写が格好いいのなんのって! よくあるスローモーション表現ではあるんですけどね。よく動くのなんのって!
BGMもいい感じ!
頼重、接待用の犬というのを育てていたらしく、そんな犬を若君の周囲に走らせているようです。
なんですがこの犬、若君が一本外すと「下手くそ」と心のなかで怒るんです。……うん。たぶん心の中。本当に喋ってはないと思います。次、ちゃんと当てると「それでいい」とめっちゃ格好良く去っていく赤犬さん。
なんだこの無駄にイケメンな赤犬さん。
どなたかが擬人化とかしてくれてないかと検索しましたが……残念な結果に。
何を検索してんだよ!
いるわけねーだろ!
個人的にちょっと野性的な感じのイメージです。誰か……お願いします。
何のお願い!?
顔を真赤にした貞宗が若君を狙ってきますが、若君はそれらを避けます。さすがの貞宗も初見の若君に攻撃を当てるのは至難の業のようです。
と、最後の一本となる貞宗。まだ無得点。対して若君は点を入れております。貞宗には焦りが見えます。
さらに言えば今回の犬は諏訪大社の中でもとびきりのエリート。つまり逃げ上手な犬たち――若君になつきそう。
焦る貞宗を狙って撃て、といっていた頼重でしたが……そこはさすがに武芸に秀でた武将なだけあって冷静に対処してくる貞宗。若君の死角に入ります。
と、ここらへんの解説は諏訪一の解説名人の盛高がしてくれるので、詳しく知りたい方は本編でどうぞ!
ま、簡単に言うと弓だけでなく馬術や位置取りも大事で、時行ではそういった技術や経験が不足していて対処が難しいってこったな。
さらに小笠原貞宗についてはナレーションも入ります。相変わらず目が光ってらっしゃる後醍醐天皇も認める腕前で、小笠原家の武術の流派は現代まで伝わっているんだとかで、マジで武芸に関してはすごいんですよね。
眼球とか性格はともかく。
馬の操作に気を取られた一瞬の隙に、南北朝鬼ごっこのいつもの文字と『千里眼鬼』という鬼名が。
見事に若君の頭に貞宗の矢が入り5点。若君は当てたとは言え1点だけ。これを覆すのは大変です。
そもそも威力を弱めた弓矢とは言え、直接頭にですからね。かなりの衝撃でしょう。うずくまる若君に、矢を撃ち尽くした貞宗は余裕綽々。矢がなくても、邪魔は出来ます。馬術も体格も、まさしく大人と子供ですからね。
撃たれた場所に手を触れた若君。手を見ると血が出ています。当然痛みもあり、若干視界も霞んでいます。痛そうな声が、怖がる声が、聞いているだけで苦しい。
ずっと止まっていた若君が、再び馬を走らせます。表情は見えません。
が、郎党たちは汗をかいて口を若干開けています。まるで呆れているような。そして頼重は……いつもの胡散臭い満面の笑顔。
そして俯いていた若君が、ぱっと顔を上げるのです。
「楽しい!」
満面の笑みで。心から嬉しそうな顔をして。
この状況を楽しんでやがる!
さすが、生存本能の怪物。さぁっ面白くなってきましたね!
というところで、今回のお話は終わりです!
まとめ
今回は少しだけ尊氏の様子がわかりましたが、彼の本心のような部分はまったく見えませんね。ただただ、不気味。
それはさておき、出てきた眼球お化けこと小笠原貞宗。目の描写が漫画以上な気もしますが、敵としてはとてもいい味がしそうな人物です。何よりも若君が彼との鬼ごっこを楽しんでいるようなのが何よりです。
だなぁ。頭を撃たれて、血が出てるのに楽しいとは。
生存本能が変なふうに暴走してる感じしますね。
しかしながら、やはり若君は逃げて楽しんでいるときが一番輝いている、というのが作品タイトルにも合っていて、ずっとブレない感じがして良いですねぇ。
そして逃げながらも、逃げてはいけない相手からは決して逃げない、という姿も見れましたし……うーんこれはカリスマ感じます。
次回は犬追物の決着です!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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