【ハイキュー!!】第1話『終わりと始まり』――心の底から熱くなる話を見たくなったなら!【アニメネタバレ感想】
排球、とはバレーボールのこと。
男子バレーボールへ真剣に取り組む高校生を描いた漫画、アニメ化されてアニメも大人気なこの作品。
異世界ファンタジーではありませんし、現実的にありえなさすぎる描写もあまり多くありません(多少はある)が、友情・努力・勝利というジャンプお得意の3要素がずばずばっと詰まっていて、剣や魔法のバトル漫画にも負けず劣らず熱くなれる!
とはいっても今更、と思われるかもしれませんが……大人気な『ハイキュー!!』の感想を書いていこうと思います!
ずっと漫画派でアニメは見てなかったんですが、ちらっとみたアニメのクオリティーが高そうで見てみたらぐさっとささったためです。
ただ、「スポーツ漫画か……熱いのはいいかもしれないけど、熱すぎるのって自分には逆に心苦しい」という方もいると思います。しかしこのハイキュー!!という作品には「必死になること=恥ずかしい」という感覚だったり、ほどほどに頑張ろうとするキャラも登場して、その心も描いてくれます。
そしてそんな『熱い主人公たちとは異なる心』について馬鹿にしたりすることなく描いてくれているので、ぜひとも安心してみてほしいなと思います。
昔見たなぁ、という方も……聞いたことはあるけど見たことはないという方も、見たことも聞いたこともない方も、熱い青春を味わいたい方はぜひとも一緒に↓こちら↓で鑑賞して熱くなりましょう!
作品概要
原作情報はこちら!
【作品名】ハイキュー!!
【著者】古舘春一
【出版社】集英社
【レーベル】週刊少年ジャンプ
【あらすじ】おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?(第一巻より)
今回のポイント
ひとりじゃないなら、見れる景色がある!
- たった一度、一瞬でなにかに心を奪われる瞬間がある
- 最後の瞬間まで負けてない
- 勝ちたい相手は目の前に
熱いスポーツアニメが見たくなったらおすすめしたくなる。
始まり方が最高! OPも最強!
OP前に、体育館のシーンから始まります。キュッキュッという靴と床が擦れる音が響く中、主人公の独白。
あぁ、このキュッキュッて音懐かしいなぁ。
ボールが跳ねる音とかも相まって「おおっ」と思いますよねぇ。
私もバレーボール部だったので余計に懐かしいなと思います。
で、この独白も良いんですよ。決してキャラクターの顔が見えず、足元とか後ろ姿とか。……自分ひとりじゃないなら、というところで足元アップで他の5人のメンバーも並ぶんですが、ここも誰一人として顔は出ず、足元のアップのまま。
なんですけども、靴の色や足の動きなんかに個性があって面白い。
そして皆が「よろしくお願いしまーす」と歩き始めたところでSPYAIRの「イマジネーション」がかかるんですが、これが最高です!
もがき続けて、という歌詞があるんですけど作品とも滅茶苦茶あってて名曲なのでぜひ改めて聞いてほしいです!
偶然見かけたその姿に目を奪われる
というタイトル着けるとまるで恋したみたいですが、恋ではなく……主人公である日向翔陽(ひなた・しょうよう)――当時小学生――は、町の電気屋の前を偶然通りかかった時にテレビで放映されていたバレーボールの試合を見ました。
それは高校生の大会。小さな巨人と言われる選手が大きな周囲に負けじと点を取っていく姿がそこにはありました。
その高校は隣町の『烏野高等学校』。
ふむふむ。ということは物語は高校から始まるのか。
と、思いきや中学3年生のところからになります。
ユニフォームを身に着けた。広い会場に感動してますが……どうやら中学3年生にしてようやく大会に出られたようです。
というのも、彼の中学には男子バレーボール部が廃部となっていたからです。それでも諦めきれなかった彼は一人でも頑張ると勧誘や自主練を続けて、ようやく、という。
ギリギリの6人な上に、そのうちの2人は他の部活に入っていた友人(バレー初心者)。
それは……本当によく試合にこぎつけたな。
よく3年間続けられましたよね。すごすぎます。
そんな翔陽ですから、いろんな学校の選手たちが大きな体育館でアップをしているという光景だけで感動するわけです。
ちなみに原作である漫画が始まる頃は男子バレーボール部は不人気なスポーツで、男子バレーボールの競技人口は減っていたようです(長身の男子はバスケに流れる)。
私の学生時代も男子バレーボール部はあまり見かけませんでしたね。
そういった現状を知ってもらうためにも、ということで最初のシーンは人数が揃わないというこういう描写になったみたいです。
ちなみにこの作品が人気になったことで競技人口も増えたみたいです。
なるほど、あえての描写だったのか。
それで今、翔陽の学校は3年の翔陽一人に1年生が3人、か。
あと助っ人の二人という素人同然のチームですが、翔陽は出るからには勝つぞと本気です。この、勝つことへの執念が少年漫画やスポーツ漫画では当然のように描かれますが、翔陽も例に漏れず。この姿勢が……私にはとても眩しいですね。つい諦めてきた過去の出来事や現状を思ってしまいます。
ただ!ご安心ください!
ハイキュー!!はそういった『目的へ一直線』『勝利への渇望が凄い』キャラクターたちだけではないんです!
今後、そういうお話もあるのでお楽しみに!
とはいえひとまずは、今の翔陽たちのお話ですね。
相手は北川第一という学校。翔陽は初めての試合ということですし、まともに監督もいないようなチームですので情報を持ってませんが、優勝候補のチームです。選手たちも見事に大きな人たちばかり。
そんな人達とすれ違う翔陽ですが、北川第一の最後を歩いていた一人の男子生徒を見た翔陽はそこに不思議な幻を見ます。豪奢な王冠やマントを身に着けた王様のような相手。
部員数も多く、当然ながら応援団もいます。
周囲でアップしていた他の学校の生徒たちも北川に気づいてひそひそと噂します。なんでも影山トビオという選手はコート上の王様と呼ばれているそうです。ポジションはセッター。
対して翔陽たちの方は翔陽含めて全員が小柄です。ビビるメンバーに対して翔陽は相手がどんなに高くても自分が超えると自信アリ気。ジャンプ力が凄いみたいですね。
なんですが、お腹が痛くなった翔陽はトイレに向かいます。
格好いい!
と思ったのに締まらねーなぁ。
コート上の王様
水飲み場では、北川第一の生徒がドリンクを作っていました。そして雪が丘(主人公である翔陽の学校)のことを聞いたことがないし、人数も少ないし、背も小学生みたいで試合にならないと馬鹿にしていました。
翔陽はそこに出くわして「舐めるな」と言いますが、トイレ前でお腹痛そうにしているので格好がつきません。余計に馬鹿にされます。
と、そこに不機嫌そうな声が響きます。それはあのコート上の王様と呼ばれていた影山。影山飛雄です。
影山はドリンクを作っている子たちに声をかけます。2年生らしいですね。
急いで作業に戻る2年生ですが、相手を舐めっぱなしでそんなに作る必要はないだろと言ってます。影山は背を向けてさろうとしていたのですが、「ベンチにも入れないのに対戦相手を見下せるのか」「学校の名前に乗っかるな」と強く避難します。
影山……怖いが悪いやつではなさそう、か?
翔陽も怖いと思いましたが、それでも堂々と対峙しようとします……お腹押さえながら。
体調管理も出来ない、と影山はいいますが翔陽は「小さくても俺は跳べる」と言い「負けが決まっている勝負はない」と言い切りました。その姿に迷いはありません。
諦めない、と。
これが翔陽という人物をよく表す言葉ですね。
主人公のこと分かってきたかもな。
諦めない、というのは言葉にすると簡単ですが貫くのは大変です。影山もそのことを指摘しますが、翔陽からしてみればようやく6人で挑むことができる試合です。少しでも長くコートに立っていたい、と。
それに対して影山も反応し、最後までコートに立っているのは自分たちだ、と受けて立ちます。
影山は弱小学校とかで翔陽のことを笑ったりはしないんだな。
そしてそのことで気合が入ったのでしょう。翔陽は腹痛が治り、すぐにアップしようとするのでした。
影山は実際に実力があり、翔陽は敵ながら上手いなということは認めます。と、ここでバレーボール初心者である助っ人が会話するという流れでセッターについての説明があるんですが、説明の流れが上手いですね。
最初セッターくらいは常識ではと思ったものの、でもバレーボールを知らない人からしたら「せったー? 聞いたことあるなぁ」くらいの可能性も確かにあるので、必要ですよね。
とはいってもすごく簡単な説明ですけどね。トスを上げる人、という。けど、逆に言うとくどくないのが良いですね。
試合開始。並んでいるチームメイトの中、唯一ワクワクとした顔の翔陽がいいですねぇ!
とはいえ、やはり素人同然のチームです。あっという間に点を取られていきます。
で、ここで回想シーンになります。部員は自分ひとり。年々人が減って部活でもなく愛好会という形。先生から他の部活に変えるかどうかと聞かれますが、それでも翔陽はやると言って頑張るのです。
ここからは回想シーンと現実の試合が繰り返される形か。
回想シーンでは女子バレーボール部の描写があるんですが、女子バレーボールはまだ人口がいるのに対し男子は、というここも当時の実情を表してますね。
私は小学校からバレーボールやってましたが、男子チームは本当に少なかったです。
翔陽は女子バレーボール部がコートを使っているのを見ながら、体育館の片隅で一人壁打ちをするわけです。一人だけの愛好会ですから、指導者も当然ながらいません。そして女子が外へ走りに行ったりする少しの間だけコートを使ったり……けど、一人でできる練習は知れてます。
隣で休憩していた友達(バスケ部)に声をかけますが、他の部の協力はなかなか難しい。先輩が見ているというのもありますしね。
今はもう古い考えで悪しきものと言われますが、当時の体育会系の雰囲気からすると部活中に他の部の手伝いは実際に結構難しいと思います。
現実の試合ではどんどんと点数を取られていきます。
回想シーンでは、今回助っ人に来てくれている二人との話もあるんですが、これがまたいいんですよ。この二人は別の部活に所属していて、翔陽の誘いを断り続けてはいるものの、その努力を間近で見ていたわけです。
なんとかして翔陽にスパイク打たせてやりたいと思うんですよね。
顔面の、なんとも痛そうな受け方しつつもようやく上がったボールを、翔陽が跳び上がるんです! 本当に跳ぶんです!
この飛んでいる時のフォームがまた美しい!
ここまで足が上がり、身体が反れるのは凄いですよ。
最終的にこの反りを戻す勢いも利用してスパイクうつと完璧!
私は中学までしかしてませんが、かなり滞空時間ないと厳しかったです。
こんなキレイな反り返りはやはり男子バレー! そして身体能力が高くて滞空時間の長い翔陽ならではですね。
よっしゃ、行ったれー!
って……お?
ですが現実はそう甘くはなく……翔陽の高いジャンプ力を持ってしても、向こうの背の高い選手たちによるブロックに阻まれます。マジで高い子たちが揃ったら壁ですからね、あれ。
翔陽は少しショックを受けますが、友達の励ましの声に気を取り直します。そしてそんな翔陽のジャンプ力を脅威に思ったのか、影山が彼をじっと見ていました。
ここでキャッチが入るんですが、翔陽がサーブでペットボトル当てるというのをやってます……これが可愛いので見て欲しいです。
圧倒的な差……しかし向こうにも亀裂が……?
あっという間に取られてしまった第一セット。第2セット目は何点か取れたようですが、相手のミスらしいです。
サーブもそうですし、アタックなんかもミスることは絶対にありますからねぇ。
翔陽のアタックは相手のブロックで止められてます。攻撃が単調なので読みやすいんでしょうね。
でもトスしてるやつはバスケ部で素人だから、他の複雑な攻撃とか言われても、だろうなぁ。
それに対して圧倒的な技量を持つ相手のアタックは順調に決まって……るかと思いきや、連携ミスしてますし、どうにもチーム内の雰囲気がピリついてます。
点数をつけている生徒たちが、セッターの影山のことを「上手いけど一人でバレーしてるみたい」と言いました。
影山くんも真剣にバレーしてるだけなんですが、すれ違いが起きてますね。
味方がミスしたボールを追いかける翔陽。結局取れなくて、相手のマッチポイント。1年生は諦めモードで、怪我しても大変だからそんなに真剣にならなくても、みたいなことを言います。
翔陽は1年生が何を言っているのかよくわからないみたいでした。
「まだ、負けてない」か……この状況で本気でその言葉を言えるって、それだけで才能な気がするな。
そうですね。個人的には翔陽の才能は身体能力もそうですが、一番はこの「諦めない」という心の方な気がします。
そして翔陽のアタックはブロックにあたり、ボールが大きく相手側のコートの方へ。追いかける選手はこれは取れないと考えて、適度に力を抜いて追いかけます。
ここだけ見るとこの子がとても悪いみたいに思えるかも知れませんが、そうでもないことが後々わかったりします……結構あとですけどね。
ただ適度に力を抜くというのは、体力を温存できるというメリットもある、とだけフォローしておきます。
そしてこれが決まり、雪が丘の周年の1点となります。最初は彼らを馬鹿にしていた点数をつけていた生徒たちも、一緒に「よし」と喜んでくれているあたり、根は素直で良い子そうですね。
コート上の王様が本気で追いかけなかった子に怒ります。そしてこれは軌跡じゃなくて、翔陽によって点を取られたんだと、とても真剣です。この子もとても素直そうですが……友達は少なそう。
そこツッコンでやんなよ!
そして雪が丘のサーブ。ネットインにより向こうのレシーブが崩れてチャンスに。また翔陽にボールを上げようとするわけですが、トスミスをしてしまい、後ろにボールが飛んでしまいました。
あるある、といいますか。素人同然で今までよくちゃんとトスできてたなと思います。トスってマジで難しいですからね。
そこには誰もいないはずのその場所に、いつの間にか翔陽がいました。影山もしっかりと翔陽をマークしていました。さっきまでレフト(自分のコートの左前のポジション)にいたはずでした。それなのに、翔陽はそこにいたんです。
横っ飛びの姿勢ではありますが、しっかりとボールを打つ翔陽。着地のあとは転がってしまいます。心配で駆け寄ってきた周囲をよそに、審判を見る翔陽……判定は、アウト。
ボールが落ちたのはコートの外でした。そしてすでにマッチポイントだったので、これで試合終了です。
他の選手が整列する中、動けない翔陽と怒りに震える影山。あんな動きができるのに、勝利への執着もあるのに、この3年間何をしていたんだと翔陽へ怒りをぶつける影山。
翔陽の友達は彼の努力を知っているから怒りますが……とにかく試合終了です。
ここで怒ってくれる友人がいるのが良いよな。
翔陽は悔しさで言葉が出ませんでしたからね。
中学最初で最後の試合は、僅か30分で終わったのでした。
最大にして最強のライバル
そんな試合を観戦していたジャージ姿の3人。顔は見えませんが、烏野という文字が見えます。影山は高校にきたらライバルになりそうだと。そしてチビ(おそらく翔陽)は面白い成長しそうだという期待もしてますね。
どんなキャラかはお楽しみに、ですね!
大会が終了して、凹んでいる翔陽を励まそうとする友人たち。相手の北川第一は全国区のチーム。負けて当たり前でしょうがない、という慰めを受ける翔陽ですが強いとか弱いとか関係ない、と翔陽は言います。負けたらそれ以上コートに立ってはいられない。
見つめる先には、同じく帰ろうとしている北川第一であり、コート上の王様である影山の姿。
翔陽は涙をこらえながら、影山に向かって宣戦布告します。王様を倒して自分が一番長くコートに立ってやる、と。
影山はそんな翔陽の言葉を馬鹿にしません。正面から受け取って、ならばもっと強くなれよと言ってきました。
いいねぇ!
この二人がライバルとして戦っていく、ということか。
夕日をバックに……いい感じですよね!
風が吹き、互いににらみ合う二人。そして影山は背を向けて去っていく……青春の一コマとして最高ですね。
その後、翔陽は助っ人に来てくれた友人たちに頭を下げてお礼を述べます。うん。こういうところとても素敵ですね。
翔陽はそれから、恥ずかしくてお願いしていなかった女子バレーボール部にも声をかけて練習に混ぜてもらい、あとはママさんバレーにもお世話になったみたいです。
ジョギングもしてできるトレーニングはしっかりとしたようです。
北川第一は残念ながら負けたみたいですが、翔陽はそれどころではなく受験勉強。あまり学業の成績は良くないみたいですね。友だちにまた教えてもらってます。いい子たちだ。
中学卒業。無事に志望校である……あの小さな巨人がいた烏野高校に合格し、隣町までチャリンコで通う姿が。
県立か……それならたしかにそこそこ成績良くないとダメそう。
学校の予定が終わったのか。ジャージに着替えた翔陽が、部活の勧誘ひしめく中を走っていきます。
そんな中すれ違った集団の一つは、黒いジャージ……どうもあの試合を見に来ていた男子バレー部員ッぽいですが、翔陽の目には入っていないようです。
そうまでして駆けていく先にあるのは、体育館。体育館でバレーボールをついている音と映像。翔陽はここでたくさん練習して影山にリベンジだーと体育館に飛び込んだのですが……なんとそこにいたのは、当の影山でした!
え、ええっ? どういうことだってばよ!
で、ここで流れる『天地ガエシ』もいい曲なんですよね!
翔陽が走っているED曲を奏でているのは『NICO Touches the Walls』の皆さん……アニメでは割とおなじみですよね。やっぱりいい曲です。
まとめ
ということで、すべてのプロローグという感じのお話ではあったのですが、最大のライバルとの出会いがあり、互いに別の高校で頑張って戦うのだろう……と思いきや、まさかの同じ高校。
これからどうなるのっ? という良い引きのお話でした!
うおおおおっ次が気になるぜぇ!
男子バレー部員が少ない、などのリアルも描いていて、部員がいないという切なさも感じられて、この最初の話結構好きなんですよね。
それでいて良い友達もいたり……ただ残念ながら彼らはここからほぼ登場してきませんけど。
ここから翔陽と影山がどういう関係になっていくのか。烏野の男子バレー部員はどんな人達なのか……お楽しみに!
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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