【死に戻り令嬢のルチェッタ】第3話―知らなかった彼の素顔にルチェッタは――?【ネタバレ感想】
ツンデレなだけで(実は)自分のことを好きな婚約者と結婚すると、彼の私怨に巻き込まれて死ぬっ? お金を稼いで彼との婚約を破棄しなければ!
という『死に戻り令嬢のルチェッタ』第3話が来ましたので今日も感想をやっていきたいと思います!
お、おうっ?
簡潔で分かりやすい説明付きか
今回も『お前……思春期じゃないんだから』と言いたくなるようなカイルの姿がもりだくさんなので、楽しんでいきましょう!
前回のあらすじ
デート回。カイルの姿に怒るルチェッタでしたが……?
占い師としてカイルからお金をまきあげるためにも、と占い師としてのアドバイス通りにしたカイルとデートすることになったルチェッタ。
これもお金のため、と笑顔を振りまいてみますが、仕事が忙しくろくに睡眠時間が取れていなかったカイルはそれどころではなく気分が悪い。
しかも限界が来て倒れ、眠ってしまいます。
怒るルチェッタでしたが、カイルの助手がやってきて状況を説明。
自分をかばったせいで貴族から嫌がらせを受けて忙しいのだと知った彼女は、仕方ないと膝枕でカイルをいたわるのだった。
お金のためといいつつも、ちゃんとカイルのことを心配していたわるルチェッタの内面が見れるお話でした。
今回のポイント
ちょっとずつルチェッタが絆されてきていますが、今回はさらにほだされる回でした!
注目ポイントはこちら!
- カイルの素の表情――下町民からは慕われている
- ルチェッタはやはり気高い魂の持ち主
ん?
素の表情って、あのカイルがルチェッタの眼の前で見せるか?
もちろんルチェッタの前では見せません。ですが、今回のルチェッタはルチェッタとしてではなく、占い師の姿で過ごします。
なんで気づかないのか、とか思いますがそこらへんの説明も少しあるお話です。
カイル=ウィズレーは今日も格好つける
このカイルという男が本当に……どうしようもないほどのヘタレで格好つけなんですよねぇ。
そのせいで本当はルチェッタが好きなのに真逆の言動ばかりしてしまってるんだもんなぁ。
今回もいきなりやっちゃってるんですよね……前回の散々なデートの挽回、ということで高級なレストランでの食事なのですが
『このレストランにはワインを卸していてね』
『ここのシェフはノルマハル国の元宮廷料理人でね』
『異国の料理を味わえる機会などそうないだろう。存分に味わいたまえよ』
なんて言いながら気取った様子でワインを飲んでいました。はたから見ると素敵な貴族でしょうが、会話内容は最悪です。
カイル、お前……マジか。
ルチェッタは「美味しいですわ」と返しつつも、内心では「金持ちアピールが大好きなただの成金」と称してました。そりゃそうだよ。
でもカイルは……気づかない。
ルチェッタがカイルに合わせて笑っていることに気づかず「前回の挽回はできた。彼女も満足そうだった」と嬉しそうです。
単純すぎる……他人事ながら、女性に騙されないか心配です。
ルチェッタにはすでに金づるとして騙されているわけだが
いやでもほら、ルチェッタの言動なんか可愛らしいものでしょう。金額もあくまでも占い師としての範囲内っぽいですし……どこそこの家や土地を買えとか、珍しい宝石がどうのとか有名デザイナーのドレスを何百着とか言ってませんしね。
占い師としてのルチェッタと貴族のルチェッタ
実はこの後、流れで占い師とカイルはお昼に行くことになります。
おごりだ、というカイルにルチェッタ(占い師)がついていくとそこは高級レストラン……ではなく、庶民が経営している庶民の店。実のところ、彼はそういうシンプルな食べ物のほうが好きなようです。
高級レストランの料理はあまり味わえない、とカイルは言います。貴族が一挙手一投足を見てくるから気が抜けない、と。
「ルチェッタに恥をかかせる訳にはいかないからな」
「彼女にみっともない姿はみせたくない」
気持ちはわからなくもないですが、それらが全部裏目に出てるんですよね……まあ、そんな彼の眼の前にいるのがルチェッタ本人なわけですけれど。
そんなに好きな割に、カイルってルチェッタのこと見てないよなぁ。
格好つけてばかりでルチェッタが本当に楽しんでいるかわかってないし、
好きが行き過ぎて彼女を前にすると自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうんでしょうね。
そんなカイルでしたが、下町の人間には好かれているようでした。というのも、自分のような子供を出さないため、と仕事を頑張って周囲の人間に仕事を与えているようでした。
貴族の中では舐められっぱなしですが、人望はあるようです。
おっ、いいじゃねえか!
ただの成金じゃなかったんだな。
変に格好つけるよりそういうところ見せたほうが良いと思うんですが、まあ貴族社会とかあると難しいかな? 感覚が違うのは事実でしょうし。
しかしその見せた方がいい、と読者が思っている相手はカイルの目の前で正しく目撃しているわけで……その反応は?
ルチェッタ=アンブリッジの気高さは偽物か否か
その日、占い業が忙しかったルチェッタは、お昼ごはんを食べそこねていました。そんななかでカイルの相手をしていたわけですが……お腹が鳴ってしまいます。
なるほど、それでご飯に誘われたのか
庶民の店に連れて行かれたルチェッタは落ちぶれた家とはいえ、貴族。ナイフとフォークがなくてかぶりつく料理は初めての体験。
といいますか、言動が完全に庶民と異なることに気づかれそうなものですが、カイルや周囲は普通にしています。
訳あり、とか思っているんでしょうか? いやそもそもヴェールをかぶっているとは言え、口元は丸見えです。声もそのままなはずなんです……カイルは緊張しすぎてルチェッタの声すらちゃんと聞けてないのかもしれませんね。
まあ貴族風に喋っているルチェッタと、もう少しくだけた口調の占い師では雰囲気が異なる、ということにしておきましょうか
占い師としてカイルの普段の様子を知ったルチェッタは、どうしてカイルが自分を好きなのかたずねます。
昔に助けられた、という話についてまったく心当たりがないルチェッタ。
同時に、なぜ彼が自分に気づかないのか理解しました。
ん?
どういうことだってばよ?
カイルが好きなルチェッタは、『そうあるべきと言われてきた姿を演じてきた(貴族の)自分』であって、本当の自分(占い師)とは違うから、です。
自然と動き出していた彼女の背に、カイルは思い出す
まあ、カイルがほんとうの意味で恋を自覚するのは、周りにきつく言われて泣いていたその姿を見てからなんですが、ルチェッタはその続きを聞くことはなく……その後は子供の喧嘩のように2人は言い争ってしまいます。
店を飛び出すルチェッタ。
カイルのことなど知らないままで良かったと思っていた彼女でしたが、そんな彼女の目の前で警備隊が子供に手を上げているのを目撃し、その子供をかばうように警備隊の目の前に立ちふさがります。
そう……カイルが助けてもらった時のように。
う~ん……ルチェッタは本当に気高い貴族を演じている、のか?
どうなんでしょうね。少なくとも本人はそう思っているようです。なんといっても、今は占い師としてカイルを騙しているわけですから。
でも、何も考える前に飛び出しているのは……もはや演技ではなく、彼女の魂そのもののように思えました。
相手は警備隊ですから、ガタイの良い男性の前に飛び出すってすごい勇気ですよ。
実際、カイルも占い師の姿にルチェッタをかさね、腕をつかんで彼女の身を引き寄せたくらいです。
お、いいじゃねえか!
それでそれで?
カイルは「まさかな」と勘違いだと思って手を話すのでした。
まさかなっじゃねえよ!
合ってるよ!
もうこれはあれですね。ルチェッタがあんなところで占い師なんてやっているわけがない、という思い込んでいる感じですねぇ。
しかし今回の出来事によって、この下町の人々に占い師ルチェッタは信用されたように思います。それが誤解を生んで事件が起きたり……とかしそうなのが楽しみです。
まとめ
カイルはただの成金ではなく、周囲の人達のことを考えて努力してきた男だった! しかし想い人に格好いいところを見せようと空回りしまくっている……姿を当の本人に見られまくっている現状……さあっ、どうなる?
というお話ですね。
ルチェッタが結婚式で死ぬ前は、その空回りの姿に気づかなかったんだもんな。
第一印象が最悪すぎて、興味を抱かれなかったのがイタイですね。
ああ……プロポーズで「以前から爵位が欲しかったんだ」は最悪すぎるよなぁ。
ですがルチェッタはカイルの本心を、素顔を知ってしまったわけです。段々と絆されていっている……けれど、このまま結婚してしまうと殺されてしまうわけで……。
ああそっか。
死の未来の問題を解決しないと、たとえルチェッタがカイルを好きになっても意味ないのか。
占い師として騙しているという良心の呵責にも悩まされそうですけど、一番の問題はやはり一度見てしまった死の未来でしょうね。
でもそれも、恨みを買った結果ですからそこをうまくルチェッタがフォローしてあげれば……しかしルチェッタの良心が痛むのは間違いないですし、バレた時がどうなるか、どういうタイミングで、どういうシーンでバレるのか……今から楽しみですね。
ということで、今回も楽しかったです。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
皆でカイルの空回りっぷりを堪能しような!
じゃあ、まったなー!
初恋をこじらせまくっているカイルのヘタレ姿と愛らしくて気高く格好いいルチェッタの活躍が見れるのはコチラ!