【死に戻り令嬢のルチェッタ】第4話―愛し合っている『演技』をしなければならなくなった2人【ネタバレ感想】
前回、ルチェッタは占い師としてカイルの新しい側面を発見し、もやもや。カイルは占い師にルチェッタの姿を重ねるも、その正体に気づくことはなく……というじれったい感じでしたね。
そして今回は……THE・ニヤニヤ回、でした!
ということで『死に戻り令嬢のルチェッタ』第4話の感想をニヤニヤしながらやっていきましょう!
えっ? そんなニヤニヤ回なら、ネタバレ前に見たい! という方はコチラからどうぞ。
前回のあらすじ
ルチェッタが可愛く、カイルは相変わらずカイルでした。
ルチェッタは占い師の格好のまま、カイルと昼食を取ることになった。
連れて行かれたのは高級レストラン、ではなく庶民の店。カイルはこちらのほうが気兼ねなくて好きらしい。
そこでカイルがどうしてルチェッタ(自分)を好きなのかと聞くも、カイルと出会った記憶がないルチェッタ。
しかしカイルが好きな自分は演じた自分で、本当の自分(占い師)ではない。だから気づかれないんだ、ということに苛立ったルチェッタはカイルと喧嘩して店を飛び出してしまう。
店を飛び出した先で、ルチェッタは子供が警備隊に虐げられているのを発見。とっさにかばい、駆けつけたカイルは一瞬ルチェッタにその姿を重ねるも「まさかな」と勘違いだと思うのだった。
彼女の気高さは演技ではなく、魂に染み付いているように思いましたね。
今回のポイント
一言でまとめると「少女漫画してるなぁ」という話でした。
- 表紙は相変わらず喧嘩している2人
- 強がるカイルに苛立つルチェッタ
- 突如始まる愛しているごっこに悶絶するカイル
ある意味ほのぼの。
表紙はルチェッタとカイルの喧嘩
うぅむ、この……体勢だけを見るといちゃいちゃなのに、ツンデレしている感じ……もう第四話にしてこの物語の本質を表している感じがしますね。
ツンデレ物語だよなぁ、ルチェッタって。
ツンデレ男子とはありますが、ルチェッタも大概ツンデレですからね。
この姿勢のカイルは『う、嫌がられている……けど、ルチェッタを落とすわけには』とか凹みながら必死に踏ん張ってそうです(笑)
そしてルチェッタの方もまんざらではないと思いつつ、照れて恥ずかしがって嫌がっている、という感じに見えます。
はたから見たら「爆発しろ」レベルなんですが、お互いすれ違いまくっている2人。そんな2人の距離も、今回の事件で縮まりそうです。
相変わらず素直じゃないカイルに、苛立つルチェッタ
前回、子供をかばったことで下町の人から慕われ、何かと気遣われるようになったルチェッタ。
そんな彼女のもとに一人の子供……カイルの助手のような子が訪ねてきます。以前書いそこねたお守りを買うためですが、そこでカイルの店が相変わらず貴族から嫌がらせを受けていて多忙である、と聞きます。
前回はそのせいでデート中に倒れたんだよな
心配かけたくないのと、好きな女性の前で格好悪いところは見せられない、という心境からですね。
気持ちはわかりますけどそのせいでルチェッタにまったくカイルの気持ちが伝わっていないのがなんとも。
弱みを見せない演技は完璧なカイル
しかしほんと、カイルはルチェッタの前だと平然とするということに関しては完璧な男ですね。
ルチェッタは真相(ルチェッタの悪口を言う貴族から彼女のことをかばったせいで嫌がらせを受けている)を知ってしまったがゆえに、カイルを心配するのですがケロっとした顔で
「君が心配するようなことではない。気にするな」
心配したルチェッタに背を向けながら素っ気なくそう言うのです。
かあ~~~っ!
同じ男としては分かるぜ、カイルの気持ちはよ。
自分(ルチェッタ)の前では決して見せない姿
自分のせいであり、心配をかけさせないために平気なふりをしていると、ルチェッタは分かっていますが……彼女は思い出してしまいます。
占い師としての彼女の前で見せた、飾らないカイルの姿を。
下町の人に向けていた笑顔、それを自分に見せてくれない……そのことにルチェッタはいらだちを覚えてしまうのです。
もうだいぶ絆されてますね、ルチェッタ。
このまま本当に婚約破棄できる? と心配になってしまいます……まあ、まだお金の問題が解決していないので破棄できないわけですが。
下町で占い師として稼ぐくらいで返せる借金ならあっという間でしょうし、そもそもそのための結婚なんてしないでしょう。
※占い師で稼いだお金で投資する、と第一話で言っていました。
どのくらいの借金なのか。いつ返せそうなのか。その頃に2人の関係がどこまで進んでいるのか……気になりますね。
愛しているゲームにてクリティカルヒットのカイル
で、やってきました第一回『愛しているゲーム』の開催です!
……いや!
当然、みたいな感じで言われても……なんだよそれ!
実はですね。ルチェッタの父親の姉(妹)※から手紙が来たのです。要約すると
知らない間にルチェッタが婚約していたそうだけど、挨拶に来なさい。
その時にもし姪を大事にできない相手だと判断したら婚約は認めない。
幼い頃に母をなくしたルチェッタを厳しくも優しく見守ってくれた存在で、父親はそんな姉(妹)※を怖がっています。
※姉(妹)としているのは父親の姉であるのに「叔母(父の妹)」と書いてあり、どちらか不明なため。おそらく姉の伯母なのでしょうが。
なんかこれ聞いただけでも厳しそうな人だな。
コーデリアという名前だそうですが、ちらっと写った絵をみても厳格で厳しそうです。誇り高いルチェッタの今にだいぶ影響を与えていそうですね。
しかしオバとしては普通の反応でしょうね。幼少期から愛情を込めて接してきた姪に知らない間に婚約者がおり、挨拶に来ない。
何かわけありではと勘ぐってしまいそうですし、実際問題、カイルは爵位が欲しかったからだろうと周囲に思われていますし、ルチェッタも家のための婚約だろうと社交界で囁かれています。
いくら社交界から引退して静かに暮らしていても、ルチェッタが婚約したことを知ったのならば調べているでしょうし、噂は聞いているはず。
死に戻りする前では、愛し合っている演技をして乗り切ったようです
胸を張って虚しいことを宣言し、泥水扱いされるカイル
挨拶に行くときには仲良い演技しなければならないのですが、最悪なことに2人は喧嘩していました。
ルチェッタが心配をかけまいと強がるカイルに苛立って、カイルは彼女が苛立っていることには気づいたものの優しく問うこともできず……という。
馬車の中でため息をつくルチェッタ。オバに泣きつけば婚約破棄はできるでしょうが、まだ借金返済の目処が立たない今、婚約破棄もできない。
前回の苦い演技の記憶を思い出していました。
ちなみに前回のカイルはこの演技を「虚しい」と嘆いていましたね。
そりゃなぁ。
本当は好きな相手に嘘で愛し合っている演技なんて……むなしすぎる。
とはいえ、前回の記憶が無いカイル。不機嫌そうなるチェッタにたいしてこう言い切ります。
「いーや君は俺に愛していると言うくらいなら死を選ぶ女だ」
おい、カイル止めろ!
虚しいだけだぞその言葉は。
実際この後、「家のためなら泥水でもすすれる」とルチェッタに言われてしまってましたね。
かわいそうですが……自業自得ですね。
カイル、幽体離脱する
この後も喧嘩のノリで、「じゃあ演技してみろ」という流れとなり、お互いに『愛している』を言い合うことになったのです。
それが『愛しているゲーム』か。……できるのか?
前回はできたルチェッタですが、今回はカイルの素の顔も知っています。
前回と同じように身を寄せて「愛している」と言うのですが、脳裏にカイルの「ずっと(ルチェッタを)好きだった」という声が駆け巡り
照れた顔で少し目線をそらしながら、言うのです。
言葉をつまらせつつ、というのもポイントです!
ヒロインの魅力が詰め込まれたシーンは必見ですね。
可愛らしすぎるルチェッタに対し、カイルの心の中では言葉が消失。どころか昇天しかけます。
本気で好きな相手に「愛している」と言われただけでなく、どことなく頬を染めたまるで照れていて本当に自分を好きなのでは、と感じさせるルチェッタに天を仰ぐカイル。
なんとか「これは演技だ」と持ち直していましたけどね。
カイル、見事に演技す……る?
このあとはカイルの見せ場……ルチェッタは今までのカイルの鼻につけた金持ち自慢の演技を見ているだけに大したことないと思いますが
忘れてはならないのが、カイルはルチェッタのことを『本当に』好きであるというところ。
その頬に手を伸ばし、真剣な顔で言葉を紡ごうとするカイルにルチェッタは前回との違いを感じます。
ついつい前回よりも不自然な態度を取ってしまうルチェッタをカイルが演技でフォローしますが、そのスキンシップは前回よりも多く激しく……?
上手くオバの元で演技できるのか、で終わっていました。
ルチェッタの心の変化具合がなかなか面白いな!
まとめ
ただの成金で嫌味な男、という評価だったカイルが本気で自分を好きであり、本当の素の顔を知ったルチェッタ。
おかげで前回の時には問題なくできた『愛し合っている演技』ができなくなっていました。
しかしオバに婚約を認めてもらえなければ、家も借金を返済できない。
さあっ! どうやってこの危機を乗り切るっ?
まあ、ある意味本気で愛し合っているように見えるかもしれないけどなー。
読者からするとそう見えますけどね。
物語としてどう持っていくのか。
オバはどういう点を重視しているのか。
そこらへんが鍵になりそうですね。
とにかく今回はルチェッタの可愛らしいシーンと、カイルの見せ場が良かったですよ。カイルはもうちょっとぐいぐい行ってもよかったとは思いますが。
そして次回・次次回は休載です。おそらく単行本作業に入られるのでしょう。描き下ろしとかあるんでしょうか。それも楽しみですね。
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
おうっ、まったなー!
こんなニヤニヤできる2人の「愛しているゲーム」が読めるのはコチラ!