【転生悪女の黒歴史】死亡フラグ65――傾国の美女……いや、悪女【ネタバレ感想】
前回は、イアナが無事に(?)脱獄してコノハのために一歩先を行き、とある祭壇を出現させるべく遺跡のしかけを発動させました。
その結果、デスゲームをすることになるわけですが……。
一方でギノフォードはどんどんと強くなっていくコノハの姿を見て、イアナのせいだとイアナへの憎しみをマシていましたね。イアナのことを思ってコノハは危険へと突き進んでいる、と。
こじれにこじれてきているコノハとギノフォードとの関係。そしてイアナの知らない傀儡術と、術者の正体。アクスタみたいになっているシャノウがちゃんと復活できるのか、などとても気になる死亡フラグ65をやっていきましょう!
ラブ注入、みたいなポーズしているシャノウのアクスタが大活躍!? する話をいち早く読めるのは↓LaLa最新号↓です!
前回のあらすじ
作者が知らない設定。知らない流れ。
生きたままの傀儡術など、イアナは設定していない。
どうなっているのか知りたかったイアナだが、コノハを助けるべくイアナはそちらを優先することにした。
強く、皆を率いるコノハの姿にギノフォードはこうしてコノハは傷つくのだと。そしてコノハが頑張るのはイアナのせいだと、彼女を憎む。
イアナはコノハが日食でやってくる魔物を罠にはめることを知っていたため、それに必要な神殿へ赴き、祭壇を発動させようとしたがそこへシャノウの身体を使った誰かとハイドランジア隊がやってきた。
イアナのピンチを救ったのはウェントス。
しかしそのまま祭壇を発動させるための試練――デスゲームが始まるのだった。
前話より
ウェントスまで来たということは傀儡の術者は彼らではない? では一体誰なのか。
今回のポイント
生きたコマによるチェスゲーム。
- ソルが完全にヒロインポジション
- だまって俺についてこい――亭主関白宣言?
- 『私は』とその存在は口にした
幻覚が見えるモブ部下たち……今更イアナの魅力に気づいたか、馬鹿め!
ソルが完全にヒロインポジション――帰って来るその場所を守る
ソルとコノハが罠を張るための結界の檻について話しています。ソルはそんなものが本当に遺跡にあるのかと聞くのに対し、コノハはやや寂しそうな顔をしながら「ある」「分かる」と答えました。
んー?
分かるっていうのはなんでだろうな。聖女だから?
ローズ王国でもありましたね。地下への道を探し出してました。
これ、もしかしたらイアナの見ていることがコノハに伝わっているとかそんなことがあるかもですね。ローズ王国での事件(シャノウと仲良くなるきっかけとなった美少女行方不明事件)も、先に地下へとたどり着いていたのはイアナですし、イアナはそもそも作者として話の流れを知っていますからね。
ソルはコノハの元気がないように見えるのは、イアナを心配してのことだろうと思います。何より、彼自身も主のことが心配でなりません。
と、そんなソルが建物内を歩いていると侍女? たちが牢獄の話をしていました。イアナが囚人たちを脱獄させた、という。
この女性たち、『私刑』の檻と呼んでいるので牢獄の実態知ってそうですが、この国の常識ではその事に疑問を抱くことはないみたいですね。
定番のイアナ(悪女)が悪い、という話してるなぁ。
ソルにとっては何よりも大切な名前を耳にしたので、イアナがそこで怪我をしたかどうか女性たちに聞きます。元気に走って逃げたというのを聞いてホッと息を吐き出します。
彼はイアナを諦めてはいません。けれど、今の状況で無理に連れ戻そうとしても拒絶されるだけ。だからとにかく無事が分かれば良い。そして彼女が帰ってこれるように、居場所であるコノハを守る、と。
ソルはけなげだなぁ。
ヨミとはまた違う献身な感じですよね。
だまって俺についてこい――亭主関白宣言?
イアナたちは遺跡の祭壇を出現させるため、デスゲーム……自らを駒としたチェスに挑もうとしていました。
ここ、本来の流れではまず先行後攻を決める簡単なゲーム(壁から映えた巨大な両手の拳から一つを選び、中に白い駒があるか黒い駒があるかで決める)をするのですが、他の誰かの責任にしないためにコノハが右手を選び、選考を勝ち取ります。
イアナは原作知識を生かして、中二ポーズをしながら右手を宣言しようとしますが、偽シャノウが左手を選んでしまいます。そして人数のこともあり、シャノウが全体の指揮をとることに。
ああ……イアナなら先がわかると言っても、他の奴らは知らないし、悪女の言う事聞くやつはいない、か。
読者からするとイアナの言う事聞けばいいのに、ですが彼らの立場からすると……まあ、しょうがないですね。
しょうがないとはいえ、イアナを「醜女」と呼んで突き倒したのは許せん。正体がわかったら覚えてろ。
ちなみに本物のシャノウは「大丈夫か」とイアナを心配してくれていました。その分、シャノウの顔でイアナに冷たく当たってくるので、シャノウとの初対面を思い出しますね。
彼も昔はイアナのこと毛嫌いしてましたし……けど、同時にイアナのことを分かってくれる人もいるんだと嬉しかった記憶もありますが。
一瞬弱気になるイアナでしたが、コノハを支えるためにもこの勝負を勝利に導いて祭壇を出現させると意気込みます。
イアナに与えられたのはポーンの役目。前にしか進めない最弱の駒。将棋で言うところの歩ですね。
さすがに文句を言い、指示には従わないというイアナですが偽シャノウを副隊長と信じる他の隊員たちは彼に従い……そして敵に取られていきます。
ちなみに、ウェントスは人数が余ってしまって盤上の外にいるぜ!
偽シャノウとしても、配下のほうが扱いやすいからでしょうね。
正義を貫くためには犠牲が必要
偽シャノウは駒が生きた部下であるにも関わらず、わざと敵に取らせるという手法を使います。敵の巨大な駒が部下を襲い、部下が怪我しようがクイーンの前の道を開けるためと気にしません。
アクスタのシャノウが「普通の駒じゃないんだから気を使え」と言いますが、
「――気遣う?
正義を貫くためには犠牲が必要だろ?
私はそう学んだ」
と、なんとも冷たい目で切り捨てます。
ここで私が気になったのは『私』という一人称です。
ハッ、たしかに……シャノウは俺だもんな。
これはとっさに出てしまったと考えられますし、そしてこの冷たい目……教皇の可能性が高くなったんじゃないかと。
最初は魔法と言えばヨミかなと思っていたのですが、醜女扱いとか突き飛ばすとかこんな冷たい目、私という一人称からさすがになさそうです。たとえ物語どおりにイアナへの愛情が冷めたとしても、一人称が……。
教皇が術者というのはひねりがなさすぎる気もしますが、明確でスッキリとはしてます。
そしてイアナが迷っている間にどんどんと劣勢に追い込まれていきます。しかし部下たちは自分たちが不甲斐ないからだと自分を責めます。
そんな中、盤の外にいるウェントスが偽シャノウに言います。わざと負けようとしているのではないかと。状況は悪いのに偽シャノウには慌てたところは何一つとして無く、自分だけは助かると分かっているみたいだと。
それもそうでしょうね。何せシャノウの身体を操っているだけですから、たとえシャノウの身体が今度こそ本当に死んでしまったとしても別に構わないわけです。
冷たく笑っている偽シャノウを見て、イアナは手の中にいる本物のシャノウに話しかけます。諦めたくないから盤上を降りることはしないが、シャノウはミカ(ウェントス)の方に投げると。自分といたらシャノウの魂が割れてしまうから。
女王にしてやる……強い口調の中にある温かな想い
ウェントスへ向かってシャノウを投げたイアナはポーンとして、倒れることしか出来なくても前に進んでやるという意気込みます。
が、「ふざけるな」と響く声。イアナのところに飛び込んできたのは、先程投げたはずのシャノウ。
ここでいつもの痛々しい学生時代の思い出タイム!
今回はそこまでイタくはないかもな?
3次元より二次元のキャラの言葉のほうが心に響くというやつ……お恥ずかしながら私も「分かるわー」とか思ってしまいました。2次元のキャラには嘘がないと思うからでしょうかねぇ?
シャノウが叫ぶわけです。イアナにも、部下たちにも……自己犠牲に浸っているなと。
具体的になんと言ったのかはぜひとも本誌で確認して欲しいところですが、なんといってもこのあとが格好いい。
シャノウはまだアクスタの形のままなんですが、シャノウの言葉に部下たちは自分たちの上司の本物はアクスタの方ではないかと気づきはじめます。
そしてシャノウは、イアナに向かって真剣にいうのです。
「いいかマグノリア。
俺がお前を女王(クイーン)にしてやる」
ここ! ここがめちゃくちゃ格好いい!
心理描写として倒れ込んだイアナの頬に手を当ててこの言葉を告げているシャノウが描かれていて……「シャノオオオオオオオゥ」と叫んじゃいました。
実際はアクスタ状態なんですけどね。見開きで描かれているシャノウの横顔がイッケメンです! そしてその言葉を聞いたイアナの驚いたきょとんとした顔……自分が悪く言われることになれきったイアナにとっては、とっさに受け入れにくいのかもしれません。
そしてそこから、アクスタのシャノウが全体の指揮をとりはじめます。部下たちは疑うこと無くその指示に従い、偽シャノウが慌てて銃を放とうとしますがそれをウェントスが止め、ポーンの使い方について説明します。
ポーンはたしかに最弱……けれど、一番奥までいけば『女王』になる、と。
花が咲き、女王の冠をかぶったようなイアナの幻覚を部下たちが見て、頬を染めたりめをこすったりしています。
今更イアナの魅力に気づいたか、おんどりゃああああ!
まてまてまて、落ち着け! イアナ好きなのは分かったから落ち着け!
しかしイアナは本当にコノハとよく似ています……似ているのになぜか醜女扱いされるのは、呪い的な何かがかかっているのではと疑ってしまいますね。
コノハがのろいかけてたら面白いんですけどね……妹の魅力を知っているのは自分だけでいい、みたいな。
そしてクイーンになったイアナによってチェックメイトとなり、勝負に勝てたのでした。
光があふれる神殿シャノウのアクスタが――!
様々な準備をしていたコノハたちが、向かおうとしていた古代神殿から溢れる光に驚きます。コノハは祭壇が現れたのだと理解しますが、でもなぜそんな状況になっているのかはわかりません。
んー、となるとやはりイアナの目を通して何かを見ているわけではないんですかね? では一体どうして祭壇のこととか分かったりするのでしょうか。
祭壇では光りに包まれた人のようなものが見え、そしてシャノウのアクスタにヒビが入って……?
で、終わっていました。
まとめ
今回はたとえ側だけ操っても、やはり心で本物が誰なのかが分かるというのと、ひたすらにシャノウが格好いい話でしたね。
しかも最後ではシャノウが完全復活フラグ立ってますし……シャノウが復活してくれたら、イアナの精神面での負担も軽くなるでしょうから、イアナ好きとしては嬉しい展開ですが。
イアナに苦しい展開が続きすぎたので、ぜひシャノウには復活してイアナを守るナイトになってほしい。
シャノウは黒歴史には存在しないキャラってのもいいよな。物語の展開に、良い意味でも悪い意味でも左右されない気がするぜ。
イザークは悪い方になってしまった例かもしれませんが……いや、イザークも復活したり……それはさすがに都合が良すぎるかなぁ。それに亡くなったからこそのあの神回ですし、ファンとしては心苦しいところ。
とにかくっ! これはもう……次回が待ち遠しすぎてしょうがないです。ヤトリも近くにいますし、ウェントスまで今は傍にいますからね……このままイアナがこれ以上傷つかない展開がいい……けど!
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
シャノウ! シャノウ! シャノオオオオオオオゥ! と叫びたくなるほどに格好いいシャノウの姿が見れるのは↓LaLa6月号↓です!
今までの『転生悪女の黒歴史』を読み返したくなったならば↓単行本↓もぜひ!