【ひねくれ騎士とふわふわ姫様】第3話――やってみたい、と彼女はまっすぐに前を向く【ネタバレ感想】
姫様ーーーっ?
で終わった前回。
いや、他にも色々とあったんですけどね。出てきた玉ねぎくんが可愛いとか。相変わらずお家が可愛いとか。姫様超可愛いとか。ついでにルークスも可愛いとか。
あとあと、ルークスと姫様の関係者が登場したりとか。
まぁそれよりもインパクトが有る「おあいこ」のシーンにルークスだけでなく皆(読者)して「姫ー」となったわけです。
で、今回は二人の関係が一気に……進むことはないんですが(笑)、また前回とは違う登場人物がでてきたり、姫様の過去が垣間見えるお話になってます。
で! で!
二人の関係が一気に進むことはないんですが! いちゃいちゃが見れます! そしておうちづくりも見れますし、相変わらず可愛い。
そんな楽しみな『ひねくれ騎士とふわふわ姫様』の第三話感想、やっていきましょう!
ルークスとクローニア王女のいちゃいちゃなんて……見るしかねぇ! となった方は↓第一巻↓です! この可愛らしく癒やされる表紙ですのでお間違いなく!
前回のあらすじ
たまねぎくん!
ルークスは、結婚はさておき姫様のことを嫌いになれず、騎士としてそばに仕えて彼女のことをもっと知ろうとする。
しかしその前に生活環境が悪いため、冬支度をするための状況把握をすることにしたが、予想よりもひどい状況に頭を抱える。
そんな中、台所に居座っていた玉ねぎの妖精からの依頼で東方の陶磁器で家を作ることとなり、その報酬に台所を使う権利と沢山の野菜をもらった。
一方、王都ではルークスや姫様の知り合いが何やら動き出していた。
前話より
姫様ー?
今回のポイント
ボケー。
- 姫様の過去と夢
- 商人と妖精のランプ
- いちゃいちゃ
- 就職
好きなものを、選んでも良い。
何もしてはいけない
姫様は生まれた時、死産と判断されました。ですが埋葬直前に息を吹き返しました。
気になったので調べてみましたが、現代でも実際にあるそうですね。
強硬症という感覚が消える症状もあったり。
へぇ。そんなことがあったら奇跡、とか言われそうだな。
そうですね。そういう場合もあるでしょうし、別の場合も……。
姫様に関しては、妖精が見えるというのも相まって、不気味という囚われ方をしてしまったみたいです。特に王国では「妖精が見えること」がマイナスに捉えられるというのもありますしね。
私も一読者としては「なんだとー」と言いたいところではあるものの、この世界で生きる普通の人間だったとしたら、この人たちと同じように姫様を不気味だと思ったかもしれません。
姫様が妖精と一緒に作った花冠。それが捨てられてしまい「何もしないでほしい」とまで言われている、のを聞いてしまう姫様。
うああああ、慰めにいきたいー、よしよししたいー!
自分は何もしてはいけないのか、と姫様が思ったところで目覚めます。良い目覚めではないですねぇ。
意外とチョロいひねくれ騎士
温かいスープをテーブルに置いたルークスですが「ボケー」っとしてます。彼が思い出しているのは、前回の姫様のほっぺにチューです。
どうやら姫様のことばかり考えてしまっているようですが、自分で自分がちょろすぎるだろうとツッコミ入れてます。
ルークスは、見た目が良いですし若い。当然ながら今まで言い寄られたこともある。けれど、抱いた気持ちは初めてだ、と。
純粋な好意に、あまり触れてこなかったんでしょうねぇ。
クローニアが眩しくて、調子狂ってるんだろうな。
と、そこに姫様がやって来ます。笑顔で挨拶してくる姫様ですが、ルークスはその笑みに違和感を覚えました。
しかしすぐに問い詰めるようなことはなく、朝食に誘います。玉ねぎくんからもらった野菜たっぷりのスープを作ったというルークスに「すごい」と目を輝かせ楽しみにしている姫様。何気なく「嫌いなものはないか」とルークスに聞かれた姫様は、しかし固まってしまいました。
ああ、夢の内容考えると……。
ルークスはそこらへんのきのことかをパクっと行っちゃうたくましい姿を見ているので、嫌いなものがないんだろうと判断しますが。
美味しい、と笑って食事をする姫様ですがやはり元気がないように思ってルークスはたずねました。夢見が悪かったと答える姫様。さらに詳しく聞こうとしたところで、来客です。
どうやら商人がやって来たようです。ランプトン商会のモフタン。細目の彼は近くの街のヨークベリーから来た、と。
先日、冬越のためにと都に鳥のコチカくん(ちゃん?)を送ってましたからね。
とはいえまだコチラくんは帰ってきてないのでそれは随分と早いな、と怪しんだルークスが最初は対応します。騎士ですし、姫様を危険から遠ざけようとしているのはさすがですね。
結構怖い顔で対応するルークス。たぶん、姫様が関わらなかったら普段からこういう顔をしてるんでしょうねぇ。
王都の商人ギルドから知らせが来たわけではなく、この城に姫様が住み着いたという話を聞いて、いろいろと入り用だろうとフライング気味に商売をしに来たようです。中々優秀そうな気配。
感心するルークス。そして商人の馬車にかかったぼろぼろなランプが気にかかります。
考え込んでいると姫様がやって来て楽しそうにしているのと、早めに物が手に入るに越したことはないため、商品を見ることにしました。
どちらを、何を選んでも良い
コーヒーを見てきゃっきゃしている二人。姫様はコーヒーを知らないみたいなので、一般的ではないようですが、ルークスは騎士として遠征した時に知ったようですね。焙煎する器具もしっかり用意している商人は、説明しながらも様子をうかがっています。
可愛らしい姫様と、ルークスは見た目からして騎士で他に使用人がでてこないから二人だけで住んでいるのか、と推測してます。
商人さんは普通の喋り方ですが、襟足がすごく長く、すごく暖かい格好してますね
もう寒いらしいからな……冬越のための防寒具と食料と薪、これは必須だよな。
薪は後日届けてくれるそうで、ひとまず毛皮と絨毯を頼むルークス。好きな柄を選んでください、と言われる姫様。商人からも食料でどれが好きですかと言われますが、姫様は胸のあたりで手をぎゅっと握りしめ、脳裏には「~してはダメ」という誰かからかけられた言葉が流れていきます。
白黒で描かれていて、人の影があるのですがこの影の形は
ん?
前回の最後に出てきた少女もこんな髪型してた気がするな。
たまたまこの形の人影を描いた、だったらもっと個性のない形にするかと思うので特定の誰か、と考えると前回の話に出てきた少女の可能性が高いですかね?
様子のおかしい姫様。困った顔で「好きなものが選べない」という姫様に、二人は言葉をなくします。自分が選ぶものは駄目だ、という彼女にルークスは『嫌いなものでも固まっていた』と先ほどのことを思い出します。
うおお、クローニア!
そんなことねえぜ! お前が選んで困ることなんてないんだ!
だからルークスが選んでくれという姫様を、ルークスは一瞬だけ抱き寄せます。びっくりする姫様と商人。
商人のモフタンの、口を開けて両手で口らへん押さえていて「あらまぁ」みたいなリアクションがなにげに好きです。
すぐに離れたルークスはこれが「A」と言います。そして次は膝をついて、姫様の手の甲にキスをし、これは「B」で「AとBどちらがいいか」と姫様に聞きました。
姫様はルークスのことが好きというのもあって、とても混乱したままルークスの存在を感じられるからAかも、と答えます。
顔を真赤にして混乱している姫様が、まぁ可愛い。そして姫様の素直な答えに赤面しているルークスも可愛い。
ルークスは今はAを選んでくれたがどちらでも自分は嬉しい、と。姫様は何を選んでも良いのだと伝えたのでした。
そして今までは選べない生活だったんだろうと察し、「夢見が悪くて」と困ったように笑った姫様の姿を思い出して、なんとも言えない顔になるルークス。
と、そんな二人のイチャイチャを見せられたなと思いつつもお代について聞く商人。ちゃんと待ってくれた商人も好きです。
そんなほのぼの二人のイチャイチャを商人と一緒に見たくなった方は↓第一巻↓をどうぞ!
商人とランタンの雑貨屋
ルークスは姫様からもらったあの石(妖精からのお礼)を商人に渡します。
さすがにこれだけでは足りないだろうと思いつつも、ひとまずと差し出すと……モフタンの目が開眼します。全然駄目だったか、と一瞬思うものの、とても貴重な石だったそうで、この石に直接出会えるなんてと大興奮してます。
そんなにすごい石だったにも関わらず、姫様は分かっていなさそうです。「私がもらったものですが何か」的に自慢してもいいのに、ね。
ルークスの想像の中のどや顔姫様が可愛いです。
って、ルークスが馬車のランタンを気にしてるな……もしかしてこのランタンに妖精が?
いるみたいですね。
売り物じゃないと言いながらも商人は見せてくれます。もうボロボロではあるものの、祖父の代から使っていて思い出もあって捨てられないのだ、とね。
ぱかりと開けたランタンの中に入っている妖精が、またかわいい。ちょっと煤けた感じになってますが、丸に羽が生えたみたいな……で、目がくりっとしていて口っぽいものは見えませんが……可愛い。
妖精のデザインもホント可愛くてこの漫画好き。
ランタンに話しかける二人に、商人のモフタンは当然ながら妖精見えないので「貴族渾身のボケか」とか思うわけですが、「ランタンに守られていると感じたことは?」とルークスに聞かれて心当たりがあったようです。
どうやら妖精が守ってくれていたようなんですけれど、その守る力に限界が来ているから、姫様がこのランタンを直す……というか改装するようです。
来ましたね!
お家製作! 今回はどんな可愛いお家になるのか!
オレっちもこの製作楽しみなんだぜ!
工房に移って詳しく話を聞いてますが、この妖精はすすの妖精ではなく商売繁盛の妖精なんだとか。だから商人の守り神的な感じで祖父の時代から一緒にいたんでしょうね。
一緒にいたいと思うような人たちでもあったのかなって、想像すると微笑ましいですね。
姫様も「手伝いができるように」と言ってからあの便利ナイフで材料を切っていくわけですが、真っ黒ベタに浮き上がる姫様の魔法の手と、パーツたち。
派手な何かが描いてあるわけではないんですが、ここ何度も細かく見てしまいます。
見開きで描いてあっていいよなぁ……誰もキャラいないのに飽きずに眺められるぜ。
家造りとは関係ないエフェクトとか、可愛らしい花で枠を描かれているのとか、それらすべて合わさった一枚のイラストとしての完成度が高いなぁって。
そして漫画としても「ここのパーツをこう並べるのかな」「ここはこうなって」「色はこんな感じなのかな」という想像が捗って……。
まぁ、とにかく好きです。見てほしいです。
外でソワソワと待っていた商人モフタンのもとに、姫様がランタンを持ってきます。ランタンの雑貨屋さん、だそうでこれまたすっごく可愛いんですよ。
外のガラスがきれいになったのは当然ながら、中には棚や机が置かれてあって、テーマ通り雑貨屋っぽい雰囲気。ただ揺れるのもあるので家具小物はちゃんと固定してあるみたいで。
売ったらいくらに、とか思う商人ですが「守り神が住んでいるみたいでいい」と笑って
「いつもありがとう
これからも一緒に稼いでいこうな」
そう声をかけられた妖精は、とても嬉しそうに私達にはわからない声を上げ、煤けていたからだがキレイになります。
良かったなぁ。
商人モフタンも良い子ですよね。ルークスたちの言葉をちゃんと信じて、そしてランタンに声をかけてくれるなんて。
オレっちもこの商人好きだぜ!
その言葉をかけてもらえたことで妖精も力を取り戻した、ということですかね。
妖精は嬉しそうにして、姫様の手にまたきれいな石を3つくれました。どこから取り出したんでしょう。
とにかく、これで無事に冬越の支度は出来そうですね。
好きなことやっても良いんだよ
満足気に去っていった商人を見送ったルークスは、姫様に提案します。――妖精専門の家職人にならないか、と。
妖精のために家を作って対価をもらう、世にも珍しい職人。
なれない、という姫様ですがもうすでになってますよね。
ルークスは冷静に説明していきます。今回買った品々は姫様が稼いだもので揃えられました。そして姫様は家造りが好きで。
もちろん強制ではない、というルークス。好きなようにしていい、と言ってくれるルークスに、姫様が少し考えます。幼少期の、何もしてはいけないのかと思っていた姫様の姿が……「やってみたい」という今の姫様の姿で上書きされるのです。
ルークスが姫様の傍にいてくれて本当に良かったぁ。
昔であった時にも、そういうこと言われたのか?
そんな感じの絵が描かれてますが、どうでしょうね?
まだそこらへんは判明してませんのでなんとも言えませんね。
最後のコマに書かれた言葉が、とても優しく姫様の心に響いて、癒やしてくれたのだなと分かって……とてもほっこりするお話でした。
派手な描写とかはなにもないんですが……あぁ、今回も癒やされたぁ。
まとめ
ということで、新キャラの商人モフタンとランタンの妖精が出てきました。これまた良い子で、再登場もしてきそうですね。
妖精からもらった石は予想以上に高価で、それでいろいろな物品を買うことで姫様も少し自信を持てたみたいですし、いや本当にこの作品は全体的に優しくて好き。
バトルものもいいんだが、こういうのもいいよなぁ。
家造りも……今回のデザインも良かったですねぇ。
可愛いお店でした。
前回のラストに出てきた人物たちが直接は登場しなかったものの、姫様の回想にそれっぽい影が出てきたりもあって……気になるところですね。
そして実は、次の話で出てくるんですよねぇ……。お楽しみに!
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
今回もとっても癒やされるし、雑貨屋さんも可愛い『ひねくれ騎士とふわふわ姫様』の第3話をいますぐ見たくなった方は↓第1巻↓です。