【ひねくれ騎士とふわふわ姫様】第1話――もっと知りたい、知ってほしい【ネタバレ感想】
可愛い姫様が見たいかー!
と、いうことで今回読んだのは、『ひねくれ騎士とふわふわ姫様』なのですが、これがもう……可愛い! とりあえずこの姫様に幸せになってほしくて仕方ありません。
妖精が見えるお姫様は妖精に家具を作ってあげていました。しかし普通の人に妖精は見えないことと、とある理由から姫は周囲から忌み嫌われています。
そんな姫様はとある騎士に恋をしていて結婚を申し込みますが、その騎士は絶対嫌だと思い、なんとか結婚を回避するために姫に会いに行き……予想していた嫌な姫様などどこにもおらず、いたのはふわふわした純粋で優しい姫様で、もう少し彼女のことを知りたくなって、まずは騎士として仕えることになり……?
主人公は一応騎士側になると思いますが、絵柄は少年漫画っぽくはないかもしれませんね。柔らかく優しい絵柄で、見ていてホッとします。完全に癒し系漫画です。
この騎士もひねくれている、と自称していますが読者からすると「イヤお前も素直で可愛いよ」となります……それも姫様にほだされている面がありますが。
登場人物全員がどこか可愛らしく、姫様が作る妖精用の家具や家もこれまた可愛いんですよ! こういうセンスがないのですごく心惹かれます。
ミニチュア好きなんかも楽しめそうだな。
あと癒やされたい人におすすめです。
第一巻を買ってしまっただけでなく、ガンガンONLINE(アプリ)を落として読めるところまで読みに行ってしまったくらいに良かったです!
現在はニコニコ(ガンガンちゃんねる)で1話と2話(2024/09/13(金) 11:00 まで)が公開されていましたので、気になった方はぜひぜひ! コメント付きで皆と一緒に読めるのはやはり楽しい!
アプリでもニコニコでも、最初のお話はいつでも読める(現在24/08/15時点)みたいなので、お好きな方でぜひ読んでほしいです。
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第2巻は! 第2巻はいつ発売ですか!
あらすじ
著者:葵梅太郎
レーベル:ガンガンコミックス
出版社:スクウェア・エニックス
異世界ミニチュアクラフト×古城で二人暮らし 主従で創る妖精たちの小さな住まい
「娘の婿になってくれまいか?」王様より、クローニア姫との結婚話を持ち掛けられた、騎士ルークス。望まぬ縁談を破棄するべく、ルークスは姫の元に向かうが、当の姫は、薄汚れた古城にたった一人で住む変わり者だった!しかも二人には、共通する「ある秘密」があって――。姫と騎士。古城暮らし。ふたりで創る、妖精たちの小さな住まい。異世界ミニチュアクラフト物語――開幕!
(ひねくれ騎士とふわふわ姫様 古城暮らしと小さなおうち 1巻より)
姫様が可愛いし、ミニチュア可愛いし、妖精が可愛いし、騎士もなんだかんだと可愛いし、皆可愛くて最高。
今回のポイント
ルークス。君、良いやつだなとなる。
- やったね、出世できるよ?
- 逆に断れないやつー
- ゆっくりと静かな時を過ごしたい
- きっかけはとても素敵な小さな家
君もいいやつだよ。
悪女(かもしれない)から突然求婚されたので断ろうと思います?
しょっぱなはカラー!※
※ニコニコや私が購入した電子書籍ではカラーになっておりましたが、ここは媒体によって異なる可能性がありますので、ご注意ください。
何やら驚いた表情の金髪の騎士の姿が映っており、『家』について姫? から聞かれています。
その後で姫様が映るのかと思いきや、姫様の手だけが映り、可愛らしい家具が描かれていました。
ここであえて姫様の容姿を出さないのが良いですね!
表紙で姫様の姿はでているとは言え、たしかにあえて出さないのがいい雰囲気だぜ。
しかもこの姫様の手が、ちゃんと『女の子の手』をしていて、顔が見えなくても可愛らしい感じがそこから伝わってくるのもすごい。
物語の内容的にも姫の手がアップになるシーンが多いのもあって、この手がちゃんと描かれているのはかなりポイント高いですね。手がしっかりと描かれているのは、地味におすすめポイントです。
……手って、描くの難しいんですよね。たくさん使っているし、目にしているはずなのに何も見ないで描くとわけわからなくなるし、手だけ描き込むと体のバランスおかしくなったりするし。
という、私のぐちはさておき。手と家具のアップから表紙とタイトルが表示され、物語の最初の場面になります。
若干不穏なものを感じる国王とのやりとり
騎士ルークスは国王に呼ばれ、そして娘(第七王女)であるクローニアの婿になって欲しい、と言われます。
頼む口調だが、王様の話ってほぼ強制に近いよな。
しかしなぜクローニア王女がルークスを好きなのかも把握していない父親……仕方ないのかもですが、冷え切った関係だと察せられますね。
クローニア王女は古城に住んでいるとかで、とりあえず会いに行ってくれ(ほぼ強制)と言われるルークス。
ルークスからすると、クローニア王女と会った記憶はないので本当に寝耳に水の話だったみたいです。
内心いろんなことを思いながらも、王の言葉に頷くルークス。
王女の元へ向かおうと城内を歩くルークスを見た貴族たちが、ひそひそと当人に聞こえる声で噂してます。
顔が良いと王女と結婚できて良いねー、とか。ルークスが妾の子だとか。玉の輿だとか。いい加減な話です。
ルークスはそんな声聞きながらフッと笑い、心のなかで貴族たちに悪口を返してます。本人も正妻の子ではないとは言え貴族になるはずですが、貴族が嫌いらしいです。
表向きにはなんともキレイな笑顔なところが、なんというか現代にも通じるところがあるな。
ちなみに私はこの笑顔の前の横顔がすごく格好良くて好きです。横顔ポイント高い!
横顔ポイントってなんだ!?
あ、でも正面からの筋肉のつき方がしっかりしているのとかも好きです。二の腕もいいですが、足も中々しっかり鍛えてそうです。
顔がいいのはもちろんですが、ちゃんと体格が騎士っぽいのもいい。いいよ、ルークス!
ルークスは貴族が嫌いなものですから、当然王族にも良い印象はありません。見知らぬその王女もわがまま放題なんだろうと勝手に高飛車そうな王女を想像し、結婚してたまるかと思います。
とはいえ国王からの要請を彼から断ることは出来ないため、向こうから断ってもらえるように嫌われよう、と。
姫のもとへ向かいながらルークスは「姫のおかげで出世なんてお断りだ」と思います。
いろいろ想像とは違った
古城にたどり着くと、中々に年季の入ったボロっちいお城でした。一国の王女が住んでいるとは思えませんし、見張りの兵士すらいなさそうです。
いやいやっ、兵士もいないのはやばくないか?
ルークスもまさか一人で住んでいるわけではないだろうと思ったのですが、城の出入り口を開けようとしている誰かが重そうにしていて、彼が駆け寄って手伝うと扉の向こうにいたのは可愛らしい少女でした。
服装からして使用人には見えませんが、とにかく可愛いです。
ルークスは想像とは違う幼く愛らしく見えるクローニア王女に戸惑いつつ声をかけますが、彼女はさっさと奥へと行ってしまいます。避けられたのかと思うルークスでしたが、クローニアは奥からテーブルや椅子を一生懸命運んできていて、どうやらおもてなししようとしているようでした。
そういや、クローニアについて城の連中がなんか噂してたが、こんなボロ城にいるってことはなにかあるのか?
地味な注目ポイントかもしれませんが、クローニア王女の衣服が華美過ぎないけど彼女の可愛らしさが伝わるデザインなのが個人的にすごく好きです。使用人なく過ごしているということもあり、動きにくいドレスじゃないというのもいいですね。
王女とか聞くとなんとも動きにくそうなドレスが思い浮かぶんですが、そうじゃないのが良い。
ルークスはとりあえずその準備の手伝いを申し出て……それから王女が入れてくれたお茶を飲むことに。そして彼は思うのです。
マズイな…
俺この姫
傷付けられん
(なんかいい子だから)
やっぱりお前、良いやつじゃねえか!
結婚したくないと思わせるためには姫を傷つける可能性が高いわけですが、そんなこと出来ないと悩むルークス。やんわり断ろうと、いいわけを見つけるために会話をしていきます。
姫様が幼いと思ったのですけれど、15歳。そしてルークスは単行本情報で23歳みたいなので、8歳差ですね。
ある程度の年の差をつけつつ、かつルークスを若くしようとした結果のギリギリの年齢かもですね。流石にこれ以上姫様が若いのはちょっとあれですし。
このルークスの可愛さもこの年齢ならではなところもありますし、イイ。この二人、推せる!
ああ……(また銀づちのスイッチがなんか入ったな)
なぜここに一人でいるのかというと、彼女が父王にお願いしたそうです。一人のほうが気楽だし、と。けど、気楽だと言う割には悲しそうです。
クローニアが言うには、昔ルークスと会ったことがあるそうで、それで好きになったということみたいですがルークスはやはり心当たりがない。そしてクローニアもルークスは覚えていないだろうと言ってます。
ルークスが好きなのは本当で、夫になってほしいのも事実だけど、強制はしないとクローニアは言います。ルークスの気持ちが優先。断ってくれても構わないと。
ただの良い子じゃないかーーー!
ルークスも(逆に断れない)と思います。良い子すぎて。
しかもこの城は辺境にあるらしく、こんなところにこんな良い子のお姫様を一人残して行けるわけもありません。ルークスは貴族は嫌いではあるものの、常識人みたいですね。やっぱりただのいいヤツです。
そして貴族が嫌いな理由を思い出し、姫の力で出世したと思われたくないと考えて……気づきます。結局、貴族の目から見た自分の姿を気にしているだけじゃないかと。
共通の秘密があった騎士と姫様
くだらないとつぶやいた彼の視界に、人間ではない小さな影が二つ近づいてきます。ふわふわと浮いたその可愛らしい存在は『妖精』。多くの人間にとって見えない存在ですが、ルークスは見えるらしく、話しかけてますが姫になにかしたら怒るぞ、と忠告を受けてたみたいです。
妖精たちからは姫様は愛されてるみたいですね。
と、妖精と会話しているところを姫様に目撃されました。妖精が見れるのかと聞いてくる姫にルークスは困りました。あまり知られて良いことではないからですが、気づきました。
そう。実は姫様も妖精が見えるのでした。
お互い、自分以外に妖精が見える存在に出会ったのは初めてでした。
誰にも言えないお姫様の趣味
姫様がルークスに言います。誰にも言っていない趣味を見てくれないかと。
ルークスは彼女の後に付いていきますが、嫌な予感がすると思いました。誰にも言ってない趣味。つまり誰にも言えないのではないかと。
いや、さすがにこんな可愛らしいお姫様にそんな趣味は……だ、大丈夫だよな?
ルークスも中々グロい想像してます……というか、想像力豊かですね。
が、案内されたのはアトリエであり、落ち着く空間でした。そしてそこに置かれていたのは妖精用の小さな家具。どうやら彼女が作ったみたいです。これが趣味であり、まじまじと見つめるルークスはすごいなと感心する出来です。
もともと趣味で作っていたら、妖精が気に入ってくれたんだとか。
そして姫様は、妖精が見えることで皆から怖がられている。
自分と違うもの、理解できないモノを怖がるというのが人間ですからね。
ルークスも幼少期そういうことがあったので納得します。
そんな二人のもとに、先程ルークスに声をかけてきた二人組?の妖精がやって来ます。というより、姫様に用事があるみたいで年季の入っていそうなティーポットを彼女に渡します。
それで家具を作って欲しいのかと聞く姫様に、妖精たちは首を横に振ります。どうやら見えるものの言葉はわからないみたいですね。ただルークスは妖精の言葉がわかるので、家を作って欲しいみたいだと通訳します。
どうも思い入れのあるものらしく、形を残したまま可愛らしくして欲しい、と。
おおっいいねぇ! 物作りはオレっちも好きだぜ!
ちなみに妖精たちはルークスには喧嘩腰らしいですね。
言葉はなんと言っているか読者にも分かりませんが、可愛らしい文字が出てます。
『家』とは何か
喜んでうなづいて作り出しそうな姫様ですが、困ったような顔でルークスに「家とはなにか」を問いかけます。
姫様は城に住んでいましたが城は苦手でした。居場所がなかったので。だから姫様は『家』が良く分からない。
その感覚はルークスにもわかるものでした。彼は使用人の母を持ちます。正妻やその子供、父親も敵でしかなく、生き残るのに精一杯でした。
毒もられたり、稽古中に事故を装って殺されかけたりって、ひどすぎるだろ。
そんな中で育ったからこそ、彼は外と内側を切り替えるようになり、自分はひねくれていると思うようになったのかもですね。
読者からするとただの良い人ですけどね。
ですが、狭くて質素な母の部屋は落ち着く場所だったと思い出します。
そのことを素直に姫に伝えるルークス。安心できて、自分らしくいられる場所。
姫様にとってはアトリエは居心地の良い場所。居心地をよくするためにレイアウトを考えたりする気持ちで家を作れば良いのだと。
姫様はそれで想像できたのか、ルークスにお礼を言って作ってみることになりました。
ルークスを介してどんな思い入れなのかも聞いてデザインします。そして蝋板にデザインを描いて妖精に確認してから作り出すのですが……もうこのやり取りも可愛いですし、作っていく過程も可愛いです。
素材や道具も見せてくれるの良いな……というか、なんだこの小刀!
人体以外は大抵切れるって、怪我しないのに切れ味抜群とか最高ですね。
ものを作るので髪の毛を一つにまとめたりしている姫様が、またかわいい。そして作っていく工程も載せてくれてますし、途中でルークスと相談し合っているのもいいですね。
とても楽しそうに作っていく姫様の姿に、ルークスも口元が自然と緩むのでした。
ティーポットのお家
そのティーポットはとある貴族の女性が妖精たちにくれたそうです。その女性も見える人だったんですね。病気でなくなったみたいですけど、お茶の時間を一緒に楽しく過ごしてくれた思い出にと。
妖精たちもその女性が大好きで、楽しい時間だったんだな。
だからこそ形を残したうえで、家にしてほしかったんでしょうね。
この出来上がった家を妖精たちの望む場所、木の上にルークスが設置するんですが……この家がまた可愛いのなんのって。
是非見てほしいです。その可愛い家を堪能するのがこれまた可愛い妖精なので!
妖精たちは家を作ってくれたお礼にと宝石の原石を姫様に渡します。最初はもらえないと思った姫様でしたが、ルークスがたしなめます。対価はしっかりと貰ったほうが良い、と。
これは本当に大事だぜ!
ちゃんと対価をもらうということが、相手の気持ちを敬う意味もありますし……ただでやってると、たかってくるのもいますしね……妖精にはそういうのいなさそうですが。
疲弊するタイプのギバーにならないのが大切。
お礼を受け取って、そのお礼に対してのお礼を妖精に告げるお姫様、クローニア。そんな純粋な姫の姿を見て、ルークスは自分とは正反対だと思うのでした。
だから改めて自分のどこが好きなのかと聞きます。彼は自分の性格が悪いと思っています。笑顔を浮かべながら心のなかで悪口を言いまくっている、と。
クローニアは昔、ルークスに助けられたことがあるんだとか。その話を聞いてもルークスは思い出せませんが、クローニアは気にしてません。そして、そんなルークスが好きだと彼女は言います。
だからこそ、ルークスの気持ちを優先して、断ってくれて構わないと。
このあとです! ルークスが! ルークスが!
「俺は姫の事をもっと知りたいです。それに
姫にも俺の事を知ってもらいたいです」
うおっ言うなぁ。ヒュー!
結婚云々はまだおいといて、まずは騎士として仕えさせてほしいと言うルークス。クローニアは友達としてはじめましょうということだと受け取って了承します。
そしてルークスは姫に誓いを立て、二人は城で過ごしていくことになるわけです。まずは城の修繕や生活環境の改善からという初歩も初歩からですが。
すっかり最初の「姫との結婚なんて絶対嫌だ。わがまま放題に決まってる」という気持ちは完全になくなって、ほだされてますね。
ルークスに城がボロいと言われた姫様が背後で「ボロい?」と2回口に出しているのがこれまた可愛い。
おおっこれはなんか……続きが見たくなるな!
この二人も自然と応援したくなるし。
そんな感じで、これからもなにか起きそうな予感を感じさせつつ、第1話は終わりでした。
まとめ
騎士ルークスは貴族のみの上ではあるものの、庶子で実家ではなんども殺されかけてきて、貴族に良い思い出はない。
そんな彼のもとに寝耳に水な王女との結婚話。会ったことがないはずの王女クローニアが彼のことを好きというので会いに行き……予想とは違う純粋で優しい王女にほだされて、結婚を断る気満々だったのに一緒に過ごすことになったわけですが……。
もうすでにクローニアに惚れてる気もするが。
まぁまぁ、もうちょいとこの関係を楽しみましょうよ!
第2話もよかったですよぉ。
次もまた妖精の家造りがあるんですが、これまた可愛いですし、姫様も可愛いし、ルークスも可愛いし、妖精も可愛いしで最高でしたのでお楽しみに!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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