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Helck(アニメ)

【アニメHelck】第十八話『笑顔』――互いに涙を流しながらした約束【ネタバレ感想】

Helck-アニメ・第18話ネタバレ感想 (画像引用:Helckアニメ公式サイトより)
銀づち

 最愛の弟が、眼の前で自分自身の首へ勇者殺しを突き刺し、血の中に倒れ伏す。

 そんな衝撃がつよすぎる光景を目の前にして暴走するヘルク。いつもにこにこと笑っていた彼が浮かべる壮絶なまでの表情……いやぁ、気合が入っていて最高でしたね。

 アリシアのおかげでヘルクの暴走は止まったものの、彼らは王国から追われる立場になってしまうのでした。

 ここから……一体どうなってヘルクが魔界に来るようになったのか。

 過去編クライマックス。
 ヘルク好き誰もが認める名シーンがやってきます。

 さあっ、ハンカチやティッシュの用意は万全ですか? まだ? じゃあ準備してください。
 あと、水分補給やトイレもしっかりしておいてくださいね。今回は最後まで息をつくヒマがないので。
 この話見たら……1話を思い出すと思います。そして今までギャグとしか思っていなかったセリフがとたんに重く感じることでしょう。

 などと宣言してから、早速感想やっていきましょう!

 原作リアタイ読破組である筆者が超絶におすすめする名シーンを、感想の前にしっかりと見たいと思ったならば↓以下↓からどうぞ!

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 いや、原作で読みたい! となったならHelckの↓第5巻↓をどうぞ。

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前回のあらすじ

 ミカロスとは一体何モノなのか。

 勇者殺しによる傷で苦しみうずくまるヘルク。

 そんなヘルクを確実に殺そうと追撃するミカロスだったが、意識を取り戻したクレスが勇者殺しごとミカロスを斬った。

 だが再び王の命令により、クレスは勇者殺しの破片を手にヘルクの元へ向かっていく。

 そして……クレスはヘルクを守るため、自らの首に勇者殺しを突き刺して倒れた。

 倒れたクレスに罵声を浴びせる元老院に、温厚なヘルクが怒りを爆発させる。彼の周囲にはクレスやミカロスがまとっていたあの黒いオーラが吹き荒れ、誰もが恐怖で体を震わせている中、アリシアがそんなヘルクを抱きしめ、暴走を止める。

 その後ヘルクは気絶し、そんな彼を仲間たちが必死に守った。

 目が覚めたヘルクは今までのことは夢じゃないのかと涙しながらも、そこが見知らぬ場所であることと仲間の姿がないことに気づく。

 そして彼の首にかけられた「勇者殺しの賞金」と仲間たちが自分を守るために戦ってくれたこと。まだ仲間が生きていることを知り、今度こそはと走り出した。

前話より

 走れヘルク! 最悪の未来を避けるために。

今回のポイント

 これは過去の話。もう終わった話。なのに応援したくなる。

  • へルクと彼の良き仲間たち
  • アリシアと民衆
  • ラファエドは一体何者か
  • 笑顔の理由

 漫画で何回も見てきたのに、アニメでも泣かされました。

勇者殺しのヘルク

 人間の国の中では、ヘルクは勇者クレスを殺した犯人として指名手配されており、かなりの賞金がその首にかかっているようです。
 街へと向かうヘルクに、多数の賞金稼ぎが襲いかかってきます。

ワン親方
ワン親方

しかし、ヘルクに普通の奴らが叶うわけ無いのになぁ。

銀づち
銀づち

ラファエドやミカロスだとヘルクの強さをちゃんと理解してそうですが、元老院アタリは分からずただ恨みで賞金つけるのはやりそうです。

ワン親方
ワン親方

だなぁ。
あと……まあ、ミカロスあたりはそれでヘルクを消耗させられれば上等、とは思ってそうだが。

 勇者殺しで負った怪我はまだ治ってませんでしたが、それでもそこらへんの雑兵がヘルクの敵になるわけなく。
 久しぶりの圧倒的ヘルクを見せつけてくれてます。

ワン親方
ワン親方

圧倒的ヘルクってなんだよ!

王国兵と殺し屋

 と、そこへやってくるのは仮面を付けた細身の男と、覚醒戦士たち。細身の男は殺し屋で結構有名らしく、モブが『例の殺し屋』云々と言ってますが、正直こいつのことは原作でもあまり語られず、謎です。

 今までの賞金稼ぎとは違い、さすがに少し手間取るヘルク。

 包帯にじわりと血が滲みながら、それでも彼は戦います。仲間を救うために。

銀づち
銀づち

戦いながら、彼は思い出していきます。
自分が怪我で朦朧とする中、ゼルジオンや傭兵たち、エディル、アリシアが自分を守るために自らの命をかけて戦ってくれたことを。

ワン親方
ワン親方

これは……つれえなぁ。

 ちなみにここのゼルとの回想シーンでハラオルが出てきます。翼の兵士として帝国に攻めてきた時には一番口が悪くて性格も悪そうだったあのハラオルですが、なんとも純朴そうですよねぇ。

 ゼルが自分が囮になると言った後で、ヘルクに謝っておいてくれ、というのがなんとも切ない。彼のせいではないし、彼もまた信じていた国に裏切られ、大切な友を失って苦しいでしょうに。

原作との違い。付け足されたセリフ

 ここ、いいなぁと思ったのが仲間たちのセリフが足されているところです。

 傭兵仲間たち全員それぞれにちゃんと一つずつ言葉を言わせるためにセリフが増えてました。エディルのセリフも一つ増えてますね。

 でも何よりも良いと思ったのはやはり、傭兵仲間たちのセリフと、シーンですね。

 彼らはサブキャラで、そんなに出番があるわけではなく、重要キャラでもないんですが……ヘルクにとっての大切な仲間で、一人ひとりの言葉がちゃんとあって、いや本当に良かった。

 ちなみにどのセリフかと言うと、術者っぽい女の子のセリフは2つともアニメオリジナルで、じゃあなと別れを告げるのと、5人が走り去っていくシーンは原作にはありません。

 いや、似たような一コマはあるんですが……また原作とは違う表現で、どっちもいいですねぇ。

 第5巻の51話ですので、気になった方はアニメと原作を↓ぜひ見比べて↓みてください。

 そしてエディル。
 本当の兄のように~、という別れの言葉があるんですけれど、実は彼には本当の兄がいたんですね。でも亡くなってしまい、若くして領主になったという経緯があります。
 エディルを見る限り、とても良い家族だったんだろうなぁと思いますし、エディルにとっても……ヘルクたちは家族のようで、とても居心地の良い関係だったんだと想像できますね。

 最後は、アリシア。
 ろくに動けないヘルクを連れて逃げるのは並大抵のことではなかったでしょう。なにせ国中が敵。以前助けた町の人たちからも裏切られたようですしね。

 ヘルクの生存を願い、最後までそばにいてくれたアリシアは……今どこにいるのでしょうか。

 ぐっと歯を食いしばってヘルクは戦います。
 さすがに覚醒戦士を全員倒すのには多少時間と体力を削られてしまったようです。

ワン親方
ワン親方

って、動いてるやつがいるぞ!

銀づち
銀づち

例の殺し屋、ですね。

 殺し屋、と呼ばれていたその男は自分で自分の胸に剣を突き刺します。そしていつかヘルクに追いつく、と言い残して倒れました。

 どう考えても、これは復活のフラグですね。

醜い人々とほんの微かな救い

 場面は変わり、王都。……うーん、相変わらず背景がすばらしい。城の描写とかリアルで格好良くて、PCのホーム画面にしたいくらい。

 ズタボロな状態で磔にされ、身動きが取れないアリシアを取り囲んで暴言を吐き、石を投げる国民たちの姿が描写されます。

 貴族もですが一般人も相当アレですよね。

 まあ貴族にもゼルジオンやシャルアミ、エディルのような人格者もいますし、一般人にもアリシアや傭兵仲間たちみたいな人達もいるんですが……『そうじゃない人たち』があまりにも多すぎる。

ワン親方
ワン親方

やっぱり、これが人間の本質、なのか?

銀づち
銀づち

どう、なのでしょうね。
違うと、今でも私は否定したいですが。

 ここの描写はアニメの方がよりリアルといいますか、描き込まれていましたし、実際の人の声としてのガヤが入ることで「あああ」と思ってしまいました。

 そしてやってくる貴族らしき男。そいつは以前、ヘルクが魔王城に行っていた時の防衛軍の指揮官で、アリシアやエディル達によって訴えかけられていた男でした。
 ぐったりとしているアリシアに男はいい気味だと笑います。

 アニメの方ではあの時の男と分かりやすいように一瞬の回想が入りましたね。鎧姿じゃないし、ちょい役すぎて誰か覚えてないんですよね。
 漫画の方には言葉だけなので「誰だっけコイツ」となったのも今となってはいい思い出です。

 弱々しくヘルクの名前を呼ぶアリシア。さて、ヘルクは間に合うのでしょうか。

 斬首刑を宣言する貴族。斧を持った執行人がやってきて、民衆はもっと酷い刑を、などと叫ぶ。

ワン親方
ワン親方

ひでぇなぁ! アリシアたちに守ってもらってたくせに!

銀づち
銀づち

ほんと、人間滅ぼそうと叫びたくなりますね。

 刑の内容を変えますか、なんて聞く兵士に貴族はこの後パーティがあるから今回はこのままで、民の望むものは他の奴らにすれば良いなどと言います。それを聞いたアリシアはずっと無言だったにも関わらず、かすれた声で「やめろ」と。するなら自分に、と。

ワン親方
ワン親方

アリシア、お前ってやつは……本当に良いやつだなぁ。

 自分も相当痛めつけられて苦しんでいるにも関わらず、仲間を苦しめることはするなというわけです。これだけで泣きそうです。
 貴族はお前の仲間はもっと苦しめてやるとか云々……殴り飛ばしたい、と本当に思います。

 そして響く殺せコール。

地味におすすめしたいポイント

 ここで原作でちらっと一コマだけ映っていた、ヘルクがスラムに住んでいた時に出てきたおっちゃんが再び登場します。

 クレスが病気で倒れた時にヘルクに冷静に「止めておけ」と声をかけていたあのおっちゃんです。
 諦めろと言ったとはいえ、彼の言葉は正論で、ヘルクをこれ以上傷つけないためでもありました。
 実際、病気の弟を抱えて貴族や金持ちに訴えたところで病気を撒き散らすなと言われたり、必死に貯めてきたお金も泥棒したと通報されたりしていたわけですしね。

 幸い、シャルアミがその場にいて話を聞いてくれたから良かったですが、通報されて捕まったり、下手をするとそのまま殺されることもあり得たわけなので。

 そんなおっちゃんがですね、この広場にいたわけです。

 初登場は4巻で、ヘルクとクレスが笑って暮らしているのを「うるせぇガキ共だ」なんて言ってるコマがあります。
 そしてこの時に隣に立っている男の人とおっちゃんが、広場にいて……「殺せ」とは叫んでいませんでした。

ワン親方
ワン親方

おお!
むしろこのおっちゃん、周囲の雰囲気に舌打ちまでしてるぜ。

 隣りにいる人も、周囲の雰囲気を嫌そうに見てるんですよねぇ。

銀づち
銀づち

地味にこの一コマ好きなんですよねぇ。

 でもさすがにアニメではカットされると思ってましたが、カットされなかったのが嬉しかったです。
 ありがとうございます、アニメ制作スタッフの皆様!

 そして嫌な人間が多い中、こういう人たちもちゃんといるんだと思うと、救われる気がします。

魔族を確かめに行こう――人間より、良い奴らかもしれない

 処刑人の斧が振り下ろされ……ますが、それはアリシアの首には落ちませんでした。怒る貴族ですが、処刑人は震えていました。何かの気配を感じているのです。

 冷や汗、鼻水を流しながら自分にはもう処刑執行はできないという処刑人。怪訝そうにしていた貴族でしたが、彼もまたぞわりと何かを感じ取ります。

ワン親方
ワン親方

おっ、来たか!
ヘルクーーーーー!

銀づち
銀づち

黒いオーラをまとい、背後に流れ出す音楽も恐ろしげなものなのに……何故か今は良かったと安心してしまいますね。

 そして私、ヘルクが暴走した時に流れるこの音楽(テュゥゥンってやつ)が地味に癖になって好きです。勇者らしからぬ音ではありますが、なんか好きなんですよねぇ……サントラでないかな。

 んでもって、ヘルクの表情。

 いつもにこにこ笑顔なヘルクの顔から、一切の感情が消え失せた感じ……前回の迫力あるか音もまた違うココ!

 アニメでは一瞬でしたが、漫画だと1ページまるごと使われていてこれがまた迫力があるんですよね!しかも右ページにあるのでめくった瞬間に「うおっ」てなります。

銀づち
銀づち

アニメでもしっかりと描き込まれていて迫力あったんですが、一瞬だったのと顔の下が見切れていたので、しっかりと見たい方はぜひとも漫画で確認してみてほしいですね。

ワン親方
ワン親方

どれどれ……うおおっ、これはすげぇ迫力。

銀づち
銀づち

背景真っ黒な中にヘルクだけが映っていて、今までヘルクが見せたことのない表情でセリフ一切ないのにヘルクの心情が伝わってくるんです!

 前回の憎しみに塗れたものとも違う。けれどもたしかな怒りを感じさせる迫力あるヘルクをじっくりと味わいたい方は↓5巻の52話(170ページ)↓を御覧ください! イケメンなヘルクが見れます!

 誰も恐怖で動けません。警備兵たちも震えて警鐘すら鳴らせなかったようです。貴族が尻餅をつき、自分は貴族だぞとか言いかけてますがそんなものヘルクにはどうでもいいことです。

 貴族の頭を片手で鷲掴み、持ち上げ問いかけます。仲間をひどい目に合わせたのはお前かと。

銀づち
銀づち

ヘルクの声がまた良かった。
怒りを押し殺したような声……何度も言いますが、ヘルクが小西さんで本当に良かったぁ!

ワン親方
ワン親方

しかしまぁ、このあとがまた酷いな。

 貴族は自分ではない、と。民が勝手に石を投げたと言いました。
 すると民たちも口々に言い訳をします。

 ひどい罪人だと聞いたからとか、一回しか投げてないとか、自分たちは騙されたとか、本当はしたくなかっただとか、アイツらは楽しんでましただとか。

 自分は悪くない。

 そう言って誰かに責任を押し付け合おうとしている姿にヘルクは歯を食いしばり『醜い』と思い、貴族を放り投げました。

 そしてアリシアの拘束を解き、抱きしめるのです。

その願いは救いになるのか。新たな絶望を呼び寄せるのか

 アリシアは自分のほうがひどい状態にも関わらず、ヘルクの傷のことを気にします。

銀づち
銀づち

ここ、漫画版だとアリシアの右目が結構腫れ上がって酷いことになってるんですが、アニメだとあまりそう感じませんでしたね

ワン親方
ワン親方

たしかに右目だけが酷いって感じではないもんな。
なにか関係あるのか? それが?

銀づち
銀づち

まあ、先を見ていただくとわかるかと。

 静かに会話する2人。
 謝るヘルクに、アリシアは謝る必要ない。ヘルクが助けに来てくれると思っていた。ヘルクはすごい、と言います。

 ヘルクはアリシアに提案します。人間の国を離れ、魔界へ行こう、と。

 クレス救出作戦の時に「魔族がどんな人達か確認しに行こう」という話をしていましたね。仲間を皆助け出して、皆で行こう、と。

「人間より魔族のほうが、ずっといい奴らかもしれないよ」

アニメヘルク第18話『笑顔』より
ワン親方
ワン親方

おうおう、行け行け!
アイツラのほうがずっとずっといい奴らだからさ!

銀づち
銀づち

ここ……民衆の姿も写るんですが、一応悪くは思っているのが気まずそうに目線をそらすんですよね。

 人間は集団心理というものに弱いそうで……自分はこうなりたくないと思っても、なってしまうのかなと……こういうシーン見るたびに少し怖くも思います。
 でも、SNSの炎上とかも、同じ理屈なのかもしれませんねぇ……皆が言ってるからってノッてしまう。

 気をつけましょう。

 と、ちょっと現実に当てはめて強く思いながらも、当然物語は進んでいきます。

 アリシアはヘルクの行くところならどこまでもついていく、と頷いてくれるのでした。

雪が降り注ぐ

 ここで。

 ここで終われたのならば……良かった。ここで終わったのならば、どれだけ良かったことか。

 平和に終わったかのように見えた2人の頭上から、雪が降り注ぎます。

 ラファエドがどこからともなくやって来て「大したものだ」とヘルクに言いました。まだ城内にはたくさんの覚醒戦士がいますが、すべて倒してでも仲間を救うとヘルクは返します。
 立ちはだかる敵は、たとえ「ラファエド」でも容赦はしない、と。

 アリシアに対しての優しい口調とは違う硬い声。だけど先程の貴族へ向ける怒りに満ちた声とも違う声。ラファエドのことを本当に尊敬してたんだろうなと、そう思える声でした。

 ラファエドはヘルクを見くびっていたと言います。クレスのことがあってすべて諦めるだろうと思っていた、と。
 死ぬ運命にあったアリシアを救ったのはヘルクの強い意志によるもの。大切な命を勝ち取った、と。

ワン親方
ワン親方

そうだぜ!
ヘルクは勝ち取ったんだ!

銀づち
銀づち

そう。そのはずなのに、なぜか今のヘルクは人間を滅ぼそうとして、魔界にいます。

ワン親方
ワン親方

あ!
そ、そうだった。これ……過去の回想……。

 ラファエドはこう言いました。

「だが……ここは不完全で不条理な世界。
 その強い意志は、お前をさらなる絶望へと導いてしまった」

「お前はここに来るべきではなかった」

アニメHelck第18話より

 アリシアが、周囲にいる民たちが苦しみ始めます。

 覚醒が、はじまったんです。

 あの日。クレスが自分の命を絶ったことで阻止できたと思っていた計画は、進んでいたんです。止めることは出来なかったんです。

 苦しみながら身体が膨張し、人ならざる何か、へと変貌していく人間たち。目は陥没し、意思があるようには見えません。

 変貌する際に吹き出る血がアタリを染めます。苦しみもあるのでしょう。あちこちから悲鳴が聞こえます。――熱い、熱い、と。

 正直変貌していくシーンに関しては……漫画の方が迫力ありますね。若干グロさもあるので表現抑えたのかなぁと思わなくもないですが。

ワン親方
ワン親方

うお。
翼の兵士の誕生がこんなに苦痛を伴ってのものだったなんて思わなかったぜ。

銀づち
銀づち

たとえ強くなれるとしても、こんな苦しみの先にあるのだと思えばなりたくないですね。

 ここでラファエドの口から勇者の力、覚醒についての説明があります。

覚醒とは?
  • 人間は誰しも大きな力(勇者の力)を持っている
  • 通常はこの力が目覚めることなく一生を終える
  • 稀にヘルクやクレスのように自然に覚醒する者が現れる(自然覚醒者)
  • 強制的に覚醒した者は巨大な力に自己を保つことが出来ずに変異する
  • 身体は悍ましく筋肉が膨張し、精神は破壊され自我をなくす
ワン親方
ワン親方

筋肉の膨張……突然強くなる……まさしく、トースマン王じゃねえか。

銀づち
銀づち

人間の勇者、という言い方があるので他の種族にも覚醒する存在がいるということなのでしょう。

 トースマン族が突然強くなった原因にミカロスが関わっているかまでは分かりませんし、さすがにミカロスは無関係かなと思ってますけどね。

 ただ……。

ワン親方
ワン親方

ただ?

 ネタバレになるので、それはまた追々。

ワン親方
ワン親方

うおお、気になるぜぇ。

 ここで大切なことが一つ。

 先程の貴族も覚醒し、姿を変貌させた、というところになります。

ワン親方
ワン親方

ん?
たしか貴族以外を覚醒させるって話じゃ?

銀づち
銀づち

もう少しなと出ラファエドが言うんですが、貴族平民関係なく覚醒させているらしいです。

 覚醒の光景に呆然とするヘルク。どうやって、と思い。同時になら弟はなんのために、とも思いました。

 ですがいつまでも考える時間はありませんじた。アリシアが苦しんでいます。先程から降り注いでいる雪……それがアリシアの身体に何かしらの影響を与えているようです。

 そう。
 この雪こそが覚醒を促す雪。

 すでに覚醒しているヘルクはなんともないですが、他の者達はこの雪に近づくことで強制的に覚醒させられてしまうのです。

 しかもあらゆる物質に遮られることがないので、自分の体でアリシアを覆っても無意味。

ワン親方
ワン親方

そうか。ヘルクはこの時すでに勇者として覚醒してたから。
……ん?
じゃあなんでラファエドは大丈夫なんだ?

銀づち
銀づち

強制覚醒の雪の中大丈夫ということは、彼も覚醒者なのでしょうね。

 もう忘れてしまわれたかもしれませんが、覚醒というのは勇者のことだけを示すわけではありません。

 アニメの第7話でアズドラ様が『人間の王』について説明してくれていますが、その時に『王は勇者とは別タイプの覚醒者』と言ってます。
 勇者が戦闘タイプの覚醒者としたら、王はその力を引き出す支援タイプの覚醒者、と。

ワン親方
ワン親方

なるほど。
ラファエドも勇者や王とはまた違う力を持った覚醒者、ということか。

銀づち
銀づち

具体的な説明は漫画にもありませんが、雪の中平然としているのでそれは間違いないでしょうね。

 アリシアはまだ人間の姿を保っています。多少適正があったのでしょうね。それでも苦しそうですが。
 一見冷たそうに見えて、ただ美しいだけに見えるその雪を「熱い熱い」と言っています。

 雪は国全土に降り注ぎ、貴族も平民も関係なく、覚醒して王の名だけに従う存在になる、と。

銀づち
銀づち

だからラファエドは去れ、とヘルクに言います。
変わり果てた仲間と戦うことになるぞ、と。

 まだ諦めないと、アリシアを抱えて走り出すヘルク。そんな彼を妨害するでもなくただ見送るラファエド。

 彼の真意は、なんなのでしょうね。

そして彼は……笑った。

 街を駆け抜けるヘルク。あちこちに翼の生えた、元々人間だった存在がいます。

 苦しそうなアリシアに頑張れと声をかけるヘルク。すぐに行きが届かないところまで行くから、と。

 でもアリシアは自分をおいていくように言います。もう自分は無理だ、と。へルクは否定したいのですが、アリシアは見られたくない、と。

ワン親方
ワン親方

変わり果てた姿を、ヘルクに見られたくない、のか。

 と、アリシアが今まで以上に大きく叫びました。右目の周辺を押さえながら。ヘルクがそんな彼女を見下ろして、愕然とします。
 アリシアの右目が……周囲にいる人間たちと同じようにくぼみ、淀んだものになっていたからです。

 アリシアはそんなヘルクの表情を見て、自分の姿が変わったことを知り、置いて行ってくれと暴れます。

銀づち
銀づち

ここは、漫画と大きく変わりませんが、たっぷりと尺を使ってくれたのとBGMや効果音、声がすごくいい仕事してました。

 アリシアの変わり果てた右目……そう、さっき漫画では腫れ上がっていたと言っていた右目が見えた時の音。ヘルクの言葉を失った小さなうめき声。アリシアの嫌がる声に暴れる音。じわり、とアリシアの左目に浮かぶ絶望の涙。

 それらがすべて相乗効果をもたらして、より悲壮感が増していました。

 ヘルクが謝って抱きしめるその声も叫び声のようで……胸にグッと来る。

 周囲の人間たちが、覚醒を終えたのか。どこかへ飛び立っていきます。そんな中、アリシアは右目以外は一見普通の人間に見える状態を保っていました。

 アリシアは願います。勇者殺しで殺してくれ、と。

 この雪は勇者への覚醒。すなわち、勇者殺しなら死ねる。覚醒したくない、と。ヘルクのマントを掴むアリシアの手が……血管が膨張しているところが表現されているのが、なんとも痛々しい。

銀づち
銀づち

でもヘルクにそんな事できるわけ、ないんですよね。

ワン親方
ワン親方

アリシアとしては覚醒してヘルクに剣を向けるなんて嫌、というのも分かるし……うぅ。

 覚醒したら皆一緒の姿になって分からなくなる、というアリシアにどんな姿になっても分かるよ、というヘルク。

 ここの小西さんの涙声がなんとも……素晴らしい! いやぁ、本当にヘルクの声が小西さんで良かった! 何度も言うけど、良かった! ありがとうございます!

 ヘルクはまだ諦めないからと。王様とか悪い奴ら全員倒してこの状況何とかするから、アリシアも諦めないでくれと彼は願います。

 少し起き上がったアリシアが、右目を手で隠しながら笑って言います。一つだけお願いを聞いて欲しい、と。

「笑って」

「私はね。あなたの笑顔が好き。……いつまでも、いつまでも、笑顔でいて」

「私も頑張るから。
 最後まで……頑張るから」

アニメHelck第18話より

 アリシアの手が、ヘルクの頬を撫でます。涙で濡れたヘルクの頬を。

銀づち
銀づち

ここもね……アニメならではの『間』をしっかりととってくれていた良かったです。

ワン親方
ワン親方

うおおおお。
分かるぜ。このヘルクの表情が変わっていく感じな……うおおおお。

銀づち
銀づち

涙を流しながら……様々なことを思いながら、彼はわかったと笑うのです。

 そして二人の影と、雪が降る光景が映り……アリシアの背中に翼が映えるのです。

 最後のシーンはアプリではカラーで、影絵のような美しさがあり鳥肌が立ったものですが、アニメでその美しさが損なわれることなくて、もうただただ良かったです。

 この話だけ読みたいという方は、ぜひマンガワンアプリの方も見てみてください。

 52話です。前後の話が800とか500コメントなのにこの話は2500コメントついているので、皆が感動したのが伝わるかと。

まとめ

 ということで、なんと今回はたった2話分だったわけですが……そうとは感じさせないストーリーになっていたのではないでしょうか。

 次回はいよいよアン様が帰ってきますが、まとめましょう。

  • ヘルクはアリシアの処刑に間に合い助けられた
  • しかし覚醒計画は進められていた
  • 特殊な雪に触れることで貴族平民関係なく国中の人間が覚醒する
  • 強制覚醒者は力に耐えきれず変貌し、自我を失う
  • 自然覚醒者(へルクやクレス)には雪は影響しない
    ※ラファエドも覚醒しなかったので彼も覚醒者と思われる
  • アリシアもまた強制覚醒してしまった
  • ヘルクがいつも笑っていたのはアリシアとの約束のためだった

 この話の後のEDはとても心にしみますね。

 そして次回はようやく現代に戻ってきて、アン様が帰ってきますよ! もうちょいと過去の話は出ますが、回想は終わったと考えていいでしょう。

 この回も中々の名シーンになるはずなのでお楽しみに!

銀づち
銀づち

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

ワン親方
ワン親方

まったなー!


 ヘルクとアリシアの約束。震えた声での約束。涙を流しながらも、互いに笑顔を見せながらした約束の名シーンを直接目で確認したくなったならぜひ↓コチラ↓からどうぞ!

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銀づち
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マンガを熱く語ラー
名前の由来は、サイト名が工房なので道具(金槌)をもとに、金より銀が好きだなで銀づちとなりました。 マンガには好き嫌いがかなりあり、受け付けないイラストも多い。 好きな漫画にはめちゃくちゃ好きなキャラクターが登場する傾向がある。
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