【転生悪女の黒歴史】死亡フラグ47―また一つ大人になったイアナの美しさ【ネタバレ感想】
はいっ! ということでやってきました、LaLa12月号の発売! 最新話47!
前回はコノハが武器に手をかざし、謎の光が放たれたところで終わっていましたね。
個人的な考察では『良い光』なのか『悪い光』なのかとか語っていましたが、どうだったのか。
一番の目玉は「大切で、でも気づきにくいことに気づいて笑う麗しいイアナ」です。
ガンガンにネタバレがございますので、ご注意ください。
えっ? 麗しいイアナだって? ネタバレ前に見たい! という方は10巻をご覧ください。
前回のあらすじ
検問で引っかかったイアナを置いて、先にヤトリと研究所へ向かったオロチ。そこでコノハと出会い、記憶を取り戻す。
別ルートで研究所へ向かうイアナは情報収集していたソルを見かける。会わないようにと避けるイアナだが、暗殺者のカンなのか彼女を追いかけてくるソル。
ソルのピンチに思わず駆け寄り助けてしまうイアナだが、なんとかバレずに事なきを得た。
研究所では、オロチがコノハたちに武器の場所へ案内していた。先回りしたシュヴァルツ・レ・シュヴァリエによってオロチは武器作成を脅されていた。
そしてほぼ完成していた武器にコノハが手をかざし……光が街中に溢れ出した。
今回のポイント
表紙含め、以下の4つが印象に残っています。
- 表紙はイアナとヤトリ。意味深な言葉付き
- オロチと聖女
- イアナとシュヴァルツ・レ・シュヴァリエ
- 闇の中に消えていくギノフォード
ギノ……本当に君はどうしたの。
話が動くフラグ47の目玉は、儚い美しさ!
「血を流してもやるべき事をただやるだけ」
今月号の表紙はイアナとそんなイアナの膝に頭を乗せて甘えているようなヤトリです!
ずるい! そこ代わって、ヤトリ!
そっちかい!
って、いやいや落ち着けってばよ。
ハッ! 失礼しました。
とにかく、意味深なヴェールと花で覆われた右目とそこから流れている血。優しげな微笑み……イアナの中身である現代人佐藤コノハが表に出てきているようでいて、新たな彼女が出てきたような……そんな表紙ですし、そんなお話でした。
ヤトリとはすぐにお別れかと思ったが、結構ガッツリ絡むのな。
ですね。予想外でしたが、ヤトリ回の章なんでしょうか? 今回もヤトリの回想シーンがありますからね。
とはいえ、さすがにそろそろお別れだと思いますが……ヤトリファン大歓喜の回になっているのではないでしょうか。
気になるな。
早速行ってみようぜ!
聖女の力と黒歴史
メガネイケメン、ことオロチ……魔力の籠もった武器を開発していた研究者。彼がなぜそのような武器を作ろうとしていたのか。
世界情勢が乱れ、魔物への対抗手段を持たない人。前線へ送られる兵士たちのために、少しでも平和な世界のためにと開発に乗り出していた。
と、話し少し変わりますが前回の最後でコノハが武器に手をかざすと光が放たれたのを覚えていますでしょうか?
ああ、お前さんが『良い』意味の光なのか『悪い』意味の光なのかって疑ってたやつだな。
あれは『良い』方の光だったらしいです。オロチがキノコに襲われた際、ヤトリに治しきれなかった怪我が治ったそうです。
ヤトリにも治せない怪我、町の住民たちの病まで治ったと言うのですが、聖女の力なのだとしたらすごすぎますね。
お医者さんが仕事失うレベルです。
オロチの想い――魔物に苦しむ人を救いたい
ともかく、「世界を救う聖女の力」を目の当たりにした彼は、コノハこそずっと求めていた最強の力だと確信し、思いのままにコノハを抱きしめるのです――婚約者のギノフォードの眼の前で。
うおおおいい! そりゃダメだろ!
そうですね。本来はだめですが、黒歴史通りならこの時ギノフォードは意識不明状態。……まあ、だからいいのかというと、よくはないですけどね。
ギ、ギノフォードの反応は?
驚いた顔をしているのは描写されていましたが、そのあとどうなったかは描かれていませんでした。
常識で考えると世界を救うという聖女(しかも伯爵令嬢)を婚約者の目の前で抱きしめるなんていろいろな意味で問題になりそうですけども、良くも悪くも転生悪女の黒歴史の世界ですからね。
ついやっちゃった、ですみそうな気もしています。
いやいやいや! ダメだろ!
でもその後で、オロチはコノハたちと普通に会話しているので特に問題にならなかったのだと思われます。
まあまあ、少女漫画ですし、ここは深く追求せずに置きましょう。もしかしたら後々、何か説明が入るかも知れませんしね。
この漫画はイアナの黒歴史
で、最後に心休まる話。オロチがヤトリの側に一人少女が居た、と告げる場面があります。コノハもソルも、一人を思い浮かべます。そう。イアナの姿を。
コノハが前のめりになって、名前を問います。その少女の名前を教えて欲しい、と。
名前ってイアナだろ……って、ま、まて!
嫌な予感がするぜ。
オロチは問われるままに答えます。
「Takaki・ザ・ロンリーウルフですね」
やっぱりか!
そこで伏線回収……って、そんな伏線回収線でもええわ!
直前までのコノハの真剣な顔とのギャップが凄まじいです。風邪ひきそうな温度の差がございますので、これから読まれる方はご注意ください。
普通は偽名と疑いそうですが、あまりにも奇妙な名前にそのような発想が出てこないのでしょうね。別人だろう、という判断になったようです。
イアナとばれずにすんで、めでたしめでたしですね。
たしかにバレたら面倒だけどよ……めでたし、なのか?
イアナの黒歴史が増えてないか、これ。
まあまあ、このマンガは「転生悪女の黒歴史」ですから!
いいんでしょう、きっと。
イアナと〇〇
メインヒロインであるTakaki・ザ・ロンリーウルフことイアナがその時何をしていたか、ですね。
あんまりその偽名、掘り返してやるなよ!
いやでもほら、イアナ本人がそう名乗ったわけですからね。
で、そのIana・ザ・ロンリーウルフが何をしていたか。いや、誰と一緒に居たのか、ですが……。
おいっ、名前が混ざってるぜ!
イアナとシュヴァルツ・レ・シュヴァリエ(ミカ)
ロッドから放たれた光を見上げていたイアナ。
武器が完成したのかと思い至るものの、しかし武器の制作は本来ならばイアナから頼むもの。もうすでに完成したというのならば、自分が何かして未来を変えてしまったのではないか、と疑う。
「大丈夫。今回、君は何も変えていない」
Ianaの前に現れたのは、ミカたちシュヴァルツ・レ・シュヴァリエ。
そこでミカは以前からシュヴァルツ・レ・シュヴァリエとして活動していたこと。アマリリス夫人を殺したのも自分で、イアナの先回りをして今回武器を完成させたのも自分だと語る。
イアナはそこで少し納得するのです。
イアナが助けたはずのアマリリス夫人が牢獄内で殺されたのも、イザークが死んだ時に警察が誰も駆けつけてこなかったのも……すべては警察内にシュヴァルツ・レ・シュヴァリエのミカ(ウェントス)がいたから。
あ、そっか。イザークのあの時……あの、時……うぅ。
そうなんです。あれだけ派手に戦っていたのに誰も来なかった理由は単純。警備担当者が敵側だったから。
そして様々な事件においてイアナが槍玉に挙げられるのも当然。警察が敵側だから。
シュヴァルツ・レ・シュヴァリエとはなんなのか
まあ読者は知っていた事実ですが、イアナはここで初めて知るわけです。涙を浮かべつつもこらえようとしているイアナの表情と……目をそらすミカの表情に注目していただきたい。
私はここで、ミカは「なぜ黒歴史通りに進めようとしているのか」という疑問が湧いたのです。
ど、どういうことだってばよ!
ミカの今までの言動を見るに、誰かを傷つけることに快楽を覚えるタイプではなさそうです。むしろ、シャノウを殺したことを後悔しているかのような言動をしています。
したくもないことをしている。――なんのため? 黒歴史を守る? なぜ? いや、そもそも……黒歴史ってなんだ?
佐藤コノハが書いた物語。この世界はその物語の世界。でも、世界の流れを知っているのは佐藤コノハなだけのはず……なのになぜミカたちは『黒歴史』の内容を知っているのか。彼らの主とは一体何者なのか。
うーん、たしかにそこは気になるな。
そして、シャノウも殺した、とミカがハッキリ告げます。黒歴史に関係ないから死んだんだ、と。
しゃ、シャノおおおおおう!
ただイザークと違ってハッキリ描かれてはいないので、私はまだ生きている方に賭けています。
……また、イアナの窮地にかけつけてくれ、絶対に。
イアナとヤトリ――思い出の木
シャノウの死を知ったイアナ。
そしてギノフォードとコノハの仲を見せつけられたヤトリ。
ヤトリが疲れて宿に帰ると、イアナが一人、窓から街を見ていました。その背中を見たヤトリは何かを察し、静かに彼女の隣に座ります。
と、ここでちょっと小話。
LaLa本誌の「おたよりください」のところにイアナとヤトリの一言二言のやりとりが小さく書かれていて、そこも面白いのでぜひ読んでみてください。
リリー王国では街灯に魔法を使っていて、だからこそ色とりどりの灯りで溢れています。
イアナが問いかけます。ヤトリはイアナより多くの国や街を知っている。きれいな景色とかありましたか、と。
ヤトリが語ったのは、士官学校時代のギノフォードとの思い出。電飾のように灯りを飾られた大木を一緒に見た。
それはヤトリにとっては特別なことだった。その木を好きな人と見ると結ばれる、という話を聞いて嬉しく思っていた。
なのに数年後、コノハと婚約したギノフォードが婚約者(コノハ)とその木を見たいとヤトリに語った。ギノフォードに悪気はなく、ヤトリは表面上は取り繕って「いいね、いっておいで」と言ったものの、急いでその街に行って大金を積み、その巨木を買い取った。
「もう二度と、灯りがともせないように」
一人で巨木を見上げるヤトリの横顔の切なさと言ったら……。
ヤトリ……。
世界に生きる人々を思い出す
ギノフォードへの想いも、そんな苦い思い出も……忘れたいけど、忘れたら何かが無くなりそうで怖いヤトリに、イアナは「自分が覚えている」と言います。
イアナはずっと忘れていたのです。関わりがあってもなくても、この灯りの分だけの人生が、物語があるのだということを。
このセリフがかなり深いと思っておりまして。関わりがある……それは自分自身とであり、黒歴史のことも入っているのではないかと思います。
黒歴史と関係のないシャノウが死んでしまった。彼女が書いた物語にはたしかにシャノウのことは一切書かれていない。だけど、この世界には描かれなかった人たちがいて、でも彼らは彼らで生きていて、たしかに存在している。
誰かの人生を変えればそれは影響しあって、他のなにかが変わってしまう。
今までイアナは死にたくない、と物語を変えることだけを考えてきましたが、だからこれからは「変える」のではなくて『覚えて』いたいと思うようになったのです。
良い思い出だけでなく、幸も不幸もすべてを。
だからヤトリがどれだけギノフォードを大切にしているのかについても、自分が覚えているからと……美しく笑うのです。
この! この笑顔が今回で一番の見どころ! おすすめしたいポイント!
今までのイアナは格好良くて可愛い、だったんです。でもこのイアナは本当に美しい。
でもヤトリはそんなイアナが消えてしまいそうに思ってしまって、抱きしめるんです。ここもね……良い! ヤトリ好き必見のシーンなので、ぜひ見てほしい!
シリアスな後に続く軽やかな二人のいつものやり取りも楽しいです。
いい話だけどよ。
今回はシリアスとギャグの温度差が本当に激しいな。
本当に……でも、こういうのが『転生悪女の黒歴史』の魅力だなと改めて思いました。
ギノフォードの闇
ローズ王国では、イザークが殺されてしまったことで、国民たちのイアナへの憎悪が凄まじく、ち茶色の髪の女性は髪を染め、赤いドレスを身につけることはなくなったそうです。
とても怖い国になってしまっていますが、ギノフォードはそんなローズ王国の民たちの回想シーン?をバックにしながら何処かへ向けて歩いて行く。それが不気味な影のような描かれ方をしていて……ギノフォードが本当に不穏です。
どこまでもお人好しでギャグキャラだったはずのギノフォードが、遠くへ行ってしまっています。
彼の出番は今回本当に少ないのですけど、少ないながらも存在感がすごいです。さすが『黒歴史』内でのメインヒーロー。
彼がどういう道を辿っていくのか……怖いけれど、ワクワクもしますね。
まとめ
- 関わりのない人たちの事に気づき、新たな決意をしたイアナがただただ美しい
他にも色々と見どころのある回でしたが、私が今回主張したいのはここですね。
新たなイアナの魅力がまた見れて良かったです。
お前さん、かなり興奮してたもんなぁ。
みなさんはどうでしたでしょうか、今回のお話。私はかなり楽しかったです。ギノフォードとイアナがどうなるのか気になりますね。
ヤトリのイアナへの感情がどういうものなのか。ギノフォードへの想いがどう変わっていくのかも、乞うご期待! というところですよね……うぅ、早く見たい。
ということでここまでお読みいただいてありがとうございました!
不穏な感じもあるけど、楽しかったな!
次回も会おうぜ、まったなー!
ヒロイン、Iana・ザ・ロンリーウルフの魅力が詰まった死亡フラグ47が読める10巻はコチラ!
他の話もまとめてみたいなぁ、という場合はコチラ!(死亡フラグ47は10巻にて)