【転生悪女の黒歴史】死亡フラグ54――イアナ(悪女)の死=コノハ(世界)のハッピーエンド【ネタバレ感想】
何もかもが、イアナ(あくじょ)のせいになっていく。
世界は彼女の死を望んでいる。
それでもイアナは顔を上げて生きていく。一人で立って生きていく。
前回はそんなお話でしたが、今回は次回へとつながる話。悪女と聖女のお話。
何度覚悟を決めようとも揺れてしまう、そんなイアナのお話を先に読みたい方はこちらから!
前回のあらすじ
ギノフォードとイアナの間には、和やかな時間もあった。
ギノフォードとイアナが婚約者候補であった頃。
イアナはギノフォードに誘われて別荘へと向かい、そこで彼の祖母に花嫁修業というなのイビリにあうが、真っ向から立ち向かう。
ギノフォードはそんなイアナの姿を見て心配し、やはり噂はあてにならないと思う。そしてイアナもまた、ギノフォードに惹かれていく。
しかしギノフォードの祖母、タクファは見抜いていた。ギノフォードとイアナは根本から合わないと。
タクファを憎んでいた使用人の手によってタクファは亡くなるが、彼女はイアナはイアナのままでいいのだという言葉を最後に残す。
その事件の容疑者はイアナとなったが、彼女は否定せずに憎悪を受け入れるのだった。
前話より
和やかな時間は、その出来事ですべて塗りつぶされた。
今回のポイント
それぞれの役割。
- ソルの役割は悪女を殺すこと
- ギノフォードは本来ならば眠っていなければいけない
- ヨミはいずれ、コノハへ恋をする
- コノハは世界を平和へと導く
ではイアナは……?
それぞれの役割
今回はそれぞれの役割に重点を置いて書いていきたいと思います。
ソルの役割――彼は暗殺者。イアナを殺すのは彼
記憶を取り戻してからのイアナは、自分の死亡を回避するために黒歴史を変えてきました。
そのせいで亡くなってしまった人達が大勢いる。
彼女の中で「死にたくない。仲良くしたい」から「世界に生きる人々を幸せにしたい」というものへと変化していきました。
うぅ、イアナ……。
世界に生きる人々がシアワセになるための一番の方法は、コノハが物語どおりに聖女として旅をし、成長していくこと。
コノハの愛され物語である黒歴史通りにすすめば、最後はハッピーエンドになるから。
だからイアナはソルに求めるのです。イアナを殺すという役割を。
イアナはソルを振り回したことを申し訳ないと思っていました。
できれば仲良くなりたかったし、自慢の主でいたかったと。
最初からただの悪女であったならば、ソルが悩むことはなかった。
別れ際もソルは悩んでいました。だけどイアナは言うのです。答えはかならず出る。それが「運命(ものがたり)」だからと。
ギノフォードの役割――イアナの敵であり、相容れない
イアナがずっと恋していた相手。ずっと会いたかった人。
だけど彼にとってイアナは犯罪者で、殺すべき相手。そして、記憶を取り戻す前のイアナも分かっていた。ギノフォードと自分は根本的に合わないのだと。
記憶を取り戻してすぐの頃、イアナは少し期待していた。物語を変えていけば、ギノフォードが自分を愛してくれるのではないかと。
本当は手を繋ぎたかった
甘やかされたかった
悪女の私を選んで欲しかった
私にだけ笑って欲しかった
うおおおお、イアナあああ。そうだよなぁぁ。
ギノフォードはずっとイアナを疑っていますが、いつか真実を知る時が来るのでしょうか。
いつか知って欲しい。知らないままは、あまりにも……。
ヨミの役割――イアナを愛し、愛したことを悔やみ、コノハへ恋をする
仮面を剥がそうとしたギノフォードからイアナを守ってくれるヨミ。
彼はイアナに愛の見返りを求めない。自分を見ないからこそ良い、とも言っていましたね。
物語だとイアナを殺したコノハを恨み、だけど最後はイアナを愛したことは間違いだったと、コノハに恋をして死ぬんだったか
イアナ同様、もうこの時点で死んでいるはずの人物ですね。
ヨミはイアナに尽くす。イアナのために別のルートも調べていました。
イアナはそんなヨミに「行きたいところ」はないのかと聞きます。ヨミはイアナと海に行きたいと言います。イアナはそんな彼の要望を叶えたいと心から思うのでした。
船を買ってのんびりしたいって言ってるな。良いじゃねえか、楽しそうだ!
二人がそうして穏やかに過ごしているところが……いつか見れたら良いですね。
コノハの役割――みんなに愛され、世界に愛され、皆をハッピーエンドへと導く
呪具で出てきた鳥たちに餌をせがまれ、つつかれまくるイアナ。そこへやってきたのは小鳥たちに愛されているコノハ。
離れようとするイアナに、声をかけてくるコノハ。
世界から憎まれる自分と違い、世界に愛されている姉。複雑な気持ちはあれど、それでもコノハが大好きなイアナ。
コノハはイアナにとって理想の塊。そうなりたかったという美少女。過酷な旅をしなくてはいけなかったとしても、彼女のようになったなら日々を満足して過ごせただろうと思っていた。
イアナは物語の最後で、コノハが笑顔になることを望んでいた。
ただそれを、彼女は望む。
日食――それは中二病患者にとって最高の災い
イアナがコノハたちと別れようとしていた時、日食がやってくるという話になった。
ちなみにここ、BLやTLを広めなければ、などと言いながら食べ物をもらっていこうとしている変態仮面。あと、GLも。
そんな場合じゃねええだろうがあああっ!
さすがイアナ。イケるジャンルが幅広いですね。私はちょっとBL・GLは苦手で。
そういう問題じゃねーよ!
ともかく、日食が起きるということでざわつく周囲。イアナは現代日本人の感覚で何が問題なのかと悩むものの、ハッと気づきます。
現代日本であれば日食はイベントごとのように賑わうものの、ここはイアナが若い頃に描いた世界です。
もちろん、日食にもいろいろと仕込んであります。
イアナってだいぶこじらせてたもんなぁ。
三日三晩生贄を捧げる……云々という中々に痛々しい設定になっていましたね。日食なんて本来は一瞬なんですが。
生贄として捧げられた人達が魔物として人々を襲い、襲われた人々が魔物になっていく……というゾンビゲームのような展開。
それを当時の王が囲いを作ってのりきり、そこを封印の地とした。
そこが『アルビドゥス王国』。コノハたちの次の目的地。
ところがどっこい、本来の黒歴史だと間に他のイベントが挟まるんですがそれなく日食が来てしまうことによって作者であるイアナにも予測不能な状態に。
そいつぁ、ちと不安だなぁ
イアナは予定を変更し、コノハたちについていくことになりました。
メインキャラたちの運命だけでなく、イアナには黒歴史そのものを背負う必要があるのだから、と。
まとめ
今回は各キャラの役割を、改めて確認するようなお話でしたね。
- ソルはイアナを殺害する役目
- ギノフォードはコノハの力を覚醒させる
- ヨミはイアナを愛し、コノハへ恋をし、死んでいく
- コノハは世界を救う
次回は大きく変わってしまった物語の流れ。日食という中二病イベントをどう乗り越えるかというお話になりますね。
なんつーか、不穏な雰囲気しか感じねーんだが。
まあ、次の話知っている私としては、なんとも言いかねます!
とにもかくにも、次回のお話をお楽しみに!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
こえーけど、次回も見てくれよな!
じゃあ、まったなー!
各キャラクターとイアナとの関係性を改めて考えさせられる今回の話を読んでみたい方はコチラから!