【アニメHelck】第十三話『弟と共に』――雪がふる中で届いた声【ネタバレ感想】
さて、前回はずっとヘルクが腰に下げていた短剣の正体が勇者殺しの異名を持つものだと判明しました。
勇者が勇者を殺せる武器を持っているという違和感。そしてヘルクのもつ不気味で恐ろしい力。
ヴァミリオはヘルクが敵ではないと判断しました。ですがその力は恐ろしい。
ヘルクはそんな彼女の気持ちを理解した上で、すべてを話そうと口を開きます。そしてすべてを聞いた上で、何かを頼みたいと。
一体人間の国で、ヘルクは何を見てきたのでしょうか。そしてヴァミリオに何を頼みたいのか。
気になるアニメHelck13話の感想、やっていきましょう!
ヘルクの過去。彼がどうして魔界へ来たのかの序章……に時折ツッコミを入れるヴァミリオ様を見たい場合はDMM TVがおすすめ! 何度も見れますし、DMMなら電子書籍の取り扱いも!
前回のあらすじ
弱いとは言ってもなんども生き返って攻め込んでくる相手とか厄介極まりないですね(しかもだんだん強くなる)。
魔界では、ウルム城の防衛&奇襲によるトール城の奪還に成功していた。
何度でも蘇る人間たちはその利点を活かして何度もトール城に攻め込んできていたが、魔王決定戦に出場していた猛者が集まっていることと守りを固めていたため、今のところ大きな被害なく防衛に成功している。
しかし確実に勇者たちは成長しており、戦闘レベルも上がっていた。
アズドラは相手の戦力を削るために捕縛策戦を実行していたが、あまりうまくはいっていなかった。
そんな中、日課の人探しの術を行いヴァミリオが大陸に戻ってきたことを知る。
砂漠を旅しているヴァミリオたち。彼女はヘルクの力を危惧し、極力戦闘をさせないようにしていた。
ヘルクはそんなヴァミリオに対して腰に下げていた短剣が勇者殺しの異名を持つ剣であると伝え、人間の国で起きたことを話すと言う。
そしてすべてを聞いた上で、自分の頼みを聞いてほしいと、ヴァミリオに言うのだった。
前話より
ツッコミ以外での、しんみりな「バカァ」が聞けるお話でした。
今回のポイント
割とこの時点で人間の国滅んで良いかもしれないと思ってしまう。
- 人間の国の事情――貴族と平民、貧民
- 英雄クレス――良い国へ生まれ変わらせるために
クレスがとても良い子すぎる。
人間の国の事情――貴族と平民、貧民
ヘルクとクレスに両親はいません。
彼らの住んでいた村が魔物の群れに襲われて、両親もそこで失ったのです。それでヘルクは、王都に向かうことにしました。王都なら、子どもでもできる仕事があると思ったから。
両親は村を守ろうと戦ったそうです。両親についてはソレ以上のことは書かれてませんが、両親も強い戦士だったのかもしれませんね。
アニメでは描写されていませんでしたが、漫画の方では魔物と戦っている人が二人います。
この二人がヘルクたちのご両親なのか?
詳しくは書かれてないのでわかりませんが、もしかしら、ね。
気になった方は4巻を読んでみてください。ちなみに話の合間合間にイスタとアスタのおまけもついていたりしますので!
村で生き残った人たちも僅かにいたらしいのですが、すべてを失って気が狂ったり絶望して自殺したりで、頼れる大人はいなかったみたいですね。
当時のヘルクの年齢は6歳で、クレスは2歳でした。
それから2年後。ヘルクとクレスは王都の貧民街に住んでいましたが、ヘルクが仕事を終えて報酬のパンを抱えて帰ると貴族の子どもたちがクレスに暴力を振るっていました。
王都は貧富の差が激しく、このような出来事は日常茶飯事なようです。
ヘルクは弟のかわりに自分を殴れと言い、貴族たちに好きに殴らせ、満足した彼らは去っていきました。
既に覚醒していたヘルクと超回復状態
ボロボロになったヘルク。クレスがごめんと謝りますが、ヘルクは大丈夫だと体に力を込め
『超回復状態!』
最近見た!
いや「兄ちゃんすげぇ」じゃねえよ!
思わずアン様もココアを吹き出して回想シーンにツッコミいれてましたね。
どうやら幼い頃、本人も自覚していない時に勇者としての力に覚醒し、普通の人間にあるはずのストッパーが外れた状態で成長したようですね。なので脅威のレベル99などを達したようです。
その後、ココアを入れ直してからまた回想へ。ほとんどセリフで、どんな貧民いじめがあったかが淡々と告げられていきます。
食料を汚水に捨てられ、家を荒らされ、燃やされ、酔っぱらいの貴族に殺されかけたり、僅かな賃金を巻き上げられたり……。
これ聞いてるだけで人間滅ぼしていいんじゃね?って思っちまうな。
魔族たちが良い人すぎたのも相まって余計に思っちゃいますね。
それでも王都の外では魔物が大量に溢れていて、子供二人が生き抜ける環境ではなかったため、ヘルク達はここで過ごすしか有りませんでした。
ここが健気なのですが、こんな劣悪な状況でも二人は笑っているんですよね。私たちの知っているヘルクも基本常に笑っていますが、それは子供の頃からだったようです。
暗い気持ちで過ごしたくなかったから、前向きでいようと有り続けた。
裕福じゃなくても、兄弟で平和に過ごせるならソレで満足だったんですね。
兄弟を襲う『病』という名の不幸と、貴族
貧しいながらも平和に過ごしていましたが、ある時クレスが病にかかってしまいます。
彼らの住んでいる場所は不衛生ですし、食料もまともに手に入らない状態。体の免疫力が落ちたところに病気にかかってしまったようです。
ヘルクが悔いてました。もっとちゃんと食べさせておけば、と。
これは難しいよなぁ。
自分だってろくに食べてないだろうし、安定して食料が手に入る環境ではないだろうからな。
ヘルクは諦めず、医者を探します。お金はここを出るためにとちょっとずつ貯めていたようです。
しかし、貧民を診てくれる医者はいませんでした。どころかヘルクの持っているお金を見て盗んだものだと言われもしました。
通行人に叫んで助けを求めても、病気を撒き散らすなと殴られ、誰もヘルクの話を聞いてくれません。
「おい、ボウズ、どうしたよ? どうしたよ?」
と、思いきや、一人の少女(貴族)が話しかけてきました。
口は悪そうだが、話聞いてくれるのか?
ヘルクは藁にもすがる気持ちで少女に「弟が病気で死にそうだ」と伝えます。少女は聞いてから無言で去り、一瞬からかいたかっただけかと思うヘルクでしたが……少女は誰かを連れてきました。
大人。どうやら彼女の父親でした。
その貴族の大人は少女に連れられてきたとは言え、ヘルクたちを貧民と嘲ることなく「どうした」と声をかけて、医者にみせてくれました。
おかげでクレスは助かりました。もとちょっと遅かったら危なかったようです。
うぅ、良かったなぁ、クレス。ヘルクぅうううう。
本当に良かったのかは、わかりませんが……ともかく、この貴族との出会いが二人の未来を大きく変えることになります。
ここ、漫画ではクレスの様子を見ている男性は描写されていません。
ですがこの男性がかなり重要であり、このシーンは後々に大きく関わってきます。
あまり深くは語りませんが、覚えておきましょう。
個人的にこんな髪色だったのかとちょっと驚きました(笑)
新装版の表紙では出ていたんですけどね……その時も驚いた記憶があります。
英雄クレス――良い国へ生まれ変わらせるために
それから15年後、クリスは立派に成長して国の兵士となっていました。味方たちが手こずっていた強力な魔物を一撃で倒せるほどに。
魔物と兵士たちのシーンで登場しているキャラの中で、声に聞き覚えのある人物がいますね。
おお、いるな。こいつらって……あの翼の兵士?
ですね。
翼の兵士状態だとちょっと色素が薄くなるようです。漫画では分からなかった描写です。
とくにフードを被っている術者の男の子などは分かりやすいですよね。クレスに守られて、憧れているような表情を浮かべています。
な、なんか全然性格が違うような……んん?
クレスに対してだけこういう態度なのかもしれませんが、どうなのでしょう。
クレスに励まされたことで全体の士気が上がり、彼らは無事に討伐が来たようでした。凱旋するクレスたちを、国民は笑顔で手を振りながら出迎えます。
貧民として差別してきたことなど、誰も覚えていないようです。
ラファエド家とクレスの決意
病気のクレスを救ってくれた貴族はラファエド家といって、かなりの名門。シャルアミはそこの長女でした。
シャルアミはクレスが退院した後もスラム街のヘルクたちのところに来て遊んだりしていたようです。貧民にも平等に接する子で、口は悪いけど優しい女の子。
この子とつるんでいるおかげでヘルク達は他の貴族から絡まれることはなくなりましたが、他の貧民達はそうでは有りません。
クレスはそのことが気になって、単純に嬉しいとは思えなかったみたいです。
魔物のせいで皆余裕がなくて自分が生きるのに必死で、他の人のことを気遣う余裕がない。いい国へ変えようと動けない。だから魔物の脅威を取り除くために、兵士になる。
クレスはわずか5歳でそんなことを決意し、歩み始めます。
一理あるかもしれないし、人間の本質なのかもとも思ってしまうな。
クレスの話していることは甘いですが、素敵な考え方で、こういう考え方が広がるといい国になってくれそうですよね。
しかしヘルクは良い兄ちゃんだな。
危険だ、ダメだって言わずに尊重してくれてる!
本当に仲の良い兄弟です。
ただ忘れてはいけないのは、そんなヘルクにかけられている『弟殺し』の容疑です。今の様子からするとそんなことありえないように思えますが。
クレスは毎日しっかりと訓練をした、というところをアニメでは時間を割いてましたね。そんなクレスを見守っている……シャルアミにニヤニヤ。
花育てているヘルクには笑いました。
兄弟に忍び寄る不穏な雰囲気
皆から歓迎を受けているクレスを見守っているヘルクのもとに、ラファエドがやってきます。PVでも思いましたが、ほんとラファエドのイメージにピッタリの優しく威厳のある素敵なお声です。
ヘルクの姿を見かけて声をかけてくれたというラファエドはクレスについて褒め称えます。
話っぷりからラファエドも戦える雰囲気がありますね。
自分ですら勝てない、という言い方だとクレスの師匠っぽいイメージだな。
実はここ、漫画版だと誤字、といいますか。脱字がありましてラファエドさんが「元気だった?」と漫画だとなってますが、普通に考えて彼だったら「元気だった『か』?」だろうと思っていたらちゃんとアニメでは修正されていましたね。
良かった。
ただ、「今回もクレスは大きな功績を残したようだ」は漫画だとラファエドさんのセリフなのにアニメだとヘルクが喋っていて、しかも話の流れ的にもヘルクが話していることにちょっと違和感覚えました。急にため口ですしね。
え?
何でわざわざ喋るキャラ変更したんだ?
わかりません。
でも確かにヘルクの口が動いてるし、ヘルクのセリフになってるんですよねぇ。
ヘルクが喋るとしたら「今回もクレスは大きな功績を残したみたいですね」になると思うんですが。
脚本ミスかな……? 深い理由が他に……ある、のかな?
その後、ラファエドはヘルクにも『力』を感じる、と声をかけます。カンにすぎないとは言ってましたが、無自覚に覚醒していたヘルクの力を感じ取っていたのでしょうね。
ヘルクは武術というか、剣術はからきしなんだよなぁ。
体はでかいし喧嘩したら強いだろうけど、自覚はない。
今もずっと素手ですし、飛ばされた先の島で持っていた斧の方が耐えきれないくらいなので、彼の力に耐えうる武器がそもそもあまりなさそうです。
ヘルクはこの時は本当に自分の強さのことを知らずにいましたし、力仕事が自分には合っている、と思っていました。
そして仕事終わりには時間を作ってクレスと夕食をともに過ごす。クレスは兵士となって今は一緒に暮らしてないみたいですね。
クレスとの待ち合わせ場所にヘルクが立っていると、シャルアミと一緒に歩いているクレスがいました。周囲には何かハートみたいなものが飛び交っているように見えます。
にまにまターイム!
相手は名門貴族。茨の道ですが、兄であるヘルクは笑顔で応援するようです。
そのまま3人で食事。楽しそうに過ごしている姿にはほっこりとしますね。
って、クレスが遠征?
おいおい。帰ってきたら……とかフラグ立てるなよぉ。
迎えることが出来なかった、というのがなんとも不穏ですね。
と、今回はここで終わっていました。漫画だと38話はあとたった2ページなんですが……たしかに話の区切りとしてはよさそうですね。
しかしヘルクの過去編、このペースでやっていくと5話くらいかかっちゃいそうですが大丈夫なのかな……ペースが心配です。
まとめ
今回わかったこと……ヘルクは子供の頃からすごかった!
- 人間の国のあちこちで魔物が大量に現れ、被害が出ていた
- ヘルクたちの両親や村も魔物によって滅ぼされ、王都に移り住むことに
- 王都では貧富の差が激しく、貧民たちに人権はない
- この時既にヘルクは勇者として覚醒していた(無自覚)
- クレスが病気にかかった時にとある貴族が救ってくれた
- クレス、国を良くするために兵士となって今や国民の英雄
- クレスは自分を救ってくれた貴族の娘といい感じの仲っぽい
- 兄弟+貴族の娘シャルアミの仲はとても良い
人間は同しようもない輩が多そうですが、それでも良い人もいる、ということがわかった話では有りましたが、同時にクレスを蔑んできた人たちが手のひらクルーしているのを見て複雑な気持ちにもなりました。
でも笑顔で何も気にしていないクレスも、兄ヘルクもすごいですね。
次回はついに! ついについに……とある人との出会いが来ます。待ってましたよ!
おおうっ?
随分とテンション上がってるな……そんなに良いのか?
ええ。その人との出会いがね……物語が進んでいくと……ええ、もう凄いんです。
とにかく、次回もとっても楽しみですね!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
ヘルクとその弟クレスの過去が明かされる! もうこの時点で人間滅ぼそうぜと言いたくなる13話を見るのならぜひ↓こちら↓からどうぞ!