【不徳のギルド】第76話『地底の天使』――その言葉は誰に当てたものか【ネタバレ感想】
不徳のギルドはみんな楽しみなエロシーンが最近はなく、不穏な気配ばかりが漂っていますが、今回はなんと……! なんとおおおおお!
サン姉様が……ちょ、ちょろっと? エチィ? かも? 的な?
そして事実だけでなく本当に性根が腐ってそうな老人会、もとい町のおえらいさんたち。
段々と主人公たちではなくてツチガミを応援したくなってくる【不徳のギルド】第76話のネタバレ感想、今日も世界の平和を願いながらやっていきましょう!
そんな壮大なコンセプトあったのかよ!
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前回のあらすじ
珍しくキクルが読みを外した回。
キクルは地上に現れた魔物の処理をしながら、悔やんでいた。襲撃のことを知っていたのに、すべて読み違えてしまったと。
一方で町内会のおえらいさん方はハデスによって地下に囚われていた。すぐに殺さず、取り調べを行うとのこと。
しかしそこに紛れていたサンとセイテンがハデスたちに戦いを挑む。
ハデスを信仰する通常種の魔物たちを倒して少しでもその魔力を削ろうとするサンだが、セイテンはそれでも圧倒的すぎるハデスに勝てないと理解していた。
ハデスの術によって身動きが取れなくなった人間たち。そんな中、サンはセイテンだけでも逃がそうと彼にスキルを使う。
自分のことよりも他者をいたわる姿に、ハデスはやりにくい相手だと呟くのだった。
前話より
ハデスが良い人なのがよく分かり、おえらいさん達のクズっぷりが判明していく。
今回のポイント
よし! 町内会滅ぼそう!
- 自分たちを助けろとサンに言う人間を見て、ハデスは過去を思い出す
- セイテンが本当に恐怖したのは、自分の死ではなく
- 地上で活躍するガード達……(なお一部のガードは)
- チカエル登場!
チカエルが思っていたよりもずっと可愛い。
逃亡させられたセイテンへかける言葉の違い
前回、サンがスキルを使ってセイテンを逃しましたが、無事にセイテンは逃げ切れたようです。
セイテンが逃げた方角を見たハデスは「魔物はマナが尽きても死ぬ。手負いであれほど無茶をしてどれほどいけるか」と言います。
なんか……まるでセイテンのこと心配しているようにも聞こえるな。
勝手に死ぬからいいだろう、ではなくて「どこまでいけるか」ですからね……人の良さが台詞の端々から溢れてきますね。
そしてサンは「あの子は誰も殺してないから見逃せ」と言うのです。息も絶え絶えになりながら……もう動けなさそうですね。
ここで老人会……じゃなかった。町内会の会員の一人が這いながら言うわけですよ。
「何をやっとるかぁぁっ…。
魔物の命なんぞ優先しおってぇぇっ。
今すぐ呼び戻して戦わせろ」
ちなみに、ぜぇはぁ、という呼吸は省略しています。
その一人の言葉を咎める人はおらず、むしろ「自分たちが死んでも良いのか」「ガードなら市民のために戦え」「立て」と好き勝手に自分たちを救えと言うのです。
サンとセイテンの絆や、ハデスの人の良さを見てきたあとでのセリフですから、余計に際立ちますね。
こいつらを守るためにサンとセイテンはこんな目に合ってるのかよ。
キムジナーも怒ってますね。ハデスも
「…危険を顧みず救おうとした命が此れとは……本当に、心の底から同情します」
そう呟くのですが、彼は思い出していました。おそらくそれは20年前の彼が追い出された日。彼を責め立てている人間たち。
ハデスとカボクは昔は良い関係だったんでしょうね。良い関係だったからこそ、ハデスはより悲しみ、苦しんだんだろうなと。
この台詞を見て思いました。
セイテンが本当に恐れていたのは――?
一方逃げていたセイテンは、サンの言葉を思い出してました。
怖かったよね、という言葉にたしかに怖いとセイテンは思ったものの、彼が本当に恐れていたのは
「もう独りはイヤ」か
一人ぼっちだったところに出来た友達はすでにおらず、家族のようなサンがこんなことになって……。
今どれだけ不安でしょうね。ただでさえ傷も負ってますし、マナも消費して。
心の中の一人称が『ボク』に戻り、そしてセイテンは気絶するのでした。
地上ではガードたちが的確に対応してい……る?
地上にあったデカイモニュメント。あれどうなったのかと思っていたら、倒れたと言うより全部地中に埋まったようです。
トリュウがショウキに「下まで道を作れるか」と聞くとできるとショウキは「可能だ」と答えます。
衝撃で下にいるやつらは死ぬって、駄目じゃねえか!
トリュウとのツッコミというか、掛け合いが最高ですね、この二人は。
セイテンが離れていくことまでショウキには分かるようですね。とはいえ、まるで状況は掴めません。
とにかく村を襲っている魔物を倒そうと向かう二人……留守番しようとするショウキには思わず笑いました。
基本やる気なさそうなのに、なんでショウキはトリュウとコンビ組んでるんでしょうねぇ。この二人の物語も絶対来そうで、今から楽しみです。
みんな、魔物退治に貢献……貢献?
ひたむきが『かもんたー』という彼女ならではの武技を使い、魔物を引き寄せ、その周囲を固めている仲間たちが魔物を倒していきます。
個人的に驚いたのはノマの魔法の威力が上がっていることです。今までは中途半端な威力しか出せない、と嘆いていたのに。
メガス、トキシッコ、コインは隠れてその様子を見ていましたが魅了で引き寄せれば良いのかとメガスは気づいて、魅了の術で魔物を呼び寄せます。トキシッコ、コインは仕方ないなと魔法や武技を使おうとするんですが……まあ、ね?
シッコのは当たってねーし、コインのは発動してねー!
結局プンプクが倒してくれました。曲芸の武技もなかなか多彩で面白そうな感じしますね。
しかし彼女はフォーネに育てられたことも有り、戦闘はしっかりできるようです。
ひとまずその周辺から魔物はいなくなったようですね。
プンプクが近くに魔物がイない、と気配を察知しているみたいで……やはり獣人は基本的に索敵能力高いんですかね?
オックリは違うみたいですが。
地下――地上の様子を察するハデス
ハデスたちはあの老人たちを運びながら、地上の仲間たちの状況が芳しくないことを察します。対応が早い、と。
ここで映るメガスのアニの格好がこれまたいい! ゴツゴツしいこのデザイン! フォルム! 最高か! なのにセリフも戦っているシーンもない! なんでだ!
そりゃ、あれじゃねえの? モブだから……。
くぅっ!
神性が削がれるだけだから呼び戻したほうが良いのでは、というキムジナーに頷くハデスですが、同時に悔いてもいるようでした。このやり方は、人間がしている洗脳教育と同じだ、と。次からは自分が戦う、と。
老人たちはなにか土の塊みたいなところに入れられてましたが、サンは外に縛り付けられてました。
偉そうに出せ出せとうるさい老人たちと違い、サンはこんな状況でもセイテンのことを考えます。セイテンとすれ違わないので逃げられたのだろうか、と。
そしてまた、キクルに面倒をかけてしまう、と。
やはり彼女こそ、キクル・キラー(いろんな意味で)
町の中を駆け回っているキクルは事態を冷静に把握していました。
まず、魔物は若者を無視して40代以上を狙っています。40代以上というと、20年前の自戒の日に成人していた年齢です。
全員関係なく、じゃなくしているあたりにやっぱりハデスの優しさが見えるな。
根本的にこの方は人間を嫌いにはなれないんでしょうね。
そんな人の限度を超える輩がいたわけですが。
魔除けがあるのに入って危害を加えられたのは彼らに敵意がないから。むしろ好意をもってるようにすら見えるんですが、その鋭い爪で抱擁されれば人間の体をその爪が貫き、死に至るだけ。
敵意か好意かの違いはあるものの、結果は一緒、ということですね。
と、魔物の気配がなくなりました。
ツチガミが未だに神性を保っている方法。魔物に知性を与えて信仰を得ている、ということまで考えに至ったキクル。これ以上、魔物が減るのは困ると引いたんだな、と察します。
しかし本当にネームドは厄介ですね。今回はそんな中でも神性を得て人の姿を持っているだけによけいに。
これは単純に退治して終わり、では誰も納得しないでしょうね。
かといって犠牲が出てる以上、お咎めなしにも行かないだろうが。
死者が出ているのかどうかも重要ですね。けが人だけなのかどうか。
死者が出ていないのならばまだ……。
と、電話が鳴ったのででるキクルですが、電話から飛び出る大声に彼の鼓膜に大ダメージ。
そう。キクルに致命傷を負わせることでおなじみ、ハナバタです。
ハナバタはトリュウたちと合流してサンたちの状況を聞いてキクルに電話してきたようなのですが、ものすごく動揺して泣き叫んでます。トリュウが「生きてるから」と隣で慌てていて、話す相手間違えたかと言ってます。
やっぱり彼はエースの風格ありですね。キクルと友達になって欲しい。
とりあえず合流しようというトリュウに頷くキクルですが、落下したのに無事ということに引っかかりました。普通は死にます。なのに生かされている理由はなんだ、と。
そういえば、キクルも職質受けた時にフォーネの落下事故を怪しんでたっけか
真相解明か、とまで考えに到れるあたりが、我らが主人公ですね!
セイテンを助けてくれたのは……
かわいらしい家具が揃った空間へと場面は変わります。なんとなく女の子の部屋っぽいなと思っていたら、そこにセイテンが寝かされていました。
セイテンはハッと起き上がるものの、身体に激痛が走り、それを制する声もします。
と、ここで出てくるのが『チカエル』。前回も日記を書いていた子ですね。
インパイアというコウモリのネームドらしく、なんか可愛らしい雰囲気……セイテンのヒロインになる子だろうかと、ドキドキ・ワクワクしますね。
ハデスの仲間だと素直に言いますが、危害を加えるつもりはない、と。
そもそも看病してくれてるしな。
サンのことも大丈夫だ、とチカエルは言います。やり取りは聞こえていたみたいですね。そしてハデスは誰かを思いやれる人を殺したりはしない、と。
チカエルはハデスたちのことを家族だと未だに思いながらも、彼らと協力して人に危害を加えようとはしていません。そしてハデスも無理やり従わせていないところに、本当に彼らの絆とか優しさを見つけて、どんどんと苦しくなってしまいますね。
チカエルは魔法を使ってセイテンの傷を直そうとしてくれますが、その魔法は自分の血を使ってのもので……貧血で倒れるのでした。
うおおおおいっ!
いい感じだったのにぃ!
次回へ続く!
まとめ
ということで、いろいろとまとめてみましょうか。
- 20年前の自戒の日、ハデスは責任をひとり押し付けられて村を追われた
- 村ではハデスが悪いと子どもたちに教えている
- ハデスを愛してくれたフォーネは転落死したが、その死は偽装されたもので……?
- ハデスは魔物たちに知性を与えることで神性を得ていて、彼らに命令ができるが、無理やり戦わせることに罪悪感を持っている
- チカエルは人間たちに危害を加えるつもりはない?
フォーネの死の真相はまだハッキリと描写されていませんが、次回辺りにくるんですかねぇ……知りたいような。知りたくないような……知ってしまったらよけいにハデス達を応援したくなってしまいそうです。
うぅ。
どういう決着になるかだな……ハデスたちには幸せになってほしいぜ。こいつらいいやつらだ。
そうなることを……願いたいですね。
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
という、ツチガミ編の復習をしたい方は『不徳のギルド』12巻をどうぞ!