【不徳のギルド】第三巻――キクル、エースらしい活躍を見せ、新人ガチャに勝利する?【ネタバレ感想】
値上がり、不満、暴力……と、世の中にあふれるニュースはなんともつらく暗いものばかり!
なぜそのようなことばかりが起こっているのか。原因を取り除くにはどうすれば良いのか。
そう! エロとコメディが世界を救う!
ということで、やってまいりました不徳のギルド第三巻は個人的待望のヒロインが登場する巻です! ノマ! ノマ! ノーマ! ボクっ子!
後ついでにキクルがエースっぽい格好いい戦闘シーンを見せてくれます。
キクルがおまけかよ!
まあ四分の一は冗談ですが、まじで格好いい戦闘シーンがあるのでお楽しみに!
そうか!
それは楽し……ん? 四分の一?
今回は3話分が真面目な戦闘で、3話は一応その戦闘と繋がっている話となります。そして冒頭でも述べましたが、ノマという赤魔術士の子が登場します。
この子がすごく可愛くて大好きなので、今回は思う存分ノマについて語りたいと思います。
いやっ! ちゃんと第3巻について話すからな! 安心してくれ!
そんなイチオシのヒロイン(?)が登場した上に、主人公もエースらしい活躍を見せる不徳のギルド第3巻が読みたくなったら↓こちら↓から! メデっちゃんのおまけもありますよ!
前回のあらすじ
キクルが目覚める?
- 第7話「ドクター・マーダー」
- 第8話「白と黒」
- 第9話「キョウカのヒミツ」
- 第10話「肉の宴」
- 第11話「新しい家族」
- 第12話「メーデー」
(各話補足)
第7話、健康診断。Kカップ~AAカップまでよりどりみどり。
第8話、下着の色の話ではなく、魔術師たちが仲を深める(?)話。
第9話、ハナバタのキョウカの仕組みとひたむきの味がわかる話。
第10話、新人による初勝利?の祝勝会にて料理のようなものを競う話。
第11話、母親(エノメ)の上書きを望む娘の話。
第12話、ツンケンしつつも最後はキクルを呼んじゃう白魔の話。
前巻より
なんだかんだと頼っちゃうメデっちゃん、かわゆす。
各話感想
キッくんは真面目にしていたらすごくイケメンで格好いい。
- 第13話「ムリゲー」
- 第14話「ミントアイス」
- 第15話「完全燃焼」
- 第16話「ありがとう」
- 第17話「金のタマゴ」
- 第18話「やわらかいもの」
あのクッションの方が絶対にいいだろうな。
第13話「ムリゲー」――言葉のナイフが刺さりながらも
見知らぬ二人のガード(男)のハァハァから始まります。
言い方!
ヨケグモ、という魔物退治を今回はしないといけないようです。
人よりも大きいクモ。本来は体調30センチメートル程度で小型の動物を狩る魔物なんですが、ここまで大きいと捕食対象もおそらくは大きくなるでしょうね。
特徴としては相手の敵意や殺気を感知してとにかく攻撃を避けまくる。なので近接職とは相性が悪い。
そこでエースであるキクルの隣りにいるのはトキシッコ――黒魔術師、というわけですね。
しかも一噛みでアウトな猛毒に鉄より強靭な糸……攻撃が当たらない上にそれはキツイな。
厄介だと怖がっているのは物語の最初に出てきたガード。
それでもキクルはやるしかないと言う。倒さなければどんな被害が出るかわかりませんからね。
なぜ呼ばれたのか理解したトキシッコはこんな魔物と戦いたくないと言い、二人組のガードも「やめておけ」と言います。
- 物陰から小物を狩り続けた討伐数トップ
- 大物相手は向いてない
- 回避すごいらしいがこの魔物とはできが違う
- 筋力も能力も勝てない
- 引っ込んでろ
言葉の刃がメブキのエース、キクルの胸に突き刺さる。
言葉のナイフはさすがのキッくんも避けれませんでした。
普段ぶっ刺す方のトキシッコがフォローしてるな。
二手に分かれる不安
ハナバタ、ひたむき、メイデナとは今回は別行動です。彼女たちには彼女たちにしてもらわないといけないことがありました。
実は冒頭で出てきたガードたちには仲間がいるんですがその仲間が森の中に取り残されてしまってるんですね。
今回の巨大なヨケグモ退治には向かない近接職であるハナバタたちに、その取り残されたガードの探索と保護を頼んだのです。ひたむきは探索向きですし、ハナバタの実力はたしかですし、メイデナは回復としては優秀ですからね。
理想的な役割分担、のはずなのにキクルの内心には不安がよぎります。
蜘蛛の糸にひっかかるひたむきにへたり込んで物置とかするメイデナ、マナ酔いするハナバタ……が思いついちゃうよな。
そわそわするキクルにトキシッコがそんなに心配なら一緒に行けばいいのに、と言いますがそれでもヨケグモに向かうほうが危険ですからね。
気遣ってくれるトキシッコは普通に美少女なんですけどね。
そして今回トキシッコが選ばれたのは、ヨケグモが相手の思考を呼んで攻撃がどこに飛んでくるか分かるから。逆に言えばトキシッコ自身にもわからない無差別攻撃はヨケグモにとって有効打になり得ます。
あとは直接攻撃するのではなく、周囲を炎で囲んで閉じ込めるとかもありですよね。
冷静に対処を考えるキクルの姿はやはり「エース」の名を関しているだけはあります。
トキシッコも
「旦那ってエースの割にパッとしないシ、大して強そうな感じもしないケド、伊達にエース張ってないナー」
「そのふわっとした賛辞一つの為に二度傷付けるのやめてくれない? 褒めるなら純度100%で褒めてくれ」
と、大絶賛ですね。
これを褒めてるって言ってやるなよ!
キクル、二度傷ついてるじゃねぇか!
とにかく、強敵との戦いに向かう自分自身よりもひたむきたちのことを心配するキクル。
そして実際、蜘蛛の糸にからまって身動き取れなくなって、いつものになるひたむきとメイデナ。魔物が絡んでいないのにこうなったことにハナバタはさらに自分がしっかりしなくてとは気を引き締め、マッチを取り出して火で糸を焼くのでした。
再びキクル再度へ。
こちらもヨケグモの巣を焼いてました。鉄の強度の蜘蛛の糸も、主成分はタンパク質ということで炎魔法が使えると対処は可能のようです。トキシッコを選んだもう一つの理由でもあるわけですね。
ヒーローとヒロインっぽい展開が!?
改めてトキシッコにやってほしいことを伝えるキクルですが、彼女は自信なさそうです。
と、キクルがトキシッコの服を掴んで引きました。そこにやってくる巨大なクモ。
片っ端からクモの巣を焼いていたのは邪魔だからというだけでなく、挑発の意味もあったようです。
ああ、万が一にもひたむきたちの方に行ったら大変だしな。
先程の一撃もあからさまにトキシッコへの殺意があるように見えました。いつものようにエロいことだけで済みそうにもありませんしね。
そしてここからです!
ここからのキクルの動きが本当に格好いい!
なんでこの作者はエロいの描いてるの? 普通にバトルもの描いても良いんじゃないのか? と思ってしまうくらいには躍動感のある動きです。
超接近戦で避けまくるキクルに対して、あわあわしているトキシッコ。クモの周りだけを火で囲めと言われても動くわけですから難しいですよね。しかもクモを意識しないようにとか。
キクルは自分ごと閉じ込めろと声をかけます。普通の漫画なら「そんな」と戸惑うでしょうが、さすが我らがトキシッコ。戸惑いません。
そこは躊躇してやれよ! 一瞬でもいいからさ。
炎魔法を使おうとするトキシッコですがここでクモと目が合います。そしてヨケグモは、彼女の魔法が発動する前に避けたのでした。
経験豊かなキクルならまだしも、まだまだ新人のトキシッコ。眼の前にこんな人サイズのクモいて意識するなという方が難しいでしょう。
そしてヨケグモはトキシッコの罠に掛けるという敵意を読み取ってしまったのです。謝るトキシッコ。申し訳無さそうにしている姿は、まるで普通のヒロインのようです。
いやっ、ちゃんとヒロインだぜ!?
お前さんトキシッコ嫌いなのか?
大好きですよ?
けど、普通のヒロインっぽくないところが彼女の持ち味じゃないですか!
普通のヒロイン枠はひたむきがいますからね。
と、ここでヨケグモが2人の近くまで来てました。先程の魔法を避けて逃げたわけではなかったんですね。
そして魔法使いが厄介だと思ったのか、ヨケグモはトキシッコに向かって攻撃を加えて――彼女を突き飛ばして代わりにその攻撃をキクルが受けるのでした。
トキシッコが魔法を放って一旦ヨケグモを追い払いますが、キクルは倒れたまま。それでもトキシッコのせいだと思うことはなく、自分の悪癖「自分の基準を相手に押し付けてしまう」を反省してました。彼女は何度も自信がないと言っていたのに、と。
ど、毒が!
キッキクルーーーーー!
キッくんにすがっている涙目トキシッコは可愛い。
いやいや!
キクルの心配してやれヨ!
第14話「ミントアイス」――彼がモテナイ理由
涙目のトキシッコ。励まそうとしているのか、このまま死んだら「乱暴された」と言いふらすと告げ、キクルは「なんでやねん」と血を吐きながらツッコミました。
なにやってんだよ、トキシッコ!
キクルがなんとか生きてたのは良かったが。
一発アウトの猛毒ですが、噛まれる寸前に予め歯に仕込んでおいた解毒薬を服用したそうです。振り返って確認してみると、たしかにヨケグモの一撃を食らう際にガリッとしている描写がありました。
ですがかなり強い毒らしく、キクルの体調は万全ではありません。熱もしびれも抜けてない。
普通なら街に戻りたいところですが、そうもいかない事情がありました。
事態は次の段階へ――逃げることは許されない
森から魔物が姿を消してました。なぜか、というとヨケグモを他の魔物たちが恐れて場所を移動したのです。住処を追われた魔物たちは……どこへ向かうのでしょうか。
そして獲物がいなくなったヨケグモは、どこへ向かうのでしょうか。
ま、街、か。
だから今日中に倒さないといけないのです。
キクルは毒が抜けきっていない震えた体のままで言います。トキシッコはそんな体では、といいますが10分で復帰する、というキクルにトキシッコも覚悟を決めた顔をしました。
トキシッコは氷魔法で自分たちの周囲を囲み、服を脱いで下着姿に。実験的なことをする、と。
そして『呪名(じゅめい)』の話をします。
- 名前そのものが呪文の役割を果たす
- 名前が持つ言霊の加護を受けることができる
- 名は体を表すの完成形
- トキシッコ=トキシック(毒)
親が子どもへこんな風に育ってほしいという願いを込めて名付ける延長線。
トキシッコの場合は人体にとっての毒。彼女の名前は毒無効のパッシブスキルのようなものだそうです。
健康診断でトキシッコが病気にかかったことがないのはこのためでした。
変わった名前の由来はそういうことか。
そしてそんな彼女と接したり体液を傷に流し込むことで解毒ができるかもしれない、と。
傷口をトキシッコが舐めていくわけですがなんともこれがエロい。キクルもついつい反応してしまってからかわれてましたね。
あえて詳細は語りませんので本誌でご確認を。なにせトキシッコもキクルも脱いで……。
傷口を舐めるだけではあまり効果が見られず、では中から試そうということで、トキシッコの唾液をキクルの口に垂らしてみることに。
これが効果覿面で、体のしびれが取れて熱も引いたようです。トキシッコの頭を撫でながらお礼を言うキクル。
「『毒無効ならコイツかばう必要なかったな』と若干後悔していたが…これでプラマイゼロだな」
「ダンナがモテない理由分かった気がすル」
キクル、お前……それは言ったらダメなやつ。
格好いいのにモテないのは、こういうところなんでしょうねぇ。
毒に関する名前ってことで気にしているのは、やはり女子なんだなぁ、トキシッコも。
服の趣味もですが、トキシッコは料理以外では結構女子っぽいところがあるんですよねぇ。可愛い。
ヨケグモの倒し方
さて、怪我はもちろん治ってませんが毒はなんとかなりました。問題はこの次です。
ヨケグモは直接の攻撃ではない『罠にはめる』という敵意にも反応しました。ということは人の意識が絡まない設置型の罠をはろうと。
やってきたのは避難所。夜までクエストが長引いて帰還が難しくなった時にガードが使うための小屋が用意されているようです。
まあ、基本は魔物がいる森で泊まりたがる人はいませんが。
そりゃあなぁ。
魔除けされてるって言われても、安心はしかねるよな。
避難所を罠に使うようです。小屋の中や扉、壁の素材を確認してます。そして周囲の魔除けを撤去して、キクルはトキシッコに言いました。
小屋を燃やしてくれ、と。
小屋を燃やすとは?
キクルは一体何をしようとしているんでしょうね。
第15話「完全燃焼」――格好いいダンナ様
松明を片手に巣を燃やしていたキクルのもとに、ヨケグモがやってきました。トキシッコの姿は見えません。二手に分かれているようです。
そしてヨケグモは厄介な火力をもったトキシッコではなく、すでに怪我を負わせたキクルの方を狙ってきた、と。
無事に会敵できたのはなによりなのですが、腹に穴が空いた状態でヨケグモを小屋まで連れて行かないといけないという……ここ、キクルの見せ場となりそうですね。
一方で救助組も無事に遭難者を発見し、メイデナの浄化魔法で解毒できていました。
遭難者はメイデナたちの格好を見てお礼と謝罪を述べます。なにせ、その服は焦げ跡があってぼろぼろだったからです。よほど危険な目にあったのだろう、と。
危険というか……蜘蛛の巣に引っかかって脱出するために火で燃やしただけなんだが。
メデっちゃんのプライドのためにも、ここはそういうことにしておいてあげましょう。
トライアル・アンド・エラー
そもそもなぜ今回のヨケグモがこんなにも厄介かと言うと、毒・糸・筋力・感知という能力だけでなく、その全貌をよく知らないという情報の少なさがあります。
本来のヨケグモは体長30cm前後で、小型の魔物を狩ってくれる益虫のようなもので、多くのガードが戦闘を視野にしてこなかったため、あまり生態がわかっていないのです。
なので今、足りない情報はキクルが実戦で入手していかないといけないわけですが……失敗するともう二度と挑戦ができないという危険度。一度解毒したとは言え、さすがに今の状態でもう一度噛まれたら危ないでしょう。
そんな状況でも冷静に、視線がキーじゃないかと見極めてるのはさすがエースだな。
今もキクルは罠にはめようと逃げているわけですが、察している感じはなく、視線を向けずに殺気だけ向けても反応はない。
ノールックで攻撃加えるのは可能だ、とか簡単に言ってのけるキクルってまじですげーやつだなぁ。
ただ決定力に欠ける上に、それで警戒されて逃げられるのが一番怖いので、特に攻撃は加えないことにしたようですね。攻撃できるならしたいと思ってしまいそうなのに、冷静なアタリがエースたる所以ですかね。
ここのね。
説明してくれながら逃げていくキクルのアクションが超絶格好いいのでぜひ本誌でご確認を!
パルクールの才能あり? さすがエースだと見せつけてくれるキクルの活躍が見れる『不徳のギルド』第3巻は↓こちら↓からどうぞ!
水に流そう、すべてを
なんとか罠を仕掛けた小屋までヨケグモを連れてきたキクル。魔物よけに囲まれたトキシッコは目を閉じて魔法の準備をしておきます。
キクルは相手を見れないので影でヨケグモの攻撃を避け、蜘蛛の足が小屋の窓ガラスを割、爆発が起きます。
実は予め室内を燃やして不完全燃焼状態にしておいたんですが、そこにガラスが割れたことで酸素という燃えるものが一気に入り込んで爆発がおきたわけですね。
決定打にはなりませんが、隙は生まれる。そこでようやくキクルの反撃です。足を3本切り落とします。機動力は削がれたはず。
キクルが声をかけたことでトキシッコは最大の魔法を使ってキクルごとヨケグモを燃やそうとして……とはいえさすがに火力が強すぎてキクルも慌てて回避。が、トキシッコも自分で食らってました。
なにしてんだよお前ーーー!
まあ一応二人共無事だったみたいなのでいいでしょう。
とはいえ服は燃えてしまったらしく、どうしようかと悩むトキシッコですが疲労とマナ不足でキクルの上に倒れ込みます。キクルもさすがにもう動けないみたいですし、しばらくこのままですね。
なんとも主人公とヒロインっぽいシチュエーション!
しかし本当に髪を下ろしたトキシッコは美少女。可愛い。
そしてじつはですね。トキシッコはずっとおしっこを我慢していまして……。
おいおいおいおい、まさか!
甘い良い雰囲気だったのに、そこで終わらない……さすがトキシッコやでぇ!
第16話「ありがとう」――守りたい……守りたい?
ヨケグモ退治を無事に終えた翌日。キクルが目覚めるともうお昼の時間でした。さすがに無茶しすぎたせいで疲労が溜まっていたのでしょう。
家で寝ていた彼のところに来訪者が……ひたむきがどうやら疲れているだろうキクルを気遣ってやってきてくれたようです。
本当に……ガードとしてはともかく、嫁スキルは高いよなぁ。
ひたむきが作る料理美味しそうなので、実際食べてみたいですねぇ。
謙遜してるが、他の奴らだったらキクル大変なことになってただろうしなぁ。
命に関わる怪我を追ったばかりなのに、あの料理と言えない何かを食べさせられたら今度こそキッくん死んでしまいます。
傷はメイデナの魔法で塞がってはいるみたいですね。
手柄に関してはトキシッコが倒した、ということにしたそうです。トキシッコが気にしていた、とひたむきが言います。キクルとしては最終的にとどめを刺したのはトキシッコですし、彼は仕事を辞めようとしている身です。功績は重荷になります。
ひたむきはそんなキクルの言葉を聞いて何かを考え込み、街へ買い物に行こうとキクルを誘うのでした。
守っている笑顔――笑顔?
唐突な買い物でしたが、キクルは驚きます。ひたむきは街に来てまだ1ヶ月。ですが随分と街に馴染んでいます。
キクルは10年街に住んでいますが、あまり交流してこなかったようで住民と談笑などしたことがないとのこと。
キクル……青春云々の前に、そこを変えたほうがいいんじゃないか?
まあ修行に明け暮れてたそうですし、そういう余裕や発想がなかったのかもですねぇ。
とても街に馴染んで、住民たちと楽しそうに会話しているひたむきですが、八百屋・肉屋・服屋からはどうにもセクハラされているようでした。本人気づいてませんがね。
ひたむきはキクルに街の人達と交流してみてはと言われて声をかけようとしたら、「お前はひたむきのなんだこらぁ」的な感じで睨まれます。
ですが街のエースだと聞くと途端に笑顔になってキクルにもおまけをくれ、いつもありがとうという言葉ももらえました。
行く先々でひたむき同様いろんなおまけをもらい、討伐の感謝もされたキクル。ひたむきはまたお礼の料理を考える、などと言っていて……街の人気ものになるわけです。
ただまあ、その……体操服姿なのはどうかと思うんですけどね。
いやほんと情操教育には悪いよな。
公園の近くを通りかかると、双子の子どもに声をかけられるひたむき。近所の子でヒーローゴッコをしてるんだとか。ひたむきは悪の女幹部……とてもいい子そう。
キクルは休憩するから相手してやれと言って公園のベンチに座るわけですが、この子どもたちがこれまた……今回の魔物枠でした。
無垢だから分からない、と言いながらもひたむきの胸や尻をもみ、体を縛り、水をかけ……なかなかえげつない。
それに子どもですので、キクルも手を出しにくく……なおたちが悪い。
子どもたちに色々言ってあげたいキクルですが、ぐすぐすと泣いているひたむきに「お前も負けるなよ」と言うのでした。
会った時はこうではなかったって、変わった原因はどう考えてもひたむきじゃね?
情操教育に悪いですね。
それはともかく、いつもより強引にキクルを街へ連れ出して住民たちと交流させたひたむき。どうしたんだ、とキクルは問いかけます。
ひたむきは、キクルがガードを辞めようとしていることを止めようとは思ってない。けれど辞めるなら明るい気持ちで辞めて欲しい、と思っているんですね。
キクルはガードとして、エースとして街の人達の生活や笑顔を守っています。
前回のヨケグモの時も、キクルは街への被害のことを考えてその日で解決させましたが、そのために彼は命にかかる怪我をしながら森を駆け抜けました。
そうやって守ってきたことを面倒な思い出としてしまうのは悲しい、と。
ああ。
功績が重荷になるって言ったのが気になったのか。
キクルは今日始めてお礼を言われました。そして思い知ります。住民の人達がガードを軽視していたわけではなく、自分が歩み寄ろうとしなかっただけだ、と。
ひたむきに気を使わせてしまったと、反省し、謝罪と感謝の気持を伝えるキクル。
そして改めて、ひたむきたちがちゃんと育つまでは街の笑顔のためにがんばるかと立ち上がり、街の笑顔を思い浮かべるわけですが……。
浮かんできてしまったのが、ゲスい笑顔を浮かべてひたむきにセクハラしまくっていた面々で……。
守る必要なくね?
……ですね!
どんな街の笑顔だったのか。見たくなった方は【不徳のギルド】↓第3巻↓をどうぞ!
第17話「金のタマゴ」――キャンパスライフより良いかもしれない討伐ライフ
そして、そしてついにやってきました、私イチオシのヒロイン(?)ノマ! ノマ・ルーン。
まあ、たしかに可愛らしいな。けど
そうでしょうっ、そうでしょうっ?
けど、こいつもいろいろと爆弾抱えてるんだろ?
さて、どうなのでしょう? 早速内容を見ていきましょう!
爆弾を見極めろ!
今回キクルはひたむき、そしてノマ・ルーンという妖精族のガードとともにクエストに来ていました。
久しぶりに弓を使っての魔物討伐。なにせ射線に入られそうで怖いですし、タンク(壁)役をしないといけない面も多いため、弓が使えないんですよね。狩人なのに。
そんなキクルの狩りを見てノマはさすが「ヨケグモを倒したガード」とつぶやきます。
ノマはヨケグモの際にひたむきたちが助けたガードですね。そして実は1巻でも背景の一人として出ていたりします。
気になった方は↓1巻↓を読んで探してみてください。
狩りの勉強がしたい、ということで今回同行しているようです。
ジョブは赤魔術士で、黒魔術と白魔術両方が使えますが、上位の魔術は使えないという感じだそうです。
ノマは真剣にキクルから学べることを学ぼう、としているようです。が、キクルは今までのことがあるので金の卵に期待してはいけない、と注意していました。
で、そもそもなぜノマがキクルに同行しているのか。ヨケグモの際には他の二人とパーティを組んでいたはずで……彼らはヨケグモとは相性が悪かったもののキクルよりガード歴は長いのです。彼らについていって学べば良いはずなんですけれど……なんと、彼ら。メブキの街を出ていったそうです。
ノマを置いて帰ってしまったことや、あなどっていたキクルにヨケグモを倒されたのが悔しかったらしく、修行の旅に出てしまったんだとか。
ガードを止めたがっているキクルからすると嫌がらせでしかありません。なぜ引き継ぎのことを考えないんだと怒るキクル。ひたむきがなだめようと自分はこの町で頑張るのでと言ってくれるが、それはそれでと悩むキクル。
ひたむきの索敵は良いんだが、なぁ。
余計なトラブルも産んでるし。
ひたむきの索敵能力を褒めるノマ。実際、今回の討伐速度はひたむきの索敵が合ってこそではありました。
カオダイショウが地中を這う音がしているので気をつけて、と言った側から地中に引きずり込まれるひたむき。そしていつものです。
もう一つの顔がノマへと向かい、キクルはやれやれと「体に密着してるから斬るのに神経使うんだよな」と思っていると、ノマは蛇は変温動物だから、と考えて氷魔法を使います。
おっ、そうか。
寒さに弱いのか。
ですが赤魔術士の威力では止めまではいきません。
しかし弱ったところでキクルが倒してくれました。
ノマはどうやら中途半端なことしか出来ない、という自分を恥じているようです。それが自分の弱いところだ、と。
しかしキクルからすると、そんなものは欠点として『弱い』のです。
「いいか、ノマ。
欠点というのは…魔物と遭う度、腰を抜かして置物と化したり、狙いの定まらない魔法で無差別攻撃かましたり、我を忘れて暴走し味方を殺しかけたり、闇雲に突っ込んで魔物に毎回蹂躙される。
これらのようなことを指すんだ」
「その人達は本当にガードなのかい!?」
「どうなんだ、ひたむき」
「ガードですぅぅぅ」
前のパーティでは過保護であまり活躍できなかったのもあり、ノマは自己評価が低いようです。
しかし自分の弱点をしっかりと把握しているので慎重です。慎重に行動し、生還することを一番に置いている。それはキクルと同じ考え方です。
そのことに今まで感じたことのない安心感を覚えるキクル。
器用貧乏なジョブっぽいが、一点特化で扱いにくい今までの面々と比べるとストレス少ないわなぁ。
ハナバタは物攻、トキシッコは魔攻、メイデナは回復、ひたむきは索敵……全員それが特化はしているものの他は、ですからね。
失われた青春は、ここにあった!
今まで4人の新人の面倒を見てきてようやく見つけた希望。金の卵。どうしてノマだけすり抜けたんだと嘆くキクル。
それに優しい物腰や見た目がエノメを思い起こさせるアタリもキクルにとってはポイントが高かったようです。
ノマとの討伐ライフなんかを思い浮かべて、それならガードを続けるのもありかと思ってしまうキクル。失われた青春がここにあるのかもと考え、受け答えにも男子中学生のような初々しさが生まれてしまっていました。
と、キクルが思い始めたのもつかの間、ひたむきとノマの会話でとある事実が判明します。
……は?
ノマが、『男』?
そう! この、ノマちゃん……実はノマ君でした!
いや、最高ですね!
えええええええっ!
信じられないくらいに可愛いノマが打ち明けた真実に、キクルはスンっとします。そして周囲を探索しにいきます。
別に変な妄想してないとか、いろいろね。いろいろ考えて、「男かぁ」と天を仰ぎます。
しかしキクルが離れすぎたせいでひたむきたちが魔物に襲われます。
デカイム。スライムの大きいやつですね。大きい分、核も奥にあるので倒しにくい。
ひたむきはいつも通り何も出来ず、弄ばれてます。ノマも口をふさがれて呪文が唱えられません。ですがここでもノマも冷静で……。
キクルが矢でひたむきの方のスライムを倒しますがノマの方は……自力でスライムの核を握り潰していました。
どうやら離れようとしたら強い力で引き戻されるため、その力を逆に利用して奥へと潜って核を潰したようです。
ベタベタになって、口の中からとろりとしたものを垂らしているノマはエロい! そして可愛い! 男の子? 問題なし!
キクルも「男かぁ」と思うわけですが、助け起こします。ノマはスライムを倒したにも関わらず、中途半端だと自分を卑下します。そんなノマにキクルは言います。
「ノマはひたむきにはできない討伐ができた。
その機転の良さを少しは自分を認めることに使ってやれ。
会ったばかりの俺が気付けるくらいには、お前の長所は挙げるのに苦労しないぞ」
おうおうっ!
格好いいこと言うじゃねえか!
こういう側面を維持できたらきっとキッくんはモテると思うんですけどね。
そして強くなろうとする焦りを自覚したノマは、これからも時折同行させて欲しいとキクルたちに頼み……彼のことを師匠(マスター)と呼ぶことになるのでした。
くぅっ! この呼び方もポイント高いですね!
何のポイントだよ!
何はともあれ、金の卵であるノマが加わって、キッくんも喜んでいるようです。
そんな優秀で物腰も柔らかくて可愛いボクっ子、ノマが仲間に加わるのは↓【不徳のギルド】第3巻です! 第3巻↓をどうぞよろしくお願いします!
第18話「やわらかいもの」――極上のクッションを求めて
アオバ平原を駆け回るキクル。どうやらヨケグモの1件で森の魔物たちがこちらに住処を移動していたりしないかを確認していたようです。そのことをギルド職員であるエノメさんに報告しています。
昨日、ひたむきやノマと森へ行ったのも魔物たちを間引くだけでなく、様子の確認もあったみたいです。
結果として森も平原も、ヨケグモ前の状態に戻っていて問題はない、ということか。
下手すると街の近くに住処が移っていたりして被害が出かねないので、こういう確認もしているのはリアルでいいですね。
エロコメディ漫画ですが、こういうところしっかりと作り込まれているんですよねぇ。
これにてヨケグモの後処理は完了らしいです。レスミスが声をかけながらキクルに飲み物を渡してくれました。
キクルとしては避難所を燃やしてしまったのが気がかりで、新人(トキシッコ)が勝手にやりましたの札を使おうとしてました。
やめろぉ!
せっかく格好いい感じに終わってるのに。
で、今回はレスミスまで一緒なのは平原でやりたい仕事が他にもあったからだそうです。
エシュネに対する劣等感が拭われる、とレスミスは嬉しそうですがキクルは違うと思いました。留守番を任せる信用度に置いてエシュネに軍配が上がったのだ、と。
うぅ。
たしかに……正直レスミスに留守は任せられないなぁ。
まあ知らぬが花。レスミスには内緒にしておきましょう。
モーロックスという牛の魔物がいます。彼らは生まれてからずっと頭骨が成長し続ける魔物なわけですが、その骨が目元を覆うと危険なので取り除くそうです。目の周りは薄いので集中して叩くことで結構簡単に砕け、そしてその砕けた骨は薬や装備に使われる、という持ちつ持たれつの関係のようですね。
魔物だから一概に『悪』というわけではないのがこの世界の肝ですね。
そしてモーロックスは全身が骨と筋肉でゴツゴツしているせいか、柔らかいものが新鮮で心惹かれるとかで、エノメさんのクッションに顔を寄せていくモーロックス。
自分だって柔らかいものが好きなのにと四つん這いになって悔しがるキっくん。君のそういうところが好きです。
ちなみにモーロックスの幼体はビビール(びくびく怯えてる)、成体になるとブレイブル(雄々しくなる)、という具合に成長段階で名前や性格が変わる出世牛と呼ばれているんだとか。
出世牛……出世魚は聞いたことあるが……まあ、ファンタジー世界だし、そういうのもあり、か?
イケメンな側面――イケメンじゃない側面
そうして頭骨を削る作業が始まるわけですが、その最中にエノメが言います。トキシッコから聞いた戦い方は随分と無茶をしたものでした。普段のキクルならしない無茶です。
いや、無茶をさせてしまったのだとエノメは言いました。
エースとして多くの魔物を狩って、そしてどんどんと優秀なガードが減って新人ばかりになり、その新人の面倒までキクルに押し付けている現状ですからねぇ。正直エノメさんも悪いと思ってしまう。
しかしキクルは「予兆はあったはずだ」とヨケグモのことを聞いた時に思ったそうです。
あれだけ巨大なクモが突然現れるわけはありません。
新人の面倒を見始めてから、森の奥までキクルが見に行くことはなく、途中で引き返してました。その結果、ヨケグモの存在と成長を見逃してしまった。
キクルはその責任は新人のみんなにも、エノメにもなく、自分の怠慢だと言います。自分のミスを帳消しにしたかっただけだ、と。
そこまで考えてたのか……しかし、キクルが怠慢ならお前さんは超怠慢だな。
聞こえませーん!
レスミスはエノメとキクルのそのやり取りを見ていて「こういう側面を維持できれば彼はとてもイケメンだと思う」と心のなかで考え、手元が狂います。自分の手を叩いてしまい、痛いと大きな声を上げます。
が、視界が塞がっていたモーロックスはその分聴覚に敏感で、大きな音を聞くとパニックに陥ります。
クッションを与えて落ち着かせようとするエノメですが、モーロックスはクッションには目もくれず、エノメの胸に突撃していきます。
それだけでなく他のモーロックスまで集まってきて、エノメのスカートを脱がせ、胸と尻に顔を埋めます。
細マッチョのキクルと小柄でストンとした体型のレスミスにはまったく見向きもせず、エノメに夢中な魔物たち。
キクルが腰からナイフを抜き、「命の危険を感じたのでやむなく」とイケメンじゃない方の側面を出してきますが、エノメが止めます。
いつのまにかシャツまで脱がされてしゃぶられてましたが、人間と共存できる数少ない魔物だから、と。
いやでもこれ、普段の魔物とやってること変わらないぞ?
と、ここでレスミスがクッションを自分の胸にいれて爆乳女子になってみると、モーロックスたちがそちらに突撃していき、エノメが開放されました。
……この牛、ただの巨乳好きなんじゃ……?
そんな疑問が浮かんできてしまうのは、レスミスの服が弾けてクッションが地面に落ちるとモーロックスたちが落ち着きを取り戻したからです。
胸にあると興奮して、ただのクッションだと落ち着く……うーん。やはり、エノメはこの作業に一番向いてない人材なのでは?
エノメは幸い怪我はなく、シャツが破けただけみたいですが、そこへお昼ごはんを持ってきたエシュネがやってきて……キクルが自分のシャツをどうぞと脱いでいるシーンに出くわすのでした。
ちなみにエシュネも中々柔らかいものを持っていますし、この作業は向かないかもですねぇ。
未読のギルド:続・完全燃焼――作家メイデナ誕生?
メイデナが、ヨケグモの時のクエストについて思い出してました。クモの巣に引っかかったひたむきを助けようとして自分も巻き込まれ、密着する体……うんぬん。
なんだかんだで、一番エッチィのはメデっちゃんだよね、という話でした。
気になるおまけが見たい方はぜひ漫画でご確認を!
まとめ
ということで、今回は前半はシリアス多めで、格好いいキクルのエースっぷりが見れるお話で、後半はその後処理の話しですが新ヒロイン・ノマが登場してキクルが男子中学生みたいな受け答えをし、ひたむきのおかげで町の人々を守ってる自覚が芽生え、エノメさんを前にしてただの男の子になるという巻でしたね。
- 第13話「ムリゲー」――エースはフィジカルは強いが、メンタルは弱い
- 第14話「ミントアイス」――恥じらう乙女なトキシッコ
- 第15話「完全燃焼」――水に流そう
- 第16話「ありがとう」――守りたい、この笑顔……守りたい?
- 第17話「金のタマゴ」――新人ガチャに勝利した
- 第18話「やわらかいもの」――俺だって柔らかいものが好きだ
今回、キクルの格好いい側面が多かったと思ったが、こうして振り返るとそうでもない気がするのはなんでだろうな?
何ででしょうね?
半分以上はネームド戦の格好いい話なはずなんですが?
謎です。
そして今回もハムの話がおまけですが出てきます。
……あー、そういやまじでハム出てきてたなぁ。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
格好いいバトルと可愛らしい乙女なトキシッコと、ハムと、正統派ヒロインと、クッションの話が直接見たくなった方は↓【不徳のギルド】第3巻↓から!