【転生悪女の黒歴史】死亡フラグ50―何が正しくて、何が間違っているのか【ネタバレ感想】
前回の死亡フラグ49ではヨミが再登場で終わっていましたが、やはり今回の50からはヨミ回が始まりました!
ヨミとイアナは仲良く過ごしながらも、イアナはヨミに複雑な思いを抱いていました。
ヨミは知らないけれど、イアナは知っている。そのすれ違いが2人をどう導いていくのか。間違いも、間違いだと気づいていなければ間違いではなく……という、ちょっと考えさせられる話でした。
憂いを帯びたイアナの表情もとても美しいので、「えっ? ちょっと先に見てくる」という方は↓こちら↓からどうぞ!
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前回のあらすじ
ヨミ来たあああああっ!
無事にオロチの弟くんを救えたイアナ。
そんなイアナを強盗の残党たちが襲撃する。順調に倒していくイアナだが油断してしまったその時――黒髪を揺らした魔法使いが現れる。
幼なじみのヨミはイアナを襲った強盗たちを倒し、そして「ただいま」と彼女を抱きしめた。
一方でイアナの宣戦布告に苛立ち、作戦を立てようとするシュヴァルツ・レ・シュヴァリエだが、イアナに共感を抱いてもいた。
それでも運命通りに進めなくてはという彼らの口から出たのは魔王という言葉。
魔王という存在をまだ知らないコノハとソルたちは、フルーツティーを飲みながらイアナのことを思うのだった。
魔王、という中二病ワード。
今回のポイント
ヨミが来た! けれども本来の歴史でヨミは……。
- 50話記念の豪華なカラー表紙はいつもと違う塗り方
- ギノフォードの苦しみと決意
- ヨミとイアナの関係――憂いを帯びたイアナの表情が美しい
- イアナ、運命と戦うための力を得る?
大きく分けるとコノハ側での話と、イアナ側での2部構成みたいになっていました。
表紙――いつもと塗りが違う豪勢なカラー! だけど、イアナ猫はいつもどおり
玉座? に堂々と座るイアナを中心にいろんなキャラクターが描かれた今回の表紙!
カラーなのはもちろんですが、塗りがいつもと違うんです。
イアナの服は赤が多いわけですが、その赤もいつもと違う雰囲気でした!顔は幼いのに大人びた雰囲気です。
ほえ~、塗り方が変わるだけでこんなに雰囲気変わるんだなぁ
ソルやコノハたちも雰囲気違いますよね。それでいてイアナ猫の雰囲気はいつもと同じなところもいいですね。転生悪女の黒歴史っぽい雰囲気です。
そして黒い翼と白い翼が……なんとも……中二病っぽいのも黒歴史な感じで良きです。
ちなみに紙版だとプレゼント企画もあるみたいだから、欲しかったら紙版を買うんだぜ!
聖女側――ギノフォードの想いとコノハの想いのすれ違い
コノハの元にオロチがやってきて、旅の同行を申し出ます。コノハとオロチの雰囲気が少し「お?」というのがある中でギノフォードが許可したのは、聖女の武器にはまだ不確定な部分が大きいため、詳しい人物がいた方がいいから。
しかしここで、一つのすれ違いが起きます。
すれ違い?
ローズ王国からコノハの護衛が派遣されたのです。その理由は『大悪女』であるイアナが生きているかもしれないから、と。
それはつまり、
イアナがコノハを害するかもって?
んなわけねえだろうがあああ!
はい。コノハもそう考えていましたが、ギノフォードは違いました。――違ってしまったんです。
イアナが自分を害することはない、とコノハは叫んでその場を走り去ってしまったのでした。
ギノフォードの想い――○○がいない世界
ですがギノフォードは彼女を追いかけることはせず、警備の計画を練ろうとします。
ギノフォードはもう、イアナのことどうでもいいのかなぁ?
ギノフォードも、コノハの叔父ダリア卿に襲われたときに助けられたことを覚えています。そして、今までのことはコノハを守ろうとしたからだと思っていました。
でも、『イザークの隣での笑顔も演技だったら』という疑いが彼の中から消えないのです。
初めからすべてが計算だったとしてもオカシクないんじゃないかって。
冷静に考えると「そこまでして計算して演技をした、イアナの目的はなんなの?」という疑問がわくはずですが、一度疑念にかられてしまうとすべてが怪しく、マイナスに見えてしまうのが人間というもの。
特に、ギノフォードにとってはコノハが第一です。イアナも大切ですが、コノハの方が優先度は高い。コノハを害するならイアナを殺す、と彼は心に決めていました。
俺はコノハのいない世界には生きられないが、イアナのいない世界には生きられるのだから
イアナのことを想うとつれーけど、ギノの立場からすると……難しいなぁ
コノハの想い――幼少期から見てきた妹
コノハは、きっと衝撃だったのでしょう。自分の愛する人が、自分の愛する妹を疑っていることが。
動揺してギノフォードの前から走り去ってしまったコノハを、ソルが心配して追いかけます。
コノハもこんなにすぐ心を乱されていてはいけない、と分かっていました。
それでも、イアナは悪女なんかではない、と言い切ります。
幼少期のイアナは悪女じゃなくて、コノハと一緒に慈善事業とかやってたみたいだしなぁ
なのに何をしても死人が出る結果となり、しまいには『世界のために自分は死ぬ』という予言を知って絶望し、悪女へとなっていきます。
ここにもシュヴァルツ・レ・シュヴァリエが関わっていたのかも知れません
考えてみれば、幼少期の頃からイアナを信じてくれていた描写があるのはコノハと母親くらいなんだよな……
ヨミはイアナが悪女へと振り切ったその後ですからね。父親に関しては影くらいしか登場していませんし。
コノハがイアナのことを信じているのは、誰かのために一生懸命頑張っていた姿を知っているから、なんでしょうか?
それとも……やはりイアナはずっと影からコノハを守り続けていて、コノハもそのことを知っていた……?
まだまだコノハも謎が多いですね。
とにかく、コノハはまた『誰かのために走り回っている』イアナのことを想うのでした。
悪女側――黒歴史通りのヨミと現在のヨミ。正しいのはどちらか?
そうそう、ヨミだよ!
婚約してたのになんで来れたんだ?
それがどうやら……浮気相手と一緒に婚約破棄を言い渡されたらしいです。
あ、悪役令嬢ものでよくある婚約破棄イベント、だとっ?
浮気されたわけですから、その慰謝料にといろいろもらったそうです。でもその浮気にしても、そう仕向けたっぽいので……さすがヨミ、ですね。
そのあとはひたすらイチャイチャしながらコノハたちより先回りすべく、二人きりの旅を楽しみます。
2人でいると昔を思い出して楽しい、と 笑うヨミに対してイアナはぐっと唇を噛み締めます。
黒歴史どおりであれば、死という別れが待っている2人
黒歴史の始まりはイアナの死から。黒歴史という闇のアイテムを使ってコノハを暗殺しようとしたのがきっかけです。
個人的には、この暗殺未遂を疑っていますけどね。暗殺の仕方として回りくどいし、イアナが犯人だと分かりやすい気がしますから
入手ルートを追えばいいもんなぁ。数に制限のないものならともかく、この黒歴史って本はどう考えても限りあるし。
そんな疑いはともかく、黒歴史の書を手に入れたところを警察に捕まり、処刑……はまぬがれるもののソルという暗殺者に殺される。
ヨミはイアナの死をきっかけに魔法の才を磨きに磨いた上で、コノハを殺そうとする。しかし最後はコノハを殺すどころか彼女を愛してしまい、ヨミは死んでしまう。
イアナは悪の存在だと気づき、無償の愛をくれるコノハを愛するのです。
で、今はどうかというと、イアナは生きていてヨミはそんなイアナを好きなままでいる。
べ、別にそれで悪くないだろっ?
2人とも生きているんだし!
そうかもしれません。ですが、黒歴史通りのヨミは最後にこんなセリフを口にします。
「イアナ・マグノリアはあんなにも心の汚い人間だったのに」
で! このあと、この後がおすすめしたいシーンなんですが……
イアナが見開きで描かれているんですけど……憂いを帯びたその表情が……美しい。
これからも汚れていくだろう、と言うイアナ。
ヨミは今でこそ自分を好きだと言っていても、彼はコノハを愛する運命を持っている。彼だけではなく、ヤトリもそうです。
イアナはこの世界の幸も不幸も覚えておくならば自分の運命を受け止めなければ、とヨミからとある武器を受け取ります。
そうして町に巨大な炎の鳥が降臨します。
イアナが受け取った武器……それは火の神を操る呪具でした。
聖女の武器に対しての呪具か! 悪女にふさわしいなぁ。
しかも格好いいぜ、この火の鳥
聖なる、に反対するように呪具、というのが良いですね。しかもこの呪具、羽織るタイプのものなんですが、デザインも聖女のあのなんともメルヘンな武器とは正反対で、わたしはむしろこっちのほうが好きです。
鳥の嘴をもしたフード付きの短い外套? です。色合いは不明ですが火の神なので赤いろかな? そして山羊の角みたいなものもついています。
ヤギの角はよく悪魔や魔王のデザインにも取り入れられるもので、ますます悪女の武器っぽい感じがしていいですね!
やはり聖女の武器に対し悪女の武器、来ましたね。コノハVSイアナみたいな構図が見えてきて、2人が再会するのが楽しみです。
最後に
ということで、今回のメインはイアナでしたが、コノハとギノフォードのすれ違いが段々と大きくなっているようでそこが心配ですね。
コノハやギノフォードが他の誰かと結ばれるような心変わりはないでしょうが、ギノフォードがどんどんと病んでいっている気がするのが、非常に心配です。
イアナの誤解が解けたとしても、自責の念に駆られそうだなぁ
兄と妹のような、和やかに笑い合うギノとイアナはもう見れないのでしょうか。
イアナをフッたことは許せない気持ちもあるんですが、でもコノハへの愛を貫くギノが好きでもあるし、恋愛ではない穏やかな二人の関係も好きだったので……悩ましいです。
しかし新章に入ってから、コノハのことが描かれるようになってきましたね。今まではただキャーキャー言っているだけのキャラクターで、あまりその心理描写がなかったですからね。
というか、マグノリア家がなかなか謎……父親もそのうちちゃんと登場してくるのでしょうか。家族仲はどうなのか、非常に気になるところです。
ヨミとの関係にも変化が出てくるのでしょうか。今現在のヨミはコノハのことを愛しているどころか嫌っている雰囲気まであります。
ですがどこかのタイミングでコノハへの愛情に気づき、イアナのそばを離れていくようなことがあるんでしょうか。
まだまだ気になることだらけですね。
とにかく今回は、憂いを帯びたイアナの表情が美しすぎるのと、ヨミとのイチャイチャがたくさんあるので、ぜひご堪能ください。
ご堪能って……。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
次回、あの武器がどう使われるのか楽しみだな!
じゃあ、まったなー!
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