【アニメ-夏目友人帳1期】第四話『時雨と少女』――交差する心を、君は感じたか【ネタバレ感想】
前回は……今まで夏目(+レイコ)以外に妖たちが見える存在はいなかったのに、いるのかも? と夏目が期待してしまうお話でした。
妖たちを清めてしまうすごい力を放っていた人が最初は見える人かと思いきや、見えないのに力だけあって、その自分の力も見えないからわからないという……。

でもたしかに……見えないけど力だけある人もいる可能性あるし、そうすると自分の力も見えないから……というのは説得力ありました。
同級生にその見えるかもしれないコはいましたが、彼は夏目ほどハッキリは見えず、影が見えるくらいでした。
それでも、今までまったく理解されなかった存在を認知できる人がいるって、夏目にとってどれだけ救いだったでしょうね。あと、同級生……田沼にとっても。
で、今回も同級生と絡むのですが……ちょっとしんみりするお話です。露神の話を思い出しました。
メインのお話はよくある……肝試し!? 出てくるのは悪い妖なのか、良き神か。気になった方は今すぐ↓本編↓を!
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前回のあらすじ
太鼓持ち妖怪。
訪れた妖たちに名前を返す日々を送っていた夏目の元に、助けてほしいと中級の妖たちがやってくる。
彼らが言うには妖退治をしてくる人間がいるそうだ。だからその人間を倒してほしいとお願いされるが、夏目は人間相手はできないと一度断る。
しかし諦められない中級妖怪たちは夏目にくっつき、何度もお願いする。
そんな時、別のクラスの男子生徒の様子が気になる夏目。彼は自分の周囲で騒ぐ妖が見えているような素振りを見せていた。
もしかしたらその男子生徒田沼が妖怪退治をしているのではと思った夏目は中級妖たちの話を聞いてみることに。
そこで一人の坊主と出会う。彼が退治人の正体だったが、彼は妖たちが見えず、ただ敏感な息子のためにと周囲を清めていただけだった。
後日学校で田沼と話をする夏目。田沼は何か影のようなものが見えると言った。夏目もおかしなものが見えると言った。ただ周囲には言わない、自分たちがおかしいかもしれないからと言う夏目に、田沼も笑ってうなづいた。
夏目は妖をいまだ煩わしいとも思っていたが、心を通わせるのに人間も妖もないのだと……時折ならば頼み事を聞いてあげてもいいと思うのだった。
前話より
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今回のポイント
1度でいいから――1度で終わってしまう
- 乾燥カッパ
- どきどき肝試し
- どうしても伝えたい
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ドキドキ・ワクワク? 最後の肝試し
強い夏の日差しの中を歩いていた貴志は、道端にかっぱらしき存在が倒れているのを見ます。最初は無視するのですが、「みず……」などとうめいている姿にため息を付き、水をかけてあげます。

見えるし声も聞こえるとなると……無視はし難いよな。
ですが特に深く声をかけることはなく、去っていきます。生き返ったかっぱがふへーっとしている間に行ってしまうんですが……そんな、何もない場所に突然しゃがんで水をかける貴志を、あの委員長。笹田が見つめていました。

最初に見た時「こわっ」てなりました。
で、学校。貴志は笹だから今夜の肝試し忘れないでくれ、と声をかけてました。ですが貴志は行きたくなさそう。
頭数足りないから頼んでる、付き合い悪い、と笹田は少々きつい言い方してきます。

旧校舎は壊されるから今年が最後……それにこんなイベント開催するタイプに見えない、とも前言われてたし、何か理由があるのか?
それでも言い方、とは思いますが……まだまだ子どもだし、必死になるとそうきつい言い方になるかも。年相応ですね。
夜。貴志はこういう夜は妖が騒いだりするけど大丈夫かと心配しながらも学校に向かいます。と、面白がってニャンコ先生も付いてきました。護衛としてはありがたいですね。
ニャンコ先生と喋る貴志の様子を、やはり笹田はじっと見ています。

そこそこの人数が参加してますね。密かにしていると言うよりは、本当にイベントとして開催されてるって感じです。
どういうルールかの説明もされてるし、委員長って感じだな。ペアはくじ引き。他の生徒達はワクワクした感じですね。
夏を代表するイベントの一つが肝試しですし、気持ちはわからなくもないです。
貴志だけが微妙そうな顔ですが、そんな彼に委員長。笹田が校舎に関する逸話を教えてくれます。

へえ、神様?っていうと露神を思い出すが
強欲な人間に閉じ込められ、それで人間を恨んだことで妖になってしまったという神様……なので露神とは反対ですね。彼は妖が神様として崇められたタイプですね。

子どもが好きで遊びに来てくれていた神様を閉じ込め、一時は繁栄したものの、最後は神様に恨まれて滅んだそうです。
いやそりゃ神様に恨まれるようなことすれば最後はそうなるでしょ、とか思っちゃいますが欲がそういう判断を奪うんでしょうかね?
首を開閉するんですが、なんと一枚足りません。ざわつきますが参加表明せずにこの場にいたやつがいるだけだ、ということになりました。
しかしニャンコ先生は気配を感じていないようですので……もしいるとしたらニャンコ先生にまで気配を隠せる、大物ということになります。元神様の妖、ならありえそうですね。
消えていく参加者――肝試しの定番だが?
ボロボロな旧校舎を、ペアになった男子生徒と歩く貴志。ですが他の生徒達と不思議なくらい出会いません。

おいおい~、絶対になんかいるじゃん!

いや見てください! 1人で立っている女生徒がいますよ

ああ、よか……って!ペア組んでるのに1人な時点でおかしい!
二人も恐る恐る声をかけますが、振り返った女子生徒の顔部分には大きな一つの目。
叫んで後退った二人は階段から転げ落ちてしまいます。
貴志が起き上がると、着物を着た男性? がそこに立っていました。頭には笠を被り、片目だけが不気味に覗いてます。

イケボ!
そして貴志の顔に見覚えがある……おそらくはレイコでしょう。
捕まえられそうになりますが、そこへ笹田がやってきて男は消えてしまいました。貴志のペアだった西村といっしょに。
でもなぜ消える必要があったのか。別に貴志を捕まえ、笹田も捕まえても良かったでしょうに。どうせ笹谷は見えないし、彼女には前回のお坊さんみたいな払う力もないのに。
これが後々かかってくるので覚えておいてください。
笹田のペアもいなくなったみたいです。なのに、やはり笹田だけ無事。笹田が言うには先発組も帰ってこないんだとか。みんな捕まったのでしょう。
連れて行かれたのだろうと思う貴志を、何か含みのある顔で見る笹田。
見えてるんでしょう?
笹田はさっき誰に声をかけていたのか、と貴志に聞きます。そして貴志は『見える』んだろうと聞いてきます。

うわぁ、その質問は……気になるのはわかるが貴志には鬼門だぜ!

貴志に肝試しに強く来るように言っていたのは、見えるのではないかと思ったからなんでしょうね。
言葉を失ってしまう貴志。
笹田は強く問い詰めてきて、見えるなら協力してくれと言います。みんなには言わないから……おそらく本人に自覚ないですが、完全に脅迫です。
ここで笹田に対して「ちょっとなぁ」と思った人は多いかもしれません。私も思いました。事情はあるんですけれど、事情があったら何でも言って良いのかというと、そんなわけないですし。
まだ学生で若いし……仕方ないかなぁとも思いますけどね。
今回の話、最終的にはきれいな終わり方なのですが、ここの部分だけはちょっともやっと。
と、そんな時にニャンコ先生が現れて笹田を気絶させてしまいます。笹田が妖ではなかったか、なんて言ってますね。
たしかにそういう疑いもありますよね……違ったっぽいですけど。
清らかな神様
貴志は廊下の窓を開けようとしますが、接着剤でも付いているのかと言うほどびくともしません。強力な結界が張られてるとか。貴志は先生に出口を探してきてもらおうとし、先生は呆れつつも女子生徒に化けて探しに行ってくれます。
猫のままだと喋るのもおかしいですからね。
笹だがここで起きてきますが、ニャンコ先生の姿はやはりハッキリ見えるようですね。

見える妖とそうでない妖の違いってなんなんだろうな?

ん~、ニャンコ先生は体が招き猫に憑依してるっぽいのでそれでですかね?
ここらへんはまだよく分かりませんね。
人間に化けたニャンコ先生の前に、小さな低級妖怪が現れ「時雨様に伝えないと」とこそこそしてます。
声をかけられただけで追い払えてましたので、本当に低級という感じがしますね。でも可愛い。
伝えたいことがある
一方で二人で旧校舎を歩く貴志と笹田。
笹田は中学の時に地区のイベントでここの肝試しに参加したことがあるんだとか。その時すごく怖くて大慌てだったそうで……家に帰って大事なものを落としてしまったことに気づきます。
慌てて1人で探しに戻ったものの、中々見つからない。しかも当時の笹田はこの旧校舎を恐れていたのでとても怖くて……それでも見つけたいほど大事なもの。
そんな中、声をかけてきた男子生徒? らしき姿が。何をしていると聞かれ、忘れ物をしたと素直に答える笹田。

頭には被ってるものの、ちゃんと男子の制服来てくれている当たり、この神様優しいな……少しでもビビらないようにしてくれたんでしょう。

そうだな。ただでさえビビってるのに、着物とかだと幽霊とか思ってしまいそうだし。
その後も探し続けた笹田。見つからなくて途方に暮れていると、先程の男子生徒が木の棒の先にお守りを引っ掛ける形で持ってきてくれました。笹田はそれを見て喜びました。

お母さんの形見だったのか……それは必死に探すよな。
喜んだ後で、その男子生徒が棒切でお守りを持っていたことに疑問を抱きます。そして男子生徒は答えるのです「自分のように不浄な存在は触れられないから」とね。
この時、笹田は驚きとか喜びとか、様々なことが相まって……ちゃんとお礼言えぬままに彼は姿を消してしまいました。
それで現在。
笹田は彼がお化け的な存在ではないかと旧校舎について調べ、神様のことを知ったそうです。
それから毎日通って、きちんとお礼言いたいから出てきて欲しい、とお願いします。不浄の意味も知ったので「あなたは不浄じゃないと伝えたい」と彼女は言います。

でも神様は出てきてくれず……貴志が見える人なら、手伝いを頼めるのではないかと思ったわけか。

話を聞いている時の、なんとも言えない貴志の横顔……何を思ったんでしょうね。
旧校舎は取り壊されてしまいます。笹田が周囲から意外だと言われながらこのイベントを企画したのは、これが神様に会える最後のチャンスだと思ったからでしょう。
そうしてここで、貴志に「あんな言い方しちゃって」と謝ってくれます。ちゃんと謝れるいい子です。
私は許せましたが、許せるかどうかは人それぞれでしょうね。

この後で「本当に見えないの?」と聞く笹田の声は、さっきと違ってとても優しいんですよね……多分このこの本来の気質だとこっちが正しいのかも。
貴志はそれでも「見えない」と答え、「そう」と笹田が返すのですが、どちらの声も優しい感じで……このやり取りがたまらん、好きです。
どんな声なのか気になった方はぜひとも↓本編↓でご確認ください。囁くような……え、それで笹田?(絶対違う)
好きではないかもしれない。それでも
入口に戻りますが、誰も戻っていません。笹田が驚く中、貴志を素早く影に引きずり込む存在が!

お、斑か! 何かわかったのか?
子分たちは低級でも中々大物だと言います。ニャンコ先生が大物って言うなら、本当に神様だったんでしょうね。しかも友人帳に名前があるそうです。

名前は時雨……露神とは逆に名前に神が入ってませんが、いい名前です。
ここで人間の姿から斑に戻るニャンコ先生。とっとと出るぞと言います。結界は強力でも先生なら敗れるから背に乗れと言います。他のみんなを気にする貴志に、放っておけと先生。
ここで先生が言うのです。人間が好きじゃないだろう? 子供の頃の夢でうなされてる、とね。この声が普段のからかいとかではなく、どこか心配そうにも聞こえます。
貴志がここで「(人が好きじゃないこと)そんなことない」と否定しないのが良いですね。人を好きではないかもしれないと認めつつ、それでも放ってはおけないと言い切ります。格好いい! さすが主人公!
目線と目線がかちあい……ニャンコ先生がため息つきます。
と、そこに笹田がやってきたのでニャンコ先生はまた人間の姿に。女の子になるのは、レイコの姿でも思い出してのことでしょうか?
姿を人間にしたものの、会話内容にはあまり気を配らないニャンコ先生(笑)。屋上に神様がいることを話してしまい、笹田が向かおうとしてしまいます。
しかし屋上でなにかしているせいか。それとももともと古かったからか。天井が崩れ落ちてきます。
貴志は笹田をニャンコ先生に預け、自分は屋上へと向かいます。名前を返して止めさせるのだと。
あなたは不浄ではない
屋上に上がると、生徒たちが気絶して倒れてました。貴志は止めてほしいと言います。
人は嫌いだといいます。

まぁ……されてきたことを思うと、なぁ。
それでもすぐに殺そうとせずにただ寝かせている当たりに、人の良さ……神の良さが出てますね。
なぜ笹田に会ってやらないのかと聞きますが、夏目にはわからないと言われます。どうやらレイコの縁者だと気づいたようです。友人帳の力で従わせればいいのに、とまで言われました。

いつもと違うのは、名前を返す→いらん! って言われることですかね。
彼にとっては汚れた名前。煮るなり焼くなり好きにしてくれたほうが良かったと……どれだけ絶望したのかがよくわかりますね。
力で動けなかった貴志ですが、ここで登場! 我らがニャンコ先生のお陰で時雨に隙が出て……貴志は名前を返します。
一人の女の子を支えた優しいものの名前、と言いながら。
いつものように名前が相手に吸い込まれていきますが、この時に見えたのはレイコとの話ではなく、笹田との話。笹田が出てきてくれと頼んでいるときですね。
毎日毎日来る笹田を優しく見守っていた時雨様。うるさいな、けったいだな……そう思いつつ、不浄な自分が触れたら汚してしまうかと、手を窓につきながら思い……「一度だけでいいから」と言う笹田の言葉に、時雨様は手を引くのです。

そうか……一度会ってしまったら、もう会いに来てくれなくなる、か。

気まぐれでしたことでも、時雨様にはとても嬉しかったんでしょう。もともと人の子が好きだったようですし。
そうして名前を返したことで、未練もなくなったのか。時雨様は消えようとしました。なので貴志は笹田の言葉「不浄なんかじゃない」というのを伝えます。
と、ここへ笹田がやってきて、時雨様は素直になるのです。自分を不浄だと恐れなかったのはレイコと笹田だけだったと。優しく笹田の頭を撫で、「ありがとう」と消えていくのです。
ここがとても暖かくて、美しいんですよ。時雨様の姿が見えるのは手だけなんですけどね。

けど、不浄な自分の手で触れたら汚してしまうかと、手を引いていた姿を思うと……。
笹田は見えないはずですが、何かを感じたのでしょうか。目に涙を浮かべて――。
見えてないけど見えてる
また後日。蝉の鳴き声が響く中、道を歩いていると笹田に呼び止められます。
肝試しの日、みんな集団で屋上で居眠りをしていた、ということになっているようで貴志はそうごまかします。
え? と言いながらも頷き、歩いていく笹田の背に、たかしは心で話しかけます。本当は一瞬見えたと。笹田に触れるその姿が、心が通う瞬間を見たと。
歩いている笹田はやはり何か感じていたのか。前髪あたりを押さえます。時雨様に撫でられた辺り。
そうして貴志もまた歩き出すのですが、眼の前にまたあのかっぱが倒れてます。仕方なくまた水をかけていると、笹田が振り返ってそんな貴志を見……柔らかく笑うのでした。

貴志が見えるの気づいて、るかもなぁ。

ですねぇ。けど……彼女は誰にも言わないでしょうし、そのことで貴志を避けることもきっとないでしょう。
まとめ
とまぁ、そんな感じで……途中若干もやっとしつつも、美しい心の交差が感じられるお話でした。

肝試しにありがちな、めちゃくちゃホラーって感じの展開はなかったな。

なにせ今回の相手、時雨様が優しすぎる。もっと人間憎んでもいいのに。
配下の妖も毛玉で可愛かったですしね。
まぁ一瞬、1人で佇む女性と……のところはホラーっぽかったですが。
時雨様は駄々をこねるのも疲れたと言ってましたが、ずっと学校にいたのは……どれだけ悪くても、やっぱり人の子が好きで近くで見守っていたのかな、なんて私は思ったのですが……どうでしょう?

わからねー。わからねーが……そうだったら、いいな。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

まったなー!
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