【不徳のギルド】第86話『命に替えても』――決して甘えず、君を護る【ネタバレ感想】
第85話はとてもつらかったですねぇ。ツチガミの過去は……そうなんだろうなと分かっていても、その回想シーンがあって詳細を知ってしまうと……苦しい。
そして真実を知ったワンダ。正義感があって、能力があって、そして……純粋だったがゆえに、利用される。
ワンダに対して完全に許せるかと言ったら……そりゃ駄目だろとはなるんですけども、でも自分がワンダの立場だったなら。役員たちの『悪意』や『嘘』に気づけるのか。そういう教育を受け続けても、今の私のような考えができるのか。
そして今の私の考え方が出来たとしても……周囲がすべて自分の意見を否定してくる中で、自分を貫けるのか。
考えさせられる話でしたが……今回も怒涛の展開……と、エッッッなシーンが来ます! やったね!
マモノリ君が大活躍な『不徳のギルド』第86話の感想を、元気良くやっていきましょう。
マモノリ君が表向きには活躍せずに彼(?)の隠しているものが見れるのは↓単行本↓です!
前回のあらすじ
本当に胸クソが悪くなる。
20年前の自戒の日。
信仰心の薄くなった村人から頼まれ、たとえ信仰心が減ってもとなんとか一度目の審判から村を守ったツチガミ。しかしそんな彼へ村人たちは罵声を浴びせ、ツチガミを追い払った。
幻術の中でフォーネの死は自分のせいということをツチガミは否定しなかったが、幻術のフォーネが「カボク滅亡を企んだせい」と口にしたことで、ワンダの幻術を打ち破り、彼に時魔法で真実をを教えた。
何の罪もない人を殺したと知ったワンダは謝罪し、責任を負おうとするが、ヒュダイたちが彼を守る。ワンダの立場に自分があったなら、真実を見抜けるかわからない、と。
再び戦闘に入りかけるが、ツチガミの魔力が一気に減り、隙をついたキクルの攻撃が通る。
洞窟の奥では、魔物を操り、ツチガミへの信仰を削ぐサンの姿があった。
前話より
すべてを背負おうとする、その姿は……まるで……。
今回のポイント
◯◯を見て思い出す。
- 予測できない攻撃
- 優しさでは思い出せなかった……
- 互いへの理解度高
彼は敵に甘えられない。
目的を果たすために、どこまで背負うか
ツチガミが弱体化する……少し前。
ひたむき&トキシッコVSホライゴンが膜を開けようとしていました。
つっても、ホライゴンは先読み出来るだろ?
難しくね?
そうなのですが、シッコの言う通りもう止めるしかないというのが実情ですね。
カミカイヒのように一撃必殺の毒、みたいなのはないだろうから疲れるまで魔法を撃てば良いんだ、がんばるぞー、と気合を入れる二人でしたが……。
おおおっ
ホライゴンの技格好いいな!八岐の大蛇っぽい水のスキル!
アマタノミズチ、というそうですが……そう。ホライゴンもネームドなんですよねぇ。そりゃ強い。
格好良くて強そうな技に、上げていた手を下ろすひたむきとトキシッコが可愛いです。
この二人、性格は正反対なわけですが何気に絡みが多くて仲が良いですよね。考えてみると純粋なハナバタと友達していたわけですから、素直な子の方が相性いいのかも。
というか、すごく大人か、優しすぎるような……トキシッコの言動を許してくれるやつじゃないと無理だろうな。
トキシッコは敵を閉じ込める用にと考えていた土魔法の中に隠れていました。外では凄い音がしており、ひたむきが『ひたむきゃのん』で飛び回っています。マナ使い放題のひたむきらしい技ではありますが、身体の疲労はでてきますし……倒さないことにはどうしようもない……それでもひたむきはトキシッコを守ろうとしています。
トキシッコにしてもこのままではいつかマナが切れるのは分かっています。なので思考が悪い方向に……つまり『どう頑張ったのかの演出をどうするか』ですね。
コインとよく似てますね。
ただ、それでもちゃんとどちらにも個性があると思わせてくれるのがこの漫画のすごいところ。
それに対してひたむきは、ホライゴンが優しい子だと分かっているので、なんとか止めようと必死。しかしながらホライゴンは先読みするわけですが……ひたむきがいつものドジを踏み、さすがに意図せぬその行動は読みきれなかったホライゴン。
あっ、そうか。
ドジって考えてするものじゃないもんな。
ま、世の中には結構イますけどね。
ハハハ!
さすがにそんなやついないだろぉ。わざとドジするとか。
…………。
なんか言ってくれよお。
とりあえず、ひたむきの場合は純粋なドジですので、ホライゴンにはわかりません。……ホライゴン、現代にいたら嘘発見器になれそうですね。
すごく特徴的な効果音でぶつかったひたむきとホライゴン。とにかくチャンスだ、とトキシッコが魔法を放ちますが、当然それを読むホライゴン。しかし……我らがトキシッコはノーコンです。
ノーコンが役に立つ日が来ようとはなぁ。
これまた思った方向とは違うところへ飛んでいき、当たってしまうホライゴン。しかし致命的な威力でないところから見て、ホライゴンが頑丈なのかトキシッコが威力を弱めたのか。
ホライゴンは二人のことを知らないため、なんでだと疑問に思います。そして、「もしかして自分にも見れない未来が見えるのか」と聞いてきます。ほんと純粋で良い子。
ひたむきは「そうだ」とか嘘ついてブラフ立てれば良いものの(キクルなら絶対する)、違いますと否定。ひたむきほんといい子。そしてやっぱりガードには向いてない。
トキシッコは、しかしひたむきが完全に否定し切る前に肯定します。さすが。
この時のトキシッコの顔がね……普通に美人……状況とセリフさえ違ったら、ね。
って、ひたむき! 普通に驚いてるぞ?
これ信じてねぇか?
普通ならそんなバカなというところですが……ひたむきですからねー……否定できません。
なんてことだと嘆くホライゴンですが……それでも、止まれないのだと。彼は手加減抜きの攻撃を行ってきます。それがなんと、二人の周囲を水で覆ってしまうという……最強の技ですね。ひたむきがなんとかきゃのんで脱出を試みますが、かなりの勢いで中心に引き寄せられてしまうんだとか。
勢いが良すぎて、ひたむきの服がめくれてぽろりと……マモノリ君が登場してますね、これは。というエッな展開ですが、今までの不徳とは違い深刻度が高いですね。
とはいえ、ホライゴンも優しい子。二人を殺すつもりなどはなく、気絶したら術を解くようです。でも、親身に話を聞いてくれた二人を傷つけたくない。二人が傷つくようなこと、したくないと凹むのです。
そして……どうやら術を解いたようで、二人は呼吸を乱してますがびちゃびちゃに濡れていて……まぁ、エッッッです。
息も絶え絶えの二人を見下ろしたホライゴンは、思い出します。
「大きなお尻を見てると
ホアンカの事を思い出す」
そこで思い出すのかよ!
一応、ホアンカも優しい子だった、と言ってますよ。
ただどうやら、優しさでは思い出せず、ひたむきのおしりで思い出したみたいですが……。
そんなホアンカのおしりを確認したくなった方は↓コチラ↓で確認してみましょう!
ホライゴンは考えていることが見える分、二人がホライゴンのことを殺そうと考えなかったことを知っています。ホライゴンはとても強力な攻撃をしかけてきたのに、です。
ホライゴンは泣きながら「人にもいい人がいるのは知っている」と言いました。フォーネがまさしくそうですし、ホアンカもそうです。嫌いな人間を倒すために、いい人たちまで傷つけることに対して……ホライゴンはハデスとは別の答えを出しました。
それから、ハデスを説得したいというホライゴンに、自分たちは負けたからとうなづくトキシッコでしたが……そのハデスはもう関係ない人達を巻き込んでしまったから……巻き込んでまでも実行すると決めて知ったから……そのこともちゃんと思いながら、時間稼ぎします。
超難敵がいるとわかっているところに行きたくないですよね。
ハナバタと違って冷静だから、そういう判断は割と的確だったりはするんだよな……冷静なのかやる気がないのかはさておき。
言葉にした約束
キクルはツチガミに向かって猛攻を繰り広げていました。
ツチガミは全然くらってはいませんが、攻撃が無効と軽減ではぜんぜん違う、という彼の考えはたしかにそうなんですが……それで淡々と戦いに挑めるキッくんはやっぱりちょっとおかしい。
いやでもエースっていうのはこれくらいしないとなれないもんなんですかね?
あのサラン? とかいう勘違い野郎はともかく、今のところエースとして出てきた奴らは化け物揃いだよなぁ。
その戦いっぷりにヒュダイはサランたちがやられた理由を察した上で、戦いたくないと思ったみたいです。ヒュダイはサランたちの下にいるナンバー2なのでサランの実力を派把握しているはず。やはりナンバー2と1ではとても差があるということでしょうね。
実際、ツチガミを追い込んでいると盛り上がる面々に対し、エースのトリュウは怪訝そうにしてました。そして……様子がおかしくなります。
サンたちがくらっていたやつだな。なんなんだろう?
ツチガミはキッくんの動きに対応できていませんが、顔には笑みが浮かんでいます。
対人におけるキクルの能力はとても高いです。しかし仲間がいる時は不利だ、というツチガミ。キクルはなんのことかわからずにいますが、トリュウの叫び声がしました。キクルが慌てて確認すると、どうやらみんなめまいのようなもので倒れているようです。
それはツチガミの技で、周囲をマナで満たすというもの。人間は周囲のマナを取り込めるので、マナ酔いを起こしてしまいますが、魔物は周囲からマナを取り込めないため、魔物であったセイテンは効かなくてサンはくらくらしてしまったというわけです。
そして御存知の通り、キクルはマナがありませんのでマナ酔いにはなりませんし、そもそもその変化を感じ取れません。しかしキクルはサンが受けた謎の攻撃をマナ酔いと予測していました。自分には効かないから有利である、と。
が、それが欠点でも合ったという事実に今気づいたのです。今、キクルは仲間たちから距離をとらされていました。仲間の変化に気づけない状態で……いや、気付けないからこそ離れてしまったと言えますが。
ほとんどのメンツが動けない中、孤軍奮闘していたのがトリュウでした。普通は動けなくなるはずなので、彼もまた何かありそうですね。
とはいえ、本調子では無いようで、上手くマナが操れてはいないようです。
キクルが走ります。ツチガミが操る土の槍が向かう先――メイデナへ向かって。
いやでも、メイデナみたいな子どもをツチガミは狙わないんじゃ。
実際に傷つけるかはさておき、狙うということがこの場においてはとても重要なんですよ。
キクルも分かっていました。ツチガミは無抵抗の子どもを傷つけたりはしない。最終的には攻撃はそれるか止まるだろう、とね。
けど、ツチガミも分かっていました。キクルは――敵に命は預けない。
貴方は「其れ」に甘えられない
ここで以前の「人となりが分かった気がします」というやり取りが返ってくるわけで……。
いや、待て。待て。待てぇええええ!
猛スピードでメイデナに駆け寄ったキクル。頭ではメイデナは大丈夫とわかっていても、ツチガミの言う通り『甘えられない』彼は、メイデナの体を掴んで彼女を放り投げます。
メイデナは朦朧とする中で、キクルの言葉を思い出します。命に変えても護るというキクルの言葉を。
土の槍がキクルの身体を貫いて……メイデナが声を絞るようにキクルの名前を口にするのでした。
まとめ
ということで……ホライゴンとひたむきたちの戦いは、ホライゴンの圧勝に終わったわけですが、ひたむきがひたむきゃのんで逃げ回っていたりするところには成長を感じましたね。……あと、肉付きも着実に成長してます。
その成長報告はいらないだろ!
あと、最初よりもロリ度がマシてます。
たしかに絵柄は変わっているが、今回はそんなこと言ってる場合か!
大変だからこそ、ふざけたいという心境です。
命に変えても……というセリフはたしかに格好よく聞こえはしますが、実際目の前で其れ実行された時のショック度はかなりのものかと。
ホライゴンたちが今回の癒やし枠でしたね……。
ということで、主人公がこうなったので不徳のギルドは終了……ということはなく、物語は続きます。もしやトリューに主人公が交代?
気になる新主人公は次回明らかに!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
大盛りあがりを見せるツチガミ編を見返したくなったならば↓コチラ↓からどうぞ!