【アニメHelck】第十一話『吟遊詩人の唄』――意識はなくとも忘れぬもの【ネタバレ感想】
前回はトースマン王? ああ、そういえば……いたね? くらいに『料理大会』が何よりも印象に残るお話でしたね。
トースマン王は満足して逝ったけど、ちょっと可哀相だったな。よりによってなんであの話の後に料理大会だったんだ。
前回のお話が気になる方は【アニメHelck】第十話『地図を求めて』――真っ白に、燃え尽きる【ネタバレ感想】を御覧ください。
そして今まではずっと原作の3話ずつを綺麗に守ってきたアニメヘルクが、前回は話を途中で切ってきました。
今回の話を一話にまとめるために……それだけ今回の話が大切ということです。
原作勢からすると、ヘルクはここまでがチュートリアルです。では、今回も元気よくやっていきましょう!
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前回のあらすじ
オイラも参加するぜぇ!!byアージカバ
変貌したトースマン王。
王は自身の生命力を使い果たし自壊したが、ヴァミリオはそこから嫌な予感を覚えて仕方なかった。
呪いが解け、トースマンから開放されたエリーユの人々に別れを告げて向かった先の街で、帝国への地図が売られていた。
その資金を稼ぐためにヘルクとヴァミリオは料理大会に参加。強豪たちを押しのけて見事に優勝し、地図を手に入れた。
地図に載っていた帝国への最短ルートを進もうとしていたヴァミリオたちに、地図屋の店主や吟遊詩人の女性、イーリスが警告を発した。
滅んだ2国の土地には『闇の戦士』が現れるから避けた方がいい、と。
前話より
闇の戦士、という厨二心を刺激するワードが出てきた。
今回のポイント
シリアスが、きたぞー!
- 闇の戦士VSヘルク
- 勇者ヘルクの抱える闇
- 闇を払う歌声
- ピウイはトリじゃない
温度差注意報発令。
闇の戦士VSヘルク
吟遊詩人の女性が闇の戦士について説明してくれるんですが、ここでピウイが女性に反応します。
というのも前回の料理大会をやっている間、ピウイは迷子になってしまいこの女性に道案内をしてもらっていました。
歌も一緒に歌ってたなぁ。迷子なのに呑気だぜ。
ピウイは女性のことを『歌のおねーさん』と呼びます。
『ちゃん』でないことに敏感に反応するアン様(笑)。
命が惜しければ避けるべき、と忠告されますが……世界でも屈指の実力者であるアン様とヘルクにそのような忠告が届くわけも有りませんし、そもそもなるべく早くに帝国に戻る必要があります。
忠告は優しさからしてくれているので礼を言いつつも、急ぐからと回り道せずに行くことにしたアン様達。
前話、アニメではハッキリとしたセリフ(心理描写)はありませんでしたが、実はこの地図屋、アン様たちにふっかけられると思って5万Lと口にしています。
漫画ですとイーリスにまで「また飛んでもない価格を出したのでは」などと言われているくらいですので、結構吹っかけている店主らしいですね。
でもさすがに命の危険に関しては教えてくれるみたいで、完全に根が腐っている人でもないのがミソです。
2国の領土避けろとか、命あってのものだ、って言ってはくれてるもんな。
完全に良い人とは言えないけど、悪役とも言い切れないそんな人っぽいですねぇ。
まあ、彼の出番はここだけなのでそれ以上のことは分かりませんが、地味に『イーリス様』と女性を様付けで呼んでいたりと、彼らの種族における立場関係を表現しているキャラクターでもあります。
という、本編にはまるで関係ないお話でした!
と、吟遊詩人の女性、イーリスがピウイを呼びます。ピウイ「ちゃん」という呼び方がなんだか新鮮で可愛らしいですね。
あとイーリスに駆け寄っていくピウイの動きと声もかわいい。いやとにかくピウイが可愛い。クソバードなんて呼ばせない。
なにか伝言? をしているのでしょうか。何を言っているかは分かりませんね。
旅立つアン様たちを、イーリスと地図屋の店主が不安そうに見送ってますね。そんなにやばい相手なんでしょうか。
正直ヘルクがいると、やばいやつがいるって言われてもなぁ、といち視聴者としても思っちゃうぜ。
滅んだ2国を彷徨い続ける戦士は、何を思う
滅んだ2国の跡地の表現は、原作の雰囲気を踏襲して石造りの建物(レンガ)にはなっているものの、アニメの方が高い建造物も残っていたりして、よりらしいですね。
原作だと基礎部分しか残っていない感じなのですが、アニメでは柱とか、アーチとかも残っています。その残り方がより激しい戦闘を思い起こさせますし、人口がかなりいた発展した街だったことがわかります。
まじでアニメHelckの背景が細かくて美しくて好きです。
壊れた建造物を歩いていく描写に時間を少し使っているんですが、ピウイが小声で「ぴっぴ」と言いながら歩き回っているのが癒やされます。
のんびり……からのぉ!
なんかアンがめちゃくちゃ険しい顔してるぞ!
先程まで明るく晴れていた空までが不気味な色になっています。
黒い塵のようなものが一箇所に集まっていき、姿を表すのは名前の通り真っ黒な存在。兜や鎧を身に着け、手には手には一振りの剣。
闇の戦士の登場です。
ヘルクですら険しい顔をしていますし、アン様がすぐにここから離れるという判断をするくらいにはマズイ気配を持っているようです。
ピウイを抱えて走ろうとするアン様の背後に瞬時に現れる闇の戦士。とっさにピウイを突き飛ばすアン様でしたが、ヘルクが戦士を殴り飛ばしてくれます。
おおいっ!
シリアスな場面なのに背後のピウイよ!
ほえ~い、みたいな声出してますね。可愛い。
一応マンガの方でも、突き飛ばされて壁にへばりついているピウイは描かれているんですが、アニメのピウイの方が驚いた顔と声、あと浮いている状態で壁にくっついているのて間抜け具合が際立ってます。
アンさまでもあの一瞬で距離を詰めてきた技? を知らないようで、あとトースマン王が変貌した時に感じた嫌な感覚が闇の戦士からもするようです。
ただ、脅威の強さはトースマン王とはまったく異なるようですね。ヘルクが逃げられない、というくらいですからね。
レースで判明したヘルクの足の速さでも逃げられないって……そうとうやべーな。
そして緊迫した中でのピウイとアン様のやり取りがめちゃくちゃ可愛いのでぜひ聞いてほしいです。
地味にアン様のセリフはアニメオリジナルですね。原作でも怒っている表現は有りましたけど、セリフはなかったですし。
で、ここからヘルクの本格的な戦闘シーンに入るわけですが、どうもこの戦闘シーンにおいても原作を重視されているようで、原作と見比べると、「あっいまのここだな」と分かる動きが多いです。
その分、若干もっさりしているようなところもあるんですけれども……ぜひ原作と見比べながら戦闘シーンを見るというのもやってみていただきたいですね。
該当シーンは4巻、31話です。
アン様の炎が3つに分かれて行くのとかも、原作と同じでした。
もちろん、アン様の解説中の時間稼ぎの時にはアニメオリジナル?の動きもあるんですが、マジで原作再現してました。
そのあとのアンのもう一撃とか、アンが攻撃避けるところなんかは本当に原作のままだな!
何度も言いますが、アニメ制作スタッフの原作愛が凄いですし、アニメになっても違和感のないコマ割りをされている七尾先生凄い。
とにかく、この闇の戦士はかなりヘルクの攻撃を受けているんですがすぐに回復してしまっています。武器が折れても武器すら直ってしまう。
だけでなく確実にヘルクにもダメージを与えています。
アズドラ様の秘術のようなものがかけられている、とアン様は推測。つまり術の効果範囲外に出れば問題ない、と。
そういや、イーリスたちも言ってたな。迂回しろって。
つまり一定以上の範囲外は闇の戦士が現れない地帯だから安全に通れる、ということですからね。
ヘルクとアン様が本気で協力し合えば逃げることは問題ないでしょう。
が、ここでまたアン様は悪い予感を覚えます。それは目の前にいる闇の戦士から感じるものではありませんでした。
同じく動きを止めた闇の戦士とアン様の視線の先にいるのは……ヘルク。
勇者ヘルクの抱える闇
へ、ヘルク……? 本当に、これ、ヘルクなのか?
原作でも、アニメでも……良い迫力してますよねぇ。
誰がどう見ても怒っていることが分かるヘルク。声がまた格好いい。けれども、普段の穏やかな表情や声を知っているだけに、なおのことこの姿が怖く見えてしまいますね。
自分が攻撃されたり傷つけられても怒らなかったヘルクが、アン様(仲間)を攻撃されたことでキレるっていうのは彼らしいですね。
闇の戦士はより脅威であるのがヘルクだと認識したのでしょう。アン様ではなくヘルクへと向かっていきますが……その戦いは先程までと違い、一方的でした。
正しい選択を
アン様の心臓が、早く鳴りはじめます。単純な不安なのか、恐怖なのかは分かりません。
魔女様からの警告が思い出されます。
「今は大丈夫。
やつ(ヘルクのこと)はお前の強い味方となるだろう。だが、いつまでもそうとは限らない。
あの男の内には負の感情が渦巻いている。進む先は闇。
希望なき目的のはてに残るものは何か。ゆめゆめ忘れるな。
お前の連れている男は、大きな災いを招く可能性を秘めているということを――正しい選択を」
ここは原作でももちろんあるシーンなのですが、台詞が結構変わっています。
アニメの方がセリフ多いんだな。
最初は自然すぎて気づかなかったのですが、いい感じにセリフアレンジ入っていて「くぅっ」てなりました。
よりヘルクの抱える大きなものについて察せられたり、魔女様のキャラが確立していたりする良いオリジナル要素でした。
ぜひここも読み比べてみて欲しいシーンですね。
ついつい魔女様の意味深なセリフに意識が行ってしまいましすが、この背後で戦っているときのヘルクの動きにはちょっとした伏線があります。
ずっと拳だけだったヘルクが戦闘中に剣を抜いています。
そして闇の戦士の腕を切り落としていますよね。
その後、原作では剣を弾き飛ばされるシーンがあり、以後はまた拳になるんですが……結構重要だったりします。
漫画の方では33話と32話の間のページに瓦礫の中に落ちている小刀が意味深に描かれていますね。
ということでアニメを見られる際は、アン様の様子や魔女様のセリフに注目しつつも、ヘルクの動きと闇の戦士の状態にも注目していただきたい。
我に返ってヘルクに声をかけて、戦うな、逃げようと言うアン様ですが……ヘルクには声が届きません。
ひたすら、怒りのままに闇の戦士に拳を叩きつけています。
闇を払う歌声
こえー、こえーよ、ヘルクがっ、ヘルクがぁっ!
ヘッドホンで聞いているとヘルクの声がさらに怖いです。
と、そんな中で「ピー」という可愛らしい声が響きます。ピウイが何やら歌っています。
地味なおすすめポイント!
アン様が抱えあげるときのピウイ、表情の変化があって可愛いです。
本当に地味だし、わりとどうでもいい!
怒られるピウイですが、今度は「ピョエー」で歌い始めます。
アン様は「ばかぁ」とツッコミ入れつつ近くに隠そうとしますが、殺気が消えていることに気づきます。
ヘルクが動きを止めている、だけでなく闇の戦士まで大人しくなっていました。そして晴れる空。
このピウイが歌っている曲、どんな感じになるんだろうなと気になったところではあるんですが、思っていたよりも雰囲気良くて大好きです。サントラ欲しい。
どうやら歌のお姉さんから、やばくなったら歌えと言われていたようです。旅立ちの時、呼ばれてたのはそのためだったんですね。
歌、か。
今後また関わってきそうだなぁ。
驚くアン様の後ろで、地味に剣を腰にしまっているヘルクが描かれていますね。
闇の呪法と戦争
少し取り乱したってヘルクは言ってるが、少しじゃねえよなぁ。
あと、ここで出てくる超回復状態……覚えておくと、第2クールでクスッときます※
※第2クールのPVを見る限り、第2クールかと思いますが……もしかしたら第1クールの最後に来るかもです。
闇の戦士が、どこかへと歩きだします。よたよたとしている戦士の左腕は、切り落とされたままです。回復していません。
ヘルクが闇の戦士の後を追っていきたい、と言います。3人は気をつけながら追いかけます。
闇の戦士も気づいているでしょうに、アン様たちを攻撃してくることは有りません。
たどり着いたのは、丘の上。比較的形が残っている建造物。
この建物の原作の再現度かなり高いですね。
そしてその建物の中にはたくさんの骸骨……2本の角が生えていることから、この地に住んでいた種族の遺骨。闇の戦士も角がありますから、彼と同種族の……戦の犠牲者たちでしょうね。
闇の戦士が喋り始めたぜ!
戦をしたいと言っていた人たちばかりではなかったものの、大切な人がなくなるともう止まらなくなった、と。憎悪が憎悪を呼んで……禁じられていた闇の呪法を解いてしまった。
闇の呪法で力を得た兵士たちは徐々に理性を失って、体も変貌して無差別に殺戮を始めたようです。
変貌、理性を失う……どこかで聞いた話だな。
トースマン王や人間たちのことを思い出してしまいますね。
結果として闇の呪法は戦いは終わらせたものの、2国とも滅ぼしてしまった。
戦争で両方ともが滅んだ、という話を聞いた時に両方とは? と思いましたが、そういうことだったようです。
生き残ったものたちが彼らに対抗するには、同じく闇の力に頼るしかなく、今目の前の闇の戦士は仲間を守るために今の姿になったようです。
ですが結局守れず……そして理性を失ってしまった。
うおおっ、この「やめろぉ」の声がめちゃくちゃ心に響くぜ。
この叫びはホント名演ですよね。最初聞いた時ゾクッとしました。
凄くいい声でした。
ヘルクたちと戦ったことは夢現な感じでなんとなくは覚えていたみたいです。理性を取り戻せたと、お礼を言ってきます。ですがその体はどんどんと崩れていきます。
もともと戦争が終わったのは随分と昔だそうです(最初に2国が滅んだという話をしてくれた人がそう言ってました)。アバウトですが、建物の雰囲気からしても数年は経過していることでしょう。
彼の体もとっくに滅んでいたのですが、術によって保たれていただけ。術が解けたので崩れていっているのです。
いい武器と呪われた剣
ここで、とても意味深なセリフを言っていますね。
「ああ、そうか。お前も……。
いい武器を持っているじゃないか。まさか、そんなモノが存在していたとはな。
だが、それはお前が持つべきじゃないだろう? これを持っていけ」
うわぁっ、意味深すぎるぜ。
もう少しで判明しますのでお楽しみに!
そして闇の戦士は自ら持っていた剣を渡してくれます。多少呪われてるそうですが……瞬時に回復する武器なんて強すぎますよねぇ。
最後にさきほどの歌を聞かせて欲しい、と彼は言います。好きな歌だったそうです。
ピウイが歌おうとします。
ちなみにピウイ、頭になにか乗っけてますが、ヘルクがいつも頭につけていたやつですね。これも覚えておくと、ちょっとニヤっと。そしてしんみりできますよ。
歌のおねーさんことイーリスがやってきました。
気になってあとを追いかけてきたそうです。まさか闇の戦士を救える人がいるとは思っていなかった、と。
闇の戦士の元へと歩いていくイーリス。まさか、と口を開く闇の戦士。
ああ、イーリスって闇の戦士の回想シーンで映ったあの女の子か!
そしてイーリスはアウギスお兄ちゃんと呼んでますね。
そう。あの吟遊詩人として歌っていた曲の歌詞は、彼のことだったわけです。
そうか……闇の呪法に意識奪われつつも、無意識でイーリスや仲間を守っていたのか。
ただ、意識を奪われていたので彼はずっと守れなかったと思い込んでいたんですね。
ヘルクがここを去ろうとアン様たちを促し、3人は二人に背中を向けます。そして聞こえてくる歌声。
廃墟に差し込む光がね、これまた美しい。優しい歌声と相まって、「ああ、良かったなぁ、アウギス」と思えるHelckの名シーンの一つですね。
ここでEDに入っていくのがなんとも美しくて……最高でした。
ピウイはトリじゃない
という、すごくシリアスだけど感動できるお話……だったのに、おまけがついていました。
いや待てピウイ!
レンガから落ちたら負けゲームね、じゃねえよ! 温度差よ!
そうです。この温度差こそが、Helck!
そんなことしている場合か、とツッコミ入れているアン様でしたが「やるからには全力」なところが愛おしい。
そして結末は……?
ぜひ、アニメ本編をご覧ください。
まとめ
前回、原作の3話を一つにまとめず、今回で一つの話としてくれたのはやはりファインプレーですね。この話は中途半端に切ってしまうのが勿体ないですし。
では、まとめてみましょう。
- 闇の呪法を使うと力を得られるが、理性を失い、おぞましい姿に変貌する
- ヘルクはキレるとめっちゃ怖い
- ヘルクはいい武器を持っているけれど、彼が持つべきではないらしい
- ピウイは突然歌うよ!
- ピウイはトリじゃないんだよ!
最後の2つはいらなくねーか?
ピウイは可愛いので超重要です。
お前さん、ほんとピウイ好きだな。
グッズにあまり興味引かれない私がめずらしくピウイのパスケースとかキーホルダーとか購入したくらいですからね。
今後もシリアスを和ませてくれる良いマスコットなので皆様もピウイをどうぞよろしくお願いします!
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
結局最後,ピウイどうなったのーーーというHelck11話を見たいと思ったなら↓DMM TV↓がおすすめ! DMMなら漫画の取り扱いもありますよ。