【個人的おすすめ少年漫画第一位】Helck1~7巻ネタバレ感想
みなさん、漫画読んでますか? 今回はとある少年漫画のご紹介です。
最初は一見軽く読めるギャグ漫画。でもその中身は……?
勇者に魔族、魔王や四天王など、王道の単語がめちゃくちゃ出てくる漫画なのですがマジでオススメです。
【書籍の概要】1巻~12巻(完結)
作品名:Helck(ヘルク)
作者名:七尾ナナキ
出版社:小学館(裏少年サンデー)
物 語:魔界にやってきた勇者ヘルクの行く末は…!? 魔族×勇者の冒険ファンタジー!
※2022年2月……アニメ化が発表されました! 七尾先生、関係者の皆様、おめでとうございます!(追記:23年7月に放送開始)
ヘルクの公式PVはコチラ!
すでに完結している少年マンガですが、大大大大大好きなマンガなのでぜひとも皆さんにおすすめしたいと思い、今回の記事を書かせていただいております。
そんなに好きならもっと昔から書いておけば良かったのによ
好きが行き過ぎるがゆえに、書けなかったのです。
ですが書く勇気が出たのでいよいよ書いていきたいと思います。
今回の記事ではストーリーの前半を大きく3つに分けて追いかけていきます。
- 新魔王決定戦編
- 2人旅編
- 人間界潜入編
本当にざっくりですが、こんな感じで目まぐるしく物語が動いていくのです。
それでいてキャラクターたちが生き生きと描かれているので急かされている感じもなく、読み進めれば進めるほどに好きなキャラクターが増えていきますよ。
うおお、気になるぜ!
もう少し詳しく教えてくれよ!
なるべく話の核心は伏せておりますが、ストーリーの概要は出ますのでネタバレ苦手な方はご注意ください。
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Helckの最初
面白いのは、この漫画の最初が『勇者が魔王を倒し、人間の町に笑顔が溢れた』という描写から始まるところです。
おいおい、すでに魔王倒されたあとかよ……。
しかもその後の人間たちの様子が描かれるのではなく、魔王を失った魔界でのお話になります。
なんと魔界では、次なる魔王を選出する為の大会が開かれ、大いに盛り上がっているのです!
ど、どういうことだってばよっ?
本当にどういうことなんでしょうね。でもこういうノリ、好きです。
新魔王決定戦(1巻:1~9話)
魔王決定戦の流れはコチラ!
- 勇者が魔王を倒し、人間の街に笑顔が溢れた
- 魔界(帝国)では次の魔王を決める大会が行われていた
- 大会の責任者が怪我をしたため、同じ地位にいるヴァミリオ(LV78)がやってくる
- 大会にはなぜか人間の勇者(LV99)が参加していた
- ヴァミリオ(とホン)はヘルクをなんとか失格にさせようとする
- ひねくれた競技でもヘルクはずっと1位を取り続ける
- 最終試験は魔王城の奪還にし、ヘルクが本当に自分たちの味方なのかを見極める
第一巻では、ギャグマンガかな? という描写が目立ちます。
魔族のヴァミリオという少女(中の年齢はかなり上らしい)が魔族の帝国四天王として登場し、緊張感のない周囲にツッコミをいれていく流れとなっています。
帝国では人間の勇者によって倒された魔王の、次の魔王を選ぶ大会(祭りのよう)が行われており、そこに人間の勇者ヘルクが参戦して、さまざまな競技を勝ち抜いていくお話です。
魔王を決める……のに、勇者が参加できる? うん?
はい、魔王を決める大会なのに勇者が参加している時点で何かおかしいですよね。まずそこでヴァミリオ様が言います。
「ばかぁぁぁ」というセリフは彼女の定番(ツッコミ)セリフの一つ。ちなみに「ちゃんづけはやめろ」も名セリフ。
そしてこの漫画の特徴はサブキャラたちのガヤです。大会は大勢の観客の前で行われており、まるで祭りのようになっています。
そんな観客たちのがやが面白い。
一部例をあげますね。
「ふっけぇ! トランプタワーふっけぇ!!」
「ふっけぇ! またいつものバトルだぜぇ! ふっけぇ!!」
「ふっけぇ」
「……っけぇ」
ふけぇ、しかねえぞ!
いやほんと、これは「ふっけぇ!」んですよ。
見ていただければ言っている意味がわかりますので。
とっても「ふっけぇ」セリフに注目
そしてですね、一巻はギャグシーン多めなのですが、とてもシリアスに「ふっけぇ」シーンもあります。
ヘルクが大会中にインタビューを受けており「人間が憎い」「人間を滅ぼそう」と笑顔で口にしています。
こういう理由で参加しているからヘルクは大丈夫だと大会運営のホンという魔族がヴァミリオに言いますが、彼女は
「ばかぁぁぁ!! あんなの演技に決まっているだろが! 嘘つきの顔だろうがぁ!」
と怒ります。
そりゃなぁ……俺っちでも怒るぜ。
そりゃそうですよね。仲間の魔王を殺した人間の勇者なのですから。
しかしですね。このセリフ、絶対に覚えて置いていて欲しいセリフです。
6巻目冒頭53話にてこの時のセリフが回想シーンとして挟まれるのですが、ぐっと来ます。
とても「ふっけぇ!」のでぜひともここまで読んでいただきたい。
うーんー?
すっげえのかもしれねえけど「ふっけぇっ」て言われるとただのコメディにしか思えないんだが。
たしかに、ノリは完全にコメディですね。
全体的にほのぼのとした漫画です。
シリアスな場面も出てくるのですが、泣けるのに笑えるんです。
人間である勇者ヘルクの真の目的とは
ですが大会の間、ヴァミリオも何も手を打っていないわけではなく、人間の国へスパイを放ちます。一体なぜヘルクを魔界へ送り込んできたのか。それを探ろうとしているのです。
その情報が今後も間に挟まれていくのですが、知れば知るほど謎が深まり、終始笑顔のヘルクが段々と不気味に思えてきます。
しかしヘルクを倒すことは難しい。
何せこの世界にはレベルという概念が存在しますが、ヘルクは99レベル。
魔族の国の四天王(※)ですら78とかなので凄まじいことが分かりますね。
※四天王の上には守護王がおり、さらに上は皇帝。魔王は四天王より下の地位で15の国、一つ一つの王。
様々な謎がありつつも、なんとかしてヘルクを大会で優勝させないようにする、のが1巻の内容となっております。
2人旅編(2巻:10話~)
どこか不気味に見える勇者ヘルクと、そんな彼を怪しむ帝国四天王ヴァミリオでしたが、大会中にハプニングが起き、2人は帝国からはるか遠くの場所(島)へと飛ばされてしまいます。
アプリ版だとカラーも見れるのでお勧めです。あのカラーページは鳥肌ものです。
敵だと疑っているヘルクと共に過ごすことになるヴァミリオ。彼女が疑い続ける中、徐々にヘルクが人間らしさを見せていきます。
人間らしさ?
そもそもヘルクは人間だろ?
たしかに彼は人間です。
ですが、ずっとニコニコ笑っているし料理は完璧だし、セリフは良い人そのもので人間味がなかったんです。弱点が見えなかった。
でもヘルクは「一人で生きるのはつらい」と心境を吐露します。
とてもつらそうなヘルクの顔が描かれているのですが、私はそこでようやく「あ、ヘルクは人間だな」と思ったのです。ただのキャラクターではなく、現実味を帯びた人間に思えました。
とはいっても、今回ヘルク達を取り囲む登場人物はのんびりとした人たちばかりですし、この漫画のマスコットキャラクター『ピウイ』も登場するほのぼのした雰囲気がそんなシリアスさをフッ飛ばしていますが。
ちなみにこのピウイという鳥っぽいけど本人曰く鳥ではない生物は、癒やしキャラなんですが後々とても大活躍します。
ピウイという癒やしキャラを仲間に増やし、ヘルクとヴァミリオは帝国へと戻るため協力していくのです。
一方で帝国でもいろいろと動いていて、物語は両方の側面で進んでいきます。
帝国四天王『青』のアズドラ
あと2巻の見所はなんと言っても帝国四天王『青』のアズドラ様の素顔が見れるところです!
あず……え、誰?
一巻にも登場してくる、一見ギャグキャラ。
もともと大会にヴァミリオがやってきたのも、アズドラが大怪我を負ったため、その代役としてでした。
全身包帯で吐血状態で登場したキャラクター、なんですが様々な変わった術が使える万能キャラ。
改めて説明するとほんとなんじゃそれ、なのですが本当にそうなのです。気になった方は1巻・もしくはマンガワンアプリ(https://manga-one.com/)でご覧ください。
そして2巻17話の最後にアズドラ様の素顔が描かれたページを見た時、「ギャグ要員じゃなかったのか!」という衝撃を受けるはずです。
ちなみに2巻の表紙にいる青い髪のこの方です。
かなりイケメンでした!
ついに人間国の様子が少しずつ判明
3巻も引き続き二人旅は続くのですが、人間国の様子がさらに分かってくる回です。ここでは人間の王が出てきますが、その王のセリフが面白い。
「おお勇者達よ、やられてしまうとは不甲斐ない」
RPGをやったことがある人で一定以上の年齢の方ならば見覚えのあるセリフでしょう。若い方もネタとして聞いたことあるかもしれませんね。
世界の情勢、帝国の事情などが分かってくるのが第3巻です。
3巻の最後では最強ヘルクですら苦戦する相手が出てきます。感動する話でもありますし、謎が深まってくる。
なのにピウイという可愛らしいキャラクターやどこかのんびりしたサブキャラたちがシリアスさを中和してくれます。
で、4巻~5巻。ここは回想編に入ります。
ヘルクの、人間の国で何が起きたのかの回想です。5巻では、『なぜヘルクがずっと笑顔でいるのか』という疑問の答えが出てきます。
明かされるヘルクの過去
過去シーンか。
それでダレてしまうこともあるけど、どうなんだ?
ヘルクについてはだらけることなく、むしろ前のめりになるほどの良い回想シーンでした。
6巻でも少し回想がありますが、ここからは現在へと戻ってきており、人間との戦争がはじまります。
そしてヘルクの過去を知ることで、最初に述べた「人間が憎い」「嘘つきの顔」というセリフが効いてきます。
これ気づいた時には「ぶわっ」と鳥肌たちました。必見です!
人間界潜入編(7巻:61話~)
7巻の見所は2つ。
名前のある魅力的なキャラクターの一人、エディルという人間とヒュラという女性とのお話が良い。この二人の関係が、とても良い。
もう一つが大大大大大好きなシーンで、ヘルクの中でもかなりの名場面。
「私が……かけるべき言葉は」
68話で、ヴァミリオ様がヘルクにかける言葉、ここを私は読み直すたびに泣いてしまうし、今この記事を書きながらうるっとしてます。
ヴァミリオ様が美しく、格好良すぎる名シーンです。
あえて具体的な描写はしません。この感動を味わってほしいから。
俺っちは泣いたりなんかしな……。
うえええん、ヘルクーーー、アンー!
あら、親方が泣いてしまいましたね。
※ちなみにアン、とはヴァミリオが名乗る偽名です。
内容が気になる方はぜひ読んでみてください。
まとめ(1~7巻)
結論:とにかく読んで欲しい!
- メインキャラクター(ヴァミリオ・ヘルク・ピウイ)が良い
- サブキャラクターが良い
- 表情の書き分けが素晴らしい
- モブキャラたちも良い味を出している
- ストーリーがとても良い
- ヴァミリオとヘルクの関係性がとても良い
- etc
正直おすすめポイントはたくさんあり、ありすぎて困ります。
気になった方は購入されるか、マンガワンから読んでみてください。
※追記:とっても素晴らしい動画を見つけたので載せておきます。ただ、ネタバレが大いに含まれるのでご注意ください。
全巻・全話についてお話ししたいくらいですが、とにかく今回はここまでとします。
うっ、うっ、へルク。
お前は幸せにならないとダメだああああっ!
アンー、ヘルクを助けてやってくれえええええ、うおおおおおんっ!
親方が号泣してますしね。
後日、具体的な内容を語ることもあるかもしれません。その時にまたお会いしましょう!
ではまた!
もし気になられた方は新装版(表紙描き下ろし)が出たのでそちらを買われるのがおすすめです!
魔族と勇者の感動物語を読んで泣きたい方はコチラから!
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