【不徳のギルド】第87話『正と負の魂』――焼かれても貫かれても潰されても、彼は立つ。【ネタバレ感想】
キッくんが……キッくんが……!
大盛りあがりを見せる不徳のギルド最新話(※24/08/12時点)の第87話! 正統派の少年漫画主人公に見えたトリューにはなにか秘密が? 私、気になります!
けれども今回はなんといってもやはり我らが主人公の活躍ですよ! キッくんが今回なんと! え? まじで?
となりました。
もう『影が薄い』だとか『表紙にしたくない』なんて言わせない! そんな不徳のギルド主人公が主人公しているお話でしたので、元気よく感想やっていきたいと思います。
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結構前に立っていたとあるフラグが微妙に回収……?
前回のあらすじ
まだなし
前話より
今回のポイント
キッくんが……主人公してる!
- 少年漫画らしい展開
- 死者なのか生者なのか
- 一難去ってまた一難
あの子は、あの子はやめてくれよ!
これぞバトル系の少年漫画の王道展開!
ツチガミに飛びかかっていくトリュー。他の人達がマナ酔いで動けない中、唯一動けています。
そんな状況にツチガミはとても冷静に考えます。最初はただ根性で抗っているのかと思っていたものの、なにやらしかけがありそうだ、と。
そして思い返すと、トリューは度々マナを察知していた、と。
そういや。キクルのことを察知できないっとかも言ってたか。
純粋な魔物ほどの察知範囲ではないみたいですけどね。
詳細は分からずとも、魔物の血が混ざっているのでは、とツチガミは指摘。マナをほとんど取り込めないという魔物の特質を持っているのではないか。だからマナ酔いせずに動けている。
相変わらず、冷静ですね。予想外のできごとがあって驚いてくれるならば付け入る隙が出てくるのですが。その間もトリューの攻撃を受け止めつつで余裕がありそうですね。
トリューはうるさいというだけでそれを肯定しませんが、否定もしません。
一方で息も絶え絶えになっているヒュダイが見つめる先には、地面に倒れ伏しているキクルの姿が。キクルの体を岩が貫いており、ピクリとも動きません。これもツチガミを騙すための幻術ではないのかとワンダに聞きますが、ワンダは目を伏せて首を横に振り、ヒュダイは絶望というのがふさわしい表情を浮かべます。
描かれてるのは顔の一部だけで声もないが、伝わってくるものがあるな。
また別のところで倒れ込んでいたメイデナは、なんとか魔法を唱えようとしますが魔法をうまく構築できません。
いや、構築できたとしてもキクルの体に刺さ待ったままでは蘇生できませんし、そもそもあの状態は……と死んでほしくないと泣くのです。
メデっちゃんを泣かすなんて……許さんぞ、きっくんーーーー、起きてくれよおおおおおおおおお!
口調変わり過ぎとツッコミたいが、気持ちが凄く分かるぜ……キクルー、起きろおおおお!
最も嫌うもの
倒れ伏して指一本動かないキクル。しかし彼の思考は働いていました。
また倒れたのかと自分に呆れるキクル。
致死量の毒を受けた程度で…
胃に穴を開けられた程度で…
半身の骨を砕かれた程度で…
心臓を貫かれた程度で
くたばるな
キ、キクルっ!?
全然程度で済ませて良い話ではありませんが、「くたばるな」で目を開けているキッくんの横顔が……ハッキリ見えないんですがめっちゃ格好いい!
正面から見たい気もしますが、この角度だからこそ迫力と格好良さがある気もして……なんとも言えませんけども。
ここで少し、以前の話を思い出す必要が出てきます。キクルがツチガミの術に対して油断してしまった理由がそこにあります。
ザンゾー&ハツドリのところに修行に行ったときですね。キクルにマナがないという話の時に、彼のマナに関する器官がズタズタになっているからマナを消費してのスキルは一切使えない、と。
高濃度の魔素に全身浸かればその間だけ修復されるという話が出ておりました。
私はこれ、ひたむきが関わってくるのかなと思っていたのですが。
な、なんかキクルが自分と話してる? なんだ?
生きているだけでもおかしいのですが、キクルは自分の中にもう一人の何かが存在しているような会話をしています。
ざっくりまとめると、
- (マナが回復する?)条件は整った
- 卑怯と言われそうな方法だが、相手が撒いた種だから卑怯とは言わせない
- 何かがキクルの中で眠っている
- 眠っている何かのことを、キクル自身は忌み嫌っている
- 眠っている何かは――思考停止になるほどの絶対的な力
簡単にまとめちまったけど、ここの対話の雰囲気が格好良くてオレっちはすげぇ好きだなぁ!
具体的な対話内容に関してはぜひ本編を見てほしいですね。
キクルと彼の中にいる誰か? とのやり取りを直接見たくなった方は↓コチラ↓からどうぞ!
ただのベタ塗りのところに文字がある……という描写ではなく……何かねじれたたくさんの線が描かれているんですよね。この作者さんのことなので、それにも意味があるのではないかと思ったりするのですが。
細く頼りない線がつながって太く力強い線となり、つながった中心には狼? のようなものが描かれています。
そして溢れ出る力は周辺を揺らします。
いろんな場面の人達が驚いているのが描かれていくわけですが、個人的にはホライゴンがひたむきたちをかばっているのが可愛くて好きです。
立ち上がるキクル。髪の毛の色が薄くなって、白目の部分が真っ黒になっています。ここは漫画なので黒いですが、実際の色が何なのかは分かりません。
しかしここだけ見ると、キクルと同一人物なのかわからないくらいに別人ですね。キクルはあのメッシュが入った髪色とか特徴的ですし、その目もこんなにも変わると……中身も別人ではないか、と心配になってしまいますね。
終わってから考える
起き上がったキクルの体のあちこちからは、先程描かれていたような糸? ヒモ? みたいなものが出ています。どこかにつながっているということはなく、キクルの体から出ていてふよふよと浮いているみたいですね。
やはり何かありそうですが、とりあえず格好いいから良い!
トリューはそんなキクルを見て「ここからは自分の見せ場じゃないのか」と悪態をつきます。心のなかではキクルの状態について聞いてない、と思っているみたいですね。
ツチガミはさすがに驚いてました。万全の自分よりも遥かに凌ぐ……と言ってますが、おそらくはマナ量のことかと思われます。しかし今までマナがなかったのになぜ突然、と。そこで何かに気づいたようですが……。
マナ量がすごいっとはハッキリ言ってないがたぶんそういうことだろうな。
はい。トリューはどういう理屈かマナを察知できるのでキクルの状態にも気づけたのもあるかと思いますね。
落ちていた弓をゆっくり拾うキクル。この仕草、何気ないですけどいつも油断せず、気を引き締めているキクルにしてはのんびりな感じがして、そういうところにも個人的には「普段と違うキクル」という印象を覚えました。
目があったツチガミはゾッとしたためすぐに術を使っていきます。攻撃させてはいけない、と。土壁で覆い、炎で燃やします。たとえ炎が聞かなくても窒息はするだろうと。それだけでも容赦ないのですけども今度は氷で一気に冷やす。さらには高重力による圧縮。
来たぜ! このファンタジーだけど物理法則に従っている戦い方! これが不徳のギルドだよな!
そんな様子に呆れるトリューですが、彼には分かっていました。効いていない、ということが。同情する、と土地神に向かって言ってました。
バクン! という擬音語とともにキクルの周囲を覆っていた土が消え失せ、特に攻撃を食らった様子なく存在しているキクルの姿が。
さすがにこれで生きているのはおかしいとツチガミが指摘します。生者なのか? という彼の問にキクルは弓を構えます。
この弓を構える姿がこれまた良い!
弓も格好良く変化してるな!
背中で語るキクルが格好いい!
そしてキクルは一言。――終わってから考える。
放たれた弓矢の一撃はツチガミが生み出した分厚い土壁を破り、さらには覚者の衣(神性を帯びていないものからの攻撃を弾く)をも突き破って、ツチガミに大きなダメージを与えました。
ということはキクルに神性が?
ツチガミが言うにはそうではないみたいですね。
様々な効能を無効化、滅却や捕食。そんなものに近いと。
捕食。
先ほど狼のようなものが描かれ、バクンという擬音語という話をしましたがそこから考えると捕食がおそらくは正解なのではないかと思いますが……どうでしょうね。
で、この状態のキクルをよく見てみると髪の毛に模様が入っています。つむじから髪の先へと向かって伸びる木の枝のようなものに見える模様が薄っすらと……。
いやぁ、表現が難しい。見て確認してみてほしいですね。
そのままツチガミへと向かっていくキクル。これで終わりだろうと思いましたが、ここでブツンと糸が切れます。同時にキクルの姿ももとに戻り、そんな彼に向かって放たれたスキルからトリューが助けてくれました。
どうやらツチガミのスキル”富者の施”で魔道をつなげてしまっていたのがキクルの状態を生み出したわけですが、それを切断したようです。そうなると他の人たちが動けるようにはなってしまうのですけれど、キクルが一番の強敵でしょうから……やはり判断力がすごい厄介な敵ですね。
ツチガミはそのまま仕切り直しだと姿を消しました。しばらくは回復に専念することでしょう。
とりあえず終わっ……た?
キクルに駆け寄るメイデナ。キクルは息も絶え絶えです。なくて当然だったマナをまた再び失ったわけですが、再び失うとそれはそれで体に堪えるそうです。
怪我の方は治ってました。
無事で何よりだが、気になるセリフ口にしてるな。
あの状態だと死ねない、と言ってますね……まぁ、それはさておきメデっちゃんを泣かせた罪は重い。
おい、どこ行く気だ、落ち着けぇ! 逃げろキクルーーー!
キクルは状況判断のためにトリューに礼を言いつつもツチガミについて聞きます。気配が突然消えたようです。最初もそうでしたね。彼は気配遮断のスキルを持っていますから。
ヒュダイはなんとか場を明るくしようと、飲みの場で二人の体質のこととか話してくださいとかいうわけですが、生きて帰れたらとかフラグ立てるようなことを言ってしまい、そしたらカンゼボウにもフラグ建てられたなとキクルが思い出し、じゃあ良いかと納得しかけたトリューが「よくない。あの人死んでる」と渾身のツッコミを発動させるのでした。
なんかこう……画面に男が多い上に、キクルが仲良さそうにしている光景というのが初めてで、男友達できたんだなぁと、ちょっと微笑ましい気持ちになりました。
よかったなぁ、キクル……。
しかもトリューはツッコミタイプで苦労人気質。気が合いそうです。
戦闘スタイルは真逆っぽいですけど、だからこそ相性は良さそう。トリューは完全に前衛で、狩人のキクルが避けタンクする必要がないのも大きい。
止めてくれ。そのフラグは建てないでくれ
場所は移り変わり、ヨウミャク古道。そこを悪態をつきながら歩いている男、屍術師のハゴン。
カンゼボウにやられて逃げていた彼はマナを回復させるために果物を食べながら考えていました。警察に行かれては自分の罪がバレてしまいます。
しかしながらいつも使わない道に出たので今自分がカボク側にいるのかキョボク側にいるのかも分かりません。なにはともあれマナを回復し、魔物を使ってオックリたちを探さないといけません。
オックリは崖の下の仲間を見捨てたりしないだろうという判断もしていて……そういうクズな方面に頭を使わなければ優秀なガード、で終わったのですけどね。
そして彼は呟くのです。多くの魔物、もしくは――より強力な魔物を使って、と。
強力な魔物、のところでキムジナーが映し出されました。……まさか!
やめて! やめてくれ! キムジナーは素直じゃないけどいい子なんだよ! ほんと、止めてえええええ!
うおおおおっキムジナー、逃げろおおおおおおお!
まとめ
という感じで……途中までは少年漫画の王道という感じで「うおおおお」と盛り上がったのですが、最後の最後が不穏すぎて……読みながらガチで「止めてくれ」と声に出してしまいました。
マジで嫌ですよ。これ以上彼らを苦しめることしてほしくない……いや、敵なんですけども。敵だけどっ! だけどっ! ああっ、苦しい!
とにもかくにも、トリューにもキクルにも体質的に他とは違うなにかがある、というのが今回はっきりしましたね。まぁ、キクルはもともとマナがないというところは判明していましたが、それが回復するとどうなるかまでは分かっていませんでしたからね。
今後もああいう回復する場面ってのが出てくるのか?
キクルの過去は中々謎ですし、その過去に起きた何かでマナが使えなくなってる。そしてその力をどうもキクルは嫌がっているっぽい? ので今回だけの話ではないと思います。
まぁでも神様相手とかになってくると、あの力は必要そうだなぁ。
とはいえ、向こうもキクルたちの情報を得てしまったため、次にあの状態を再現するのはなかなか難しい……そこでひたむきが関係してくる、かもですね。ひたむきの存在はなんとなく把握してるはずですが(なにせ彼女は魔素の塊)、直接ツチガミとひたむきが出会わなかった、というのはなにかあるのではないかと。
キクルたちの体質については次回明かされるのか……にしても、最後の最後が不穏すぎてそんなことよりキムジナーとホアンカの姿が印象深い。
キムジナーを守ろうとしてホアンカちゃんに何かあったり、そのまた逆も考えられたり……どうかその予測が外れてほしいと強く願います。
ということで今回はここまで!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
キクルがすっごく少年漫画の主人公をしていてフラグを建てている話を読みたくなったならば↓コチラ↓からどうぞ!
そしてメデっちゃんを泣かせたことについて一緒に問い詰めにいきましょう!
キクルも頑張ったんだから許してやってくれ!