【不徳のギルド】第91話『もう一度私を愛して』――家族みんなに見守られた結婚式【ネタバレ感想】
前回は……ようやく戦いが終わり……恨みの部分がなくなって……空へと還っていく。
優しくて、良かったなという想いとともに、けれどももっと……もっと別の未来があったのではないかと、寂しくもなる。
そんなお話でした。
その途中までは感情の急上昇と急降下が続いて息切れしそうだったところが、一息ついた。余韻に浸りたくなる……。
浸りたく……なっているところ恐縮ですが、その続きの感想を行きたいと思います!
今回は……そこに浸りながら……目を閉じて……彼の。彼らの愛の物語を想像したくなる……そんなお話。
ツチガミ編もアニメ化して! お願いしますー、と言いたくなる『不徳のギルド』第91話が今すぐ読みたくなった方は↓コチラ↓からどうぞ。
前回のあらすじ
ただ願う。
チカエルの最後の日記。それは日記ではなく、願い。
オックリはフォーネが現世に残っていないか探していた。中々見つからなかったが、女性の手と思わしきフユウデが彼女の肩を叩いた。
ハデスマンと戦うキクルたちは、とあるタイミングまで力を温存していた。
温存しておくようにとキクルから言われたセイテンは、自分に力を託してくれたチカエルのことを思い出す。
更に失う恐怖がハデスマンの憎しみを覆いかけたとき、刻限が来た。幻術により時間感覚を狂わせられていたハデスマンに全員で猛攻を仕掛け、追い詰めていく。
セイテンが、チカエルや友から受けた想いを力にハデスマンを追い詰め、彼のマナを空へと還していく……憎しみとともに。
残ったのは、大切な思い出。
前話より
空を見上げて。
今回のポイント
ハンカチを用意せよ!
- あなたの好きなところ
家族全員揃って。
利き手は右手。会いに来たのは左手
20年前。村を追い出された土神ハデスマンは、審判の対象が魔物である自分がいるかどうか関係ないことを確認していました。なにせもうハデスマンは村にいないのにあの巨大なゴーレムみたいなのが向かってるんですからね。
この話はハデスマンが村を追い出される理由となった審判の過去が描かれた85話で描かれてあります。
該当記事>>【不徳のギルド】第85話『夢から醒める時』――生きたいなら死に、死にたいなら生きる【ネタバレ感想】
どこか悲しげに言ってるが……どっちの意味なのかな?
自分(ハデスマン)を追い出す理由(責任転嫁)として村人が言ったただけだったか。それともいっそのことそれが理由であれば良かったのに、ですね。
普通に考えると責任転嫁の方だと思いますが、ハデスマンはお人好しなので
自分が原因であれば彼らは無事に……とか、思っていてもおかしくないですよねぇ。
どちらかは明記されていませんが……私はちらっとそういう気持ちもあったのでは、と勝手に思ってしまいました。他の方はどう思ったのか、気になるところです。
地響きがする中、ずっと悲しげで、寂しげなハデスマン。追い出されてもなお人の姿ということは、誰かはまだ信じてくれているんでしょうが……彼が村を去る時の雰囲気からして、表だって声を上げることは出来ないんでしょうね。
そんな悲しみのハデスマンが描かれているコマの背後には、お腹が空いた時に描かれる音が書かれてありました。てっきりハデスマンがお腹すいているのかと思いきや
彼の隣に行倒れている女の子がいて、どうやらそのこのお腹のようです。
行倒れてるのに、贅沢なこと言ってるな!
贅沢は言わないと言いながら贅沢言っていて、ハデスマンに突っ込み入れられています……薄々分かっていましたが、フォーネは完全にボケ属性みたいですね。
という回想シーンがちらっとあったかと思いきや、現在のシーンに戻ります。
今回はこんな風に、現在と過去……それと不思議な空間? を行き来します。
小説とかでこんなことすれば読者大混乱間違いなし、なくらいにころころ場面が転換します。なのでそのことを念頭に置いてお読みください。
気絶したハデスマンを抱えたセイテンが地上に降りてきます。一応まだハデスマンは生きてはいるようですね。
プンプクがセイテンを呼びました。もちろん近くにはオックリたちもいますので……彼女も。
ハデスマンとフォーネが最初に出会ったシーンに戻ります。
なんだかんだとご飯あげたようです。
見返していて気づきましたが、この時フォーネが食べた果物……ハゴンがマナ回復で食べていたものと同じっぽい。
つまり、その時限りの果物とかを描いたわけではなく、ちゃんと設定として作られているのかも……という細かい気付き……。
ハゴンが食べている果物の話は87話……おそらく15巻に入ると思いますが現時点でまだでていないので、その話が見たい方は↓コチラ↓からどうぞ。
そしてこの時フォーネは子どもという年齢だったみたいですね。ガードでもなく、妖精族の里から出てきたばかりで何も知らない状態だったと。
妖精族であることを教えたフォーネは里の大人たちが言っていたのを聞いて里を飛び出したようです。
その内容というのがこれまたすごいんですよ!
『界樹様は最終的に妖精以外の種族を滅ぼす決断をなさった』
えっ! 極端な話だなぁ。
ハデスマンが驚きますが、フォーネはその話を聞いて里を飛び出してきたようです。妖精族の自分がいればその場所が狙われないかもしれないと思ったんだとか。
フォーネも負けず劣らずなお人好しですね!
しかし今、妖精族以外の種族も生きていますし、ちらほらと妖精族の登場人物もいます……何か関係あるんでしょうか。いやそもそも界樹の気が変わったんでしょうか?
分かりませんが、フォーネはハデスマンの制止を聞かず、あの村に孤児として身を寄せることにしたのです。
フォーネは再会を誓いますが……このときのハデスマンは再会することを拒絶していて、それがなんとも面白く……悲しくもありますね。
だって今のハデスマンは、心の底からフォーネに出会いたいでしょうから。
再会
そしてまた現在の……現実? です。意識なく横たえられたハデスマンを見たプンプク。初対面のはずですが……ハデスマンをどこかで見たことがあるようなと声に出します。
眠るハデスマンの頬に優しく触れるのはフォーネらしきフユウデの左手。
またシーンが変わり、今度は幻術のようなモヤがかった世界。なんとなく雲っぽいですね。
雲……? セイテンのスキルが雲だったからか?
それもあるかもしれませんが……雲と言えば、とある神様が頭に浮かんできますね。
そこに一人いるハデスマン。どこだろうかと思っていると、目の前にフォーネが表れます。
回想にあった昔の姿ではなく、髪留めで前髪を上げたあのフォーネですね。
幻術かと思うハデスマンですが、しばらく会話して本物のフォーネだと確信します。革新するんですが、その会話がなんとも言えません。
ハデスマンの自虐ネタというか……。
しかしこの会話中に『とある神様のおかげ』とあり、やはり前回のあの謎の人影はあの人……あの神様だったっぽいです。
人影についてはこちらの記事もどうぞ!>>【不徳のギルド】第90話『君がよく見える場所』――残ったのは、あなたたちとの思い出【ネタバレ感想】
フォーネは優しい人たちにハデスマンが出会って止めてもらえてよかったと口にします。そして、ハデスマンを探し回ったときのことを思い出したと言います。
ここでまた回想。それは最初の出会いからしばらくした後……から5年。フォーネはあちこち探し回ったそうですが、ハデスマンはひっそりと暮らしていたみたいです。なんか彫刻っぽいものを作ってますね……趣味なんでしょうか。
なんか見覚えある気もするな。
ある気もしたのですが、分かりませんでした。
ただ、チカエルの部屋はとてもキレイに整えられていて、子どものために必死にハデスマンが用意したのかなとか思ったら可愛いなと思いました。
自分の部屋はわりと適当な感じだったんで……チカエルはとくに女の子なので気を使ったんでしょうか……お父さん!
チカエルが恋人連れ帰ってきたら頑固親父になるタイプだったんでしょうか……。
どっちもありえそうだなぁ。
ともかく本編の話に戻りますが、フォーネと会話してから5年間。誰とも話しせずに引きこもっていたそうです。
それでも村の近くにはいたっぽいので……ひそかに見守ってたんでしょうね……ハデスマン……。
ここでフォーネが話し相手になるというのですが、「ツチガミ」と彼のことを呼びました。そう。まだ彼の名前はないときですね。
そしてここで……孤児院の先生はまだハデスマンの写真を飾っていたんだとか……。そのおかげでまだ人の姿を保っていたんですね。
そうか。まだいてくれたんだな……あの時かばって、ひどい目にあっていた気がするが。
だからこそひっそりと……ツチガミのことを思っていたんでしょうね。
そんな思い出を語っていたんでしょう。並んで座っていた二人。フォーネは「ワンダを許してあげて欲しい」と言いました。
環境さえ違えば、彼が道を間違えることはなかったから、と。
フォーネは……ワンダを恨んでいないようです。まぁ、もうひとりはアウトですし、それなりのことになりましたが。
ハデスマンはフォーネが言うなら……いえ、何よりも自身に彼のことをとやかく言う資格がないと思います。
凹む彼の耳に聞こえたのは、家族たちの声でした。顔を上げれば、なんと! キムジナー・ホライゴン・チカエルがそこにいるじゃないですか!
初めての全員集合
彼らもなぜかよく分かってませんが、チカエルはフォーネに泣きつきます。どういう状況下は分かりませんが、死んだ後でも再会できたんです。
ハデスマンはそのことを嬉しいとは思ったでしょうが、それ以上に責任を感じて謝ります。自分のしでかしたこと。そのせいで3人に辛い選択をさせてしまったと。
自分が「我慢」すればよかったのだと。
そうやって……我慢しすぎた結果、とも言えますよね。もっと早くに別の形でその辛さを発散していたのならば。
ハデスマンは悪くないと言いたいが、関係ない人たちも巻き込まれてたりするだろうしな……どっちが悪いと言い切りにくいぜ。
最終的に手を出したほうが負けとはいいますが、先に手を出したのは人間側。そしていくら長年生きてきた神様とは言え、そこまで心を傷つけられて冷静に対処するなんて……出来ないだろうとは思っちゃいますね。
むしろ40代以降の人だけに狙いを絞っただけ、冷静だったかなと思えるくらいです。
とはいえ、チカエルもキムジナーもホライゴンも、誰もハデスマンが……彼だけが悪かったと思う人はいません。
と、ここでフォーネが一言。キムジナーたちは帰れる、と言いました。
ここは天国と現世の間みたいな場所らしいですね。そして他の魔物たちや関係ない人たちも、戻れるそうです。
たくさん魔物たちも亡くなっちゃったもんな! 良かったぜ!
今回の闘いは多くの神様たちが見ていたんだそうです。
現実ではキムジナーやホライゴン、チカエルたちの身体が消えていますが……救いに値する、という判断をしてもらえたみたいですね。
無差別に殺すようなことがなかったおかげ……それも、キクルたちが命がけで止めてくれたおかげでもあります。
キクルは神様と関係あるっぽい話もあるので、そのせいもあって神様たちが余計に注目していたのかもですね。
で、でも……フォーネは無理なのか。
さすがにもうフォーネの身体がないため無理っぽいですね。ですがフォーネは戻れたとしてもハデスマンと一緒にいると言います。
三人も一緒に行くと言いますが、細かいことは気にせずに生きるようフォーネは言いました。この時の彼女の表情は大人びていて……ハデスマンと最初に出会った時から年を経ているんだなと感じました。
プンプクのこともお願いしたい、とフォーネが言います。ハデスマン以外はプンプクのことを名前しか知らないみたいですね。
ここでプンプクがたぬきの魔物だった、と明かされます!
以前……第85話で魔物よけにハデスマンが苦しんでいた時……その様子が皆にハデスマンの襲撃について離していたプンプクの苦しみ方と似ている、という話をしました。
>>【不徳のギルド】第85話『夢から醒める時』――生きたいなら死に、死にたいなら生きる【ネタバレ感想】
他にも、魔物が襲ってきて退いた時……気配がなくなったことを察知しているので、これもきっとプンプク=魔物の伏線だったんでしょうね……河添太一先生、どんだけぇ。
ちなみにそれが今から10年ほど前だったそうなので、プンプクが幼く見えたのはそのせいかもですね。
怪我していたところをフォーネがハデスマンのところに連れて行ったようです。普段面倒見ていたのはハデスマンだったはずなのに、フォーネの方によく懐いていたんだとか。
ハデスマン……ちょっと拗ねてるな。
怪我が治って野生に返そうとした時、ハデスマンはふと思ってしまった。村で孤立がちなフォーネに寄り添ってあげて欲しい、と。
そんなハデスマンの想いを受けたプンプクは神性を帯びて人の姿になったんだとか。
これにより、ハデスマンは魔物の想いからでも神性化できることを知ったみたいです。
それから……キムジナーたちにスキルを使って知恵を与え始めた。つまり、長女はプンプク。
周囲に必要とされていた、過去を忘れられなかったと言うハデスマンですが……悪いことではないでしょう。
みんなが慰めてくれるものの、凹んだままのハデスマン。本当に素直で優しい人過ぎますね。
フォーネが言います。ここで行うのは葬式ではなく、結婚式だと。
好きなところ一つ
ここで思い出してほしいのが、フォーネのフユウデは右手ではなく、左手だったということ。
フォーネは左手で会いに来た……ああ……あああッ
ここで現実に戻ります。
ハデスマンには、彼女に渡そうとして、渡すことが出来なかったものがありました。
もう永遠に渡せるわけがないと思っていて、それでもずっと持っていたもの……指輪を彼は服のポケットから取り出します。
無言で見守るプンプクとセイテン……ここに、余計なセリフは不要ですね。
またあの不思議な空間に戻り、フォーネは涙ぐむハデスマンをなだめようとしますが、ハデスマンからすると仕方ないことです。
渡すことが出来ない、資格すらないと思っていたのですから。
くしくも、ここには家族が全員揃っています。プンプクもいます。
フォーネが「好きなところ一つ言ってからはめて」と言い出しました。
ハデスマンは過去を思い出します。フォーネが今の髪型に変えたときのこと。
目が悪いハデスマンでも見やすいように、と前髪を上げた今の髪型にしてくれたみたいです。
ただこの時の髪飾りには花はなく、シンプルでした。
ハデスマンは装飾を足してあげる、と言ってました。プンプクがいま手に持っている髪飾りには花がついていましたから、きっとそれが……。
そんなことを思い出してようやく少し笑ったハデスマンは
「お顔がよく…見える事でしょうか」
「えぇ~?
何ですか それぇ」
ここ、ハデスマンの口元だけとか、手だけとかが……逆にいい。
あえて表現されてないが……だからこそ、それぞれでフォーネたちの表情が想像できていいな!
そしてまた現実へ。フユウデの手を取っているハデスマン。見守っているプンプク……なんといってもここで、タイトルが!
【第91話】もう一度私を愛して
余計なセリフはなく……いや、なくていい。
ここはね……もう……ほんと……見て欲しい……もうそれしか言えない。
皆笑っていて……たしかにこれは、愛の物語だったのだと。
愛の物語を見たくなった方は↓コチラ↓でどうぞ! ここだけでも見て欲しい。本当に……良かった!
うおおおおおおっはですまああああん、ふぉおおおおねーーーーー!
まとめ
ということで……もう、なんといいますか。まとめなんて良いかなって思ってしまうお話でした。
途中途中、他の神様の話とかもあってそれも気になるんですけどね。
ぅおおおおおおうおおうおうぇええええええん
えっと……親方が号泣しているので簡潔にまとめます。
- どこかの雲の神様っぽい人たちの介入のおかげで、キムジナーたちは蘇るっぽい
- プンプクはたぬきの魔物で、ハデスマンの想いで神性を帯びて人形になった
(ただプンプク本人は覚えてない) - 関係ない他の魔物や人々も復活?
- フォーネとハデスマンはこのまま……だけど、無事に結婚式をあげられた
ということで、次回はこの事後処理? の話になりますが……不徳のギルドっぽい話も来るのでお楽しみに!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
わぁあああああん(まったなー!)
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