【婚約者は溺愛のふり】第19話――どれだけ努力しようとも認めてもらえず、暗雲が立ち込め……る?【ネタバレ感想】
婚約者殿はすごい人たちと付き合っていた、のは知っていたもののまさかその一人がお姫様だったとは!?
という、衝撃的なことが分かった前回。
家柄だけでなく美人で性格も良さそうな姫様。今後も登場してくれそうな雰囲気があって、ラチエルと仲良くなってくれるのではと楽しみに思っていますが……今回は少々ラチエルが辛い立場に。
誰か助けてやってよぉ、と思っていたらファハドが……ファハドがああああああっ!
ラチエルの苦境もなにもかもを最後の1ページで持って行ったいい男代表ファハドが読めるのは↓こちら↓です!
前回のあらすじ
元カノがすごすぎた。
ラチエルが養父とともに王宮へ上がることになった。めったにない機会だと張り切るラチエル。
準備中に屋敷にやってきたカザンはファハドとラチエルが町中を歩いていたのを見かけて凹んでいたが、二人のそれが演技だったと知って少しホッとする。
ラチエルは養父とともに王宮へ。
とはいえあまり出しゃばらずにと思っていたら、ファハドの関係を根掘り葉掘り聞かれる。第8王女のコルディーヤ姫がファハドの元カノであり、姫のおつきの者たちがファハドと姫のよりを戻そうと、今回ラチエルを呼んだのだ。
コルディーヤ姫は部下の非礼を詫び、気にするなとラチエルに声をかけてくれ、ラチエルはそんな姫に商品の説明をしっかりと行い、ちゃんと実績を残した。
ファハドは元カノと出会ったという話をラチエルから報告を受け、さらに知らぬ間にカザンとも出会ったことを知らされてもやもやするのだった。
前話より
もやもやファハドが可愛く見えてきた。
今回のポイント
別の人です、という一言に凄みを感じる。
- 久しぶりのイヴァとのいつものやりとり
- ラチエルの頑張りは、こうしてかき消される
- 動じないファハドの一言がまさかの――?
最後の1ページがやばすぎた。
帰って来たイヴァとのいつものやりとり
前回はイヴァがお休みだったので、2ヶ月ぶりのイヴァとラチエルのやり取りから始まります。やはりこの二人のやり取りは和みますね。
お姫様見たかったというイヴァに、ラチエルもイヴァにいて欲しかったと言います。
この二人の会話は例えが面白いですよね
今も「婚約者の元カノがハイブラのアンバサダーになる」とか、現代人でわかりやすい例えしてくれてるな。
結構ミーハーな感じがまたいいですね!
ラチエルも自分が無関係なら普通にその話で盛り上がれたかもしれませんが、さすがに本人に「なぜ別れたのか」「付き合ったきっかけは」などは聞けなかったみたいですね。プライバシーの侵害だ、と。
不安だから聞いたという言い訳に対しては、最初から不安だからとネガティブモード。
そのあと、イヴァが冗談で悪女ポジがいいそうなセリフ(ファハド様は私の方を選んだの、的な)を良い表情で言います。これは……縁起でもラチエルには出来なさそう(笑)。
と、思っていたらイヴァがせっかくなのでやってみて、と促してラチエルもやってみようとするわけですが……冷静になって「いや、姫様と自分はぜんぜん違うから」と拒否します。
ラチエルとファハドの関係は利害関係から始まっていますからね。イヴァも冷静に「自分のポジ理解してて偉い」と主に向かって言ってますし……やっぱりイヴァ好きです。
そこでラチエルがイヴァからファハドの元カノは凄いと聞いていた(自信をなくすから元カノが誰なのかは聞かないほうがいい、と以前言ってました)のでなんとか助かったとお礼を言いますが、イヴァが聞いていたのは別の人だったらしいです。
まぁつまり、ファハドの元カノたちは他にもすごい人たちがたくさんいた、ということだな。
物腰が柔らかく、仕事ができて、実家もお金持ちで、イケメンで……モテないわけがないですもんね。
ラチエルも当然、どんな人達が彼女だったのかは気にはなるわけです。
内心、これは嫉妬なのかとか焦ったみたいですね。普通にファハドのことは好きではあっても、大抵の人はファハドに好感を抱くだろう、と納得しています。
しかしその比較としてカレーを出すのはどうなのかと……いやまぁ、カレー嫌いな人は日本人とかなら少ないですが。
色んな人たちと付き合っていたのかと、ファハドのことを改めて凄いなぁと思うラチエルでした。
何せ彼女は深い関係になること無く7人連続でフられ続けてますから、本当に自分に自信がないみたいです。
ジャハリー家の財政赤字の原因
ラチエルは今好調な工房の売上を維持するために、養父に下手に生産力を増やしてブランド力を落とさずにやろうと提案します。品質維持や職人の育成、あと内装の工事など細かいことも伝えていくのですが、養父の反応はあまりよくありません。
いえ、養父自体はラチエルの提案を良いと思ってはいるものの、大オジがなんと言うか……というところです。
それでも、養父に頼むしかラチエルには手がありません。大オジはラチエルの言うことなど耳にも入れてくれませんからね。
んー、でも養父の言葉も聞いてくれなさそうだが。
養父はそれでもラチエルが一生懸命ジャハリー家のために考えてくれたことだから頑張って話してみる、と約束してくれますが……ラチエルの実績はまだあまりなく、机上の空論でもあるため、説得は難しいだろうとラチエルは冷静に考えます。
本当に優秀なんですが……連れ子であることや元の身分が低いことがラチエルの足を引っ張り続けてますね。
どうも親族経営の極みにきているのがジャハリー家っぽいですからねぇ。思い切った内部改革が必要であるものの、ラチエルには実績を上げるチャンスすら来ません。今は養父を通してなんとか地盤を固めていくしかなく……とても地道で長い道のりです。
それでも、ファハドのおかげで少し巧妙が見えたから先に進もうと、工房での打ち合わせに向かうラチエルですが……工房には工事の手が入っていました。経理であるラチエルも知らない工事です。
そんなラチエルに声をかけてきたのは大オジ。なんと、養父のイスファンにも通さずに拡張工事をしているみたいです。
いやまった! ジャハリー家の組織図ってどうなってんだ?
誰がトップで誰がどこの店を管理してるんだ?
んー、そこが良くわからないですね。
しかし大オジといえどイスファンにも何も言わないでするのはおかしいとラチエルが言っているのでおかしなことではありそうです。
そしてそんな大規模な拡張工事をするお金などないはずで……無理な融資を通したそうです。それだけでなく、ラチエルにファハドからお金をせびってこいなどと言ってくる始末……読者でありますがこの大オジを殴りてぇ、と思ってしまいました。
ラチエルはもちろん「お金せびってきます」などど同意することはなく、「自分には大オジの素敵な計画を伝えることは難しい」と皮肉を言ってその場を去ります。
しかしその晩、ラチエルは凹んでました。彼女の計画とはまるで間逆な大おじの戦略。しかも誰にも告げずに勝手に行っている。むちゃくちゃですね。
イヴァがラチエルを心配しますが……ラチエルは大丈夫だと彼女を休ませます。
一人になって考えるラチエル。もちろん大おじの戦略が当たる可能性もありますが、いろいろと問題が多すぎます。そもそも経理にも通さずに大規模な借金をしてくるとか、普通にありえません。こんな無茶をし続けるなら、家の再興などできないでしょう。
ファハドの口から、ついにその言葉が!
ラチエルはそれでも自分にできることはと考えて、大おじから言われた「ファハドからお金を」の言葉に、ファハドに家の状況を伝えなければと彼に会いに行きます。
そしてラチエルはファハドを自室に招くのですが、椅子を別の部屋へ運んでいたのでベッドに並んで座ることに……いや、ファハドはラチエルが一脚だけある椅子に座って自分がベッドにというのを想定していたみたいですが(笑)。
無言で頭の中で向かい合っている自分たちを想像しているファハドが受けるぜw
ラチエルは言い淀みながら「自分たちは別れたほうが良いのかも」と言います。はは、と軽く笑うファハド……この時、彼は何を考えていたんでしょうね。
そして詳しく話し始めます。大おじが大きな借り入れをしていたことを。そしてそれがうまく行かない可能性が高いとラチエルは思っているということを。
ファハドが金銭的なフォローをしようかと言いますが、ラチエルは首を横に振ります。つまり今回のことで、ラチエルがジャハリー家の再建を目指すことも現実的ではないかもしれない、と告げるのです。
いくらお金があっても、今回のように経理も通さずに大きな借金を勝手に作ってくるようなガンがいてはどうにもなりません。組織改革したくても、ラチエルは身分が低くて難しい。数年ではきかないくらいの時間が必要だと。
そんな家の状況にファハドを巻き込めないから、別れたほうがいいだろうとラチエルは思ったわけですね。
なるほどとファハドは納得し、気遣いに感謝しますが元々長期的な計画だったのではないかとラチエルに言います。ラチエルもすぐになんとかなるとは思っていなかったので、その指摘にはつまります。
さらにいえば、ファハドはラチエルと分かれると2度連続で婚約破棄になった男ということで世間の心象が悪くなります。ラチエルは本当に申し訳無さそうですが、このままではジャハリー家のごたごたに巻き込んでしまいますし、ジャハリー家が破産した後で婚約破棄はさらに悪評になってしまう、とも思います。
姫様ともお付き合いできるようなちゃんとした人なんだから、そんなことしたくないと言うラチエルに、ファハドは笑います。少しは自分のことを気にしてくれていたのだなと。
実家が危機に陥っていることを早めに伝えてくれたラチエルに、ファハドが提案をします。
「なら、俺からもひとつ提案があります。
結婚しませんか、ラチエル」
そうか、結婚……え? 結婚、だとおおおおおおおお!
な、なんだってーーーーーーー!
で、今回は終わってました……こ、この状態で1ヶ月はつらい……つらいですよ、仲野えみこ先生ぇえええええ!
まとめ
という感じで、途中までは大おじのせいでむかむかしていたのが、最後の1ページですべてを待っていかれたのが今回のお話です。
途中までは本当に、あの男のせいでラチエルの努力が水の泡に……と思っていたが、まじで最後にファハドがさらっていったな。
いや、さすがファハドですね……最高の色男!
とはいえ、結婚したらどうなるんでしょう? ますますお金をせびってきそうな気もしますが……いやでも、ラチエルの身分が向上して口出ししやすくなる……? もしくはラチエルが独自で工房を持つというのも見えてくる?
幼馴染のカザンが気になるところではありますが、カザンではジャハリー家の経営云々は絶対に無理ですしね……ラチエルの母親がイスファンと再婚していなければ。普通の家庭ならば、ラチエルにとってはカザンのほうが良い気はしますけどね。気兼ねなく接することが出来ますし。
うぅ、次回からまた展開が変わりそうでわくわくしますね! 待ち遠しい!
次回を楽しみにしつつ、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
ラチエルの答えが気になるぜ……じゃあ次回までまったなー!
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