【婚約者は溺愛のふり】第20話――勇気が出なくて、その一言を飲み込んだ【ネタバレ感想】
けけけけけけけけ、血痕……いや、結婚だって!?
という、なんとも引きのあるセリフで終わった前回。きっと皆さん「あのあとどうなったの?」「というか、ファハドは何考えてるの?」ともやもやしたことでしょう!
私は滅茶苦茶モヤりました!
今回もね……中々ですよ、奥さん。「ふぉふぉ? ファハドくん? その話ちょっと詳しく?」とにまにましながら近寄りたくなりますし、「いや結局何がどうなってそうなったの?」という終わり方になります。
気になりますよね? そんな風に気になった方はぜひともネタバレ前に本誌で『婚約者は溺愛のふり』第20話を確認してみてください。
では元気よくネタバレ行ってみましょう!
前回のあらすじ
ラチエルが辛い。
戻ってきたイヴァにファハドの元カノである姫様との出会いについて話すラチエル。
付き合ったきっかけ、別れた理由などが気にかかったりしたのを嫉妬かともラチエルは思ったものの、イヴァも気になるという話を聞いて「誰もが気になることなんだ」と安堵する。
ジャハリー家を立て直すため、人気の工房の生産力を下手に高めてブランド力を落とすのではなく、ブランド力を維持したままこのチャンスをものにしようと養父に提案するも、大おじがとったのはラチエルとは真逆の戦略。しかも経理であるラチエルにも、責任者の養父にも話を通さずに多額の借金をして拡張工事を進めていた。
このままでは家の再建はままならず、ゴタゴタに巻き込んでしまうからとファハドに別れを切り出すも、ファハドから……結婚しないかと言われて――?
前話より
その時、ファハドが動いた。
今回のポイント
やはり細目は面白いキャラ。……けどイヴァはやらん。
- 珍しい押せ押せファハド。
- まったく気持ちが伝わっていないラチエル
- なのに最後はふたり手を繋いで……?
一体どんなことを話し合ったらそうなるの?
慌てるラチエルVS迫る(?)ファハド
あまりの驚きに冷や汗をかき「なぜ」と言ってしまうラチエルに、ファハドは「はは」と短く笑います。
ラチエルが混乱してしまうのも無理はないですね。なにせ彼女は今まさにファハドへ別れを提案したところですからね。別れを提案して「結婚しよう」ですから動揺するのも無理はありません。
けっこん、とは結婚のことででも今別れの話を、と動揺しきっているラチエルにファハドが冷静に声をかけていきます。
ジャハリー家が危ないから別れようという提案なのですが、では別れたらラチエルはどうなるのか、とファハドは言います。他へ融資を頼むのか、という問いにラチエルは今の状況では巻き込めない、と。
しかしラチエルは元々家の状況をなんとかしたいためにファハドと婚約したはずです。だから一緒に解決すれば良い、と。巻き込んで利用すれば良い、と。
これをラチエルの片手を握りながら言うんですよ……キュンってやつですね。
ちょっと冗談気味に「金目当てでたぶらかしてきたのに良い子にならなくても」って言ってちょっと和ませてるのもいいな。
ラチエルは慌ててますが、ファハドが微笑んでいて……このやり取りが二人っぽくていいですよね~。
それらを終えてから、ファハドはまた落ち着いて結婚をするメリットについて説明し始めます。
今の状況ではファハドはジャハリー家からすると他人ですが、結婚することで身内になるので口出しがしやすくなります。さらに出資をするとなればさすがに無視はできなくなり、ラチエルも動きやすくなる。
あと……このあとがとってもいい!
「あとひとつは
ジャハリー家が本当に潰れる事があれば
あなたを連れて逃げられる事」
ヒュー!
言うじゃないか、ファハド!
あの色気たっぷり余裕たっぷりなファハドが真剣にこんなの言ってくれたら、どっきどきですよね!
ラチエルは一瞬言葉を失ってから「駄目だ」と言います。ただまぁ、彼女がそう言うのはファハドも分かっていたのでしょう。だから一緒に考えようと言います。
しかしそれでも、ラチエルは首を横に振ります。仕事に関して冷静で数字に強いラチエルだからこそ、ジャハリー家がどれだけ危ないかが分かるわけです。今度その危ない状態についてちゃんとファハドに見てもらおうとラチエルは考えます。
と、断ったもののラチエルはちゃんとお礼も言います。こんな状況でもラチエルを見捨てないでくれるファハドは良い人だと。
いや違う違う、ラチエル!
これはどう考えても……本当に恋愛ごと苦手なんだな!
ファハドは、やはり大きく表情は変えませんが、どこか落ち込んだ顔で「違う。自分は」と言葉を途中で止めます。
そして「ふられた」と笑うんですけどね!
この表情がいつもと違うんですよ。
右目の下にかすかに描き込まれた線のせいか、本気で「ふられた」と凹んでいる感じに見えるんですよ! 今までの余裕があるファハドの微笑みではなく! 悲しそうに見える!
ラチエルはまた慌てて「ふってない」と否定して、ファハドは「ははは」と笑い返してますが、このシーンでは建物の外が描かれているのでどんな顔をファハドがしていたかはわかりません。
ですが先程の微笑みは、たしかにいつもの彼のものとはどこか違った……言葉にするのが難しいので、ぜひ↓本誌↓で確認して見ていただきたいです! その前の表情や言動も相まって「うぅっ」てなります!(語彙力)
振られたファハド――振られた経験がなさすぎてビビった?
翌日。
いつものように丸まっているファハド。いつもクールな彼は、朝に弱いんですよねぇ。
従者のイーサンがそんな彼を起こしに来ます。そしてイーサンは昨晩、ファハドが婚約者のラチエルに部屋に呼ばれたことを知っているため、結婚は秒読みかと聞き、明日ならば贈り物を買いに行く時間がある、と伝えます。
あー、まぁ。
イーサンからしたらそう思うわな……いやでも違うんだ。
否定されて、イーサンは少し驚きます。漫画なのでわかりませんが、もしかしたら声の感じもいつもと違ったのかもしれませんね。
細目――イーサンはやっぱり良いキャラしてる
何かあったのかというイーサンに、シンプルに「別れ話だった」と答えるファハド。嘘を言っても仕方ないからでしょう。表情は普段通りに見えますが、結構凹んでるかもしれません。
イーサンは一瞬固まって、それから「婚約して初めて部屋に招かれてした話が別れ話ってラチエルって面白い人?」と、楽しそうです。他人事だからでしょうね。
この次! この次が、今回ある「ふぉおおおおっ」ポイントのウチの一つです!
なんだよ、そのわけわからないポイントは!
好きとか伝えたのかと確信を聞くイーサンに「勇気が出なかった」とファハドはあっさり告げます。
……え?
これはつまり、ラチエルを「好きだ」と認めたってことか!
そういうことになります。まぁ、ファハドは表情があまり変わらないので口にしてくれないと本当に何考えてるのかわからないですからね。
しかしながら、イーサンもファハドの言葉に驚きます。――本当に好きだったのか、と頬を染めています。
イーサンは自分自身の存在を「なんとも思っていないのに無理やりくっつけようとしてうざがられている友人ポジション」になっているのではと思っていたそうで。
ああ、うん。
ファハドも言っているが、自己分析はあってると思うぜ。
残念ですね、と眉を下げながらもどこか楽しそうなイーサン……まじでいいキャラです。
さらに詳しく聞きたがるイーサン。これには激しく同意。私も聞きたいですが、ファハドは無視して事務的な話をします。
ラチエルが今後の話を相談したいと言っていたから、明日は時間が取れそうだと伝えてほしいという。
イーサンはそれでも「(好き)と伝えたらなにかが変わるかも」と言い募りますが、好き嫌いという問題ではないところで出た別れ話だから、と告げます。それで納得するイーサン。
ようやく黙るかと思ったら
「今までに両思いにならなかった事がなさすぎてびびっちゃった訳ではないんですね」
「先行きます」
ここはファハドの表情が映っていなくて、背中だけ描かれてるんですが
イーサンって冗談めいた一言で本質ぶち抜くキャラに思えるので、ファハドとしても経験ないことで悩んでるのではと。
ハイスペックでモテすぎる男だし、ありえそうだな。
そうじゃない。そうじゃないよ、ラチエル!
一方でラチエルは資料を準備してました。ファハドにジャハリー家の危なさを知ってもらうために、です。
財政状況もそうですが、改善のしにくさが問題で。
そしてラチエルの思考はファハドへと移ります。結婚を切り出され、彼のことを誤解していた、と。誠実であることは知っていても、もっと自分の利益を追求し、結婚とかも出来ればしたくないタイプかと思っていた、と。
最初に契約したときも、合わなければ別れれば良いとか言ってたしな。
まぁ、それを知っているラチエルとしては、たしかにあっさり「結婚」と言われても信じがたいかもですね。
そうしてラチエルはさらに深く考えていきます。普通は結婚なんて言い出さないはずだ、と。互いに事業に関わる者同士。損得計算は得意です。今のラチエルと結婚してもファハドに得はない。
なのに結婚を持ちかけた、その理由は何なのかとラチエルは真剣に、真剣に考えて思うのです。
「責任感が凄く強い」って、ちげぇ!
いや、責任感はあるだろうが、そうじゃねえ!
おそらく、親方と同じツッコミを読者はみんなしたことでしょうね。私もしました。
婚約者はどれだけ親しくしていても、『まだ』身内ではない
ファハドはラチエルから渡された資料を見て、彼女がどうして絶望的と思ったかを察しました。申し訳無さそうなラチエル。
今回の借り入れが決定打になりそう、というファハド。予想以上に危なそうですね。
よく借り入れることが出来たな、というレベルみたいです。審査が通らなければ良かったのにと嘆くラチエルに、しかしファハドは冷静に資料のおかしな点を指摘します。銀行の名前を口にし、ここから借り入れたのかと確認。
ラチエルは同意します。そこは昔からの付き合いがあるからなんとか借り入れられたのだろう、と。
しかしファハドはその銀行とも付き合いがあるらしく、最近は特に審査が厳しいので古い付き合いでもこの状況で融資が通るとは思えない、と。
大オジの言葉の雲行きが怪しいですね。
まともなところは通さない融資って……コワすぎる。
ファハドは「検討中」の可能性がある、と指摘します。
全店舗改装を、と言っていた割に未着工の店舗があるみたいです。物事を大きく言う癖もあるらしいので、もう一度ちゃんと確認すべきでしょうね。
その後も色々と相談に乗ってもらうのですが、何かとファハドが身内であるかどうか、が関わってくる話題になってきます。ファハドが融資しようと提案した時に身内なら税の優遇がと言っても、まだ婚約者なので身内ではなく。
大オジは身内贔屓なところがある、といってもファハドは身内ではなく。
とりあえずファハドのおかげで改善点が見えてきてお礼をいうラチエルですが……その話を聞いたイヴァはファハドが本当に頼りになる、と褒めて「大事にすべき」と言います。
ラチエルとしてもそうしたいものの、ラチエルにできることがほとんどない。
イヴァは首を傾げて「ファハドはどうしたいと言っていたのか」と言うのに、ラチエルは黙り込んでしまうのでした。
VS大オジ勃発?――二人のラブアタック?
また別の日、でしょう。ファハドが部屋から出るとドアの直ぐ側にラチエルがいました。驚いたラチエル可愛い。
しかしファハドも当然びっくりします。驚いたからか。珍しくファハドの表情が崩れ、頬に汗が浮いてます。
とはいっても、ファハドにしては崩れてるだけですが
でもなんていうか、ラチエルに出会えて嬉しそうにも見えるぜ。
好きだった、という話を聞いた後なので余計にそんな感じにも見える絶妙な表情です……イイ。
待ち伏せみたいになってしまって、と謝るラチエル。勇気が出なかった、と。
ラチエルは若干目を伏せるような、これまた彼女にしては珍しい表情でファハドに相談がある、と言います。
……え? 一体全体何があった?
ジャハリー家の改装中の店舗に、問題を起こしてくれている大オジがいました。やはり全店舗に手を付けるのは難しいみたいですね。
それでもまぁ大丈夫だろうとか思う大オジ。何が大丈夫なのかちゃんと数字を交えて話してほしいものです。
そこへやってくるラチエルとファハド。大オジに店舗の改装が終わったら一番に自分たちへ貸して欲しい、と言います。設計に少し自分たちも関わらせてほしい、ファハドも多少出資する、と。
出資するとなったら多少の口出しは当然可能になるな。
けど何するつもりだ?
気になりますよねぇ。次の一言が、まじでびっくりですよ?
「わ、私たちの結婚式をそこでぜひやりたくて…」
そうか。結婚式……えっ?
というところで今回は終わりでした。
まとめ
前回の「え? 結婚?」という引きがあってからの、ファハドがラチエルを好きと認めたうえでの、「え? 結婚?」という引きで終わるという、まさかまさかの会でしたね!
ですが前回はラチエルが苦しそうだったので、希望的な展開が見えてきて私としては嬉しいですね。
とはいえ、本当にどんな話し合いがあったのでしょうか?
うぅ、気になるなぁ……でもまた来月までまたないとなんだよな。
待つ苦しみ……けど、待つ楽しみもある! そんな漫画『婚約者は溺愛のふり』を今後とも楽しんでいきたいと思います!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
まさかの2ヶ月連続の「え? 結婚するの?」という引きで終わった今回。珍しいファハドの姿が見たくなった方は、ぜひ↓本誌↓でご確認ください!
読み返したくなったなら単行本をどうぞ!