【アニメ-悪役令嬢転生おじさん】第1話『おじさん、悪役令嬢になる』――見識のある親御さんに大切に育てらました【ネタバレ感想】

悪役令嬢転生モノ。
もはや一大(?)ジャンルになりましたが、そんな中でも一風変わった悪役令嬢ものが、今回ご紹介したい『悪役令嬢転生おじさん』です。
令嬢とおじさんというあまりにもかけ離れた単語がくっついていますが、本当にタイトル通りの内容です。
主人公の悪役令嬢グレイスの中身は転生者なんですが……なんとおじさんです。50代の。
娘がいる上に家族揃っておたくであり、娘がプレイしていたゲームをちろっとしっていたがゆえに転生先が乙女ゲームの中であって、自分のポジションが悪役令嬢であることも知ります。
なんでおじさんの自分が、と思いつつも悪役令嬢としての役目を全うしようとするものの、学園に通っているキャラクターたちは子どものような年齢です。つい親目線になってしまうおじさん。
漫画も好きだったのですが、アニメになることで心の声(&姿)がおじさん。もちろん表面上は見た目も声も女性という、それだけで面白い事態に。
今回はそんな面白い作品の導入部分になるんですが、乙女ゲームっぽい要素もしっかりと表現されていてよかったです。
感想見る前に実際のお話を見たくなった方は↓コチラ↓からどうぞ! おじさんの声が良すぎて辛い。
あらすじ

52歳の公務員、屯田林憲三郎交通事故で死んだ……はずが、娘がハマっていたゲームの悪役令嬢グレイスとして生まれ変わっていた。
彼は真面目に悪役令嬢としての役目を全うしようとするものの、前世の経験や精神年齢からつい親御目線になってしまう。
また、庶民的な言動も優雅手者に変換するチート能力も加わって、周囲の評価が上がっていく。
それだけでなくフラグも次々に立っている……ような……?
異世界で生き抜くため、おじさんスキルを駆使していく令嬢=憲三郎の物語。
心の声が渋くて素敵なご令嬢。
今回のポイント
おたくな家系。
- 前世のシーンと現世のシーンの良い混ざり具合
- ゲームっぽいがくどすぎない描写
- イケおじボイス
好感度アップ描写。
悪役令嬢の秘技
始まりは交通事故の場面からで、ついで倒れたまま目を見開く金髪の少女へ。だというのに、ナレーションのように聞こえる心の声はイケオジ。
馬から落ちてしまったという彼女に心配で駆け寄ってくる人たちに返事をする声は当然女性のもの。でも、冷静に状況を見定めようとしている心の声はイケオジ。

うおおおおっしょっぱなから頭が混乱するぜぇ!

美少女が動いていて、表向きの声も少女なのに、心の中の姿はおじさんで声もおじさん……「?」となりますね。
そしておじさんですが、異世界転生を理解できる程度のオタク知識があって、娘もオタクで和やかな会話しているとか……情報量多い!
とはいえ、さすがに乙女ゲームそのものに詳しくないため、どのように生きていくべきなのかを悩む憲三郎=グレイス。
今までの記憶もあり、相当キツイ性格だったというのもちゃんと説明してくれるんですが、その描写の仕方もいいですね。高飛車な声で命令している声が流れつつ、その拝啓に文字も流れていきつつ、おじさんの声で説明。
だから情報量!

で、OPの始まりの映像がドット絵のレトレゲームっぽい画面が表示されるのがいいですねぇ。

しかも最初の方はおじさんの日常が流れてるしな……まったく知らずにOPだけ見たヒトは「おじさんの物語?」と思ってしまいそうだぜ。

でもゃんと転生のきっかけからどんな感じになるのか、ワクワクする映像ですね!
OP後は憲三郎と娘の会話です。娘が乙女ゲームをリビングで堂々としている中、それを見て笑っているお父さん……イイ家族ですなぁ。
画面に写っている縦ロールのお嬢さん=グレイスについて説明を受ける憲三郎。昔のアニメの話を出すんですが、なんとピー音は声優さんがそのまま読み上げ……いいの?
と、転生後に場面が切り替わり、そのときに見たことを考えていろいろと説明してくれます。
異世界もの、貴族制度や魔法がある世界で、さらには学園モノであることが分かります。

女子の制服が割とミニスカだったり、全体的に現代風デザインなのは……まぁ乙女ゲーだからなんでしょう。

グレイスだけちょっと違うが、よりグレイスのキャラを引き立てるデザインになってるな。
憲三郎には娘がいる
そして正門にてこのゲームのヒロインが盛大に転ぶシーン。どうやらドジっ子らしいです。
娘から説明を受けるシーンと今現在のシーンがこれまたいい感じにまじりながら進んでいきます。
未だに憲三郎はなんで自分が乙女ゲーに? それも悪役令嬢に? と、戸惑いつつも悪役令嬢としてヒロインのアンナに声をかけます。
ざわつく周囲。グレイスは令嬢の中でも身分が高いんですね。悪役令嬢ものとしてはよくある設定です。
平民でありながら入学云々、と……これまたよくあるセリフを言うグレイス憲三郎。途中まではいい感じに悪役令嬢していたんですが……。

見識のある親御さんにって、めちゃくちゃ褒めてる!

憲三郎自身が親なだけに、親目線になってますね。
憲三郎もしまった、と思います。つい親目線になってしまったと。
そうしていると、アンナはアンナで両親のことを褒めてもらえて嬉しくて泣いてしまうのですが、周囲は離れて様子をうかがっているため、まるでグレイスがいじめたかのように……。
いえ、悪役令嬢としては正しいんですけども。慌てて場所を移すことに……。
貴族としては感情をすぐに表に出してはいけない、と注意するグレイス。
ですがその後もついつい親目線になってしまうグレイス憲三郎。ますます感動するアンナ。

こんな乙女ゲームあったら斬新で逆に売れそうだな。

悪役令嬢ではないですが、恋のライバルキャラとしてこういう好感が持てるタイプもありかもですね。
フラグ
と、そこへやってくるのが攻略対象の一人で今はグレイスの婚約者である第一王子。
名前は……出てこない憲三郎。説明しよう、とナレーションが入ります。

乙女ゲー世界にTS転生という形になるのに、おじさんの画像が出てくる頻度が多いって本当に斬新。
そしてこの世界の貴族の常識として、身分の高いものからは名乗らないため、憲三郎は知恵を絞って名前をアンナに言わせることに成功します。クイズ形式にすることで。
王子はヴィルジール・ヴィエルジ。……ちょっと舌噛みそうな名前ですね。
そのまま去っていくヴィルジールですが、ここで憲三郎、思い出します。この中庭でのシーンは泣いているあんなをヴィルジールが慰めるというもので、最初の恋愛イベントと言って良いシーン。
一応フラグが立ったのだろうか、と憲三郎は首を傾げつつ入学式に向かいます。ですが視聴者からすると、どう考えてもアンナのフラグは憲三郎に立ってます。
しかもちゃんとアンナが一瞬光り輝くという、こういう乙女ゲーでよくある好感度アップのエフェクトまでついてます!
情報過多ですが、それらをうまい具合に織り交ぜてますね。
フラグは立った……立った……誰にとは言わない
グレイス憲三郎に与えられしチート
学園内を歩いていると、声をかけられます。学園長先生のようです。名前はど忘れしたようですが、まるでゲームのカットシーンのような雰囲気でグレイスの背後霊として描かれる憲三郎がやっぱりシュールです。
庶民っぽい動きをしても、長年身体に染み付いた貴族令嬢の動作へと変換される能力――優雅変換(エレガントチート)。

こういうのないと、すぐにバレそうだしな……面白い感じで説明してるな!

実際良いチートですよね。その場に応じたふさわしい所作って、中々自然とは出来ませんし。
とっさに出てくる所作は、生まれてから今までの生活が染み付くものですし。
で、授業に入るのですが……グレイス憲三郎。若い身体なのでページめくるのも簡単だし老眼もなく、ピント調整も楽だと嬉しそう。
そしてそれを見て勘違いして好感度をあげるアンナ。
ちなみにアンナに懐かれている自覚はあり、悪役令嬢なのにヒロインに好かれて大丈夫なのかと若干不安にはなっているようです。
授業では、なにやら意味深な卵が配られるようですが……。
学園モノによく出てくる要素盛りだくさん
ヴィルジールがどこかの室内に座っているのですが、そんな彼のところにやってくる赤毛の男子生徒(オーギュスト)。彼も多分攻略対象なんでしょう。
彼らは生徒会のメンバーなのか、生徒会の新メンバーについて話しています。
アンナは貴族ではないものの成績優秀者なので誘いたいとヴィルジールは言います。あと、彼の婚約者であるグレイスも。
ただグレイスのきつい性格を知っているオーギュストは気が進まなそう。ヴィルジールの方は……最近のグレイスの変化を知って、様子見したいと思ったようですね。
噂されているグレイスたちですが、食堂に来ていました。ビュッフェ形式です。
ですが貴族の学校とあって、自分たちで取ってくるスタイルに文句を言う生徒が。中には侍女や侍従もつれていけないとあって、なおさらみたいですね。
しかしながら公爵家の娘であるグレイスが文句言わずにそのスタイルで食事しているので何も言えなくなる令嬢たち。
料理も美味しいようで……憲三郎は乙女ゲームの世界ならではの清潔さや料理水準に関して説明してくれてました。

まぁ……制服とかも普通に膝上まで露出してるとか、リアル追求したらありえないだろうし。

足を出すようになったのってけっこう後なはずですからね
さらにいいなぁと思ったところは、ゲームのような世界観でも、登場人物たちをキャラクターではなく、この世界で生きている人であるからと礼儀を尽くそうとする姿勢。
ちゃんとした大人だ!
大将、美味かったよ、みたいな声をかけるだけがエレガントチートにかかるとどんな風になるのか……ぜひとも本編でご確認いただきたい。
しかも周囲の生徒たちにも影響を与えてます……さすがグレイス様。さすグレ!
まとめ
という感じで、第一話は情報量もりもりでしたが、それでいてスムーズな流れでしたね。説明も多いのですが、おじさんが説明してくれているので親近感。
- 屯田林憲三郎(52歳)は、道路に飛び出した子どもをかばって、別世界に転生した
- 転生先は娘がプレイしていた乙女ゲームで、魔法や貴族がある学園モノ
- その中でもヒロインを妨害する悪役令嬢グレイスになった
- 悪役令嬢らしく振る舞おうとするが、つい親目線になってしまう
- ヒロインのフラグが立った気がする
- 庶民の所作がお嬢様っぽいものに自然と変わるエレガント・チート(優雅変換)能力を持っている。

初回に説明増えるのは仕方ないもんな。

くどさがなく、すっと入ってくる感じでしたねぇ……乙女ゲーっぽい描写もあっていいですし、現代とファンタジーが混じった感じも良き。
説明がすっと入ってくるというのは、個人的にはとても大事だと思ってます。
次回以降、少しずつ物語が動いてくると思うんですが……どうなるんでしょう? なにせ中身が憲三郎ですからね。
乙女ゲーのノリで物語が進んでいくことはないでしょう。

コメディー強めになっていくんかな?
どうなるでしょう。これからも楽しみですね!

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

まったなー!
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