【死に戻り令嬢のルチェッタ】第12話――1週目の悲劇は避けなければならない。けれど彼女の心は……?【ネタバレ感想】
前回、前々回からルチェッタによるカイルから逃げまくる選手権が開催されていました。
読者からするともうルチェッタはカイルにほだされまくってますが、それでも一度経験してしまった結婚式での出来事は彼女の中に強く根付いてしまっていて、それを避けるにはと一生懸命カイルから離れようとしているんですね。
前回はエリーナ嬢の別荘に誘われ、これでカイルから一旦離れられると思いきや彼も着いてきていて……さらには平民の格好をして平民のフリで一緒にデートする展開になりました。
カイルから離れようとしているのに、カイルの手を求めてしまっているルチェッタ。カイルの手を振り払わないといけないのに振り払えずに……うおおおおっが、前回でした。
一応言っておくと「うおおおお」は記事作成者の心の悲鳴であって、漫画内にはないからな?
まさしく『THE・少女漫画』という展開、ご馳走様でした!
婚約指輪を拒否したいルチェッタと指輪を渡したいカイルの攻防に今回ついに決着が!?
あるのかないのか!
気になった方はネタバレ読まれる前にぜひとも↓本誌↓で二人の攻防をご堪能ください。少女漫画してますよ!
死に戻り令嬢のルチェッタは2巻めが発売中! 今までの話を見返したくなったらぜひに!
前回のあらすじ
逃げるルチェッタ。
占い師のもとにやってくるカイル。お守りが効かない、と。
パーティの後、ルチェッタはカイルを徹底的に避けていた。
しかし、占い師のことを親身に聞こうとしてくるカイルに、占い師の状態でも平成を保てないルチェッタ。
カイルを避けるために引きこもりがちなルチェッタをエリーナは別荘へと誘った。
これでカイルから離れられると思ったルチェッタだったが、カイルは情報を聞きつけて彼女を追いかけてきた。
平民の格好をして祭りに参加したルチェッタは一人はぐれてしまい、ナンパされてしまう。だがそこへカイルがやってきて助けてくれる。
しっかりと握られた手を離さなければと思うルチェッタだが、なぜか振りほどくことが出来ないのだった。
前話より
ヒューヒュー!
今回のポイント
フェリークとエリーナ嬢がいい仕事してる!
- ランタン贈り――恋人たちに人気
- 焦る余り、心にないことを口走るルチェッタ
- 外部敵要因ではなく、自分の心を考える
婚約者の『義務』として。
ランタン贈り――恋人たちに人気のイベント
祭りの二日目は、願いを込めたランタンを川べりに放つ、という催しのようです。その説明を聞くルチェッタ達。
幻想的なその光景を見た恋人たちは永遠に結ばれる、と……まあよくあるやつだな。
よくあるやつですが、カイルは『その時に婚約指輪を』と考えている顔してますね。
そして『恋人たちに人気』で稼ぎどきだというどや顔しているエリーナがいいキャラしてて個人的に好きになりました。
ちなみに二人で手を繋いだ後、フェリークたちが来てなんとか指輪を渡されるのはかわせたようです。
どうしたらカイルはめげてくれるかとルチェッタは考え、いっそのこと自分だけ帰りたいとも思いますが……そこへエリーナがやってきて「今日は着替えず(貴族の格好)で行こう」と言います。昨日は平民に気軽に声をかけられてしまったためにルチェッタが楽しめなかった、と反省しているようです。
民族衣装のルチェッタの姿を見たかったという欲望もあったのでしょうが、その根本にはルチェッタに楽しんで欲しいがあるわけです。
一人帰るのは、誘ってくれたエリーナに悪い。ルチェッタはエリーナを「いい子」と撫でます。
エリーナは身長が低いのか、ルチェッタより年下なのか。
ルチェッタより小さく描かれていて、ちょっとほっこりしました。
とにかく二人きりにならないようにしようと4人で祭りにでかけます。
距離を置きたいが……モテるのはそれはそれで気になる
貴族としての格好で市井を歩くと、それはそれで目立ってしまいます。まあ変に声をかけられたりはしないでしょうが。
フェリークが一つの店に近寄ってそこの店主に「ランタン送りの穴場」を聞きますが、向こうは貴族に対してすこし身構えてます。が、ちらっと店主の影から身を乗り出した女の子はそんなことわかりませんから、フェリークを見て「おーじさま?」と気軽に声をかけてしまいます。
慌てる店主の横を通り過ぎ、店の商品を一つ手にするカイル。商品に対する知識で店主の興味を引きつつ、そのリボンを購入して女の子にプレゼント。お姫様みたいだと言って女の子を抱き上げてあげます。
カイルって子供たちに対しては素直だよなぁ。
ルチェッタに対しても大分素直にはなり始めましたけどね……。
女の子が「おーじさま」とフェリークを振り返り、フェリークも「かわいいお姫様だね」と乗ってあげたことで、周囲の空気が和みます。が、和んだおかげで周囲の女の子たちがカイルのことを「素敵」「格好いい」などと言っているのをルチェッタは聞いてしまい、
ふーん?
と、ジト目でカイルを見てしまいます。ぞくりとするカイル。
改めてカイルのことを眺めてみればルックスは整っている。背も高く、顔もいい。品格は足りないとルチェッタは評しつつも、ワイルドさがいいとか思ってしまってます。
口は悪いけど本当は優しいし、とかトゥンクしてますよ、あのルチェッタさんが!
カイルの努力が報われたか。
が、我に返ったルチェッタはなんとか指輪を回避しようと更にあからさまにカイルを避けようとします。カイルに声をかけられそうになったらエリーナやフェリークに声をかけて無視するように。
さすがのカイルもイラッと来て「話を聞いているか」と腕を掴むのですが、ルチェッタはルチェッタでいっぱいいっぱいで「ランタン送りはフェリークと見る」と言ってしまいます。
婚約者がいるのに流石にそれはとフェリークですら「え?」という顔をしています。
そしていつもの口喧嘩になって……ルチェッタは心にも思ってないことを言ってしまうのです。
「婚約者婚約者って
所詮、金と爵位だけの関係じゃないの!」
うおおおおっそれはダメだぜルチェッタ。
カイルもかなりショックを受けた顔してますね。
ルチェッタもカイルの顔を見て罪悪感を覚えて言い過ぎたと思ってはいるみたいですが……。
カイルはもういいと背を向けてしまいます。馬車で屋敷へ戻ると言ってます。
フェリークはカイルに対して挑発的な態度を取っていたにも関わらず、さすがに今のはダメだとルチェッタをたしなめます。
そしてランタンを買ってきたフェリークでしたが、「本当に自分でいいのか」とルチェッタに問いかけます。
フェリークは最初、カイルとルチェッタはただの政略結婚だと思っていましたが、カイルの様子を見ていて違うと思い始めていました。カイルは本当にルチェッタを大切に思っている、と。
そしてそのことをルチェッタもわかっているだろう? と。
こうやって諭してあげられるのは幼馴染ならでは、という感じがしますね。
気持ちはどうなのか……。
フェリークは「どうしてダメなのか」を優しく問いかけます。詳細は語れないものの、フェリークは『カイルを避けないといけない理由がある』ということは分かってくれたみたいです。
けど、
「でもそれは君の気持ちではないよね?」
「え…」
「外部要因ではなくて
君自身の心は彼をどう思っているのか?」
うーむ、フェリークはどういう立場なんですかね?
最初は恋のライバルかと思ったが、単純にルチェッタが大切なだけ……か?
最終的にはエリーナといい感じになるのではと思ってるんですけどね。
フェリークにランタンを渡され「本当に一緒に見たい人はだれなのか考えて」と言われたルチェッタ。
一方のカイルの方では、エリーナが「あなたのために馬車なんか出すか」と言ってました。
カイルは「少しは心の距離が縮まったと思っていたのに」と凹んで、やはり指輪は渡すべきではないかもと弱音を吐きます。そしてエリーナは「身の程を知れ」と煽るだけで、フェリークのように優しく諭してくれたりは、しません。
ですよねー、という感じですごく納得ですが。
「この程度で諦める男を」なんて、おうおう、煽るねぇ!
カイルは煽られて「諦めるとは言ってない」と言い返し、エリーナは「ならばとっとといけ」と背中を蹴ります……文字通り。
貴族のご令嬢とは思えないけど、よくやった!
カイルが走り出します。エリーナはカイルにイラッとしますが、ルチェッタの表情を見てしまえば応援するしか無いとつぶやきます。……まあでもやっぱりカイルなんかに~、とは思ってるみたいですけどね。
結婚してしまってはダメ……けど、彼自身のことは
ルチェッタはランタンを抱えた状態で、フェリークに言われたことを考えます。結婚式で殺されてしまうという未来。それを避けたいがためにカイルから逃れたいと思っているルチェッタですが、その未来関係なくなった時、彼女はどう思っているのか。
そこにカイルがやってきてしまいます。ルチェッタは名を呼ばれて振り返ります。
カイルが「渡したいものがある」と言います。けど、ルチェッタは受け取りたくないと思います。いえ、受け取る訳にはいかない、と。
が、そんな時に子供が川に落ちる事故が発生し、自分のことなど放って助けに向かうカイル。
リアルなこと言うと、着衣のまま何も考えずに飛び込むと二次被害出かねないのでリアルではやったらだめですね
いいシーンなのに水さすなよ!
川だけに?
うるせえ!
子供は無事に助け出されたわけですが、ルチェッタはカイルを見つめながら思うのです。受け取ってしまったら自分の気持ちを認めなくてはいけなくなる、と。
カイルは改めてルチェッタに渡そうとしますが、自分がずぶ濡れであることに気づいてやめようとします。そんな彼に、ルチェッタが「渡しなさい」と言うのです。手を差し出しながら「受け取る」と。
「受け取ってあげます。
…婚約者の義務として」
素直に嬉しいと言えないところがルチェッタらしいですし、カイルも結局「義務として」を否定できないのが、らしすぎますね。
でも互いの表情が物語ってますね。義務としてと言い合いつつも、全然義務としてではない顔してます。
一周目の悲劇を回避するために婚約破棄をしたいルチェッタ。ですが、もう彼女は認めてしまいました。――カイルが好きだ、と。
二人の横顔の見開きページがいいですね! ランタンの光に照らされて指輪をつけてもらうなんて……少女漫画ーーーーー!
最初は嫌いでならなかったカイルの本質を知ったルチェッタの最後の独白と、カイルの微笑みがこれまたいいので、ぜひその目でお確かめください。
まとめ
また今回も逃げ続けるのかと思ったんですが、なんとなんと! 指輪……受け取りましたね。
まあ、あの結末さえ回避できれば結婚しても問題ないわけだしな。
カイルはアコギな商売してる感じではなさそうですし、あれは何だったんでしょうね……裏を感じてしまいます。
そこら辺の謎はこれから、ということでしょう。
が、まだ素直に互いの気持ちを口に出したわけではないので、もう少しこの二人のどたばたなやりとりが眺められそうで良かったです。なんかこう……あっさりくっつきすぎてもなぁ、というのと、早くくっついてという気持ちのせめぎ合いがあります。
でもここから素直じゃない二人がどうやって素直になっていくのか楽しみですね!
では本日はここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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