【死に戻り令嬢のルチェッタ】第1話―初恋をこじらせた男がプロポーズに失敗したらこうなる【ネタバレ感想】
いや、ならないよ?
はい! ということでLaLa11月号にて、新連載がスタートしました! それが【死に戻り令嬢のルチェッタ】(天乃忍著)です。
こちらのお話はタイトル通り、主人公のルチェッタは一度死んでしまうのですが、どういうわけか。気がつくと死んだであろう記憶の時点より約2年ほど前に戻っていました。
ルチェッタは最悪の未来を避けるため、奮闘していく……わけですが? というお話です。
最近は時間戻り系も増えてきましたので設定自体は聞いたことあるかも知れません。
が、このお話の魅力はソコではなく、全体を通したほのぼの感。見守りたくなる青春感。
ということでやっていきましょう、『死に戻り令嬢のルチェッタ』第一話の感想です!
ちょっと気になってきた! ネタバレ前にほのぼのしたい方はコチラから!
今回のポイント
婚約者カイルの初恋こじらせ具合。
- カラーでの本気のプロポーズ
- 一回目の人生の終焉
- 二回目で知る真実
ほのぼの系ツンデレ物語。
カラー表紙とカラーでの開幕プロポーズ
巻頭カラーで始まった『死に戻り令嬢のルチェッタ』は、開始早々、本気のプロポーズのシーンから始まっています。
おおっ、これは中々インパクトがあるな。
色合いも華やかだけど穏やかな雰囲気の絵柄と合ってるし
私もLaLaを読んでいた時、別の漫画を見たかったわけですがついこのカラーに手が止まってしまいました。
で、そのあとで見開きのカラー表紙!
これからこの2人の物語が始まるのか、というワクワク感がすごかったです。
背景の雰囲気。そしてバラが描かれているんですが、これも目立ちすぎないのに全体の雰囲気を盛り上げてくれています。
これはぜひ、LaLa11月号本誌で全貌を見ていただきたいですね。
一回目の終焉――死に戻るまでのルチェッタ
ルチェッタは伯爵家の令嬢ではあるものの、貧乏で……借金の代わりに、とある平民の成り上がり商人と婚約しました。
その証人、カイルが開幕早々プロポーズしていた男ですが、この時のプロポーズ内容はそれとは異なり
「私と結婚して頂きたい。
そちらの借金は全てお引き受けしよう。
――私はずっと、爵位が欲しいと思ってきた」
最悪だ!
え? というか最初と違うじゃねーか!
どうやら最初のシーンは死に戻った後の場面らしいですね。ルチェッタの服装も違いますし。
当然ながらこのようなプロポーズを受けたルチェッタのカイルへの心情は最悪ですし、実際、結婚間際でも二人の関係は冷めきっています。
ルチェッタは諦め、亡くなった母に自分の願いである『愛のある結婚』は叶いそうもない、と心のなかで言いながら結婚式を迎えます。
その式の最中、婚約者であるカイルに恨みを持つ男が乱入。拳銃をうち、それでシャンデリアが落ちてきてルチェッタは死亡。
ここで大切なのは一切セリフはなくとも、カイルがルチェッタを庇おうとしている姿です
やるじゃねーか、カイル!
ルチェッタには気づかれていない上に、ハッキリとかばっているという描写ではなく、そういう風に見えるという表現になっています。
まあ読者には1ページ目の本気のプロポーズという盛大なネタバレがあるので「かばっているんじゃない?」と想像しやすくはなっていますけども。
それに結局ルチェッタは死んでしまっているので、守れなかったのには違いありませんからね。
ルチェッタからすれば好きでもない男のごたごたに巻き込まれて死んでしまった、という話で終わってしまいます。
二回目の始まり――死に戻ってからのそれぞれ
気がつくと婚約してから2ヶ月、結婚式の2年前に戻っていたルチェッタ。
亡くなった母からの形見であるネックレスのおかげだろうかと思いながら喜び、そして未来を変えるのだと意気込みます。
まあ自分が死ぬ未来なんて見てしまったら、変えようって思うよな。
好き好んでその未来を進もう、という人は……まあそうそういないでしょうね。
ルチェッタはお金の問題を解決しようと、占い師になります。それで元手を作り、投資しようというわけですね。
未来を知っているわけだから、投資はたしかにありだな
まあルチェッタが死んだというのが本当に起きた未来で、これからそれが本当に起きることならば、ですけども。
さすがにこの話の中でただの夢や幻だったとか、平行世界での話だったとか、もっと深い理由が……というのはないでしょう。
純粋に2人のすれ違いが楽しめそうですね。
ルチェッタ視点1――まさかの告白に動揺
すれ違いが楽しめそう、と思っていたら速攻でやってくるのが次の展開。
なんと! 占い師として顔を隠しながら働いていたルチェッタの元に、大嫌いな婚約者のカイル・ウィズレーがやってきます。
カイルは占い師がルチェッタとは知らずに「よく当たる占い師」だと信じて『恋愛相談』をします。
レンアイ相談……恋愛っ?
って、まさか!
そのまさかで……カイルは占い師(ルチェッタ)に、ルチェッタ=アンブリッジとの未来についての恋愛相談をもちかけるのです。
ルチェッタは動揺して一度彼を追い返してしまいました。まあ、驚くのも無理はありませんね。
カイル視点1――憧れから決死のプロポーズ……のはずが
ここから反転して、完全にカイル視点に切り替わります。
彼は平民の中でも貧しい家庭に生まれます。父親も酒浸りで、日中は働き詰め……。
そんな中で貴族に暴力を振るわれるも、自分はそういうものだと諦めて受け入れていたのですが
子供カイルをかばったのは、同じく幼いルチェッタだったのです!
自分よりも遥かに大きな体格の大人に向かって堂々と立ち塞がり、そしてカイルに向かっても叱咤激励する。
そんな姿にカイルは初めて何かを欲しいと思ったのです。
もう一度あの瞳に映りたいと思ってしまった。
なるほどなぁ。ぐっと来ちまうのも分かるぜ!
その後、カイルは家を出て死にものぐるいで勉強し、がむしゃらに働いて財を成したわけですね。
そして貴族たちの社交界にも出られるようになるわけですが、そこで見かけたルチェッタは周囲からの陰口にも毅然としていて……だけど影で傷ついて涙しているところをカイルは見てしまうのです。
強いだけではない、弱さ!
カイルをかばったときだって怖かったに違いないのに、それでも毅然としていられる強さ……この姿にカイルはやられてしまうわけです。
ルチェッタの父親の負債の話を聞いたカイルは、チャンスはここしかないとルチェッタの元に行くわけですが、あれほど待ち望んでいた彼女の目線を浴びた瞬間にいろいろな不安が頭をよぎった結果が、
あのサイテーなプロポーズということか。
カイル視点2――藁にもすがる気持ちで占いに頼る男
幼い助手ロイ君に「虚勢を張り続けた男の末路」「このまま仮面夫婦でいいのか」などと言われたカイルは、小耳に挟んだ占い師のもとへとやってきた、ということです。
もうルチェッタのカイルに対する心証は最悪すぎて何を言っても信じてはもらえない、という自覚はあったようです。
だからこその神頼みならぬ占い頼みか
このままではいたくない、けどどうしたら良いのかわからない。
悩んで悩んで悩んだ末の……ヘタレ男子の最後の希望なわけですね。
ルチェッタ視点2――1度目には気づかなかった婚約者の姿
一方で困ったのはルチェッタです。
大嫌いかつ自分のことを嫌っていると思っていた婚約者が、実は自分のことを本気で好きだったと知り、どうしたらいいのかわからなくなっています。
後日、一緒にまたパーティに出るわけですが「来るのが遅い」というカイルに対し
「私に会えるのが楽しみで毎回早く来ているんですか」
からかうつもりで言ったルチェッタでしたが、カイルが一瞬で顔を真赤にしてしまったことで、占い師として聞いた話は本当なのかとドキドキしてしまいます。
なんつーか……応援したくなる男だな。カイル・ウィズレー。
でもこの後でカイルの見せ場が来るんですよ!
貴族たちがカイルやルチェッタの陰口をいうわけですが、カイルは自分の陰口には軽く流しつつも、ルチェッタのものにたいしては「取り消せ」とハッキリ言うんですよ。
一回目の夜会の時には、ルチェッタは陰口にうんざりし、陰口を言われてもへらへらしているカイルに苛立って先に帰ってました。ですが今回はソレを聞いたわけです。
「帰ってしまった1回目のときも、こうしてかばってくれていたのかな」とか、思っちゃうわけで……でもこの時、あえてルチェッタの表情を描いていないのがいいですね!
それでも! 死んでたまるか。幸せになるんだ、そのために婚約破棄するんだ、と意気込むルチェッタですが、はてさてどうなる? で終わっていました。
まとめ
簡単に言うと
初恋こじらせた男がプロポーズに失敗した話
まとめすぎだ!
けど、たしかにその通りではあるな。
プロポーズは失敗したものの、理由はよくわからずとも時が戻ったおかげでもう一度チャンスをもらえたカイルの追い上げがここからはじまる――というお話。
とにかく全体的にほのぼのしていて、安心してみていられるおはなしですね。なんかこう大どんでん返しが来て、ものすごく心が苦しくなるような展開、はなさそうなのが嬉しい。
そういうの見ちゃうと引きずってしまう私としては、こういうお話大好きです。
ということで、これからが楽しみなツンデレ物語でした!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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