【異剣戦記ヴェルンディオ】第2巻――そういう事なら止められない【ネタバレ感想】

第1巻は怒涛の展開、という感じで世界観を描きつつ、謎が謎を呼ぶお話でした。これらがどのように繋がっていくのか……鬼雷の戦士は無事に仲間にできるのか。
気になるところで終わっていました……それとは別についてあったおまけにもほっこりしましたけど。
ヴェルンディオはおまけも最高です。
では第2巻ではどうなるのかというと……仲間が増えます!
格好良くて強くて可愛くて癒やされて……そんな頼もしい仲間が増え……あれ?

それらの属性……全部コハクが満たしてるんじゃ……
……とにもかくにも! 仲間が増えます!(ダブルピース)
増えた仲間の属性がコハクと本当に被っているのか、一足先に確認したくなった方は↓コチラ↓からどうぞ! 第2巻は第5話~第11話+おまけが収録されてます。
前回のあらすじ
万能ヘルクを呼びたくなる。
傭兵をしていたクレオ。
一攫千金を夢見てとある賞金首を狙うが、その男がとてつもなく強く、命からがら逃げた。
その途中で亜人の女性コハクと出会う。
山賊との戦い後に夜によって命を落としたはずのクレオだったが、コハクの命をわけてもらったことで生き返る。
異剣という超常能力が支配する世界を生き残るため、クレオとコハクは偶然見つけた古城の近くに酒場を作ることにした。
そしてやってきた訪問者は、ガルド王国で大罪をおかしたという鬼雷の戦士。コハクは彼を仲間にしようと提案する。
前話より
楽しい仲間たち。
今回のポイント

異剣こわい。
- 復讐鬼が仲間になりたそうにコチラを見ている
- 孤独な騎士が死にかけで倒れている。拾いますか? はい/いいえ
- 俺が作った最強設定みたいなやつが来た
ヴェルンディオ……。
第5話『焔』~第6話『復讐者』
この話をざっくりいうと、シュラクという仲間が増えます。

シュラクってのが、前回の産後のやつか?

はい、そうです。とっても強いんですよ! ……コハクほどではないですが。
5話と6話では、シュラクがどういう存在なのかが語られていきますが、クレオが説得しようとするシーンが個人的にはすごく好きです。
- 鬼雷の剣士を仲間にしよう、とコハクが提案する
- クレオは渋るものの、コハクの負担を軽くするためにもと話しかけに行く
- 剣士はガルド王国では一人も斬ってはおらず、暗殺者は奴隷商のもの
※彼は奴隷剣闘士で、身体にはむごたらしい傷跡がたくさんある - 剣士は復讐のために生きていて、山賊頭領の炎の剣が彼の里にあった異剣『焔』
- 剣士は焔の適正者で、復讐のためにその剣を欲しているが、クレオは断った
- 剣士シュラクはその剣を借りるため、クレオに恩を売ろうと居座ることに

かなりはしょってますが、内容はざっとつかめるかなと。

復讐を、という目的のために剣を奪おうとしないなんて律儀だな。
シュラクは本当の実力者でコハクの実力も分かっているので戦うのは避けたほうが良いと思ったみたいですが……根っこの部分は素直で優しいんですよね。
素直で優しいからこそ、復讐心が芽生えるのでしょうが。
シュラクは自身に起きたことを話してくれます。里に異剣があったがために狙われ、みんなが惨殺されたという過去を。
そして……クレオは復讐を止めませんでした。
まるで喧嘩を売るように剣を貸すことは出来ない、なんて言うのですが……その本心は、異剣がなければ無謀にもたった一人で国への復讐をしよう、などとは思わないだろと。

うぅ、クレオ……悪ぶってるが、やっぱりいいやつだなぁ。

こういう応援したくなるキャラ、が多いのが七尾先生の特徴だと思ってます……今後もたくさん出てきますよ!
一度はクレオに断られたシュラクでしたが、貸してもらうまで居座る、ということで労働力が増えたのが第5~6話になります。
異剣がなければ無謀なこともしねぇだろ byクレオ

焔に関してのおまけ4コマもついてるぜ!
第7話『投資』
息抜き回。珍しく戦闘がないお話です。
話はシュラクが焔を貸してくれるまで居座る、という宣言をしてから1週間経った頃。

かなり真面目に働いてくれてるみたいだな。
クレオとコハクが酒場の方に向かうと、お客さんがやってきました。ガルド王国の方角からやってきたのでサフィーアたちならばシュラクの説明が面倒だなと思ったものの、どうやら違うようです。
荷馬車を退いた彼らは……なんと商人でした!

自給自足しているとは言え、香辛料や衣服(布)は中々手に入りませんからねぇ。

あちこちで戦争が起きまくって地図が変わりまくってるみたいだし、安心できる町もなさそうだから余計にな。
この商隊のトップが女性なのですがマキラと言い、見た目は子どもにしか見えないコハクの秘められた実力を見破り、クレオにある『何か』まで嗅ぎ取ります。

実はとある伏線が何度も自然と描写されていたりします。
そういうことも含めて、コハクはマキラを感心したように見ますが……クレオが自分自身を褒めたことで胡散臭いと思ってしまうところが中々彼らしいですね。

しかしマキラの笑顔がなんとも不気味に見えるんだが……。

今のところおかしな行動はないのですが……
マキラはそんな二人に未来を見たらしく、投資と称して服だったり鶏だったりを少ない貨幣でくれました。
クレオは無償の手助けのようなものを疑うタイプなのですが、投資であって返ってこなかったはその時はその時だ、とあっさりしているマキラ(メルクース商隊隊長)に戸惑うものの、コハクの後押しもあって受け取ることにしました。
寒くなってきたら冬服は絶対必要ですし、塩も必需品ですからねぇ。
今後も不定期に通りかかってくれることになりましたが、ガルド王国にはしばらく行かないようにと忠告を受けます。
なんでもガルド王国で……内戦が勃発したんだとか。
戦争が当たり前な危険極まりない世界

そんな世界で行商人としてやっていってるんだから、マキラたちも侮れないよな!

おまけの漫画はマキラがくれた歴戦のクマぱじゃまと貨幣についてです!
貨幣は国によって違い、貨幣自体が希少性のある鉱石なのであちこちで国が滅んだり新しくできたりしている今でも、国が滅んだからと言ってすぐに暴落するようなことはないみたいです!
第8話『騎士』~第9話『迷い』~第10話『生き様』
しょっぱなサフィーアの話からになります。タイトル通り、騎士について語るのですが騎士としての職務をまっとう……せずになにかから逃げているようです。
反乱が起きたわけですが、反乱軍のリーダーはなんとサフィーアの兄。
ボロボロな状態で逃げています。回想によると兄から自分についてくるようにとも声をかけられているようですが……。

追いかけてきているのは、ガルド王からの報奨金目当てのやつらか。

反乱軍リーダーの妹だなんて、王国側からしたら憎い相手でしょうし、場合によっては人質にもできますしね。
なぶるように追い詰めてくる傭兵たちは、異剣使いとの戦い方にも慣れているようでサフィーアは追い詰められていきます。
崖から飛び降り、激流の中異剣を使ってなんとか危機を脱したサフィーアでしたが、そこでさすがに限界が来て倒れます。
お兄さんとの回想シーンがなんとも悲しい。

良い兄っぽいからなんか理由がありそうだが……?
倒れたサフィーアを見つけたのがクレオとコハクで、当然放置できないので連れ帰るのでした。

シリアス満点なんですが、おまけマンガは相変わらずのんびり可愛いです。

焔を借りるため、必死になっているシュラクの姿が見れるぜ!
第9話『迷い』――生きられたことを喜ぶ
ここではサフィーアから何が起きたのかが語られます。場所は城ですね。
第8話のことも含めてまとめると以下の通り。
- 鬼雷の剣士捜索開始から10日目に反乱が起きる
- ガルド王は南部ガルド領へ逃げた
※ガルド王国軍10万を反乱軍300人で追い払った(戦略含む) - 反乱軍のリーダーはサフィーアの兄
- サフィーアは反乱軍の味方にも、王国軍の味方にもなれずに逃亡
※ガルド王が懸賞金かけたらしい - 元々ガルド王は優しかったが、戦で勝ち続けるうちに強欲で残忍に変貌。国民たちも怠け者に
- 代わりに働かされていたのが敗戦国の奴隷で、その仕打ちは見るに耐えないものだった
※サフィーアは密かに亜人たちを逃がしていたりした

たとえ堕落していても仲間。そんな堕落した仲間に剣を向けたのも仲間……どっちをとるかなんて、難しいよな。

どちらの手も取れなかったがゆえに、サフィーアは一人で逃げていたわけですね
そんな簡単に決められる問題ではなく、涙してどうすべきだったのかと悩むサフィーアに、クレオは「逃げたっていい」と声をかけて、コーヒーを差し出します。
これからもこんなふうに、クレオが誰かを慰めるというか声をかけることがあるんですけども、その台詞回しが良いんですよねぇ。押し付けがましくない感じ。
少し持ち直したサフィーアはクレオ達がやっている水路づくりを手伝うことになります。これから行くところがないなら一緒に住むかとクレオは声をかけるのですが、そこにあの傭兵たちがやってきました。
サフィーアの国、ガルド王国はかなり恨みを買っているらしく、サフィーアがいることで厄介事に巻き込まれると、半ば脅されますがクレオは「胸糞悪い」と言ってサフィーアが以前破壊した店の代金を途方もない金額として請求し、それが払えないなら渡せないと言ったのでした。

やるじゃねえか、クレオ! 格好いいぜ!

というシーンの後に挟まるおまけがやっぱり良い……今回は枕とサウナのお話です。すっかりシュラクが仲間に。
後地味にシュラクたちのステータスもあるんですが、戦闘力は第一巻の山賊頭領の方が上なのであの頭領がどれだけ強かったのかが分かります。
もともと山賊でもなかったらしいですし、彼にも色々と物語があったんでしょうねぇ。
第10話『生き様』
当然ながら怒る傭兵たち。クレオが一騎打ち……はコハクが許してくれるはずもないですし、コハクがいれば万事オッケー。
と思いきや、通りがかったシュラクが恩を売る機会だと傭兵たちに飛びかかっていきます。丸腰なのですが……いやぁ、強いのなんのって。

雷使っていくの良いなぁ! アニメだったらかなりド派手な演出になってそうだ!
丸腰でも次々に傭兵を倒していくシュラクでしたが、彼らの頭領もまた異剣使いであり、属性の相性がシュラクと悪いことやシュラクが殺さないように手加減していたこともあって苦戦を強いられます。
サフィーアが異剣をもって加勢しようとしますが、ここで力が暴走します。
でも乗り越えないといつまでも前に進めないと心に決めたサフィーアをクレアが応援し、サフィーアは自らの力で傭兵の頭を倒すのでした。

この傭兵もね。イメージ最悪かもですが、話が分かる男ではあるんですよねぇ……また再登場するので頭の片隅に置いておくと良いと思います。
サフィーアは髪を短く切り、精一杯生きていこうと決めたのでした。仲間が増えました!
サフィーアのイメチェンが見たくなった方は↓コチラ↓からどうぞ!
第11話『新勢力』
この話で、一つの伏線が回収されます。
それは……クレオに異剣の力を増大させる力があるということ!

えっ?
あ、でもそういえば異剣使いが「調子がいい」云々言ってることあったよな。

シュラクが初めて焔を手にしたときに暴走したのも、おそらく山賊頭領が普段より調子良かったのもそのせいです。
ただクレオは無自覚で、コハクがそう確信したんだとか。
すごい能力なのですが、無自覚なので敵味方関係なくパワーアップさせてしまいます。なのでその力を使いこなすための特訓にサフィーアに付き合ってもらうことになったのです。
サフィーアへの負担が大きいのですが、彼女は焦燥感を募らせた様子で特訓をしようと言います。
というのも、各地では異剣の使い手が集まって新勢力が出来始めていたのです。
- 5つの盗賊団が合体した大盗賊団ファルカ
- 亜人の新国家ディアシーン
- 奴隷たちが興した自由同盟リベアリル
- 20万の教徒を持つムンディマ新教団
これらの組織には当然異剣使いが何人もいて、多いところでは20人以上もいるんだとか。そんな人達が全員クレオの能力でパワーアップしたらさすがのコハクでもしんどいでしょうし、連続で攻め入られたら体力がない方が負けます。
大陸制覇なんて野望を抱き始めたものたちもいる中、クレオたちのいる城はあまりにも条件が整いすぎていて、間違いなく狙われます。
クレオは特訓でまるでコツが掴めないのですが、コハクと話をしてがんばる、と言うのでした。

この二人だけの会話シーンは……なんだかグッと来ます。
月夜の下で交わされる、なんてことない会話
ヴェルンディオ
まったく異なる場面で行われている異剣の戦い。闇の異剣云々という話がありますが、そこへやってきたイケメン剣士。
すべての異剣に適正があるというそのイケメン剣士が強そうだった闇の異剣の使い手を倒します。
そんな彼の名前が

こいつがヴェルンディオ……漫画のタイトル、だよな?

単純なヒトの名前でもない気がするんですが……気になります!
という盛り上がりまくる話の後に、どとうのおまけまんががずらり。みんなが仲良くなっている感じもあって、ほのぼのします。
個人的には3つしかない卵を譲り合うのが好きです。
まとめ
ということで、異剣戦記ヴェルンディオの第2巻でした! 結構ざっくりと省きながらではありましたが、どうだったでしょうか!
- 鬼雷の剣士シュラクが、異剣焔を借りるべく仲間になる
- 商人マキラに気に入られて投資を受ける
- ガルド王国で内乱勃発
- サフィーアがガルド王国から負われて酒場にたどり着き、仲間になる
- 強力な新勢力が出来始めている
- クレオには異剣の力を引き出す能力がある(無自覚)
- すべての異剣に適正がある剣士がいる(ヴェルンディオ)

シリアスもありつつ、楽しい戦闘もあり、世界の謎もあり……くぅ~、続きが気になるぜ
第二部も再開しましたし、これからも追いかけていきたいですね……出来ればヘルクに続いてヴェルンディオもアニメ化出来たら良いんですが……。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

まったなー!
漫画タイトルが今回で判明する!? そんな気になる第2巻は↓コチラ↓から!