【婚約者は溺愛のふり】第10話―ラチエルのためにと動くファハドだが?【ネタバレ感想】
前回はとっても気になるところで終わってしまった『婚約者は溺愛のふり』の10話がやってきました!
仕事ではあるもの、一緒に町の外へと旅立ったラチエルとファハド。しかしラチエルにはとある思惑があり――そしてそんな彼女を見つめるファハドの想いとは!
今回の問題についてはもう少し話を引っ張るのかと思っていましたが、無事に解決、ということのようです。
どう解決したのか、早速見ていきましょう!
私の話を聞くより、ラチエルとファハドの行動を見たい方はコチラから!
前回のあらすじ
金山羊の薬の一族から婚約を祝福される、という穏やかなシーンがとても良かったですね。
父親が手を怪我してしまったがために、ラチエルは一人で金山羊の薬の一族の元へ仕事に向かうことになった。
それを心配したファハドたちが護衛代わりについていくことに。
婚約を祝福され、雰囲気は良かったものの、ラチエルが一族のためにと市井の薬を土産に出したところで雰囲気は激変。
金山羊の薬の価値が高すぎて一族内では使えず、また薬の価値を高めるために市井の薬を使うこともできない状態で、薬が使えなかったことで家族を失っていた。
ラチエルはそれを救いたかったのだが、族長は薬を拒否したのだった。
悲しむラチエルと、そんな彼女を見つめるファハドで話は終わっていましたね。
今回のポイント
なんといっても我らがファハドの大活躍! でしょう。
- 表紙の文言がいい
- ファハド、族長を説得する
- ラチエル、ファハドを振り回す
やっぱりファハドとラチエルのバランスがいいです。お似合いです。
表紙について――初めての
今回の表紙は旅装束のラチエルとファハド。
やや不思議そうなラチエルに、微笑んでいるファハド、という……いつも通りといえばいつも通りの2人。
ですが書かれた文言がよかったですよね。
はじめての旅、はじめて見るあなたの表情
ラチエルの泣きそうな顔のことを指しているのかな、と思いました。
以前はカザンから『ラチエルは泣き虫だから助けてやって』と言われた時、ラチエルが泣いたところを見たことがなかったファハドは珍しく凹んでいましたからね。
どうかな?
ラチエルからみたファハドって可能性もあるぜ?
もしくは両方かもしれませんね。
そんなことを考えながら本編を読み進めると、なかなか面白いのでオススメです。
ファハド、微笑みながら族長に提案する
シーンはファハドが族長の元を一人で訪れるところから始まります。そしてファハドは族長にこう言います。
お体はつらくないですか。
顔色があまりよくないように思われるのですが
たしかに族長の顔色悪そうだなって思ったけど、まじだったのか!
普通に話していたので気のせいかと思っていましたが、どうやら族長は病気のようです。
族長の娘ナルルも族長は起きるのが遅いなどといっていたので、体調が悪くて起きるのが辛いのかもしれませんね。
アウレシア家の評判は悪い
族長はそう聞いてきたファハドを医者か? と問いかけます。薬屋だと答えたファハドにファハドがアウレシア家の人間だと察します。
薬売りの間ではアウレシア家というのは、中々アコギな商売していると有名らしいです。
でっでででも!
ファハドはその家から離れてるわけだし、関係ないよな?
当人もそう説明していますが、だからといってすぐ信用できるかはまた別の話です。
どこかやけくそな表情の族長は「だからお前のところの薬を買えというのか」と問います。
ファハドは……そうではなく、薬を作らせてほしいという提案を持ちかけるのです。
前回の感想記事の最後で「一緒に薬を作るのでは」と書いていましたが、当たったようですね。
治験という形で族長の病気を治す薬を作らないかとか、金山羊の薬の名前を使ったままもっと用途を分けて値段を下げて作らないか、などと提案します。
なるほどな。
族長たちが薬を使っても大丈夫な理由付けもしたわけか。
さらに言うと、金山羊の薬の効果を高めている薬草には代替品が登場しているらしく、一族にとって大切な稼ぎ頭の薬の価値をいずれは下がっていくのが目に見えて明らかな状態。
ファハドの提案ならば一族の未来にも繋がることです。
それらを、ファハドは急いで考えて族長に提案したわけです。
族長の体調と、失った息子への後悔と大切なもの
せめて医者に見てもらったほうがというファハドに、族長は「いいんだ」と言います。
もっといっぱいほめてやればよかった。山羊の世話も乳搾りも俺より美味かった。
うおおおおっ族長おおおおお!
このシーン。族長の表情は見えないんですよ。ただ意気消沈した背中が描かれているんですけど、震える声が聴こえてくるような……そんなコマでした。
でもそこに、目を真っ赤にさせたままのナルルとそんな彼女を支えるラチエルが戻ってきます。
父親にひどいことを言ったと謝るナルル。そんなナルルを見つめる族長と……ラチエル。
まだ原因は不明ですが、ラチエルも実父を失っています。
ナルル親子のことを思って、彼女も複雑なのかもしれませんね。
ファハドは自分のことのように苦しそうなラチエルの顔を見て、そしてもう一度族長に言うのです。
大切なものは息子だけではないだろう、と。
ラチエル、感心しながらまったく気づかない
族長の好意でテントが用意され、泊まることになったラチエル一行。食事の時にラチエルはナルルからファハドと族長が薬事業について話していることを聞きます。
何より、一族が薬を使えるようにしてくれている、と。
カッコいいな!
これはさすがのラチエルもぐっとくるんじゃねえか?
私もそう思っていましたが……ラチエルは危なかったと思っていました。
というのも前回の話でファハドが旅についてこようとしたのは「私に興味があったからでは」とか思って、どうしたら格好良く見えるかなとか考えていたからです。
あー、つまり、あれか?
ファハドががっつり仕事するためについてきた、と思ったわけか。
思ったわけですねぇ。
ナルルから2人で考えて、一族でも薬が使えるようにしてくれてありがとう、と言われてラチエルは焦りますが……もっと焦る出来事が発生。
なんと用意してくれたテントは二人用……ファハドと同じテントで夜を過ごすことになったのです。
平常運転のラチエルと振り回されるファハド
ラチエルは頭の中でぐるぐると考え込んでしまい、ファハドが上手くフォローして別のテントで過ごせるようにもしてくれたのですが、一緒のテントで過ごすことに。
狭い上にムーディなランプまで用意されていて気まずいラチエルでしたが、そこで族長に薬を持っていった話になります。
ラチエルなら薬を出したら不利になることくらい分かっていただろうに、と。
何かしたくて、でもどうしたらよいのかわからなかったラチエル。もっと他に何かあったのではと今も思いつつ、ファハドが動いてくれたことにお礼を言います。
ただ『ファハドは純粋に自分の仕事を遂行しただけ』だとしても、ありがとう、という言い方になってしまいました。
実際、ラチエルはそう思いこんでるよなぁ。
ファハドの思惑は読者としても分かりづらいし。
なんですが「自分とファハドは関係ない」と言われたファハドは固まっていました。あの微笑みを常に浮かべて物腰の柔らかいファハドが、です。
動きを止めて、それから――
ラチエルの身体を引き寄せて抱きしめるのでした。
慌てるラチエルと笑うファハド
当然ながらラチエルは慌てます。
ここのシーンがすごくいいんですよね。
色気がすごい。ほんとファハドは華があって艶やかです。
元々のきっかけはどうやって族長を説得したのか教えてほしいとラチエルが言ったところからなのですが、教えますよと言いながらファハドが彼女の腕を引いたわけです。
見開きページになっていて、至近距離で見つめ合う2人がマジで最高なのでぜひじっくりたっぷり見てください。
その後しばらくいちゃいちゃするわけですが、最終的には照れるラチエルをファハドが笑ってから、仕事の話に戻り……結局仕事の話をして寝落ち、ということになったようです。
なんつーか、すげーラチエルらしいなぁ。
まとめ
今回はファハドの回、といってもいいくらいにファハドがいい感じでした。
- ファハドの提案で金山羊一族でも使える薬を開発することになる
- ラチエルはさすがファハドだと思う
- やはりファハドはラチエルのことを――?
あまり感情がみえない彼の珍しく固まったシーンもありましたし、金山羊一族の薬問題も解決しました。
ラチエルはファハドが元から仕事をするつもりだった、と思うことで今回のことに対してファハドに必要以上の恩(感謝はしているが)を感じることはなかったようです。
心配していたので安心なきもしますけれど、ファハドが自分自身のことを思ってしてくれた行動とは1ミリも思っていなさそうなところが心配……なんですが、ラチエルらしいですね。
もしかして自分のために? とラチエルが思うようになるのはいつになるのでしょうか。
だいぶ先になりそうだなぁ。
まあ、その日を楽しみにしておきましょう!
では、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!