【WIND BREAKER】第8話『思いを継いで』――あの日、しなければならなかったこと【アニメ-ネタバレ感想】

さすが副頭取の十亀。その実力は確かで桜は追い詰められますが、それでも根性で動きに慣れて反撃もします。
しかし戦いは十亀優位に進んでいく中、桜が口にした「獅子頭連のメンバーが中学生を追い回していた」という話を聞いてから十亀は自分がしていることは何なのかわからなくなってきた。
彼が自ら獅子頭連の闇の部分を引き受けたのは、兎耳山に綺麗なままでいてもらうためだった。けれど兎耳山の笑顔は戻らず、組織はどんどんと落ちぶれていく。
意図したこととは違う風に進んでいく現実に、彼は自分が何をしたかったのかわからなくなった。
ただ太陽が再び登ってくれるのを望んでいただけなのに、どこから間違ったのか。十亀には分からなかったのです。
という、十亀主役だった前回。今回は十亀VS桜の続きで完結。メタ的にどちらが勝つかは想像しやすいですが、どういう終わり方をするのかが大事で……先に見たくなった方はぜひとも↓本編↓へ!

はるちゃーん! 今、君の活躍を見に行くよー!

今回もちっと痛々しいから、苦手なやつは気をつけてなー!
そういうやつは見てないかもしれないが。
前回のあらすじ
太陽が登る時を待っていた。
ついに始まった桜と十亀の戦い。力の絶対信仰をうたう副頭取だけあっておされていく桜。それでも十亀の戦いに合わせて一撃食らわせるが、致命傷にはならず……逆に頭を掴まれて叩きつけられる。
お前は弱いと、組織という強さがないと何も出来ない。我を通すことが出来ないのだと十亀に言われた桜。
そんな風に思われてるならなおのこと負けてられないと猛攻を繰り広げていく。
戦いの中で、十亀は桜から「中坊を追い回すようなやつら」と言われて、初めて知ったあの日の事実に、鹿沼たちからオレンジの革ジャンを剥ぐ。
そして十亀は思い出す。
獅子頭連に誘ってくれた兎耳山。当時の兎耳山は太陽のように明るく楽しそうで、十亀はそんな彼が獅子頭連の頭取になれば組織はもっと良いものになると思っていた。
なのに頭取になった兎耳山からは笑顔が消え、周囲が弱いことが認められなかった。兎耳山が皮をはぐ姿に耐えられず、自分が泥をかぶることを決めた日のことを思い出し……しかし結局、獅子頭連は中学生を追い回すような「力の絶対信仰」とはかけ離れたものになり、兎耳山の笑顔は戻らず。
桜から「何がしたいんだよ」と問われた時、十亀は答えることが出来ないのだった。
前話より
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今回のポイント
たとえ恩人でも、自分を曲げたりはしない。
- 喧嘩は会話
- 知りたい……初めての感覚
- 強いやつの場所であってクズの場所じゃない
- 間違いを押し通すと決めたのだ
- ちゃんとしたアニメでの戦闘シーン
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ケンカ相手を知りたい
今回はOPからの開始ですね。格好いいOPをまずは堪能。
遥は戸惑っていました。突然戦いの様子が変わった十亀。十亀の拳に迷いがあって、さっきまでの勢いも威力もない。
遥はずっと、十亀はすべて知ったうえでボウフウリンにけんかを売ってきたのだと思っていました。ですが違った。十亀は知らなかった。彼もクズを許していなかった。
けれども同時に彼自身もクズでダサイことをしているのも事実……どういうことなのか。遥は喧嘩が楽しいとかそういうことではなく、ただ相手のことを知りたいと思うのでした。それは初めての感覚でした。

だからこその「何がしたいんだよ」か。今までの遥なら聞かなかったよな。

なぜ鹿沼たちを殴ったのかと聞けば、「獅子頭連は強いやつの場所でクズがいていい場所じゃない」と言いました。
クズがいていい場所じゃない、と言う時の十亀の顔と声が……今までとは全く違う表情でいいですね!
組織の頭がおかしくなれば四肢は動かなくなるということを十亀はよく理解していて、……最近はクズが増えていることも分かっていました、きっと誰よりも。
以前から兎耳山が執着していた風鈴と揉めて戦えることになって何かが変わると十亀は期待したのですが、正義は獅子頭連にはなくて、ただ巻きこんでしまっただけ。
でも間違いを押し通すと決めたから、後戻りはできないのです。
騒ぎ立てる獅子頭連のメンバーたちに、なんとも思ってなさそうな兎耳山。獅子頭連という組織のことを本当に想って覚悟決めているのは十亀だけっぽい雰囲気。

十亀も十亀なりに悩んでたんだなぁ。

そして遥は十亀がただクズなだけではないことに気づき始めたみたいですが……。
十亀はステージに描かれた獅子頭連のマークが薄くなったことに気づいて、なんともせつなそうな声を上げます。
諦めたんでしょうか。重荷から開放されたような顔で「山に行きたいな」と言う十亀。
心地の良いケンカ
過去に浸っている十亀に対し、遥は容赦ないです。クズがいていい場所ではないと言いながら、お前自身がクズだろう?と言ってきます。強いのは事実でもくそださいと。
それを分からせるために自分が勝つから、そしたらダサイことを止めて喧嘩したくなるような格好いいやつになれ,と遥は言いました。

言い回しが遥っぽいなぁ!
十亀は自分のほうが強いのに随分自分勝手だと言います。しかし遥には関係ありません。むしろ遥はずっと、その自分勝手を貫くためにケンカをしてきたのです。
たとえ相手が強くても恩人でも、自分は曲げないとまっすぐに言う遥かに……十亀は自分の過去が頭をよぎります。兎耳山に意見を言って「僕に従えないなら出ていって」と言われた時に、十亀は自分を曲げてしまいましたからね。
十亀は気づくんですね。本来、あのときすべきだったことは兎耳山の代わりに皮をはぐことでも闇を背負うことでもなく……遥のように自分を押し通すことだったんですね。
ここでようやく十亀は遥のことを認めて改めて名乗って下駄を脱ぎ、遥のことを名前で呼ぶのでした。

髪をほどいて「とことんやろう」と言う十亀の声が本当に吹っ切れたという感じでこれまた色っぽいし格好いい!

表情もスッキリしてるな! 本来はこういう顔するやつだったんだろうな。

で、こっからが良いですね! 楽しそうなケンカがようやく始まります。カメラも作画も気合入ってますよ!
カメラが激しく動くと言うよりは、アクション自体が凝っている感じもあるんですけどね。騒いでいた獅子頭連のメンバーも静かになり、互いに殴り合い、ぼろぼろになりながらも笑っている二人に唖然とします。
最初は老けて見えた十亀が幼く見えますね。

遥も楽しそうで何よりです。
蘇芳が「すごい」と声に出し、楡井に関してはよくわからないままに感動してます。それだけ迫力もあって……それだけでなくな何かすごいんでしょうね。
その二人の喧嘩を暗い目で淡々と見ている兎耳山。楡井のように何か感じたりもしていないようですね。
一番心に響いてほしいはずの人なんですけどね。
遥は不思議でなりません。十亀は遥が嫌うダサイことをしていた人間です。なのにそんな人間とするケンカがとても心地よいのです。戦う相手にまっすぐな目を向けられて名前を呼ばれたのは初めてでした。
十亀はそんな楽しそうな遥かに笑います。
飛び蹴りで互いに一撃食らわせ、倒れ込む二人。十亀が「ケンカは心地の良いものだったんだね」と今気づいたようなことを言います。遥も初めて気づいたと返します。
そして……最後の一撃。
拳をかわしあい、あの雨が降った日……十亀は兎耳山とこうしなければならなかったのだと……十亀は気づいたのでした。
向き合わず、逃げた。我を通さなかった。

十亀が遥に感謝して……拳を解いた……?

獅子頭連に正義はなかったですし、けじめでしょうね。
倒れ込み、ギブアップだと言う十亀。
で、アイキャッチ。
沈んだ太陽には響かない
獅子頭連のメンバーたちは信じられませんでした。十亀の強さをよく知っているからこそ、ギブアップと彼が言ったのは聞き間違いかとざわつきます。
ですが戦った遥としては、最後の一撃。十亀が当てる気がなかったことに気づいてます。なぜわざと負けてるんだと、満足そうな顔の十亀に言い募ろうとしますが、兎耳山が出てきました。
つよいねーと遥を褒める兎耳山。次の戦いをしようと急かしてきます。
そんな中、十亀は気絶したわけではないらしく、自分たちに正義はなかったからもうやめようと兎耳山を静止しようとしますが……兎耳山は容赦なく十亀を蹴り飛ばしました。負けたのだから黙っていてよと、あれだけ仲良かったはずの十亀にももう興味なさそうです。
遥が兎耳山の襟首を掴み上げて殴りかかります。兎耳山は楽しそうにその拳を待っているようです。

殴ってくれたら喧嘩できるもんなぁ。
ですが梅宮が遥の拳を止めました。
梅宮は十亀と会話できて良かったと、遥の行動を見て言いました。
十亀は気絶したわけではなかったみたいで、梅宮は笑顔で「あとは任せてくれ」と言い、十亀は苦笑しつつステージを降ります。
遥は苛立ちつつもその場を梅宮に任せます。
知っているのに知らない光景
梅宮に背を向けながら、遥は苛立って仕方ありません。誰かがやられるのは見慣れていて、しかもその相手は少し前まで自分と戦っていた相手。敵対していた相手です。怒る必要などどこにもないはずでした。
わからないことだらけです。
会話ができたようで良かったと言われても、拳の言葉なんて遥は聞こえませんでした。
ふらついた遥を楡井が抱きとめてくれます。

ん~、これは腐女子にも人気そう……。

突然めたい事言うなよ!
柊が遥に声をかけます。遥が、最後。手を抜いた十亀に怒っていたからでしょう。気に食わないと遥が思うのも分かるという態度ではありますが、同時に柊は十亀の気持ちもわかるようで「十亀なりのけじめ」と教えてくれます。
そして「よくやった」と褒められて、照れる遥。

遥の照れ頂きました! ケンカシーンだし無いかなと思っていたので嬉しいです。
兎耳山が「やっと喧嘩できる」と梅宮に話しかけます。梅宮は兎耳山に「さっきの喧嘩を見てなにも思わなかったのか」と問いかけました。
しかし何を問われているかわからない兎耳山に、梅宮は額を押さえました。そこまで深刻だったかというように。
ただしここ、表情がわからないカメラワークなんですよね。だからこそいいといいますか。声優さんの声の雰囲気で感情を読めると言いますか。声がより生きるといいますか。
やがて頭を上げた梅宮の顔がアップになるんですけれど、これは今まで見せていた気の良いお兄ちゃんという雰囲気ではなく……どこか冷たい顔で「残念だ」と語る彼の声も雰囲気が異なります。
建物の外では相変わらず雷……かと思いきや、雨が振り始めました。兎耳山が足を踏み外した時と同じ、あの雨の日のように。
兎耳山は何が残念なのかわかりません。ここで稲光で兎耳山の半分がちかちかと照らされるのが、なんとも不気味。
梅宮が兎耳山を見下ろす目も怖いですしね。
分からないことを「いいや」と放置してずるいといいました。ボウフウリンには強い子が多いと。獅子頭連は弱い子ばかりで自分が自由になれないと。
楽しくないと言う兎耳山に、獅子頭連のメンバーたちは兎耳山に「弱い奴ら」と思われていたと知ってショックを受けている模様。十亀がそこらへん統制して下には分からないようにしていたのでしょう。

ちらっと映った観客席に座る十亀の表情よ……。
兎耳山は梅宮に勝ったら梅宮もフウリンも手に入ると嬉しそう。梅宮が楽しそうなのはフウリンのテッペンで自由だからだろうと思う兎耳山。そんな梅宮やフウリンを手に入れられれば今度こそ自分は自由になって楽しく生きられるんだと信じてました。

今度こそ、というのは獅子頭連のトップになっでも楽しくなかったという経験からですが……なぜ楽しくないのか分かっていないなら一緒でしょうね。

退屈な日々が終わる、なんて言っている間は無理だろうなぁ。
よこせと叫ぶ兎耳山はキチガイっぽい顔してて、個人的には割と好き。
そして始まるトップ同士の喧嘩。小柄ながら変幻自在、という感じの兎耳山の攻撃を受け止めていく梅宮。
蘇芳も目が点になった顔で「メチャクチャな動き」と言ってるのでそうとうでしょうね。楡井に至っては理解できずに石化してます。
柊が言うには兎耳山は獅子頭連史上、最年少で頭取になったんだとか。やっぱり見た目通り、幼いみたいですね。
遥は一人悔しがってました。自分の実力はまだまだだということ。一応、十亀との戦いも勝ったことにはなってますが……純粋な実力だけで考えたら十亀の方が上っぽい雰囲気ですよね。

最初完全に負けてましたし……途中から獅子頭連に正義がないことを十亀が知って……いろいろとズレが出てきた感じありますしね。

しっかし兎耳山の動きは本当に面白いな。まさしく身軽。型がないように見える。
動きが派手な兎耳山に対し、梅宮の動きは静かですし声も落ち着いてます。
そのままだと「しんどいままだ」と言ってくる梅宮に兎耳山は苛立ちます。何を言われているかわからないからです。子供の癇癪のように「分からない」と叫ぶ彼に梅宮が一撃加えるんですが……。
ここの白黒の描写がとても迫力あるのでこれはぜひ↓本編↓へ!

うおおおっぞわっとする迫力だぜ!
兎耳山は一撃を避けた……はずでしたが鼻血が出ます。それだけ威力があったのでしょう。
で、兎耳山は「わからないやつには100%負けない」、とシリアスな顔で言い切るのでした。

最後の可愛いおまけではアクロバティックな動きについて話してますが、今回も……遥可愛いです。
まとめ
ということで今回はようやく遥VS十亀戦が終わり、大将戦が始まりました。梅宮の安心感半端ない。

しっかし……遥、ぼろぼろだな。片目腫れてて開いてないし、血だらけだし……今までの中で一番重症だな。
戦った相手がほかよりも段違いで強いですしね。あと、今まで遥が戦っていた相手が杉下を除いて格下でそんなに怪我してこなかったのもあるでしょう。今までとの差が大きいから余計にボロボロに感じるかもですが……ケンカアニメなんで考えれば当然は当然ですよね。
むしろ今までそういうシーンが少なすぎたとも言えます。
遥もまた今まで知らなかったことを知れて……一つまた大人になった感じがありますねぇ。いいねぇいいねぇ、育っている。
そして今回で戦いのバトンタッチがあり、ついについにこの獅子頭連編? も完結へ向かっていくのかという感じになってきましたね。どういう終わり方になるのかが気になるところですね。
兎耳山はどうやって過ちに気づくのか。
気になるお話はまた次回に!

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

まったなー!
こんなにもケンカでしっかりと動き回る上に絵がキレイで見やすく、比較的軽い気分で見れるケンカアニメを見たくなった方は↓本編↓へ!
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