【読み切り】卯の花曇りのバス停で――心の奥が爽やかな気持ちになる、そんな一瞬を切り取ったお話【ネタバレ感想】

心が爽やかな気持ちになる、そんなお話を読みたくはないですか?
ということで、今回のLaLa6月号(25年)に乗っていた読み切りのお話が良かったのでご紹介!
それが『卯の花曇りのバス停で』(著者:はるはら成葉先生)。
絵のタッチは柔らかめで少女漫画っぽい雰囲気はあるものの、キラッキラした感じではないので落ち着いた雰囲気で……なにより爽やか。
物語はいきなり始まる感じなのですが、無理矢理感はなくて表紙にいた二人がすぐに会話するシーンに移り……多くの登場人物もなくシンプルだけど自然で、物足りない感じもなく。
読み終わるとなんだか心がほかほかスッキリして『読んで良かったな』と思えた作品。

こんなにも爽やかな青春……おばちゃんは経験したことないですが。

お前さんの経験は誰も聞いてない!
けど……たしかになんか見ていて心地がいい感じの話だったなぁ。
なので感想を書いていきたいのですが、なるべく直接読んでの感動を味わっていただきたいのでネタバレは最低限……にしたいけど全くネタバレ回避もできないので気をつけてお読みください。
これらの話聞いて気になった! 私も爽やかな気分になりたい! という方は先に↓本編↓を御覧ください。月刊LaLa25年6月号です!
はるはら成葉先生の単行本ないかと調べましたが、まだルーキーということで見つからず……今後に期待!
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あらすじ
清涼剤みたいな?
クラスも部活も違う男子生徒、吉野と一緒のバスに乗って早めに投稿している宇津木(うつぎ)。
特別な会話をするわけでもなく、一緒のバスに乗り、学校に着けば吉野は部活の朝練へ向かい。吉野は自主勉強をする。
そんな日常に陰りが差し掛けたのは……バスの時刻表改定についてのお知らせだった。
今までの時間がなくなり、更に早い時間かもう少し遅い時間か。吉野は朝練のことがあるので早い時間に乗る。宇津木は遅い時間で十分間に合うが……吉野の彼女でもない宇津木には吉野と同じ早い時間のバスに乗る理由はなくて……?
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おすすめのポイント
- タイトルと名前の意味
- スマホで調べたらすぐわかる現代だからこそ!
- 表情と雰囲気が語る気持ち
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タイトルと名前の意味
このお話のタイトル『卯の花曇りのバス停で』は、その名の通りバス停での話ではあるんですが、他にもちゃんとタイトルがかかっていて……それが良いんです。

主人公ちゃんの名字『宇津木(うつぎ)』が卯の花を意味している、というおしゃれなところから二人の物語が始まるんですよ!
卯の花は聞いたことあるんですが、実際どんな花か知らなくて調べたら↓きれいな白い花の写真↓出てきました。


おおっ!キレイだな!
普通に草原とか山とかに生えてるそうです。卯の花は食べる方しか知らなかったのでいい勉強になりました。
ウツギの花言葉は「秘密」「古風」「風情」「乙女の香り」だそうで……なんというか、全部このお話にピッタリな花言葉でした。
ヒロインちゃんとお相手くんが互いに感じている秘密の気持ち。吉野が花を知ったきっかけが祖母であり、それを知らせる方法は現代の利器スマホではなく、その景色自体が風情あり。そして乙女の香り……恋する乙女の宇津木ちゃんを示しているようです。

どこまで先生が考えてらっしゃるかは分かりませんが、全部にかかっているのではと妄想したくなるような、綺麗なタイトルと主人公の名前が素敵でした。
ちなみに初夏の花らしいんですが、そこもなんか爽やかでいいですね。
スマホで調べたらすぐわかる現代だからこそ!
今から一年ほど前の入学したての頃。まだ知り合いとも呼べない二人はバス停前でバタリと遭遇します。制服で互いの学校が同じなのはわかるでしょうが、特に繋がりない相手となると……。

すごくコミュ力高いやつとかでない限り、ちょっと気まずい感じあるよな。わかるぜ。
なんですが、男子生徒吉野は宇津木のことを知っていました。考査結果が貼り出されでもしていたのか、宇津木の名前を見ていいなと気になったようです。
彼の祖母がウツギを育てていたからその名前が花の名前でいいなという話をしますが、宇津木は花の名前だと知らなくて、スマホで調べようとします。

ここで吉野がそれを止めさせて、近くに生えているウツギのもとへ連れて行くんです。これが良いんですよ!
スマホで調べたらたしかにすぐ出ては来るんですが……。
直接見た。連れて行ってくれた。そんなことが宇津木の中で心に残る……そこから吉野のことが気になるんですね。
まぁ現実世界で急にこんなことされたら変な人になるかもなので気をつけないとですが(笑)。

でも吉野。名前を見ただけなら主人公が宇津木だとはわからないよな?ということはそこから気になってた……?

どうでしょう?読み切りにはそこまではありませんでしたが……吉野視点もちょっと見てみたいですね。
とにかくそんな感じで、二人が仲良くなるきっかけがおされで、一目惚れとはまた違う感じもいいです。ここの主人公の台詞も良い。
これで好きになったとかではない、と言ってるんですが……っくぅ~~~!
具体的に台詞を聞きたくなった方はぜひとも↓本誌↓で!
表情と雰囲気が語る気持ち
台詞の言い回しも柔らかくて良いんですが……やはり表情やその雰囲気から伝わるもの……それが物語をどう美しく見せるかに関わってくると思うのですが、個人的にはそこも好きです。

いくつかおすすめしたいポイントがコチラ!
- 吉野の後ろ姿
- 宇津木の朝の自習
- 吉野の宇津木を見る目
1つずつ行きましょう!
吉野の後ろ姿

後ろ姿って……出会った時のか?
これがね。事あるごとに吉野の後ろ姿が描かれるんですよ。で! この良いところが、後ろ姿が映るからと行って、吉野の後ろ姿についてしつこく台詞が付いてくるわけでもなく……ただ、宇津木の心のなかに刻まれていたのを思い出してるのかな、と思わせてくるような自然な感じで吉野の後ろ姿が描かれます。
宇津木から見た吉野の姿だからか、その後姿はどこか暖かく描かれているようにも……個人的には感じました。

そしてこのお話の最後は……二人の後ろ姿とバス停! いいですねぇ!
宇津木の朝の自習
早く学校に来る宇津木は何をしているのかと言うと……発展クラスというのもあり、自習を頑張っているようです。
ですが他の生徒達が自習室(エアコン完備で防音)を使うのに対し、宇津木は教室で1人自習をするんだとか。
吉野はなぜと問いかけます。

たしかになぁ……自習なら静かなのが良さそうなのに。
この理由が良くて……外から聞こえてくる部活の朝練の声を聞くと、やる気になる。

ポイントはこれを語る宇津木ではなく、吉野の表情や反応です!
宇津木から教室で自習をする理由を聞いた時の表情。それと朝練している最中に教室を見上げて、宇津木を見た吉野の……。
くぅう~~~! 五臓六腑にしみわたる!

酒でも飲んだのかよ!

お酒代わりの良い青春いただきました
ちなみにこの自習している時の宇津木の顔は全部映らないし、それを見た時の吉野の表情も口完全に映らないんですが、そこが良い! もう一杯!
吉野の宇津木を見る目
そしてこれは物語最初から最後までなんですが……吉野の宇津木を見る目が優しい。ひたすら優しい。

こんな目をしてる男の子見かけたらおばちゃん応援したくなるよ。しかも女の子側もまんざらではなさそうだし。
このバスに乗って二人をそっと見守りたい。

変態がここにいる!
見守ってるだけです!
吉野は終始そんなに大きく表情を変えることはなかったんですが、ずっと微笑んでいて優しいいい子なんだろうと伝わってきます。宇津木が惹かれるのも仕方ない。
表情を大きく変えたのは、宇津木に告白された時で……。

この告白の返事もいい。教室に行った時の話とかもあるんですが「(バスの席の)隣座ってよ」という答え方が良い!
すいません。告白の台詞だけは辛坊タマランで言っちゃいましたが、これに続く台詞もいいので、ぜひとも全貌は↓本誌↓でご確認ください!
まとめ
はい! ということで最初から最後まであっさりと、けど気持ちが爽やかな感じになって……気分が前向きになる、そんな青春のお話でした。
個人的に久々に刺さった読み切りです。ぶっ刺さってクリティカルヒット! 描いた先生は期待のルーキーということで、私も期待して全裸待機!

全裸はやめろ!誰得だ!
そうですね。風邪も引くので止めます。
そんな冗談はともかく、言葉回しや全体の雰囲気、そして流れ……何よりもタイトルがおしゃれで素敵。
ぜひともその目で確認して、爽やかな気持ちになってみてください。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!

まったなー!
ウツギの花が咲く初夏のように爽やかですっと心が軽くなる、そんな二人のお話を見たくなった方は↓コチラ↓で!
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