【死に戻り令嬢のルチェッタ】第15話――どちらが本当の君なのか。そして自分が好きなのは……【ネタバレ感想】
死に戻り&ツンデレ令嬢のルチェッタは、一度目の死の原因となった婚約者を嫌っていたものの彼の本当の姿や気持ちを知り、そしてついに恋に落ちる……ものの、結婚してしまうとまた自分が死んでしまうという未来が待っているので素直になれず。
というのが今までの全体の流れですが、前回はカイルがルチェッタの正体に結びつきそうな代物をゲットしてしまい……いやでも私個人は「カイルはなんだかんだとポンコツなところもあるからまた変にすれ違うんだろうな」と思っていたら、なんと今回!
また変にこじれます!
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前回のあらすじ
ルチェッタ、意外とドジっ子で可愛い。
酔いから覚めたルチェッタ。記憶が曖昧で、乱れた衣服からとんでもない勘違いをして、カイルを避けてしまう。
カイルは混乱していた。婚約指輪をなぜ指にはつけていないのにネックレスにしているのか。しかしルチェッタに避けられていて聞くことが出来ない。
困ったルチェッタはエリーナに相談しようとするが、さすがに口にできずにいると一度目の人生とはいろいろと変化が起きていることを悟り、そろそろ占い師をすることもできないと理解する。
しかしそれでももう少しだけ、カイルと気軽に接することができる占い師という立場を捨てることが出来ない。
そんな中で占いにやって来たカイルはルチェッタに励まされて元気を取り戻すが、彼女が留守の時に占いの場所を訪れた際に婚約指輪のネックレスを拾うのだった。
前話より
カイルは一体どうする?
今回のポイント
がっつりカイル視点!
- おちゃめなルチェッタ
- 本当の顔に迫るカイル
- カイル、この状況を逆手に取る
商会長がランクアップしました。
悩むカイルとクールなショタ
ルチェッタが落とした婚約指輪を机の上に置いて眺めているカイル。
正体不明の占い師。初対面の時からルチェッタと自分しか知らないことを知っていたり、的確にいろいろと当てたり。
カイルは脳裏に一つの可能性が思い浮かぶものの、いやいやと否定します。凄腕の占い師だからだ。だからこそルチェッタも占いに行ったんだ、と。
あー、まぁ。状況的にルチェッタかなぁとか思っちゃうよなぁ。
現実逃避しようとするカイルに対し、ロイ(カイルの助手であるショタ)は以前からルチェッタ=占い師ではないかと疑っていたとあっさり言います。彼はカイル以上にクールですね。
良いキャラしているので、どういう経緯でカイルのところにいるのかとか、彼の話もみたいですね。
ロイは占いを信じていないから元々そこまで当たるのには何かしかけがあるだろうというのと、初めて会ったにも関わらず「この前の」と小さくつぶやいたりしていたから、と。
やはりバレてたんですね。
それでもカイルは「山火事とかいろいろ当てている」と自分のこと以外についても言いますが、ロイは冷静で「他に仕掛けがあるんでしょう」と一言バッサリ。
カイルは冷静にしっかりと考えていきます。まさかと。そもそもそんなことをする理由は、とで思い出します。占い師が――婚約破棄したい、と言っていたのを。そしてその時、自身が「最低な男だな」と返していたのを。
お前だよ。
そして自分がルチェッタのことを好きということが本人にバレていて、その上で婚約破棄したいと思われている……この事実だけみればどう考えても「嫌われている」になります。
気づいちゃいましたね。
まぁ、昔と違って今では両思いなわけだが……客観的な事実だけ追えば「嫌われている」になるわな。
カイルは冷静に状況を口にします。ルチェッタはカイルと分かれたいがためにその資金をカイルから巻き上げている、と。
ロイも言っていますが、あらためて文章にすると中々にエグいですね。だってルチェッタはカイルが自身のことを好きだと分かったうえでしているわけですし余計にエグい。良心の呵責にはかられてましたけどね。
それでもなんとかカイルは否定します。自分の知っているルチェッタはそんなことはしない、と。
自分の知っている顔、知らない顔
一方、指輪を無くしたルチェッタは大慌てで部屋中を探し回っていました。侍女にもう一度探すように言ってますが、もう何度も探したみたいです。大切なんですねぇ、などとからかわれています。
そんな時に、カイルがやってきます。
カイルはルチェッタは自分を騙したりしないという確信を得るためにやってきたわけですが、ルチェッタの身だしなみが乱れていたり、部屋を掃除中なのをみて何かを探しているのか、と意図せずカマかけみたいな質問をしてしまいます。
一方でルチェッタは焦ります。何せ彼女からしたら婚約指輪を無くしている状態で、当然ながらカイルが持っているなど知りません。
焦りを隠しつつ何も探していない。指輪は引き出しに入っている、などとあっさりと嘘を付くルチェッタにカイルは衝撃を受けます。何せ彼が指輪を持っているので嘘なのは明白です。
ルチェッタとしては無くしたと知られて嫌われるのが怖いというのがあるわけですが
カイルからしたらただただ嘘つかれてるだけだな……うわぁ、相変わらずすれ違ってんなぁこの二人。
ショックなカイル。そのまま帰ってしまいます。ルチェッタは理由がわからず唖然としますが、とりあえず指輪をなくしたことを知られなくてよかったと安堵します。
いやそのカイルが持ってるから!
ルチェッタという女性について
クラブに参加したカイルはずっと考えていました。彼女は嘘をつかない、とカイルはずっと思ってきたわけですが今までもあんなふうに嘘をつかれていたのか、と。それを信じたくないかいる。
そんな彼のもとにやってきたのはルチェッタの幼馴染フェリーク。カイルがいることを意外そうにしながら近くに座ってきました。まぁフェリークも進んでカイルと話したいわけではなくとも、名家のものとして挨拶してくる人達が多いのでそれに疲れたようです。
話はやはり、二人の共通の話題、ルチェッタのことになります。
カイルは営業スマイルで「問題ない」と告げるもののフェリークからしたらとてもわかり易い嘘でした。相変わらずルチェッタに関してはポンコツになるみたいです。
と、カイルはフェリークがルチェッタの幼馴染であることを思い出し、彼の目から見たルチェッタはどういう人間かを聞きます。
フェリークは子供の頃のルチェッタとのやり取りを思い出します。結婚してほしいといったら、互いに跡取りだから無理だとあっさり言われたこと。ルチェッタは「家のためになる人と結婚する」と言っていたこと。
なのにおとなになったルチェッタは、婚約者であるカイルに対してフェリークが見たことのない表情を見せたのです。とても感情的な……いつも自分を律していた彼女の姿しか見てないフェリークからしたらとても衝撃な姿。
フェリークは「内緒だ」とそれ以上語るのを止めました。自分の目で確かめろと言います。
カイルの目から見たルチェッタは……。
読者目線からすると、ちょっと美化しすぎてるところはあったもんなぁ。
誇り高くて高潔なルチェッタは自分の思い込みだったのかと悩みながらカイルが歩いていると眼の前に当人が……屋敷の壁を超えてでてきました。どてっとコケています。
占い師の姿で!
タイミングよ(けらけら)
カイル、決定的瞬間を目撃して言い訳のように否定することもできなくなります。
あまりのことに頭が追いつかないカイル。屋敷から外てでていくルチェッタはとても雑で、むしろ今までよくもバレなかったなと思うカイルは、そのままなんとなく後をつけていきます。
カイルに見られていると知らないルチェッタは屋敷にないなら占い師のところで落としたに違いないと指輪を一生懸命探してます。内情知っていると健気ですが、知らないカイルからしたらショックでしかありません。
いやでも本当にルチェッタだろうかとまだ疑うカイル。自分の知っているルチェッタ像とのギャップにまだ頭が追いついてないようです。
ルチェッタは町中を歩き、住民たちにもネックレスを見なかったかと聞いています。すっかり顔なじみになった女性からもらった果物を美味しそうに食べて、笑っている姿を見たカイルは……『いつでも誇り高く孤高で貴族であろうとする』のがルチェッタだったと思っていました。
ですが眼の前ではただ普通の女の子のように住民たちと接しているルチェッタがいて……自分の見たいものだけを見ていたのかと。だからこそ自分は彼女から拒否されるのかと落ち込んで。
実際これはありえますよね。人間、ついつい見たいものだけ見て見たくないものからは目を背けちゃいますから。
だなぁ。
そしてそれは、ルチェッタもそうだったんだよな……。
凹むカイルでしたが、そんな彼の眼の前でルチェッタの財布を取ろうとする少年がいました。
自分が好きになったルチェッタ
直前でルチェッタ本人が気づいて少年の手を掴みます。財布を盗ろうとしただろうと正面から聞き「悪いか」という逆ギレに「悪い」とこれまたストレートに言います。
貴族としての価値観で対応しては火に油だから危ないとカイルは飛び出ますが、ルチェッタはそのまま少年に語りかけます。たしかに自分は何も知らないと認めてから
「でもあなたのような境遇で
でも沢山努力して
街や人々を助けている
そういう人を知っているわ」
カイルのことじゃねえか!
カイルは目を見開き、何もできぬままルチェッタの言葉は続きます。彼女は財布を少年に渡します。いつか返せと、自分で自分をあきらめるな。矜持を忘れてはいけない、と。
少年は財布をもってそのまま去ってしまいますが、カイルはもううつむいてはいませんでした。
だって、やはりルチェッタは、カイルが好きになった彼女そのものでしたから。
思わずルチェッタを抱きしめてしまうカイル……一応、占い師の姿なのでセクハラになってしまいますが、そこを指摘するのは野暮でしょう。
ルチェッタは当然驚き、ついカイルと呼びかけて言い直しています。カイルは謝って、ふらついたことにしました。
そして自分の知っている彼女と知らない彼女、もっと知りたいと思うのでした。
カイル、成長する
ロイは話を聞き、占い師の方も好きだと告白してハッピーエンドかと聞きますが、カイルは否定します。あの後、何も言わなかったみたいですね。
んん?なんでだ?
冷静に分析して、占い師として自分の気持ちを知ったうえで婚約破棄したいということは、告白しても望みがないから、と。
なのでもっと占い師と交流をつもうと思ったみたいです。なにせ、ルチェッタの方には避けられがちでも、占い師の方ならお金を払えば会えるから。
なるほど……それと騙されていたのを少し怒っていたのもあるんだな。
お金を払い続ける限り、ルチェッタはカイルから離れられません……カイルほど良い客もいないでしょうしね。
自分を好きになるまでお金で囲う、と開き直ったようです。
クールなロイくんの唖然とした顔が個人的にはツボでした。
もうすでにルチェッタはカイルに惚れてるんだがな……また変な勘違いが起きてんなぁ。
この互いの勘違いがどうなっていくのか。これからも見守りたいですね。
まとめ
ということで、占い師の正体に気づいてハッピーエンド……かと思いきや、またまたおかしな勘違いが起きて、まだまだ占い師家業も続きそうな予感。
ですが大分未来も変わってきたことで占い結果にも変化でそうですし、そうなるとトラブルも起きたりするかもですね。
それに婚約破棄のためのお金は占いだけでどうにかなるものではないでしょうし、そこをどうしていくのか。そもそもなんで結婚式であんな自体になってしまったのか。
そしてカイルはいつになったらルチェッタの気持ちに気づくのか。
ルチェッタが自分の気持ちを知っている、と気づいたらあの普段の態度も変わったりするんですかね?
どうだろうなぁ……ルチェッタに関しては本当にぽんこつだからなぁ。
その態度の変化があるかも、次回のお楽しみですね!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
まったなー!
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